黒子のバスケ〜努力の天才   作:マニック

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第50Q

時は移り、4月。

新入生が期待に胸をふくらませ、ここ帝光中学に入学する。もちろんバスケ部にも多くの新入部員が入ってきた。

 

新「すげえ。なんであんな動きができるんだ!?」

現在、新入生は瑠璃と青峰の1on1を見学している。その動きはもはや中学の域を超えていた。

赤「うちに入るならよく覚えておくといい。”アレ”が現在中学バスケ界最強の人だ。」

 

瑠璃はその頃すでに”ゾーン”を完璧に使いこなしていた。しかし、それを公式戦で使えた試しはなかった。

その風景を見ていたのは、新入生だけではなかった。

 

男の名前は黄瀬涼太。

見たものならなんでもそつなくこなすことができる。

黄「顔よし、スポーツよし、勉強も、、、まあよし。つまんねえ人生っす。誰かいないんすかねえ。俺を燃えさせてくれるやつは。」

そんなことを考えていたときであった。あの1on1を見たのは。

 

青「まだまだあ!!」

青峰は全力のドライブで瑠璃を抜きにかかる。しかし、それも”ゾーン”に入ることができない青峰には不可能であった。

瑠「甘いっ。」

瑠璃は軽く青峰の持つボールを突く。いつもならここで終了。そのはずであった。

青「いつまでも下にいると思うなよ!!」

青峰は無理やり態勢を崩しながらもシュートを打った。

瑠「おっ。」

放たれたボールはリングを3回転した後でネットを潜る。

瑠「いまのはよかったな。若干フォームはバラバラだけど。」

 

衝撃だった。自分が見ただけで真似できないと思った動きをしている奴が二人もいた。

黄瀬はすぐさま、バスケ部に入ることを決めた。

 

 

黄瀬は入部してから二週間で1軍にきた。

黄「まあ、俺なら余裕っすね。はやいとこレギュラーに、」

ガシャンッ

青峰がダンクを決める。

シュッ

緑間が3Pを決める。

バチ 

赤司がボールをスティールする。

黄「まだまだ遠そうっす。」

 

桃「あ、君が黄瀬君?監督から聞いてるよ!二週間で一軍ってすごいね!」

黄「まあ、ありがとっす。でも一軍はレベルが違いそうっすね。先が思いやられるっす。」

黄瀬は本心からそう思った。はたしてここでレギュラーになれるのか、と。

桃「はは。まあうちは一応全中優勝校だしね。」

瑠「さつきー。そいつ誰ー?」

そこに瑠璃が参加する。

桃「あ、瑠璃さん!期待の新人、黄瀬涼太君です!!」

瑠璃は黄瀬の全身を下から観察するかのように見る。

瑠「才能はあいつらに並ぶかもな。まあ、なにはともあれようこそ”一軍”に!!俺は3

年生の黒金瑠璃だ。よろしく。」

これが黄瀬涼太と黒金瑠璃の初対面であった。

 

黄瀬は瑠璃のことをレギュラーだとはこの時思えなかった。瑠璃の醸し出す雰囲気は試合のそれとは別物であった。端的に言えば、優しすぎる。それが黄瀬が瑠璃に抱いた第一印象であった。

 

黄瀬が一軍に入ってはや一週間。この頃から、黄瀬は誰のレギュラーの座を奪えるか考えていた。

黄「(まあ、あの3人は無理っすよねえ。最近じゃキセキの世代なんて呼ばれてるし。で、あの瑠璃って人は3年だし無理。やっぱ奪えるとしたらアイツっつね。)」

アイツとは無論、その時レギュラーでありながら練習をサボり続けていた灰崎祥吾である。

黄「灰崎君、ちょっといいっすか?」

黄瀬はさっそく灰崎にけしかけた。

灰「あ?なんだよ?」

黄「レギュラーの座を賭けて、俺と勝負してくんないすか?他の人にはまだ勝てそうにないんで。灰崎君になら勝てそうなんすよ。」

無論灰崎は眉間にシワを寄せながら勝負を受ける。

しかし、黄瀬はその勝負に負ける。以後、黄瀬が勝負に勝つことはなかった。

 




コメント欄にも書きましたが、この作品を年内に完結させます。
まず、第1ターム(11月10日~17日)帝光過去編~3、4話
   第2ターム(11月18日~25日)緑間VS青峰~4、5話
   第3ターム(11月26日~12月2日)ウィンターカップ決勝~4、5話
   第4ターム(12月10日)黒子のバスケ~努力の天才 完結
とします。日程のズレは多少起こると思いますが12月10日には完結させます。
これからもご愛読お願いいたします。

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