福田総合対誠凛の試合
第1Qは石田の活躍により福田総合が若干のリードをしていた。しかし、この第1Q相田リコは福田総合の弱点が見えたと考えていた。それは。
リ「福田総合の弱点はずばりセンターよ!」
誠凛の監督である相田リコは高らかに宣言する。そして、木吉の方を見ながらさらに続ける。
リ「センターの鶴野君はあまり身長もないし、目立った得点力もない。次のQは鉄平中心でいくわよ!!」
木「ちょっと待ってくれ。」
木吉がめずらしくリコに反抗するような声を上げる。誠凛にとってはめずらしい事である。
日「どうした、木吉?お前のところから攻めるのに何か不都合がるのか?」
木「あいつは、鶴野は弱いセンターじゃない。」
リ「そりゃ、全国に行く高校のセンターだから並の選手よりは上よ。でも鉄平とくらべたら。」
木「いや。鶴野のディフェンス力は全国でもトップクラスだ。次のQ、もし俺のところから連続で得点できなかったら、タイムアウトを頼む。」
リ「う、うん。」
リコは木吉の迫力に負けてしまい、要求を飲むこととなった。
一方、福田総合
石「誠凛はおそらく、次のQで木吉中心で攻めてくる。無冠の五将の”鉄心”だ。鶴野行けるか?」
鶴「ああ。灰崎や瑠璃に比べたら全然いけるよ。まかせとけ。」
灰「調子よさそうっすね?鶴野さん!!」
鶴野の調子のよさは普通の人には分からない。鶴野はディフェンス特化の選手。バスケットは攻撃重視のスポーツである。鶴野のような選手は注目されない。それでも鶴野は3年間ディフェンスを鍛え続けた。オフェンスならば、石田がいる、瑠璃がいる、灰崎がいる。自分にできることはただゴールを守ることだと自分自身が分かっていた。
鶴「おお!!オフェンスは頼むぜ!」
そして第2Qが始まった。
ボールは誠凛からである。
伊月がゆっくりとボールをつき、ハイポストに位置している木吉にパスを出す。
木「いくぞ!!」
木吉は鶴野をセンタープレイで押し込んでいく。しかし、ある程度進むとびくともしなくなる。
木「(くっ。やはり、こいつ重心の置き方がうまい。今まで見た中で一番うまいかもな)」
鶴「無冠の五将だかなんだか知らねえが、瑠璃や灰崎にくらべたら全然だな!!」
木吉はフックシュートにいく素振りを見せる。鶴野はそれに反応してしまう。
しかし、ここからが木吉の真骨頂。通称”後出しの権利”。
木吉は鶴野がブロックに跳んだ裏から火神にパスだす。そのパスは誰にも反応できない、はずだった。
鶴「くっ」
鶴野は反射的にボールにチップしてコートの外へ出す。
火「なっ!?」
それをパスを受けるはずだった火神が驚く。いままで”後出しの権利”によるパスには助けられてきた。それを防がれるなど、考えてもみなかった。
木「すごいな、お前。あれに反応するのか。」
鶴「いや、なに。うちにはフックシュートをまるで基本の技術みたいに打つ化物がいるからな。フックシュートからの一連の動きは多方勉強済みなんだよ。」
チャージドタイムアウト、誠凛高校。
リ「鶴野君のところから崩すのはあきらめるわ。軌道修正するわよ!!黒子君と火神君の連携で点をとりつつ、様子見よ。いい?」
火「うす!!まかせろ!!ですよ。」
黒「わかりました。火神君、灰崎君とやるときは、キセキの世代とやるつもりでいってください。今の彼は、おそらくキセキの世代と同等です。」
火「分かってるよ。明らかに1人だけ空気が違う。はじめから全力でいくぜ。」
リ「よし。いってこい!!」
ボールは誠凛から始まる。
予定通り一年生コンビである黒子と火神がオフェンスの起点となる。
黒「火神君!!」
キセキの世代、幻の6人目の十八番の見えないパスが決まる。
火「ナイスパス!!」
火神はゴール一直線に走り出す。しかし、灰崎だけはこれに追いつく。
灰「そう簡単にいくわけねえだろ。こい。火神。」
火「 (やっぱ、こいつ。他の奴とはちげえ。雰囲気が似てる。アメリカで見たことのある、ストリートに奴らに!!)」
灰崎は火神の思考の間に、ボールを取りに来た。火神はそれに対応して、灰崎を抜きにいく。
火「なっ!?」
灰崎は尋常ではないスピードで、一度抜かれてた後さらに火神に追いつく。
灰「どうした?一度抜いたらもう勝ったと思ったのか?」
火神はここで伊月にパスを出す。
石「リバン!!」
結局、誠凛の攻撃は灰崎がリバウンドを取った。
石「灰崎!!こっちだ!」
灰崎から石田にパスが渡る。
伊月は石田に追いつく。伊月は石田がぺネトレイトしてくると思っていた。
石「いいのか?そんな深く守って。」
石田は3Pラインで止まり、ストップ&ジャンプで点を決める。
伊「くっ。」
石田には3Pがある。さきほどのダンクでぺネトレイトしてくるイメージを誠凛に植え付けたのである。
ここまでの試合展開は福田総合がリードをしていた。しかし誠凛もここで引き下がるチームではない。
日「走るぞっ!!」
主将の日向がチームを鼓舞する。
誠凛得意のラン&ガン。福田総合はこれに対応できていない。それそそうだろう。チーム1のスタミナを誇り、チーム1のダッシュ力を持つあの男がいないからだ。
そこから誠凛は徐々に点差を縮める。
ラン&ガン+1年生コンビの圧倒的なオフェンス力。全国でも屈指のチームであることは明らかであった。
黒「イグナイトパス。」
火「しゃあっ!!」
火神自慢のダンクが決まる。
ピー-。
ここで第2Qが終了する。
点差は44対42。福田総合は逆転をゆるしていた。
この小説で、黒子のバスケの二次小説ではそらくタブーとなることをやろうと思います。
もしかしたらまったくおもしろくないかもしれません。
それでもやりたいので、やります。
感想お待ちしております。