インターハイ本戦。
海常高校対福田総合の試合がはじまろうとしていた。
選手達は最後の作戦会議を行っていた。
監「今日は黒金が試合にでれない。だが、ここで負けるということはいままで黒金に頼って試合に勝ってきたということだ!そうじゃないだろ?福田総合は全員で勝ってきたんだ!!気合入れるぞ!!」
選「はいっ!!」
瑠「勝ってくださいね。さすがに出れない試合で敗退とか、勘弁なんで。」
石「まかせろ!!な、灰崎?」
灰「ああ。今日は負ける気がしない。」
瑠「(今日のこいつは絶好調、、、かな?ここまで真剣な顔は初めてみたな。こりゃ試合にでれなくて正解か。この試合でこいつの才能が出てくるかも。)」
監督が選手に喝を入れる。
一方、海常は。
監「福田総合はいいチームだが、エースである黒金瑠璃がいなければ得点力は半減だ。あとは、灰崎を抑えるだけだ。黄瀬!!おまえの出番だからな!」
黄「分かってるっすよ。絶対負けないっす。」
黄瀬の顔からはいままでとは違う覚悟が見えた。
笠「っしゃ!!いくぞ!!」
選手達はコートへ出て行く。
客「試合が始まるぞ!!まずは福田総合!!黒金と灰崎のダブルエースを有する全国屈指のオフェンス力を誇る強豪だ!!海常高校はキセキの世代、黄瀬涼太を獲得した全国クラスの強豪!!」
灰「よお。黄瀬。今日はよろしくな。」
灰崎が手を出す。
黄瀬「あんた、そんなやつだったか?いつもみたいな態度でこいよ。今日はあんたと戦いにきたんすよ。」
灰「あんときは俺がわるかったな。すまん。俺は今日、バスケをしにきた。よろしくな。」
黄「かわったすね。正直調子狂うんすけど。まあ、よろしくっす!!」
黄瀬と灰崎が握手を交わす。
そのころ、観覧席では。
桃「青峰君!!どっちが勝つと思う??」
青「さあな。瑠璃さんが出るなら福田総合有利かと思ったが、でれねえなら正直わからねえ。灰崎と黄瀬の能力はほぼ同等だ。どっちが勝つかは、神のみぞ知るってところだな。」
桃「灰崎君とキーちゃんか。灰崎君。なんか変わったよね?瑠璃さんのせいかな?」
青「どうだろうな。まあ、今言えることは灰崎は昔より格段に強くなってるってことだな。」
審「それでは、これより海常高校対福田総合学園の試合を始めます!!」
ピー-!!
ジャンプボールを制したのは、福田総合。
いつもなら、すぐに瑠璃にボールが回るのだがいまはいない。福田総合が選択したのは灰崎であった。
石「灰崎!!」
灰「うす!!」
黄「させねえっすよ!!」
灰崎と黄瀬が対峙する。
灰「まあ、まずは様子見ってとこかな。」
灰崎は黄瀬を抜こうと基本の動きで揺さぶるが、さすがにキセキの世代。
そう簡単には振り切れない。
灰「しゃあねえ。」
灰崎は味方にパスをし、そこから福田総合は安全に一本を決めた。
笠「こっとも返すぞ!!黄瀬!!」
黄「っし。」
今度は黄瀬と灰崎が対峙する。
灰「ふう。こいよ。」
黄「相当練習してきたみたいすね。そんな構え、帝光時代はできなかったっすよね。」
灰「まあ、あんな練習する先輩がいればな。」
黄「本当は青峰っちとやるまで温存しとくつもりだったんすけど。」
灰「っ!?」
次の瞬間。
灰崎には黄瀬の動きが青峰とダブって見えた。型にはまらない動き。変幻自在のドリブル。まさに天衣無縫。
黄瀬は灰崎を抜いて、型のないシュート《フォームレスシュート》を決めた。
黄「俺は負けねえっすよ。誰にも。瑠璃っちさんにも。灰崎。お前にも!!」
黄瀬が青峰の動きを模倣したのはその一回きりであったが、福田総合の動揺を誘うには充分であった。
第1Qは海常高校が黄瀬の活躍により、点数をリードした。