【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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やっとかきあがりました。

オリジナルにすると時間がかかりますね……
しかし、楽しいです♪

この感じなら、【夜鶴シリーズ】として他の作品でも二次創作できそうです!!

もし、リクエストなどがありましたら感想もしくは活動報告などにお願い致しますっ!

そして、作者は皆様からの感想をエネルギーに作品を書いています!
私に感想を下さいませぇ~(涙)


~神様だそうですよ?~

俺とオーミが互いの再会を喜んでいると、十六夜が咳払いをしながら話し掛けてきた。

 

「んん゛!!

……おい夜鶴。その白髪のやつが【オーディン】なのか?」

 

その顔には、ニヤニヤとした笑みが貼り付いている。

十五年振りの俺たちの再会をこいつ……楽しんでるな……

まぁ、原因は俺たちにあるのだが……

 

「あぁ、この娘が【オーディン】だよ。

……でもまぁ、彼女は【二代目】だけどね」

 

「【二代目】っていうのは、どういうことかしら」

 

先程は俺たちのキスを目撃して赤面していた飛鳥が、火照りが収まったのか俺の言葉に疑問を投げ掛けた。

 

「そのままの意味だよ。

この娘のお爺さんが【初代オーディン】。

そしてこの娘がお爺さんから【オーディン】の名を継いだんだ」

 

この話をきいた十六夜は考えるように顎に手を置く。

 

「……じゃあ、あんまり強く無いの?」

 

耀はオーミを見て興味津々に言った。

確かに名前をただ継いだのであれば弱いと思われるのも納得だ。

それが主神である【オーディン】の名前なら尚更である。

しかし、オーミは違う。

 

「……いや、むしろ強いよ。

彼女は【初代オーディン】よりも強い。

だからこそ主神である【オーディン】の名前を継げたんだ」

 

俺はオーミの頭を撫でながらそう伝えた。

さらさらの白髪は、俺の手を止めることなく流れていく。

オーミは、気持ち良さそうな顔をしながらも今更十六夜たちが居るので恥ずかしくなったのか

 

「夜鶴……止めて下さい……っ!///」

 

頬を染め、頭を引きながらそういった。

子供っぽい反応だが見た目にマッチしており可愛らしい。

 

「……なぁ夜鶴。

その白髪娘の名前は何なんだ?

【オーディン】って名前は継いだだけで、真名があるはずだろ?」

 

十六夜は考えがまとまったのか、はたまた疑問が出てきて、スルーできなかったのか、瞳を開いて俺とオーミを見ながら口を開いた。

 

「……良いか?」

 

オーミに向かって短く許可を求めると、コクリと小さく首を縦に動かした。

その仕草がなんとも可愛いのでまた頭を撫でようとしたが、十六夜たちの前であらる上に質問中なので自重することにした。

 

「……彼女の名前は【オーミ】。

神々の中では【最高なモノ】という意味を持つ名前だよ」

 

「【オーミ】か……確か【オーディン】の呼び名(ケニング)のひとつだったな……」

 

十六夜はその名前を聞くと再び顎に手を置くと思考の海へ旅立って行った。

どうやら、疑問ができただけだったようだ。

 

「ねぇ、夜鶴」

 

オーミが俺の服の裾を引きながら名前を呼んでくる。

 

「何?オーミ。

もしかして今は喚ぶタイミングが悪かったかな?」

 

「いえ、それは違います。

……実は先程から私達の後ろで頭を下げて私を敬っている人が居るのですが……」

 

俺はオーミに言われて初めて気がついた。

目前に白夜叉と黒ウサギの姿が無いことに。

後ろに振り返ってみると、そこには案の定白夜叉と黒ウサギの頭を下げる姿があった。

 

「……白夜叉ちゃんと黒ウサギは何をしているの?」

 

俺が当然持つであろう疑問を口にすると、二人は頭を上げて喋り始めた。

 

「しゅ、主神様ですよ?!

むしろ、御四方が主神様に対してフレンドリー過ぎるのでございますよっ!!!」

 

「さ、流石の私も一精霊である身としては主神様には頭が上がらんからな……

主神様に対しての接し方まで普通なおんしたちが少し凄いと思ってしまうぞ……」

 

「あら、主神だとしてもこんなに可愛い娘とは仲良くしたいじゃないの」

 

「私も此処には友達を作りに来たんだから、どうせなら可愛い娘とかと友達になりたいし……」

 

白夜叉たちの言葉に十六夜を除いた問題児である、飛鳥と耀が答えた。

十六夜はぶつぶつ呟きながらまだ何かを考えている。

 

「……夜鶴が此処を選んだ理由がなんとなく分かった気がします」

 

「……そうかい?

やっぱり此処は良い所だろう?」

 

オーミは十六夜、飛鳥、耀、白夜叉、黒ウサギをじっと見詰め、漂う雰囲気を感じたのか俺にそう言った。

オーミが分かってくれたなら……

……こんなに嬉しいことは無いね……

 

 

――――――――――

 

 

「所であなた方は何方なのでしょうか?」

 

オーミは唯一知っている――というか彼氏である――俺の隣で十六夜たちを見ながら言った。

 

「とりあえず、オーミから皆に自己紹介したらどうかな?

知らない人に名前を訊ねる時は自分からっていうでしょ?」

 

「……それもそうですね。

では……初めまして皆様方。

私は、北欧神話で主神である【オーディン】の『二代目』の【オーミ】と申します。

現在は此方に夜鶴よって顕現していますが、私自身やらねばならない仕事などがありますので、此方と【神界】を往き来しますが宜しくお願いします」

 

ペコリとお辞儀をするオーミ。

それを見た十六夜たちはそれぞれ自己紹介を行い始める。

 

「ヤハハ。俺は 逆廻 十六夜 だぜ白髪ロリ。

粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、

用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれるとありがたいぜ主神様?」

 

「私は 久遠 飛鳥 よ。

貴女とは仲良くしたいわ出来れば私と友達になってくれないかしら?」

 

「……私は 春日部 耀 。

私もあなたと友達になりたいな……

駄目かな……?」

 

問題児組は初めて会った時のような自己紹介をしていた。

 

「分かりました逆廻さん。

出来るだけ考えてみますね?

久遠さんと春日部さんの申し出は私も嬉しいです。

此方こそ頼みたいくらいです」

 

オーミは真面目にも三人の自己紹介にひとつひとつ答えていく。

しかし、十六夜よまるっきり初めて会った時の自己紹介は如何なものか……

 

問題児たちの自己紹介が終わり、白夜叉たちの方に視線を向けると、気がついたのか白夜叉が話し始めた。

 

「……次は私の番のようじゃな。

私はコミュニティ【サウザンドアイズ】幹部の白夜叉じゃ。

昔は【白き夜の魔王】と呼ばれておった。

まさか、主神殿と逢えるとは光栄だ。

今後とも御贔屓にして頂けると助かるのじゃ」

 

「わ、私はここ【箱庭】の創始者の眷属であるコミュニティ【ノーネーム】所属の黒ウサギと申します!

今後とも宜しくお願い致しますっ!」

 

「白夜叉さんに黒ウサギさんですね?

此方こそ宜しくお願いします」

 

あまりにも畏まった自己紹介にニコリと笑いながら答えたオーミ。

 

「そして皆さん。

私に対してそんなに畏まらなくて良いですよ?

【オーディン】なんていう大層な名前を継ぎましたがそんなものはただの名前ですから。

宜しければ私とは【オーミ】という一個人として接して頂けると嬉しいです」

 

「「「勿論!!」」」

 

「了解じゃ」

 

「わ、分かりました」

 

「ありがとうございます皆さん」

 

間髪入れずに二つ返事をしてくれた十六夜たちを優しく見詰めたオーミ。

感謝を述べたオーミは、いとも簡単に足元に巨大な魔法陣を展開した。

 

「すみません。

今日はこのあたりで失礼します。

――夜鶴またいつでも呼んで下さいね?

約束ですよ?」

 

悲しそうな、残念そうな、そして寂しそうな表情のオーミ。

 

「あぁ。すぐにでも喚ぶよオーミ」

 

「ふふふっ♪嬉しいです♪

そして、これはおみあげです」

 

そういったオーミは俺に近づいていつも通りキスを――って舌を入れて来た?!

 

「んぅ……はむ……ちゅ……ぷはぁ!」

 

「……ぷはぁ……お、オーミお前……!!」

 

慌てる俺にオーミは悪戯っぽく笑うと

 

「ふふふっ♪

慌てる夜鶴も良いですね」

 

そう言ってきた。

その言葉に俺は負けた気分になり、それに仕返しすることを心に決めた。

 

「……オーミ覚えておいてよ……」

 

オーミの足元の魔法陣が輝き出すと、すぐにオーミの姿は消えたのだった。

 

 

――――――――――

 

 

「夜鶴たちって見た目によらず自重しないんだな」

 

十六夜はオーミが帰った瞬間俺にニヤニヤしながら近づいて来た。

ちなみに女性陣は顔を真っ赤にしているのだが唯一白夜叉だけがはっはっはと楽しそうに笑っていた。

 

「うるさいよ十六夜また【痛よい】って呼ばれたいの?」

 

俺は半眼で十六夜をジトーっと睨んだ。

しかし、十六夜も負けるつもりは無いようで、

 

「いやいや、【ギフトネーム】が厨二病な夜鶴に言われたく無いな」

 

なんて言葉を口にする。

 

「【正体不明(コード・アンノウン)】よりマシだと思うよ?」

 

「【創造者の娯楽(クリエイター)】よりマシだろ?」

 

「「……はぁ?」」

 

一発触発の空気を匂わせる俺と十六夜。

 

「……やるか夜鶴?」

 

「……十六夜こそやるの?」

 

互いに闘いやすいように構える。

そして勝負開始――

 

「このお馬鹿様方がぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

――というところで黒ウサギがハリセンで俺と十六夜の頭を叩き抜いた。

 

「なんなのですかっ!!

そんなくだらない理由で同士内で喧嘩しないで下さいっ!!!!」

 

「ヤハハ。冗談に決まってるだろ?

……なぁ夜鶴?」

 

「うん。まぁ、確かに冗談だよね?

……ねぇ十六夜?」

 

「冗談に聞こえないのですよぉぉぉぉお!!!!!」

 

黒ウサギの叫び声が木霊した。

……俺も問題児たちに影響された気がするのは気のせいなのだろうか……。

 

閑話休題

 

俺たちは用事も終わり時間も時間なので(主に白夜叉を気絶させた夜鶴のせい)コミュニティに帰ることになった。

ゲーム用のフィールドから、【サウザンドアイズ】の店の前に移動した。

 

 

「……今日はありがとう。

また遊んでくれると嬉しい」

 

「あら、駄目よ春日部さん。

次に挑戦するときは対等の条件で挑むのだもの」

 

「当然だ。次は必ず渾身の大舞台で挑んでやる」

 

「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ

…………ところで」

 

真剣な顔で白夜叉は此方を見る。

その眼にお気楽さなど存在しない。

 

「今更だが、1つだけ聞かせてくれ。

おんしらは自分達のコミュニティの現状をよく 理解しておるか?」

 

「ああ、名前とか旗の話しか?それなら聞いたぜ」

 

「まぁ、聞き出したが妥当な言葉だけどね……」

 

「ならばそれを取り戻す為に【魔王】と戦わねばならんこともか?」

 

「勿論聞いてるわよ」

 

「………では、おんしらは全て承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」

 

「そうよ。

【打倒魔王】なんてカッコイイじゃない」

 

飛鳥の言葉になんとも言えないような表情を浮かべた白夜叉。

かっこいいからが理由はどうかと思うんだ……

 

「【カッコイイ】で済む話ではないのだが のう……

……全く、若さゆえのものなのか。無謀というか、勇敢というか。

……まあ、魔王がどういうものかはコミュニティに帰ればわかるだろう。

それでも魔王と戦うことを望むというなら止めんが……

……そこの娘二人……

――おんしらは確実に死ぬぞ……」

 

白夜叉の予言めいた言葉に飛鳥も耀も何も言えなくなっていた。

元魔王である白夜叉の言葉には信じなければならないと思わせる程の圧倒的雰囲気があった。

言い換えれば威圧感が存在していた。

 

「【魔王】の前に様々なギフトゲームに挑んで 力をつけろ。

未知数な十六夜や規格外の夜鶴はともかく、おんしら二人の力では魔王のゲームに生き残れん。 嵐に巻き込まれた虫が無様に弄ばれて死ぬ様は、いつ見ても悲しいものだ……

……まぁ、夜鶴が居ればなんとかなる気しかせんがの」

 

「……ご忠告ありがとう。

肝に銘じておくわ。

次は貴方の本気のゲームに挑みに行くから覚悟しておきなさい」

 

「……ふふ、望むところだ。

私は三三四五外門に本拠を構えておる、いつでも遊びに来い。

……ただし、ゲームには黒ウサギをチップにかけてもらうがのっ!!」

 

「絶対に嫌ですっ!!」

 

黒ウサギの全力の拒否に拗ねた子供のような表情をした白夜叉。

いつもそんなふうな顔をしてたら可愛いのに……

 

「つれない事を言うなよぅ黒ウサギ……。

私のコミュニティに所属すれば生涯遊んで暮らせると保証するぞ?

今なら三食首輪付きの個室も用意するしの」

 

「三食首輪付きってソレもう明らかにペット扱いじゃないですかっ!!」

 

怒る黒ウサギを見ながらケラケラと笑う白夜叉は、まるで家族のようだった。

怒る黒ウサギですらその顔に無意識の笑いが浮かんでいるのだから。

 

「そして……夜鶴。

今日は見事な【業】の数々だった。

あれほどまでに【遊ばれた】のは後にも先にもおんし以外にはおらぬよ」

 

「それは光栄だね」

 

「私は本気だったのに対しておんしはまだ一割も出しておらぬのだろう?」

 

白夜叉は悔しそうな表情になった。

へぇ……やっぱり気づいてたんだ……

 

「さぁ……?それはどうだったかな?」

 

俺ははぐらかすように手を振った。

 

「ふふ……まぁ良いわ。

おんしも暇が出来れば私を訪ねるとよい。

娯楽程度なら提供してやれるからの」

 

「そうするよ白夜叉ちゃん」

 

俺たちはそんな会話を交わし、コミュニティ【ノーネーム】の本拠地を目指したのだった。

 




最近はやっぱり家事が楽しいです♪

このままなら良いお嫁さんになりそうです(笑)

花嫁修業をしましょうか(笑)

皆様料理は楽しいですよ♪

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