【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

7 / 59
やっとオーミの登場!

いやぁ……長かったです……

そして、書くのに大量の体力を消費しました……

どうか皆様!
私に感想という名の癒しをそしてパワーを下さいっ!!!

それでは皆様お楽しみ下さいませ。


~ギフトと再会だそうですよ?~

【決闘】により俺に吹き飛ばされて気絶した白夜叉が目覚めたのは、約2時間程後のことであった。

それまでの間、俺は十六夜たちと先程の闘いについての話していた。

 

――「不知火式ってなんだ?!」

 

――「貴方どんな動きをしているのよ!!」

 

――「あれって【ギフト】?」

 

様々な質問があったが俺はそれに曖昧に答えていた。

しばらく話をしていると意識を取り戻した白夜叉に俺たちの本来の目的を話す黒ウサギの姿があった。

 

「え……?白夜叉様でも鑑定できないのですか?」

 

起きて早々顔色を悪くして汗を流す白夜叉。

扇子で顔を軽く隠しているところからすると、どうやら白夜叉は【ギフト】の鑑定は苦手らしい。

 

「……よ、よりにもよってギフト鑑定か……。

専門外どころか無関係もいいとこなのだがのぅ……」

 

腕を組み、ウンウンと唸りながら悩む白夜叉。

そして、目を開けると俺たちを一人一人ゆっくりと見る。

俺たちを見て何か考えがまとまったのか口を開いた。

 

「どれどれ……ふむふむ……夜鶴はまあ言うまでもないだろうが……

……他の三人ともに素養が高いのは分かる。

しかしこれではなんとも言えんな。

おんしらは自分の【ギフト】の力をどの程度に把握している?」

 

「企業秘密」

 

「右に同じ」

 

「以下同文」

 

「(名前を)知らないね……」

 

「うぉぉぉぉい!?

……いやまあ、仮にも対戦相手だった者に【ギフト】を教えるのが怖いのは分かるが、それじゃ話が進まんだろうに……」

 

「別に鑑定なんていらねえよ。

人に値札貼られるのは趣味じゃない」

 

はっきりとした十六夜の拒絶するような言葉に、白夜叉は困ったように頭を掻く。

しばらくすると突如妙案が浮かんだのか、白夜叉がニヤリと笑った。

うわぁ~白夜叉ちゃん本当に悪そうな顔……。

もっとにっこり笑ったら可愛いのに……。

 

「ふむ……。

何にせよ【主催者】として、星霊の端くれとして、【試練】をクリアしたおんしらには【恩恵】を与えねばならん。

ちょいと贅沢なものだが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」

 

そういった白夜叉はパンパンと柏手を打った。

すると、俺たち四人の前に光輝くカードが現れた。

そこには、俺たちの名前とおそらく俺たち自身の体に宿る【ギフト】の名前……【ギフトネーム】であろうものが書かれていた。

 

「ギフトカード!」

 

「なにそれお中元?」

 

「お歳暮?」

 

「お年玉?」

 

「お見舞い?」

 

「なんでそんなに息ピッタリにボケるんですかっ!!

違いますよっ!!!

この【ギフトカード】は顕現している【ギフト】も収納できる超高価なカードですよ!

耀さん の【生命の目録(ゲノム・ツリー)】だって収納可能で、好きな時に顕現できるのですよっ!」

 

「……つまり素敵アイテムってことでオッケー か?」

 

「だからなんで適当に聞き流すんですか!!!

あぁ~もうそうです、超素敵アイテムなんで すよっ!!!!」

 

「黒ウサギも大概だよね……

まぁ、十六夜が相手じゃ仕方がないかな……」

 

十六夜の言葉に怒鳴る黒ウサギ。

そしてそんな黒ウサギを可哀想にと哀れむ俺。

それにしても、黒ウサギがあんなに言うのなら、この【ギフトカード】と言われるものはそれほど貴重なモノなのだろう。

 

「我らの双女神の紋のように、本来はコミュニティの【名】と【旗印】も記されるのだが、 おんしらは残念ながら【ノーネーム】だからの。

少々味気ない絵になっているが、文句は黒ウサギに言ってくれ」

 

白夜叉は扇子を開いて自分を扇ぎながらしれっと言った。

すると十六夜は自分以外の【ギフトカード】が気になったのか俺や飛鳥、耀を見ながら口を開いた。

 

「……そういや皆の【ギフト】は何なんだ?」

 

「あ!それは俺も気になるな!」

 

予想通りな十六夜の言葉に俺が反応すると、それぞれが【ギフトカード】を見せ合い始めた。

 

飛鳥の手には、ワインレッドのカード。

 

【久遠 飛鳥】

【威光】

 

耀の手には、パールエメラルドのカード。

 

【春日部 耀】

生命の目録(ゲノム・ツリー)

【ノーフォーマー】

 

十六夜の手には、コバルトブルーのカード。

 

【逆廻 十六夜】

正体不明(コード・アンノウン)

 

「へぇ~……みんな名前があんのか……」

 

十六夜の呟きに白夜叉が答えた。

 

「その【ギフトカード】は、正式名称を【ラプラ スの紙片】、即ち全知の一端だ。

そこに刻まれる【ギフトネーム】とはおんしらの魂と繋がったの【恩恵】の名称。

鑑定は出来ずともそれを見れば大体のギフトの正体が分かるというものじゃからな」

 

「……へぇ?じゃあ俺のはレアケースなわけ だ?」

 

十六夜は自分の【ギフトカード】を白夜叉に差し出す。

それを白夜叉が覗き込むと、その表情に驚愕が広がった。

 

「……いや、そ、そんな馬鹿な……」

 

原因が本当に不明なのか白夜叉は眉をひそめたままに呟く。

 

「【正体不明(コード・アンノウン)】だと……?

……いいやありえん……全知の一片である【ラプラスの紙片】がエラーを起こすはずなど……」

 

「……何にせよ、鑑定出来なかったってことだ ろ?

まぁ、俺的にはこの方がありがたいさ」

 

そういった十六夜は白夜叉が食い入るように見る【ギフトカード】を取り上げた。

白夜叉は納得いかないようだったが、仕方ないと引いたのだった。

そんなとき、十六夜が俺の方を見て興味深そうに聞いて来た。

 

「そんなことより……夜鶴お前の【ギフト】は何なんだよ?

いくら考えてもお前の【ギフト】が予想出来ねぇ……」

 

「確かにそうね……さっきは焔に触れたのに何も無かったわ……」

 

「それに、あの反射神経は異常だよ。

私なんか白夜叉の動きも見えなかった……」

 

十六夜、飛鳥、耀が次々と疑問を口にした。

確かにあれは分からないだろうね……

仕方ない……俺も見せるかな?

俺は手にもつ【ギフトカード】を皆に差し出した。

すると、十六夜たちの他白夜叉、黒ウサギも興味津々と覗いて来た。

 

「俺の【ギフト】はこれだよ」

 

俺の手にはクロムシルバーのカード。

 

【不知火 夜鶴】

創造者の娯楽(クリエイター)

祖たる永異(ファウンダー・カルマ)

全知の司書官(ミュージアム・オブ・オーディン)

曖昧な生と死(エターナル・ライフ)

無形な有形(フォーム・レス)

愛は全てを越える(ラヴ・フォー・ユー)

【直死の魔眼・不知火ver.】

 

「な、なんじゃと?!!

おんしなんじゃこの【ギフト】は?!」

 

白夜叉は俺の【ギフトカード】を指差し十六夜の時とは比べ物にならない程の驚愕の表情を浮かべた。

 

「【創造者】に【全知全能の神(オーディン)】、【直死の魔眼】じゃと?!!!

おんしは一体何なのじゃ!?」

 

白夜叉、黒ウサギは俺を信じられないモノを見るようにして見詰め、十六夜たちは俺の【ギフト】の異常さに目を見開いている。

 

「あははは……【直死の魔眼】については全然知らないんだけどね……。

でも……そうだね、俺が何か……か」

 

俺が無言でしばらく止まる。

その間白夜叉たちは何もしない。

 

俺は白夜叉たちを見詰めて薄く笑いながら呟いた。

 

「……俺は俺だよ……。

別に俺は【創造者】や【全知全能の神(オーディン)】なんていう特別な者じゃない」

 

白夜叉たちは静かに俺の話を聞いていく。

 

「でもそうだな……ひとつ言うなら……

俺は【神を愛した者】かな?」

 

「……【神を愛した者】じゃと?」

 

白夜叉が俺を見ながら口を開いた。

その顔には、理解出来ないといった表情が浮かんでいる。

 

「そうだよ白夜叉ちゃん。

俺は一人の神をただ普通に普遍的に愛した。

そして――

――俺は神に愛された」

 

「……あり得ぬ。

神たる者が一個人を愛すなど……」

 

「そうですよ夜鶴さん!!

神に至った者が個人に特別な感情を持つなんて……」

 

白夜叉、黒ウサギは口々にそう言った。

そんな中、今まで静かに聞いていた十六夜たちが口を開いた。

 

「おい夜鶴。

そのお前が愛した神ってのは誰なんだよ?」

 

「確かに気になるわね……

貴方が愛した神様……一体誰なのかしら?」

 

「……私も気になるな……

神様にも興味があるし……」

 

問題児たちは、俺の愛した神に興味津々のようだ。

やっぱり恋愛に引かれる年頃なのかな?

俺はクスリと笑った。

 

「……俺が愛した神。それは……」

 

白夜叉、黒ウサギ、十六夜、飛鳥、耀をゆっくり見ると、俺はその名を口にした。

 

「全知全能の神と呼ばれ……北欧神話の主神にして戦争と死の神……【オーディン】だよ……」

 

その名を聞いた皆はその顔に驚愕の表情を浮かべ、そしてその名前の偉大さに絶句していた。

 

――――――――――

 

「……夜鶴……お前ホモ……しかも爺フェチなのか……」

 

十六夜が口元を押さえ笑いを堪えるように言った。

今の今まで皆が絶句していたのに、やっと喋った言葉がそれかよ……

 

「……オーディンって言うのは主に長い髭をたくわえ、つばの広い帽子を目深に被り、黒いローブを着た老人として描かれているけど、それが正しいとは限らないんだよ十六夜?」

 

俺の言葉に興味深そうに反応する十六夜。

 

「じゃあ、どんなふうにしてんだよ?」

 

「そうだなぁ……もう【箱庭(ここ)】に呼ぼうかな……」

 

その言葉にいち早く反応したのは白夜叉だった。

 

「な、なんじゃと?!

おんし神を……しかも主神を呼び出すことが出来るのか?!」

 

「勿論だよ白夜叉ちゃん。

俺の【愛は全てを越える】はその為の【ギフト】だからね」

 

俺は片手でクロムシルバーのカードを弄びながら白夜叉に答えた。

正直そろそろオーミに逢いたい。

 

「ヤハハ!!そりゃすげぇ!!

おい夜鶴!オーディンを呼び出してくれよ!!」

 

十六夜は笑いながら俺にそういった。

この世界に転生して十五年……。

やっとあの約束を果たして逢うことが出来る。

 

「十六夜に言われなくてもそうするよ」

 

俺は【愛は全てを越える】を発動する。

その姿を十六夜たち問題児たち。そして白夜叉たちも固唾を飲んで見守っている。

 

「私が愛した神は一人」

 

「彼女は全知全能、戦争と死を司る」

 

「私は彼女を愛し、彼女は私を愛した」

 

「私の心に嘘は無く」

 

「永久の愛を誓おう」

 

「さぁ来たれ私の元に」

 

「召喚……【オーディン】」

 

長い呪文を詠み終えた俺の回りに光輝く魔法陣が広がった。

その魔法陣からは光が立ち上ぼり、頭上に収束していく。

照らすその光は優しく……俺が転生時に感じた、オーミの光のようだった。

懐かしい暖かさに包まれる。

 

――刹那、頭上の光が爆発した。

 

辺りに閃光が弾け、俺たちの視界は光で染められる。

 

しばらくしてやっと視界が戻ってくると、魔法陣は消え、頭上の光も無くなっていた。

 

――しかし、そのかわりに……

美しい白髪の……俺が愛する少女がそこにいた。

 

少女――オーミは閉じていた目を開くとこちらをニコリと笑って見た。

 

「お久しぶりですね……夜鶴……」

 

「うん。久しぶりオーミ……」

 

笑っているオーミの瞳には涙があった。

それはあまりにも綺麗に泣いていた。

その涙を流すオーミに近づくと柔らかい笑みを俺は浮かべた。

 

「やっと……やっと逢えました……」

 

「ごめんなオーミ……本当に遅くなった……」

 

「いえ……貴方に……夜鶴に逢えましたから……それだけで今は幸せですよ……っ!」

 

涙を流していたオーミは俺に満面の笑みを向けてくれた。

俺はその笑顔が嬉しくて自然と涙が頬を伝った。

 

「俺も幸せだよオーミ」

 

俺とオーミは周囲に関係無く優しく抱き着くと、お互いの耳元で、

 

「大好きです夜鶴……♪」

 

「大好きだよオーミ」

 

そう呟き合うと、お互いに見詰め合って――

 

――ひとつのついばむようなキスをした。

 

その時に感じた甘い香りは俺が忘れることは無いだろう……。

 

 

 

 

 

この行為をするすぐそばに十六夜たちがいるのを忘れていたのに気づくのはまた他のお話。

 




最近は友達の家で勉強をしています。

しかも私、料理まで作っていましたよ……(笑)

「嫁に来ないか」と言われたのはちょっぴり嬉しかったです♪

料理のレパートリーをさらに増やそうと思いました♪

皆様も料理にチャレンジです!!
楽しいですよっ!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。