【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ? 作:夜叉猫
期末考査が終了して勉強からやっと解放された夜叉猫です(涙)
早く小説を書きたかったのですが勉強しないと点数が取れないので我慢したのですぅ~……(涙)
ともかく、久しぶりの本編をどうぞっ!!
「……何処……かな……此処は……」
気が付くと俺は靄のようなものがかかった大地に立っていた。
先程までオーディン様と戦っていたはずなのだが……。
まさか、負けて……死んで……しまったのだろうか?そんな考えが頭に浮かんでしまう。
「―――――心配しなくてもキミが勝ったし、死んでもないから安心しなよ」
「ッ……?!」
突然聞こえて来た声。
俺はバッと背後を振り向くがそこには誰もいない。
「こっちだよこっち」
頬を後ろからつつく人差し指とそれを行っている者の声が確認できた。
「な、なかなか粋な登場だね……?」
後ろを振り返った俺は頬に冷や汗が流れるのを感じる。
―――――感じないのだ、気配を。
「まぁ、僕だし?これが僕クオリティー♪」
俺の目の前には、灰色の髪を肩をくすぐる程度の長さにした少年が確かに、居る。
しかし、感じない。いや、正しくは目の前に居てもなお、気を抜けば彼を見失いそうなほどに気配が希薄なのだ。
身体が自然と戦闘モードへ移行してしまう。
「そんなに警戒しちゃってどうしたの~?
ほらほら―――――」
今までしっかりと捉えていたのに、瞬きの間にふっ、と俺の視界から彼の姿が掻き消えた。
「―――――肩の力を抜かないとね~?」
後ろから俺の両肩を包み込むように手が置かれた。
……全く気がつけなかった。
いつの間にか姿が消え、気がつけば背後に回られていたのだ。
俺は逃げるように前へと跳躍する。
「一体……何者だい……?」
「僕?僕はね~【
そう言った少年―――モルペウス―――は指を鳴らし、真っ白な雲のようなものを出現させた。
「よい……しょっ」
そして、それに乗るとほにゃっと頬を緩ませる。
その表情と行動を見ていた俺は警戒しているのが馬鹿馬鹿しくなり、構えを解いた。
「……えっと……モルペウス?」
「なにぃ~?」
「結局此処は何処なのかな?」
「あれれ?僕の名前を聞いてもまだ分からなかった??」
首を傾げながら、モルペウスはそう言った。その言葉により、俺はやっと此処が何処なのかが分かる。
「此処は夢の世界か……」
「おぉ~せいかーい♪
僕って現実世界に行くのあんまり好きじゃないから、不知火様の夢の中に出てきちゃったよ~」
手をパタパタと振りながらそう言うとモルペウスはぴくり何かに反応する。
「どうかしたのかい?」
「あ、うん。
そろそろ起きた方がいいみたいだよ~。
オーちゃん達が不知火様のこと呼んでる~」
早く起きないと心配してるよ~、柔らかな笑顔でそう続けた。
「えっと……どうやったら起きれるのかな……?」
「今回は僕がきちんと起こしてあげるから心配しないで~」
そう言ったモルペウスは、俺の視界から消える。
何処に行ったのだろうか?俺は辺りを見回す。
「―――――えい♪」
そんな軽い掛け声とともに俺は頭上から潰された……モルペウスに。
「やっぱり夢からスッキリ目覚めたいなら1回死んじゃった方がいいもんね♪」
その時に浮かべられた笑顔は無邪気な分恐ろしかった。
……起こし方があまりにも酷くは無いだろうか……?
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「―――――ハッ……!!!?」
意識が覚醒するのと同時に俺は身体を起こした。部屋を見る限り、どうやら此処はスサノオの部屋のようだ。
「―――――夜鶴っ!!」
「おっと……」
溜息を吐こうとした時、俺の名前を呼びながら小さな影が胸に飛び込んできた。俺がその小さな影を抱きとめると強く抱き締めてくる。
「心配かけちゃってごめんね?オーミ」
そう言って、俺もオーミの身体を抱きしめた。
「よ、夜鶴が謝る事はないですよ!
全ては私のお祖父様のせいなのですから……」
迷惑をかけてしまってすみません……。オーミは申し訳なさそうな表情を浮かべてそう続ける。
「俺は気にしてないから大丈夫だよ?
オーディン様はオーミが心配でやったんだろうしね」
「夜鶴……ありがとうございます……」
俺はそう言うオーミの頭を優しく撫でた。
オーミは俺の手を嬉しそうに受け容れる。
そして、俺が撫でていた手を離そうとすると、
「……もっと……もっと撫でて下さい……」
そう言って頭を撫でていた手に引っ付けさせるオーミ。その姿が微笑ましくて可愛くて、俺はその言葉を聞いてしまう。
気持ちよさそうに目を細め、擦り寄ってくるその姿は人懐っこい猫のようだ。
「―――――オーディン、シラヌイ様は目を……って、えぇ感じに2人の世界に入っとるみたいやな……ウチ、邪魔してもぅた?」
突然扉が開き、一人の少女が入ってきたかと思うとニヤニヤと笑いながら扉に半身を隠してそんな言葉を口にする。
「あらあら……本当に仲がよろしい事ですわね」
そんな少女と少しズレた所に微笑ましいものを見るかのような笑みを浮かべた女性が現れた。
「やっぱり私たちは邪魔ですかね~?かね~?」
更に、瞳を輝かせ、無邪気な笑顔の少女はドアから半身で―――――いや、最早完璧に入ってきていた。
そんな3人の登場に、オーミは一瞬固まったかと思うと、カァァァァァ、っと顔を真っ赤に染めた。
「おぉ~♪オーディンの赤面とかレアやレア!!」
「可愛らしいですねぇ……」
「オーディンはいつもデレデレなんですね~」
3人はそんなオーミを見ると口々にそう言った。
オーミはそんな3人の様子に涙を目尻に溜め、体を震わせる。そして、
「―――――うにゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
腕をバタバタと振りながら叫んだのだった。
―――――閑話休題。
「オーディンも落ち着いたみたいやし……取り敢えずは自己紹介でもしよか」
ケラケラと笑いながら、紫色を基調としたシンプルな浴衣を着た少女はそう言った。
現在オーミは俺の胡座の上に座っている。若干顔がまだ赤いがこれが一番落ち着くらしいのでこの体勢を取っているそうだ。
「まずはウチからやな。
ウチの名前は【
仲良ぅしてくれると嬉ぃわぁ~」
そう言って俺にてを差し出す少女―――ツクヨミ―――。俺はその手を取り握手をした。
中々フレンドリーな性格をしているようだ。
「では、次は
私、【
貴方様が【
巫女服姿の女性―――アマテラス―――は頬に手を当てながら笑顔を見せた。
立ち位置的にはお姉さんと言った所だろう。
「最後は私ですね~。
私は【
淡い緑を基調としたゴシックロリータ風の服を着た垂れ目の少女―――フレイヤ―――は屈託の無い笑顔を浮かべてぺこりとお辞儀をした。
……なんだろう……人誑しの雰囲気を感じる……。
「それじゃあ、俺も自己紹介をさせてもらおうかな?
3人とも知っての通り、俺は【
でも俺には【不知火 夜鶴】っていう名前があるから呼ぶなら名前の方にしてくれると嬉しいよ」
にこりと笑みを浮かばせながら俺は言った。
「りょーかいや。
ウチは夜鶴って呼ばせてもらうで??」
「もちろん良いよツクヨミ」
「それでは私は夜鶴様と……」
「私は~普通に夜鶴さんで~」
「うん、分かったよ。アマテラス、フレイヤ」
互いの呼び名を確認した俺たち。
どうやら神界に居る神様たちは総じて良い神様ばかりのようだ。
「……というかそろそろ言いたいんやけど……」
ツクヨミが苦笑いを浮かべながら口を開く。何なのだろうと次の句を待つ俺。
「―――――そないに威嚇せんといても愛しの旦那様は取らへんで~?」
ニヤニヤとした笑みへと表情を切り替えそう言ったツクヨミ。
「確かにずっと威嚇してましたもんね」
「怖かったというより可愛かったです~♪」
アマテラスはクスクスと笑いながら、フレイヤもにぱーっと笑いそう言った。
「い、威嚇なんてしていませんっ!!」
オーミはムキになりながら否定する。
しかし、そんな姿もツクヨミたちにとっては格好の弄る的だったらしく、この後もしばらく弄られるオーミなのだった。
オーミにはいい友神がいるようだ。
「―――――夜鶴は私のなんですぅぅぅうっ!!!!」
半泣きのオーミの声が俺の間近で響きわたった。
……いい友神……だよね……?
本編はいかがでしたでしょうか?
楽しんで頂けたのなら幸いですっ!!
それにしても期末考査というのは難しいですね……(苦笑)
数学が絶望的で本当に泣きそうでした……(涙)
まだ返却はされていないのですが……見たくないのですぅ~……(涙)
それでは本日はこの辺で……また次回お会いしましょう♪