【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ? 作:夜叉猫
最近は風邪を引いたり、勉強で疲れたり、大会で体力をごっそり削られていた夜叉猫です(苦笑)
もっと更新ペースを上げたいのですが……やはり体力的に辛いのです(涙)
出来るだけ早く上げられるように頑張ります!!
それでは本編の方をどうぞ♪
「布団で簀巻きにするなんて酷いじゃないですか!!」
スサノオの部屋に着いた俺たちを迎えたのはそう言いながら頬を膨らますオーミだった。
布団が辺りに散乱しているのはおそらく簀巻き状態から脱出したからだろう。
「阿呆。
自業自得だろうがオーディン。
というか散らかすな」
「なんですか!!
私はただスサノオの部屋に突撃しただけですっ!!」
「その突撃が駄目なんだよこのド阿呆!!!
お前の頭は空っぽなのか!?」
スサノオは言うとハァ、と溜息を吐き頭を抱えた。
「……とりあえず、夜鶴を案内してきたぞ……。
ったく……お前はなんで客人を放っておいたんだよ……」
「ごめんなさい、つい慌てちゃって?」
てへっ、と仕草をとるオーミ。
スサノオはその仕草に何か思うところがあったのだろう。何処からともなく取り出したハリセンでオーミの頭を叩いた。
「悪ぃな夜鶴。
オーディンの奴の頭をハリセンで叩いても良いだろうか?」
「た、叩いた後で聞かないで下さいよ……」
オーミは頭を押さえながら涙目で言った。
―――――閑話休題―――――
「とりあえずどうするよオーディン。
他の奴らも集めるか?」
スサノオの部屋が和室だった為俺たちは履物を脱ぎ、部屋の中央にかたまり座った。
それを見計らってスサノオはオーミに声を掛ける。
「いえ、それは別に良いです。報告だけは既に済ませてありますから。
何せスサノオを待っている間暇でしたからね」
「この短期間で他の奴に知らせるとか……マジで廃スペックだな……オーディン」
オーミの言葉にヒクヒクと頬を動かしてスサノオはそう言った。
それに関して何の反応をするわけでもなく、オーミはニコニコと笑い嬉しそうに口を開く。
「みんなが今夜は楽しい宴をしようと言っていましたよ!
夜鶴の歓迎会と私たちの祝勝会のようですし♪」
「……まぁ、帰ってきたら祝勝会しようってオーディンが言ったしな……。
歓迎会の方も当然ちゃ当然だわな……」
スサノオは苦笑いを浮かべながら納得したように言う。しかし、何処か疲れているようなのは俺の見間違いであって欲しい。
「ともかく、今夜宴をするのならそれまで俺たちはどうするんだい?
やっぱり手伝った方が良いのかな?」
オーミの方を見て小首を傾げるとオーミは笑いながら横に首を振った。
「いえ、私たちは主役という立ち位置らしいのでゆっくりしておいて欲しいと皆から言われています」
「そうなのかい?
……なら、一体何をして時間を潰そうか……」
手伝うという、一種の時間潰しを失った俺は唸りながら腕を組む。
そんな時、オーミがオズオズと手を上げる。
「……夜鶴が良かったら私の友達を連れてきてもいいですか??
その……夜鶴を……自慢、したくて……」
そう言ったオーミの顔は朱に染められていた。もじもじとした仕草が愛らしい。
「えっと……良いよ?
オーミの友達なら俺も会いたいしね」
「ほ、本当ですか!
やった♪じゃぁ、呼んできますね!!
此処でちょっと待っててください♪」
言ったオーミはその場から素早く立ち上がると脱兎の如きスピードで何処かへと向かって行った。
「……オーディンの奴此処が俺の部屋だって分かってんのか?」
ぽつりと漏らされたスサノオの声。
しかし、もう慣れているのか諦め混じりの声音であった。
「……ウチのオーミが迷惑掛けてるみたいで……ごめんね?」
「あぁ……大丈夫だ。
夜鶴が謝らなくても良いんだ」
哀愁漂う雰囲気のスサノオ。
この姿を見るにどれだけオーミが迷惑をかけているのかが良く分かった。
(……今度【お仕置き】かな……)
そんなことを考えながら俺は苦笑いを浮かべる。
「……おっと……悪いな夜鶴。
他の奴らに呼び出しを喰らっちまった。
今からちっと行ってくるわ。
この部屋は好きにしてくれて構わないから……まぁ、オーディンの奴が来るのをゆっくり待っててくれ」
スサノオは一瞬ぴくりと動くと、先程までの哀愁漂う雰囲気を霧散させて、こちらを見るとそう口にした。
どうやら念話のようなものがあったらしい。
「ありがとうスサノオ。
そう言ってもらえると助かるよ」
「これくらいのことで感謝しなくて良いぜ?……っと、それは置いておくとして……嫌に静かだな、アルテミス……」
スサノオは目を細めながら今まで無言だったアルテミスの方を向いた。
すると、今までうんともすんとも反応しなかったアルテミスが初めて言葉を発した。
「……まぁ、話し掛けられませんでしたから……」
「ご、ごめんね?忘れていたわけじゃないんだけど……」
アルテミスの言葉に俺は即座に謝る。
意図的ではないとしても無視していたようなものなのだから怒っているだろう。
俯いていたアルテミスの顔を覗くとそこには―――――
「―――――なかなか良い放置プレイでしたぁ……」
―――――頬を染めながらハァハァと息を荒らげるアルテミスの姿があった。
「テメェは全くブレねぇな!?
このド阿呆がっ!!!!」
言って、その手に持つハリセンを叩きつけ―――――
―――――ずに、投げ捨て、腰の刀を抜刀してアルテミスに振り下ろした。
「……って、何をしているんだい!?」
その出来事についつい声を荒らげてしまう。
「あ、悪ぃ……いつもの癖でやっちまった」
スサノオは言いながらも刀をアルテミスから逸らそうとしない。
いつもの癖でという言葉が聞こえて来た気がするがそれは幻聴だろう。
「なかなかにショッキングな出来事だよ!?」
「私も受け止めているので大丈夫です」
白羽取りの要領でスサノオの一太刀を受け止めるアルテミス。
何処か慣れている感じがするのは気のせいであって欲しい。
「と、とりあえず二人とも1回離れようか……?」
「ん?あぁ……そうだな」
「早く退いてください面倒くさいです」
「いちいち五月蝿い奴だなテメェは……」
スサノオは文句を言いながらも刀を納刀するとはぁ、と一つ溜め息を漏らす。そして、何事もなかったかのように出口の方へ向かい、
「んじゃ、そろそろ行ってくるわ」
そう言い残してこの部屋を後にした。
――――――――――――――――――――
「……あの〜……アルテミスさん?」
「はい。何でしょうか夜鶴様」
「私はなんで貴女に、膝枕されているのですかね?」
「私がしたかったからです」
俺の言葉に即答するアルテミス。
今現在俺はアルテミスに何故か膝枕をされていた。
寝心地は凄くいいのだが何と言うか落ち着かない。
「とりあえず……「駄目です」……さいですか……」
今度は俺の言葉に被せながら答える。
まだ内容を言ってすらいないのに駄目だと言われたことに軽く戦慄を覚える俺。
ちなみに俺は立ち上がってもいいか?と聞くつもりだった。
「というか喉が渇いたんだけど……それでも動いたら駄目かな?」
「なんと……!
それは申し訳ございません……っ!
私としたことがそんなことも気付けなかったとは……一生の不覚……っ!!
直ちにお飲み物をご用意いたします!」
俺の言葉にアルテミスはそう答えると俺の身体を優しく起こし、座椅子のようなモノを何処からとも無く持ってきてそこに座らせると素早く立ち上がった。
そして、残像が残るほどのスピードで動くと、いつの間にかその手にはコーヒーの入ったカップが用意されていた。
「勝手ながらコーヒーを淹れさせて貰いました……。お口に合えば幸いです」
俺はアルテミスからそれを受け取る。
カップからは良い香りが漂ってくるのが分かった。
「良い香りだね……。
とってもいい腕をしているよ……」
一言呟くように言うとカップを傾ける。
香りが鼻腔をくすぐり、まろやかな風味が口内を染めた。甘みもちょうどよくまるで俺の好みを熟知した者が淹れたようだ。
「美味しいよアルテミス。ありがとう」
率直な感想と共にニコリと笑みを向ける。
「い、いぇ……と、当然のことを、したまでです……よぅ……」
顔を赤らめ、そっぽを向くアルテミス。
(……おかしいな……ニコポなんて持っていない筈なんだけど……)
アルテミスの事を見ているとそんなことを考えてしまい、ついつい苦笑いを浮かべてしまう。
「ともかく、アルテミスはそんなところに立っていないで座ったらどうだい?
立ったままは辛いだろ―――――ッッ?!!」
―――――刹那。
俺の言葉は突然下に現れた黒い穴に飲み込まれることで消されてしまった。
底なし沼に飲み込まれたていくように身体にまとわりつく闇。
「ッッ!?夜鶴さ―――――」
最後に聞こえてきたのは慌てたようなアルテミスの声。しかしそれも、黒い穴に完全に飲み込まれたことによって途中で途切れてしまった。
(……敵襲?……いや、それにしてはこの闇自体には実害を感じない……)
身体にまとわりつく闇は動きづらさを感じされるもののそれ以外には何も無かったのだ。
(……これは大人しく様子見がベストかな?)
そう考えた俺は抵抗をやめ、大人しく飲み込まれる。
飲み込まれた先に何があったとしても切り抜ける位の力はあるのだから……。
――――――――――――――――――――
Side 三人称
るんるん♪
そんな効果音が今にも聞こえてきそうな歩みをする少女の姿をした神を先頭に、四柱の神は長い廊下を歩いていた。
「ホンマに楽しそぅやなぁオーディン。
なんかエェことでもあったんか?」
紫色を基調としたシンプルな浴衣に身を包んだ童顔の少女の姿をした神はケラケラと笑いながらそう口にする。
「そんなこと聞かなくても分かるでしょう?【ツクヨミ】。
巫女服を着こなしている少女というより女性という表し方が正しいであろう姿の神はクスクスと笑いながら言った。
「言われんでも分かっとるわ。
敢えてや敢えて。
ウチかてそないなこと分からん程鈍くも無いしアホともちゃうで?【アマテラス】」
ツクヨミと呼ばれた神は楽しそうに言葉を返す。
「それにしても楽しみですね。
直接会うのは初めてですし……気になります」
淡い緑を基調としたゴシックロリータ風の服を着た垂れ目の少女はにこにことした屈託の無い笑みを浮かべて言う。
「【フレイヤ】もですか?
私もオーディンの心を射止めた殿方がどのような御方なのかとても気になっているんですよ」
「ウチもやで~。
オーディンが此処まで骨抜きにされとるんやからかなりエェ男なんやないか?
少なくとも見た目はかなりやったやん?」
三柱の神は楽しそうにまだ見ぬ男について話を弾ませる。
「全く……三人ともそんなに想像しても無駄ですよ?」
先頭を歩く少女はふと立ち止まり、後ろを振り返るとそう口にした。
「なんでや?オーディン」
「そんなの―――――想像を通り越すくらいに良い人ですからね夜鶴は♪」
満面の笑みを浮かべ得意気に胸を張るオーミ。
そんな姿を見た三柱の神はみんな苦笑いを浮かべた。
「はいはい、惚気はもうえぇです~」
「私たちも十二分に聞きましたからね」
「砂糖吐き出しそうです~」
言いながらも三柱の神はとても楽しそうにしている。
オーミも頬を少し膨らましているが何処か嬉しそうに楽しそうに口元が緩んでいた。
「ともかくは早く部屋に向かいましょう!
夜鶴が待っていますから!」
オーミは気を取り直すかのようにそう言うと再び歩みを進めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「―――――夜鶴が黒い穴に飲み込まれた……?」
スサノオの部屋に着いたオーミたちを迎えたのはその場に膝をついて項垂れるアルテミスの姿だった。
オーミは話を聞き何があったのかを把握する。
「はい……。私も反応することができずに……申し訳ありません……」
悔しそうな顔でアルテミスは言う。
夜鶴が黒い穴に飲み込まれるのを阻止できなかったのを悔やんでいるのだろう。
「……いや、大丈夫ですよ。
その黒い穴の犯人に心当たりがありますから……」
オーミは無表情にそう口にした。
その無表情はその場にいた四柱の神に恐怖を与える。
「……ふっふっふ……そうですかぁ……そんなに私を怒らせたいんですねぇ~……」
地獄の底から聞こえてきたかと錯覚するようなオーミの声。
その場にいる四柱の神は既に泣き目である。
「これはもうお仕置き決定ですね……―――――」
オーミの背後には阿修羅の幻影が浮かび上がる。
これを何の力も使わずにやってのけるオーミはやはり夜鶴の恋人だというのがわかる。男女揃って【規格外】なのである。
「―――ねぇ……?【お祖父様】……?」
オーミの目はその時据わっていたのを此処に記す。
本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんでいただけたのなら幸いです♪
早速久し振りの雑談ですが……。
息抜きのパズドラが私の癒しです……!!!(切実)
最近は兄も一緒にやっているのですが、兄が強すぎて苦笑いが浮かびます……。
なんで光アヌビス×光アヌビスのパーティーで100倍を連発出来るんですか……!?
私なんて悟飯×光ホルスのパーティーで20倍がやっとですよ!?
そして何より黄金の番人が欲しいです……。
悟飯を究極進化させたいです……(苦笑)
とまあ、最近はパズドラの話ばかりになってきたので何か話題が欲しいです夜叉猫なのです(苦笑)
感想などのエネルギーをいただけるともしかしたら投稿ペースが上がるかも……?!ニャハハハ(笑)
それではまた、次回お会いしましょう♪