【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

53 / 59
お待ちの皆様!
大変お待たせ致しました!!

やっと新話を書き上げることができました……。


最近執筆スピードが亀よりも遅くなって来ている気がします……(苦笑)


ひとまずは、本編をどうぞ!!!


《抱く想いは神界へと響くか……》
〜到着したそうですよ?〜


空間が捻じ曲がり出来た穴に飛び込んで数分ほど揺られると前方に光る場所が見えてくる。

 

「出口が見えてきました!」

 

オーミはそう言うと握った俺の手を引いて空間の道を急いだ。

出口から勢い良く飛び出した俺とオーミは僅かの浮遊感を感じ、そして地面に着地する。

 

「―――――皆ただいま戻りました!」

 

オーミの明るく元気な声がその場に響く。

それを出迎えたのは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――空席の円卓だった。

 

「……オーミ、誰も居ないみたいだけど?」

 

「お、おかしいですね……?」

 

コテンと首を横に倒しながら口に手を当てるオーミ。

反応を見る限りこの状況は予想外だったようだ。

 

「こ、こういう時はあそこに行けば良いんです!」

 

そう言ったオーミは駆け出して部屋を出ていく。

 

―――――俺を残して。

 

 

 

「……置いていかれた……みたいだ……」

 

誰もいない部屋でその声は良く反響した。

 

 

 

しばしの間呆然と立ち尽くしていた俺だったがそれではどう仕様も無いということに気づき、ひとまずこの部屋を出てみることにした。

 

(少し歩いたら誰かに会えるよね……)

 

楽観的にそう考え、扉を開く。

気分は簡単な探索をする気分である。

ワクワクとしながら部屋の外へ一歩踏み出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――えっ?」

 

「あ……」

 

目の前に箒やバケツ、布巾を持った女性が現れた。どうやら俺の居たこの部屋に入ろうとしていたようだ。

 

部屋から一歩出た、正確には出ようとしただけで探索が終了。

まさかこんなにも早く他の神様に会うとは思わなかった。

 

(……少し残念だなぁ……)

 

そんなことを思いながら取り敢えず目の前にいる女性を観察してみる。

 

水着のようなモノの上からベストを羽織り、ショートパンツの上からパレオのように布を巻き付けている。足にはおそらく狩りをするためのモノであろうサンダルブーツを履いていた。

簡単に例えるなら狩人のような服装。

やはり動きやすさを重視しているからか、肌の露出が多い。

 

「し、し、し、しししし……っ!!」

 

そんな姿の女性は俺を見て少しすると慌てたように口を開く。

余程慌てているのだろう先程から『し』としか口にしていない。

 

「ひとつ言っておくけれど俺は怪しい者では―――――」

 

言いかけて、そして俺は目を丸くした。

何故なら目の前の女性が―――――

 

 

 

 

 

「―――シラヌイ様!!!」

 

そう言いながら、片膝をついて跪き、頭を下げたのだ。まるで従者のように。

 

「……え、えっと……キミは一体……?」

 

突然の事に状況がよくわからずに混乱してしまう俺だったが、それだけは聞くことが出来た。神力を感じるのだから彼女も間違いなく神様だ。しかし、どの神様なのかは俺にはわからない。

 

「名乗り遅れて申し訳ございませんシラヌイ様。

私は【純潔の女神(アルテミス)】と申します。以後お見知りを……」

 

頭を下げたまま、丁寧にそう名乗った。

 

(……【アルテミス】……結構有名な神様だね……)

 

女性―――アルテミス―――は跪き、頭を下げたままピクリとも動かない。

 

「えっと……なんで跪いたりしてるの……かな?」

 

「シラヌイ様は私たち神の頂点。

私如きが同じ目線に立つなど烏滸がましい行いですが故に……」

 

その言葉は真剣そのもので、最早苦笑いが浮かんでしまうほどである。

 

「べ、別に俺はそんなこと気にしないよ?」

 

「いえ、私が気にするのです」

 

俺の言葉に被せんばかりの即答に頬が引き攣るのを感じた。

 

「俺はそんなに強くないよ?」

 

「最強を冠する【神々を司る神】が何をおっしゃいますか」

 

「俺はそんなに偉くないよ?」

 

「オーディン様と婚約を交わしておられる時点でかなりの地位でございます」

 

「………………」

 

俺のどの言葉にも即答してくるアルテミス。ついには開いた口が塞がらなくなってしまった。

 

「そもそもシラヌイ様が此処に居られると言うことは【神殺しの神】を討伐なさったということでしょう?

その時点で私はシラヌイ様に無類の敬意を持っております。

正直な話をさせて頂きますと以前はシラヌイ様のことを名ばかりだと思っておりましたがオーディン様から見せて頂いた【演武】に魅了され、その考えを改めたのです。

シラヌイ様のためならば不肖このアルテミス、狩猟の女神という側面から貴方様の犬のように―――――」

 

 

 

 

 

「―――――何口走ってんだよこのド阿呆。

シラヌイ様が最早引いちまってんだろうが……」

 

ペラペラと喋るアルテミスの背後からそんな言葉と共に力強い手刀が頭に落とされた。

 

「……痛いですね……何をするんですか」

 

アルテミスは手刀が落とされた頭をさすりながら後ろを向く。

俺自身もその声の主に興味を引かれ、自然と視線が向いてしまう。

 

 

「然るべき対処に決まってんだろうが」

 

 

アルテミスの背後に立っていたのは帯刀している和装の青年。

しばらくの間アルテミスを叱るような口調で話すとこちらを向いて頭を下げた。

 

「―――すまなかった。

シラヌイ様に迷惑掛けちまったようだな……。

コイツも悪い奴じゃねぇから許してくれ」

 

「許すも何も彼女は何もしてないし……俺も気にしていないから大丈夫だよ」

 

「……悪ぃな。

寛大な処置、感謝するぜ」

 

そう言った青年は頭をあげて無邪気な笑みを浮かべた。

 

「それにしてもシラヌイ様―――――」

 

青年は何かを気づいたようにはっとした表情を浮かべると苦笑いを浮かべながら言葉を発した。

 

「そういや自己紹介がまだだったな。

俺は【多面持つ神(スサノオ)】だ。

宜しく頼む」

 

礼儀正しく頭を下げる青年―――スサノオ―――。

それにしてもまた有名な神様と出会ってしまった。

 

「俺も自己紹介させてもらうよ。

2人とも知っているだろうけど俺は【神々を司る神(シラヌイ)】。

けど、どちらかと言うと夜鶴って名前の方を覚えて欲しいかな?

それと、『様』はつけなくて良いしそんなに畏まらなくていいからね?何だかむず痒くなってしまうよ……」

 

俺がそう言うとスサノオは笑みを浮かべながら、アルテミスは大して何の変化もないように口を開いた。

 

「わかったぜシラヌイ―――じゃなかった夜鶴?」

 

「分かりました、夜鶴様」

 

「……アルテミス―――――」

 

夜鶴様と呼んだアルテミスに苦笑いを浮かべながら様付けは止めてと言おうとすると、

 

「―――――無理です」

 

満面の笑みを浮かべながら先回りして断られてしまった。

 

「あ〜……悪ぃな夜鶴。

アルテミスの奴はちょっと変わっててな……。

自分が従いたいと思った奴には何がなんでも『様』をつけたり従者みたいな行動を取るんだよ。

……まぁ、実害は―――――あんまり無いから許してやってくれ」

 

「……『あんまり』ってことは少しは実害があるんだね……」

 

「……許してやってくれ……」

 

スサノオも苦笑いを浮かべながらそう言った。

 

 

 

―――――閑話休題。

 

 

 

「さて……そろそろ移動しようぜ?

俺の部屋に突撃してきた阿呆が待ってるだろうしな」

 

「……それって……」

 

「オーディンの奴だよ」

 

「……やっぱり……」

 

俺は額に手を当てて溜め息を漏らす。

 

「ちなみに今どうなっているか聞いても?」

 

「オーディンのやつなら簀巻きにして置いてきた」

 

「……早く行ってあげようかな……」

 

「そうしてやってくれ……」

 

そう言って、俺とスサノオは互いに溜め息を漏らした。

 

「そんなことをしているよりも早く案内して下さいスサノオ」

 

「はいはいはい……わかってるよ……」

 

スサノオは心底疲れたような表情を浮かべて歩き出す。

 

「夜鶴様。私たちも参りましょう。

そうだ、宜しければこちらを握って下さいませ」

 

アルテミスはそう言って紐を俺の手に持たせてくる。

 

「なんだいこれは?」

 

そう言いながらその紐を強く引いてみた。

すると―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――あぁん♪

そんなに強く引くだなんて流石は夜鶴様ですぅ♪」

 

アルテミスが嬉しそうに声を上げた。

よくよくその紐の先を見てみると、それは―――――

 

 

 

「―――――これってリードじゃないかっ!?」

 

―――――アルテミスの首にいつの間にか付いていた首輪に繋がっていた。

 

「そうですよぅ……私は夜鶴様の下僕(いぬ)ですからぁ……」

 

ハァハァと荒い息をしながらそう言うアルテミス。その姿を見るだけでよく分かった。この娘は―――――

 

 

 

 

 

―――――ドMである、と。

 

 

 

「テメェは何してくれてんだっ!!!」

 

俺がそんなどうでもいい事を理解していると前方からスサノオが飛び蹴りを喰らわせた。

アルテミスはその蹴りをガードすると不服の表情を浮かべる。

 

「私の至福の時間を邪魔しないで下さいスサノオ」

 

「このド阿呆!!!

そんな特殊な至福の時間があってたまるかっ!!!

夜鶴が困ってるだろうが!!!」

 

スサノオはそう言うと俺の方を向いて深々と頭を下げた。

 

「本当にすまないっ!!

この阿呆にはよく言って聞かせるから……」

 

「あぁ〜……大丈夫だよ?

俺もびっくりしただけだからそんなに気にしなくてもいいよ」

 

俺がそう言うとスサノオはアルテミスの首根っこを掴んで引き寄せると口を開く。

 

「ほら!アルテミス、テメェも言うことがあるだろうが!!」

 

アルテミスは少し考えるようにする。

そして、

 

 

 

「―――――今度は2人っきりでやりましょうね、御主人様♪」

 

とてもいい笑顔でそう言った。

 

 

 

「テメェマジに叩き斬ってやろうか……?」

 

「出来る物ならやってみなさい」

 

スサノオとアルテミスは互いに睨み合って威嚇する。

 

「ほらほら2人とも仲良くしないと駄目だよ?」

 

そんな2人の間に割って入るとそう言った。このままでは俺の目の前で洒落にならない戦闘が始まりそうで怖かったのだ。

 

(……まぁ、始まったら始まったで力ずくに止めても良いんだけど……)

 

やはりそんなことにならないのが一番良いだろう。

 

「……夜鶴がそういうのなら仕方ねぇな……」

 

スサノオはそう言って柄に掛かった手を退かす。

 

「夜鶴様のご命令とあらば……」

 

アルテミスはそう言って構えを解いた。

 

「良し。

それじゃぁ、気を取直して……スサノオ、案内頼めるかな?」

 

「了解した」

 

言って、今度こそ3人して目的地に向かい歩み出した。

 

 

 

 

 

 

―――――初めての【神界】は中々に不思議な物であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編の方はいかがでしたでしょうか?
楽しんで頂けたのなら幸いです!



さてさて、ここからは雑談ですが……。

兄と姉がパズドラを進めて来てくれたのですが、意外とハマってしまっています!
最近と言っても既にログインは200日近いのですが……(苦笑)

その半分以上くらいはただログインしていたので実質やっているのは二、三カ月です(苦笑)


そして、パズドラをやっていて思ったのですが……パズドラって二次創作しやすそうですよね(笑)


とまぁ、雑談はここまでとして……。

感想などお待ちしています!

また次回お会いしましょう♪

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。