【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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今回は久しぶりの四千字超をしました……。

もう私、腐女子で良いのです……。
この十六夜編、筆が進みすぎます……。

というか皆さん私を腐女子で弄らないで下さいっ!!
本当の本当に腐女子じゃないですからっ!!



ともかく、本編をどうぞっ!!


〜逆廻 十六夜 なんだそうですよ?Ⅲ〜

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

『ギフトゲーム名 【須佐之男命の試練】

 

・プレイヤー 一覧

逆廻 十六夜

不知火 夜鶴

 

・【高天原】ゲームマスター

須佐之男命

 

・クリア条件

ホスト側のゲームマスターの提示する四つの試練を全てクリアする。

ホスト側のゲームマスターの打倒。

 

・敗北条件

プレイヤー側が降参を宣言した場合。

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

宣誓

上記を尊重して、誇りと御旗とホストスターの下、ギフトゲームに参加します。

 

【高天原】印』

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

「おい夜鶴コレ見てみろよ。

面白そうなルールが書いてあるぜ?」

 

十六夜はその手に【契約書類】を握りながらニヤニヤと笑う。

 

「それはやっぱり【ゲームマスターの打倒】の所かい?」

 

「当たり前だろ?

にしてもクリア条件としてコレがあるならこっちをクリアすっかな……」

 

オレの言葉を聞いた十六夜は真顔でそう返すと真剣に悩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――それはあまりオススメしないよ?」

 

オレと十六夜は突然聞こえてきた男性の声に反応し、いち早くその方を向いた。

 

「へぇ……アンタが須佐之男命で良いのか?」

 

十六夜はその男性の姿を見た瞬間獰猛な笑みを浮かべてそういった。

 

黒い袴と羽織姿の青年といった姿の男性。

見たところあまりがっちりとした体型ではなくどちらかといえば細い。

 

「うん。まぁ、そうだよ。

俺がコミュニティ【高天原】所属の須佐之男命だと名乗らせて貰ってるよ」

 

宜しく、と須佐之男命は柔らかい笑みで言った。

 

「じゃぁ質問だが……この【ホスト側のゲームマスターの打倒】ってのは本当にクリアしちまっても良いのか?」

 

挑発的な笑みの十六夜に対して須佐之男命はふっと笑うと

 

「クリア出来るならクリアしてもらっても構わないんだけど……その時は俺も【高天原】の主力メンバーとしては負けるわけにはいかないからね

 

 

 

―――全力で相手をしようじゃないか」

 

刹那、須佐之男命から闘気が発せられた。

 

「ッッ?!!

……ヤハハ……こりゃスゲェな……」

 

「……うん。確かに中々の実力者みたいだね」

 

闘気の量と質からして今の十六夜よりは確実に強い。

流石は【高天原】なんていうメジャーな名前をコミュニティの名前にしているだけはある。

おそらく彼の言った主力メンバーというのにはこの程度の実力者がゴロゴロ居るのだろう。

 

(……でもやっぱりこの程度なんだよね……)

 

十六夜は実力差を感じ取りそれでもなお闘争心を剥き出しにしているのだろう。

 

しかし、オレにはまだまだ足りない。

 

(まぁ、オレを越える実力者なんてこの箱庭には居るわけ無いだろうけどさ……)

 

オレは表情には出さずに心の中でふっ、と自傷気味に笑った。

 

「……さて、御二人さん?

君たちはどっちに挑戦するのかな?」

 

その言葉に十六夜はしばらくの後、仕方がないといった表情で口を開いた。

 

「……もう一個の方だ。

仕方ねぇから四つの試練をクリアしてやる」

 

「分かったよ。

それじゃあ……始めようか?」

 

十六夜の言葉に須佐之男命は不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「それじゃあ……第一の試練だ。

此処に居る三匹の蛇神を君たちの持つギフトを一つだけ使って打倒するか、一時間逃げなさい。

……俺のオススメは逃げることだy「終わったよ?」……は……?」

 

得意気に初めの試練について説明していた須佐之男命にオレはそう呟いた。

何と言うか須佐之男命の得意気な顔が無性にイラッとしたので 【妖精の法律(フェアリーロウ)】を問答無用で蛇神に叩き込んだら終わってしまった。

なんて防御力のない蛇神なのだろうか。

 

「えっ……?えっ……?えぇっ?!

き、君があの蛇神三匹倒したの……?!」

 

オレの方を向いて驚きの表情を隠しきれない様子の須佐之男命。

オレの事はただの十六夜のおまけとしか見てなかったのだろうか彼は。

 

「……おかしいな……あの三匹は俺が神格与えてた筈なのにな……」

 

ぶつぶつと須佐之男命は何かを呟いていた。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

「ま、まぁ、気を取直して第二の試練を始めようか」

 

そういった須佐之男命はその手に弓と矢を出現させた。

 

「第二の試練はこの矢を探してくること。

今から俺はこの矢を射るからそれを一時間以内に探してきてくれ。

範囲は―――――箱庭全土だ」

 

と、最後の言葉と被せるように須佐之男命は矢を放った。

 

「さぁ、早く探しに行かなくていいのかい?

もうカウントダウンは始まっているよ?」

 

須佐之男命はドヤ顔でそういった。

 

 

「……ねぇ十六夜」

 

「……なんだ夜鶴」

 

「……オレ手加減無しでこのギフトゲームクリアして良いかな?」

 

この時のオレは恐らく無表情だっただろう。

 

「あぁ〜……まぁ良いぞ?

だけど少しくらいは俺にも出番をくれよ?」

 

「ん。了解だ」

 

十六夜に許可を貰ったのでオレは手加減、自重を捨てることにした。

 

 

―――【創造者の娯楽(クリエイター)】発動。

作成能力(スキル)内容指定……

 

創造(クリエイト)】……

腑罪証明(アリバイブロック)

 

 

 

創り出したのは計1京2858兆0519億6763万3865個ものスキルを持っているもはやバグキャラな少女の持つスキル。

その少女いわく、『いつでも好きなときに好きな場所にいられる』という能力だ。

 

 

オレはその創り出したギフトを行使して放たれた矢の着地点に移動して矢を手で掴むとそのまま十六夜たちの下へ帰って行った。

 

「ただいま十六夜」

 

「お帰り夜鶴。

なんだもう終わっちまったのか?」

 

「まぁね」

 

オレはそう言うと須佐之男命の方へ矢を放った。

 

「これで第二の試練もクリアだよね?」

 

「……そうだね」

 

矢を見詰めながら疲れたように須佐之男命はそういった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「つ、次は第三の試練だよ!!

今回はこの百足を打倒したらクリアだよっ!!

ちなみにコイツはさっきの蛇神の数倍の強さd「終わったぞ?」……もぅヤダこの二人……」

 

十六夜の言葉にとうとう座り込んでしまった須佐之男命。

その姿に強者という威厳は欠片も無かった。

 

「まさかワンパンでくたばるとは思わなかったぜあの節足動物」

 

「まぁ、十六夜も規格外だよね」

 

「夜鶴にだけは言われたくねぇよ」

 

 

 

「いや、君たち二人とも規格外だよっ!!!」

 

オレたちの会話に須佐之男命からのツッコミが炸裂した。

 

 

閑話休題

 

 

「……はぁ……全く。

君たちが初めてだよ最後の試練まで来れたのは」

 

須佐之男命はゆっくりと立ち上がるとその身から闘気を漏れださせた。

 

「次が最後の試練だ。

最後の試練は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――俺との本気の鬼ごっこだ」

 

須佐之男命の瞳がギラリと光った。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ルールは簡単。

今から三十分間俺から二人とも逃げ切れたらクリアだ。

とまぁ、鬼ごっこと言っても俺から捕まるじゃなくて動けなくなったらアウトだ。

つまり、気絶させられたらアウトだよ?」

 

須佐之男命は全身から闘気を溢れ出させながらそういった。

 

「さて―――――スタートだ」

 

その掛け声と共に跳んだ。

十六夜と須佐之男命は互いに向かって(・・・・・・・)

 

「なっ?!!」

 

「まずは一発様子見だ!!!!」

 

十六夜はそう言いながら右拳を須佐之男命に向かって振り抜いた。

驚いていたためか須佐之男命は十六夜の右ストレートをよけきれずに喰らってしまう。

 

 

 

 

 

―――しかし、彼は地から足を離すこと無く顔を少し横に向けるだけだった。

 

「……嘘だろ……」

 

「これが本当なんだよね……。

さて、次は―――俺の番だよな?」

 

そういった須佐之男命は十六夜に向かって右ストレートを繰り出した。

 

「がっ……っ?!?!!」

 

それを受けた十六夜は宙を舞い後方に吹き飛ばされてしまう。

オレはそんな十六夜の身体を衝撃を殺しながら受け止める。

 

「……ゴホ……ッ!」

 

十六夜は口から血の塊を吐き出す。

どうやらかなりの威力だったらしいがまだアレは手加減した威力でしか無いだろう。

 

「君、頑丈だね……なんていう身体の構造してるんだい……?」

 

須佐之男命は右手を振りながら十六夜を見詰めた。

 

「……ヤハハ……!

身体が頑丈なのが俺の取り柄の一つでね……!!」

 

十六夜は足をふらつかせながら立ち上がる。

その顔には自分よりも強い者への恐れなど感じさせない。

あるのはただ獰猛な顔と楽しんでいる子供のような屈託の無い笑みだ。

 

「も一発行くぞッ!須佐之男命さんよッッ!!!」

 

「掛かって来なよ!!」

 

そう言ってもう一度二人は互いに向かって跳躍した。

 

「「オラァァァァァァッッ!!!」」

 

互いに繰り出すのは先程と同じ右ストレート。速度もリーチも変わらない。

その右ストレートは空気を切り音を裂きながら互いの顔に吸い込まれていった。

 

「ぐっ……!!」

 

須佐之男命は何とか踏みとどまろうとしたようだが数メートル後ろに押されていった。

 

「がっぐぅっ……!!!?」

 

十六夜は顔を歪めながらもその2本の足を地から離さず吹き飛ばないように踏ん張っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――が、十六夜はガクッと膝を折った。

 

「ちっ……!!

今までの無理が来ちまったか……!」

 

悔しそうな声を上げる十六夜。

折角の自分よりも強い敵との勝負。それを自らの愚行のせいで続けられなくなってしまった為だろう。

 

「さて、ここからはオレの出番だよね?」

 

オレはそんな十六夜の肩をポンと叩くとそう言った。

 

「悔しいが……仕方ねぇな。

んじゃ、残りは頼んだぜ?夜鶴」

 

そう言った十六夜はその場に大の字で倒れ込んだ。

 

「あぁ〜!!!!!

楽しかったぜ……!!」

 

そう言った十六夜の表情は満面の笑みだった。

 

 

 

 

 

「さて……ここからはオレが相手を務めさせて貰うよ」

 

オレはそう言って須佐之男命を見据えた。

 

「んん〜……女子供の相手は俺としては苦手何だけど……手加減はしないよ?」

 

須佐之男命はそう言いながら構えた。

 

(全く……女子供の相手は苦手……ね。

……少しお灸が必要かな……?)

 

「さて―――――行くよ」

 

オレはそう言って一歩踏み出し、その一歩により須佐之男命の目の前まで移動する。

 

「なっ?!はや―――」

 

「不知火式……無刀……【抜澪(ぬれい)】」

 

右拳に全ての力を乗せて須佐之男命のお腹を殴る。

 

「ごふっ……?!!!」

 

須佐之男命は口から大量の血を吐き出した。そして、オレの顔を信じられないものでも見たかのような顔で見詰める。

 

「……な、何を……した……?!」

 

苦しそうに膝を折った須佐之男命はそう呟いた。

 

「普通は教えないんだけど……仕方がないから教えてあげる。

この【抜澪】は衝撃透しの技でね。

内臓に直接ダメージを与えられるんだ」

 

「……だからこのダメージか……君もやるね……」

 

須佐之男命はゆっくりと立ち上がると口を拭った。

そして―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ギフトゲームクリアだ。おめでとう」

 

ニコリと笑ってそう言ったのだった。

 

「流石にこの傷じゃ残りは回復に当てないといけないからな……」

 

「オレとしては立ててる時点で驚きだけどね」

 

いくら手加減に手加減を重ねた一撃だったとしても立ち上がるなんて思いもしなかった。

 

「これでも【高天原】の主力だからね。

簡単に倒れるわけにはいかない」

 

そう言った須佐之男命の顔はちょっと苦笑い気味だった。

 

「……さて、このギフトゲーム初クリアとなった訳だけど……君たちは何を望むかい?

やっぱり三種の神器かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――いや、確かにそれも魅惑的だが今回はもう一個の方を頼めるか?」

 

と、先程まで寝ていた十六夜が立ち上がってそう言った。

 

「へぇ……珍しいね。

やっぱり……彼女にかい?」

 

須佐之男命はオレの方をチラリと見ると十六夜にそう言った。

 

「ヤハハ!

当たり前だろうが」

 

「ん〜……中々のセンスだね……」

 

須佐之男命はオレをじっと見ながら十六夜の肩をぽんと叩いて笑った。

 

「だろ?

まぁ、ちょっと複雑な事情はあるけどな」

 

ヤハハ!!と十六夜は愉快そうに笑った。

 

「そうかい。

それじゃあちょっと待っててね。

今回の賞品を用意するから……」

 

須佐之男命はそう言うとパチン、と指を鳴らした。

その手の中にあったのはひとつの小さな箱だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば今更だけどさっきの戦闘中に君下着見えてたよ?

黒とは大胆だね……」

 

「もっと早くいうか見なかったことにしなよ?!!」

 

オレは遅いながらもついつい裾を押さえてしまった。

 

「それなら俺も見たぞ?

しかも紐とは中々のセンスだわ」

 

「だから言うなぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本編は如何でしたでしょうか?
今回は簡単にゲームを終わらせてみました。
やはり見ごたえは無かったと思いますが……そこは本当に申し訳ありません……。

さてさて、予定では次回で十六夜編は終了となります!!

その後はあの人を書くか……それとも3巻の内容に入るか……悩みどころです……。


さてさて、また言わせていただきますが、私に感想と言う名のエネルギーをお与え下さいませ!!
最近寂しいのです……(´。・д人)シクシク…


ちなみにですが……もしかしたら次回、料理コーナーをするかもしれません♪


それではまた次回お会いしましょう♪

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