【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ? 作:夜叉猫
さぁ始まりました恋愛話の二人目!
お待たせしたのなら申し訳ございませんっ!!
それでは、本編をどうぞ♪
耀からの告白から数日。
しばらくは毎日の様にデートを重ねていたが、今日は耀に大切な用事が出来たそうなので俺は【月光庵】でのんびりとくつろいでいた。
縁側に腰掛け、緑に囲まれた風景に目を向ける。そこには豊かな、そして確かな自然が広がっていた。
「此処までお世話をしたのは【ノーネーム】の子供たちだと考えると……感慨深いね……」
豊かに実る果実や花。
俺は【復活】させただけで何もしていない。この風景を造ったのは紛れもない【ノーネーム】の力だ。
そう思うと思わず笑みが溢れる。
「居るかしら?夜鶴君」
と、そんな時俺を呼ぶ声が聞こえて来た。
声の方に顔を向けると、そこにはいつものドレスではなく、膝丈のフレアスカートに黒のジャケットという服装の飛鳥の姿があった。
「今日は居たようね夜鶴君。
最近は全然居ないから今日も駄目かと思っていたわ」
俺の姿を視界に入れた飛鳥は安心したという風にそういった。
どうやら俺をしばらくの間探していたようだ。
「あははは……ごめんね飛鳥。
それにしてもその服似合っているね」
「ありがとう夜鶴君。……それより夜鶴君は毎日のように何処へ行っていたの?」
飛鳥は簡潔にお礼を述べると、安心したという表情から一転、腕を組みながら少しばかり不機嫌そうに問う。
「えっと……俗に言うデートってモノかな?」
「あら、オーミさんが来ていたの?」
「いや、今回は耀とのデートだよ」
俺がそう言うと飛鳥はぴくりと体を震わせる。
「……夜鶴君と春日部さんはいつからそんな仲になったのかしら……?」
不機嫌さがにじみ出てくるような声で飛鳥はそういった。
頬も引き攣っているように見える。
「つい最近かな……?
一応彼氏と彼女の関係になったよ?」
「……へぇ……」
呪い殺されるのではないかというほどの飛鳥の声。
少しばかり不機嫌すぎでは無いだろうか……?
「か、勘違いしないで欲しいんだけど、浮気では無いよ?
しっかり2人には了承を得て、2人とも幸せにするなら良いと言われたから付き合い始めたんだ」
眉間によった皺が解かれる。
「それに、俺たち神様っていうのは一夫多妻が普通なんだ……ってこれは関係ないね」
俺が苦笑い気味にそう言うと飛鳥は瞳を輝かせた。
「一夫多妻……いい事を聞いたわ……」
飛鳥はその場でくるりと回ると俺の方を含みを持った笑みで見る。
そして―――
「私とデートに行きましょう、夜鶴君」
強気な雰囲気を醸し出す飛鳥。
とても飛鳥らしくて、そして美しかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「私は支度をしてくるわ。
ちょっと待っていてね?夜鶴君」
飛鳥は俺の返事を聞くよりも早くそう言うと【ノーネーム】の屋敷の方へ戻って行ってしまった。
その姿を見た俺はしばらくの間ぽかんと口を開けてしまった。
「……俺も着替えようかな……」
確かに俺も返事はOKを出そうとしていたが……せめて返事くらいは聞いて欲しかったな……。
そんな事を思いながら俺は着替えに取り掛かった。
「……どの和服着ようかな……」
和服の種類が多いというのも考えものである。
~~~~~~~~~~~~~~~~
水色の生地に白い翼の模様の和服に身を包んだ俺は片手に赤い京和傘を携えて、飛鳥を待っていた。
そして、十分ほど経った頃だろうか、
「ごめんなさい夜鶴君。
待たせてしまったようね……」
準備が終わったのか、飛鳥は俺の方へと駆け寄って来ると申し訳なさそうにそういった。
「いやいや、全然待っていないよ?
早かったね飛鳥」
「えぇ……。
私は持っていく荷物を纏めるだけで支度は終わりだもの」
まぁ、大したものは入っていないけどね。
飛鳥はそう言うと手に持つバックを少しだけ上げて見せた。
「ふふふっ。そっか。
そのバック俺が持とうか?」
手を差し出しながらそう言うと飛鳥は首を横に振る。
「いえ、バックは持たなくて良いわ。
その代わり……」
飛鳥は俺の右腕に自らの腕を絡め、身体を密着させて来た。
「今日は夜鶴君の腕を貸してもらいたいわ」
小悪魔的な笑みを浮かべた飛鳥。
ついつい苦笑いが漏れてしまったが、役得としか言えないので良いよ、と言って拒否はしない。
「それじゃあ、行きましょうか夜鶴君」
そういった飛鳥は更に俺の右腕に密着した。
―――――今日は忙しくなりそうだ。
皆様いかがでしたでしょうか?
今回は短めの内容でした……
すみません……作るのが下手で……
次回からも頑張りますので、どうぞ宜しくお願い致しますっ!!
それでは、また次回お会いしましょう♪