【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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まさかの意図せずにお風呂の話に!?

そして、やっと卒業しました♪
後は受験の結果発表を待つのみです!

さて、ただいま【夜鶴シリーズ】のアンケートをしています♪
活動報告からのアンケートも宜しくお願い致します♪

それでは、本編をどうぞ♪


~お風呂だそうですよ?~

Side 飛鳥

 

レティシアとともに【サウザンドアイズ】に帰って来た私は部屋に戻ろうとしていた。

 

「お風呂へ駆け足ッ!!!今すぐです!!」

 

その道中……いえ、【サウザンドアイズ】の店の中に入ろうとした時に、いつもの無愛想な女性店員に捕まってそう言われた。

 

「その様な薄汚れた姿で【サウザンドアイズ】の暖簾をくぐろうなどとは言語道断!!!

衣類は此方へ!洗濯します!!

衣類の解れは修繕してあげますから感謝なさい!!!」

 

八重歯を剥いて大一喝する女性店員。

 

「私は部屋で治療しようとしているのだけど?」

 

「そんなモノは【サウザンドアイズ】のお風呂に浸かれば完治します!!

早くお風呂に行って下さい!!」

 

女性店員はそう言うと私の服を半ば無理矢理剥ぎ取りお風呂へと引っ張って行った。

しかし、その手は私の傷に触らないように優しいモノだった。

……彼女もやっぱり優しいのね……。

 

 

 

「ふぅ……」

 

店員に連れられて来たのは解放感のある露天風呂だった。

星空が綺麗に見え、もうこれだけでも心が安らぐ。

 

「……流石は【サウザンドアイズ】のお風呂ね……。本当に浸かるだけで傷が治るなんてね……」

 

ネズミに襲われてついた噛み傷や引っ掻き傷などは綺麗に無くなり、肌も潤っているように感じる。

私は星空を見上げながら物思いに耽った。

 

(楽しい一日だった……。

自由に走り回り、見たいものを見て)

 

十六夜君との散策、レティシアのくれたクレープ、とんがり帽子を被った精霊と見た展覧会。

私の夢見た日々を今まで以上に噛み締めることが出来た。

 

「……だけど……」

 

決して楽しいことばかりではなかった。

襲い来るネズミたち、不気味な声に反響する笛の音。

 

(でも、どうしてネズミには私の【ギフト】が通用しなかったのだろう……

ルイオスの時はともかく……私がネズミに劣っているとは流石に考えられない)

 

ルイオスは言った『そんなのが通じるのは格下だけだ』と。

黒ウサギに聞いた【霊格】。

それは世界に与えられた【ギフト】。生命の階位。

私の【威光】は、その【霊格】の下であるモノには通用するのだ。

 

(だとすると……考えられるのはひとつ。

私より格上の……強力な誰かの【支配】を既に受けていた?)

 

そう考えると納得が行く。

私の【ギフト】が通じなかったのも既に受けていた【支配】の力が強かったとすれば……。

そう考えた私は湯船の中に潜った。

静かな場所で考えたいことがあったのだ。

 

(やはり私の【ギフト】は使い勝手が悪すぎる……

相手によって効果が左右されてしまうのだから……)

 

私は【ギフトを支配するギフト】を望んだ。

そうなると、更に使い勝手が悪くなってしまう。

いくら強力な武器の【ギフト】を支配したとしても十六夜君や春日部さんのような大立ち回りが出来る訳ではない。

ましてや、夜鶴君みたいな武術の使い手でもない私は武器に振り回されてしまうだけだ。

 

(……選択……誤ったかしら……)

 

私はその思考の中で落ち込んでしまい湯の中できつく膝を抱えた。

 

(でも!私は【人を操る魔女】になりたい訳じゃない!

心を歪ませてまでうなづかせることに価値なんかこれっぽっちもない!

【ギフトを支配するギフト】……モノにしてみせる)

 

強い決心をした私は勢い良く立ち上がった。

その時に桶に入っていたとんがり帽子を被った精霊が流されて行ったが気にしないでおきましょう。

私は纏めておいた髪を解いた。

脱衣所が騒がしくなったのはそんな時だった。

 

「飛鳥さん!!!怪我をしたというのは本当ですか!!」

 

体をタオルで隠しながら黒ウサギは駆け込んで来た―――――

 

―――――ガッ!!!

 

―――――のだが、足下にあった桶につまづき宙を舞った。

クルリクルリと回る……そう、トリプルアクセルをしながら湯船にダイブした。

ダイブした黒ウサギから致命的な音を聞いた気がした私は慌てて黒ウサギに近寄った。

 

「ちょ、ちょっと黒ウサギ!!!?

大丈夫なの?!貴女?!

湯船の底に頭が突き刺さってるわよ?!!」

 

「だ、だいぼうぶでごばいばぶ!!!

あぶばばんごごだびぼうぶべぶば?!!」

 

「……心配してくれてるのは分かるけど、正直何を言っているのか分からないわよ?」

 

私はそう言いながら黒ウサギの耳を掴んで勢い良く引き抜いた。

 

「フギャァッ!!!?」

 

黒ウサギは悲痛な悲鳴をあげたようだが……気にしないでおきましょう。

黒ウサギは半泣きで耳の付け根を撫でながらこちらを見詰める。そして、私の肩を掴むとボディチェックを始めた。

 

「き、傷は大丈夫でございますか?!!

ネズミからの細菌は?!!!

乙女の柔肌に痕が残るようなモノは御座いませんか?!

痛みは?痩せ我慢してはいませんか?本当に大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫よ。湯船に浸かったらすぐに治ったわ」

 

無遠慮な程に全身をまさぐられるが、黒ウサギの私を心配しているからこその行為なので突き放すことは出来ない。

 

「……て!!………しゃ……ん!!」

 

「フハハ……!!……しも………に……ろへ……入ろ………な……か!!!!」

 

脱衣所の方から騒がしい声が聞こえてくる。

私と黒ウサギは互いの顔を見合わせると首を捻った。

 

「何事かしら?」

 

「さ、さぁ……?白夜叉様では無いでしょうか?」

 

私たちがそう話していると、脱衣所からの扉が開きナニカが放り込まれた。

そのナニカは宙を舞い、湯船に着水した。

湯船からブクブクと泡が出てくる。

私が近づこうとすると、そのナニカは湯船の中から勢い良く飛び出して来た。

 

「し、白夜叉ちゃん?!!放り投げるなんて酷いじゃないか!!!」

 

「フハハハハ!!!!

これでおんしも女湯デビューじゃな!!!」

 

そのナニカは何処かで聞いたようなしかし、聞いたことの無いような声で叫んだ。

 

「「……わぁ……」」

 

私と黒ウサギはナニカ……いえ、彼女(・・)の姿を見た瞬間に声を漏らした。

すらりと伸びた手足に細いウエスト。

無駄と言われる肉は見当たらず私たち女性から見たら理想的なモノだ。

更に胸は黒ウサギ程とは言わないがその体にみあった程の大きさがある。

湯船に沈んだ為に濡れた髪は腰まで伸びており、体に少し張り付いている。

 

私たちが彼女に見惚れていると、彼女の目線がこちらに向けられた。

 

「あ、飛鳥……黒……ウサギ……?」

 

引き吊った表情の彼女は私と黒ウサギの名前を口にした。

その顔も何処かで見たような気がするのだが、やはり見たことの無い顔だった。

 

「えっと……私たち何処かで会ったことがあったかしら……?」

 

「え、えっと……その……」

 

彼女は私たちから目を逸らすとクルリと後ろを向いてしまった。

私たちが首をかしげていると、白夜叉が笑いながら口を開いた。

 

「何を不思議そうにしておるんだ?黒ウサギに飛鳥よ」

 

「いえ、彼女が誰なのかと思ったのよ。

見たことが無いし……黒ウサギ、貴女は?」

 

「いえ、黒ウサギもあの方は存じません!!」

 

私が黒ウサギの言葉を援護するように白夜叉に向かって首を捻った。

すると、白夜叉はニヤリと笑いながら再び口を開いた。

 

「それよりおんしたち。

体をタオルで隠さなくても良いのか?」

 

タオルを持ち上げ自らの体を隠す白夜叉。

 

「大丈夫よ。だってここには女性しかいないのだから。

ねぇ、黒ウサギ?」

 

「Yes♪少し恥ずかしい時もありますが、女性の方なら少しは大丈夫です。

お風呂は裸で入るモノですから!」

 

「フハハハハ!!!

その発言に後悔しないことじゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――のう?夜鶴(・・)

 

白夜叉は私たちの後ろに立っている彼女にそう言った。

……夜鶴…………?

 

……私の脳裏に嫌な予感がよぎった。

 

「ま、まさか…………」

 

私は後ろを振り向き、彼女を見詰めた。

今思えば気付いても良かった筈だ。

白夜叉を【白夜叉ちゃん】と呼び。

聞いたことのあるような声で。

見たことがあるような顔で。

 

「……夜鶴君……なの……?」

 

彼女の首は縦に振られた。

 

 

Side Out

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」」

 

風呂に二人の女性の悲鳴がまきおこった。

一人は飛鳥。もう一人は黒ウサギだ。

二人は桶を掴みふりかぶる。おそらく俺に投げ付けるのだろう。

それは当たり前だ何せ男の俺が女湯にいるのだから。

悪いのは俺だ。だから俺は避けるつもりは無いし、何をするつもりも無いが、事の発端である白夜叉を睨むくらいは許して欲しい。

俺の視線に気がついた白夜叉はニヤリと笑っていた。

 

(ラッキースケベだのぅ!!!)

 

何故かその言葉が白夜叉の声で頭に響いてくる。

無性に腹がたつのは俺の気のせいなのだろうか……?

 

しかし、桶は無情にも放たれる。

二つの桶は物凄いスピードで宙を舞い、そして当たった。

 

……白夜叉ちゃんに。

 

「ほぶぅぅぅっ??!!!!!

な、何故私に…………」

 

「夜鶴君が望んでこんなことするわけないでしょう!!

大方貴女が無理矢理連れて来たんでしょう?」

 

「そうです!!

夜鶴さんは真面目な御方なのです!!」

 

……俺ってなんでこんなに信頼されてるんだろう……

俺はそんなことを思いながら、【職人の逸品(ワン・オフ・メイク)】で四人分のバスタオルを創り出した。

 

「と、ともかく三人ともこれ体に巻いて」

 

後ろを向きながら飛鳥たちにバスタオルを差し出した。

 

「あら、ありがとう夜鶴君」

 

「ありがとうございます夜鶴さん」

 

「おぉ、私にもくれるのか。すまんな」

 

そう言いながら三人はバスタオルを受け取った。

俺も体にバスタオルを巻き付ける。

今は女性になっているのだから流石に全裸なのは気が引けるし何しろ恥ずかしい。

 

「もう大丈夫よ、夜鶴君」

 

飛鳥の声に俺は振り向いた。三人ともきちんとバスタオルを巻いてくれている。

 

「ごめんね飛鳥、黒ウサギ。

オレはあがるから、体を温め直してからあがって来なよ」

 

そう言って湯船から立ち去ろうとすると……

 

「「「待って(待って下さい)(待つのじゃ)」」」

 

飛鳥に左肩を掴まれ、黒ウサギに右肩を掴まれ、白夜叉に胸を―――

 

「白夜叉ちゃんはどさくさに紛れて何処を触ってるのさ!!!」

 

「おぉっと!すまんな!

つい手が伸びてしまったわ!」

 

「……ハァ……もう良いよ……

それで?なんで呼び止めたの?」

 

オレがそう問い掛けると、飛鳥たちが口を開き始めた。

 

「夜鶴君も一緒に入らないかしら?」

 

「そ、そうですよ!!

夜鶴さんまだきちんとお風呂に入れてないでしょう?」

 

飛鳥と黒ウサギの顔は少し紅くなっているが、それがお風呂によってか恥ずかしさからなのか判断しかねる。

 

「……今はこんな姿だけど一応オレ男だからね?

それ分かって言ってるの?」

 

「あら、そんなこと百も承知よ?」

 

飛鳥は腰に手を当てながら当たり前のように言った。

 

「黒ウサギも分かっていますよ!

た、たまには夜鶴さんとも話してみたいのですよ!!」

 

黒ウサギは身を乗り出しながらそう言った。

すると、白夜叉は愉快そうに笑い出した。

 

「私も良いよ。

むしろ、私が連れて来たんだから拒否する訳がないだろう」

 

「そ、そっか……」

 

まさかの三人からの同意、合意を頂いてしまった。

オレがその場で硬直していると、飛鳥に手を引かれた。

 

「さぁ、こちらに来て一緒に入りましょう?夜鶴君?」

 

「……分かったよ」

 

オレは渋々と言った風に湯船に浸かった。

すると、いきなり胸を誰かに掴まれた。

 

「ひゃっ?!だ、誰なの?!」

 

オレの前には飛鳥、黒ウサギ、白夜叉、レティシアがいるので後ろには誰も………あれ?

 

「……レティシアはいつ来たの?」

 

「先程、皆と一緒にな」

 

その言葉にオレは後ろにいるのが誰か予想が出来た。

 

「……なんで耀はオレの胸を揉んでるのかな?」

 

「……好奇心が為せる業」

 

耀の顔は無表情。しかし、手はオレの胸を揉んでいる。しかも、無駄に念入りに。

オレは耀の腕を掴むと胸から離させる。

 

「そろそろ離そうね……」

 

耀は残念そうな表情を浮かべながら湯船に浸かった。

みんな気持ち良さそうな表情を浮かべる。

 

「……レティシアと耀は何気ない風にお風呂に入っているけど……良いの?」

 

「なにがだ?夜鶴」

 

一言だけ淡白に言ったレティシア。

ちなみに大人バージョンのレティシアなので威厳というかなんというか、いつもとは違う雰囲気を纏っている。

 

「オレ、男なんだけど……一緒にお風呂入ってて大丈夫なの?」

 

「なんだ、そんなことか。

私は大丈夫だぞ?気にしなくても良い」

 

大人な態度のレティシア。

精神は体に引っ張られるというが、やはり大人の姿になると違うようだ。

 

「私も、夜鶴なら大丈夫」

 

頬を染めながらそう言った耀。

なんとも可愛い表情だ。

 

それからオレは飛鳥、黒ウサギ、耀、レティシア……ついでに白夜叉と楽しくお風呂に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――「夜鶴!胸を揉ませぃ!!」――

 

――「嫌に決まってるでしょ?!」――

 

――「あら、私も揉んでみたいわね」――

 

――「飛鳥まで!!?」――

 

――「なら、私も少し触らせて貰おうかな」――

 

――「では、黒ウサギも……」――

 

――「レティシアに黒ウサギまで?!」――

 

――「頑張って夜鶴。

そんな夜鶴を私は応援してる」――

 

――「そんなぁぁぁぁぁぁ?!!!」――

 

 

 

 

 

 

 

 




作「【皆の】!」

夜「【雑談部屋】~!!」

作「さぁ、来ました【皆の雑談部屋】第四弾♪」

夜「ん~……定番のコーナーみたいになれば良いね」

作「確かにそうですね♪
私の定番のコーナーは【料理話】ですから♪」

夜「とりあえず今回のゲストを呼ぶね?」

作「どうぞどうぞ!」

夜「では、今回のゲストは!!」

黒ウサギ「私ですね♪」

作「真面目にドアを開けてくれたのは君が初めてだよっ!!!」

黒「あやや……大変なんですね……。
よくわかりますよ……」

作「黒ウサギも頑張ってね……」

夜「謎の友情が芽生えてるね……」

作「ともかく、今日はゆっくり出来るよ」

黒「黒ウサギもゆっくり出来るので安心しているのですよ」

作「そういえば、今日やっと原作が揃いました!!」

夜「……登場人物にその話をするかな?普通」

黒「良いじゃないですか!
作者さんの自由なのですよ!!」

作「黒ウサギの優しさが心に染みるよぅ……」

夜「とりあえず今日はいつものコーナーを長めにしてみたら?」

作「それは良い考えですね!!
じゃあ、黒ウサギコーナーの名前を!!」

黒「Yes♪【夜叉猫の料理話】です♪」

作「今日は新しく作った料理ですよ!」

夜「どんな料理なんだい?」

作「まず、材料はご飯、ウィンナー、醤油、チーズ、お好みの野菜です!」

黒「結構何処にでもありそうな食材ですね」

作「ボールにご飯を入れて醤油を少し入れてまぜます。
そして、ウィンナーとお好みの野菜、今回は玉ねぎとトマトです。それを切ってご飯と混ぜ合わせます!」

夜「全部混ぜて良いんだね?」

作「勿論です!
そして、混ぜたらマヨネーズを少し加えてまた混ぜます!
出来上がったら耐熱皿に入れてチーズをかけてオーブンでこんがり焼いて完成です♪」

黒「なかなか簡単ですね♪」

夜「最近のメニューも簡単なものばかりだったもんね

作「結構美味しいのでオススメです♪」

黒「作者さんはいいお嫁さんになりそうですね♪」

作「そ、そんなこと無いですよ~///」

黒「そんなことありますよ!」

作「ありがとう黒ウサギ♪」

黒「いえいえ♪」

夜「……ふむふむ作者さんは女性の可能性が出てきたっと」ボソボソ

作「さて、今回はここまで!!また次の機会に♪
それでは、」

作・黒・夜「「「さようなら♪」」」

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