【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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受験が終わりました~♪

やっと小説に集中できます!!

ちなみに私は金曜日が卒業式なのですよ♪

さぁ、第二シリーズは何処に行くのか……
迷います……。
まだまだリクエストは募集していますのでじゃんじゃん下さいませ!

勿論普通の感想や、評価なんかもお待ちしているのですヨ?

それでは、本編をどうぞ♪


~精霊と襲い掛かる鼠だそうですよ?~

Side 飛鳥

 

レティシアたちに捕まった私は、街を散策していた。

勿論レティシアとリリも一緒にね。

それにしても北側はずいぶんと雰囲気が違うわね……。

先程歩いていたガラスの歩廊や、十六夜君の教えてくれたあのモニュメントが良い例だ。

 

「……飛鳥少し待っていてくれるか?」

 

「えぇ、良いわよ」

 

レティシアは私の返事を聞くと、トコトコとひとつのお店に歩いて行った。

何かを買っているみたいね?

 

「済まない。……ほら、これは飛鳥の分だ」

 

こちらに戻って来たレティシアはそう言って私に細目の扇形をしたものを渡して来た。

 

「レティシア……これ何?」

 

「クレープだ。知らないのか?」

 

「とっても美味しいですよ♪」

 

リリはご機嫌に、クレープという食べ物にかぶりついた。

口にクリームがついてる……。

 

「食わず嫌いは良くないぞ。

人生経験は大いなる財産だ」

 

そう言ったレティシアもパクリとクレープにかぶりついた。

レティシアの言葉と行動に、私もクレープをひとかじりした。

 

「……んっ!美味しいわ、甘くてとっても!」

 

口に広がるのはクリームとアイスの甘さ。

まだ少し温かい生地に包まれたアイスは程よく溶け、トッピングである果物に絡んでいる。

甘さの中にはチョコレートのほろ苦さがあり、飽きが来ないようにも感じられる。

三人で微笑みながらクレープを食べていると、ふと通り掛かったお店に気になるモノを発見した。

 

「あれは……何?」

 

「精霊さんでしょうか?」

 

「あのサイズの精霊が一人でいるのは珍しい……

……【はぐれ】だろうか……」

 

じっと精霊を見詰めたレティシアは考えるように呟いた。

私はレティシアの言葉に疑問を抱き、それについて質問する。

 

「【はぐれ】?」

 

「そうだ。あの類いの小精霊は群体精霊だ。

単独で行動するのは珍しい」

 

レティシアの言葉に耳を傾け、私はその小さな精霊を見詰めた。

グラスの間で楽しそうに興味深そうにしている姿はとても愛らしい。

 

「ん?わぁぁぁぁぁあ!!」

 

すると、とんがり帽子を被った精霊は私たちの視線に気づいたのか、何処かへ飛び出して行った。

私はレティシアにクレープを差し出してとんがり帽子を被った精霊の後を追って行く。

 

「あ、飛鳥!!」

 

「それ、あげるわ!

ちょっと、あの子を追い掛けてくるわ!」

 

あの子に追い付くためにスカートの裾を持ち上げながら走り始めた私だった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

やっととんがり帽子を被った精霊に追い付いた私は、精霊を肩に乗せひとつのお店を訪れた。

 

「それ、ひとつ下さい」

 

「毎度あり」

 

商品を差し出され私はお金を渡してまた、歩み始めた。

 

「はぁ~はへぇ~」

 

飛びながら逃げていなので疲れたのか、私の肩でのんびりとしているとんがり帽子を被った精霊。

とても癒される姿だ。

 

「ふふふっ。別に取って喰おうって訳じゃないの。

ただ、旅の道連れが欲しかっただけよ。

これ、友達の証にどうぞ」

 

先程買ったばかりのお煎餅のような食べ物を小さく砕いてとんがり帽子を被った精霊に差し出した。

すると、不思議そうに眺めると匂いを嗅いで目を輝かせた。

私の手からお煎餅を取ると美味しそうに食べ始めた。

 

「はぁぁ♪もぐもぐ♪」

 

私も一口かじった。

サクサクな歯触りとお醤油のような香ばしい香りが口を抜けていく。

お煎餅のようなしかし、何処か違う美味しさがある食べ物だ。

食べ終わった精霊は嬉しかったのか、私の頭の上で跳び跳ねていた。

 

「仲良くなった所で自己紹介しましょうか」

 

そう言った私はとんがり帽子を被った精霊を私の手に乗せて優しく語りかけた。

 

「私は久遠 飛鳥よ。言える?」

 

「あすかー?」

 

「ちょっと、伸ばし過ぎね」

 

「あすか!あすか!あすか!」

 

私の言葉を直ぐに理解して名前を正しく呼んでくれたとんがり帽子を被った精霊。

案外嬉しいものだ。

これが【母性本能】なのだろうか?

 

「ありがとう。

貴女の名前は?」

 

「らってんふぇんがー!」

 

「ん?それが貴女の名前?」

 

とんがり帽子を被った精霊が可愛く舞うように口にした言葉は名前にしては珍しいモノだった。

 

「ん~?こみゅ!」

 

「コミュニティの名前ってこと?

それじゃあ、貴女の名前は?」

 

「ん~?らってんふぇんがー!」

 

「んん……ふふっ。まぁ、良いわ。

せっかく来たのだし展覧会の見学でもしていきましょう」

 

とんがり帽子を被った精霊を肩に乗せて散策を再開することにした私だった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「凄い数……こんなに多くのコミュニティが出展しているのね……」

 

「きれ~」

 

洞窟を改装して作った展示場所には、たくさんのモノが出展されていた。

壁に開けられた穴に作品が並べられている。

ランプ、ガラス細工、猫の置物……様々な種類の作品があった。

 

「……やっぱり【旗印】があるのとないのとでは作品の表現が違って来るのね……」

 

辺りの作品には皆全て【旗印】が刻印されていた。

 

(立派な【主催者(ホスト)】になるためにはやっぱり【旗印】が無いと締まらないわ……。

是が非でも魔王から取り返さないと……)

 

私は改めてそう心に決め、拳を握った。

みんなもこんな気持ちをいつも持っているのだろう。

 

「あすか~?」

 

とんがり帽子を被った精霊が心配そうな声色で私の名前を呼んだ。

私の表情が固くなってたみたいね。

私は笑顔を浮かべながら口を開く。

 

「なんでもないわ。行きましょう」

 

だんだんと奥に進んで行くと、そこには一際目立つ作品が展示されていた。

 

「あれは……」

 

「おっきー!!」

 

そこにあったのは一言でいえば【鋼の巨人】。

紅色に染まる巨体はまさに圧巻だ。

金色のラインなども、紅色に映えている。

その巨体の中心には太陽をモチーフにしたであろう抽象画が描かれている。

 

「一体何処のコミュニティが……」

 

「あすか!らってんふぇんがー!」

 

私が気をとられていると、とんがり帽子を被った精霊がそう口にした。

その言葉にこの作品の説明書きを読んでみる。

 

「『製作【ラッテンフェンガー】。作名【ディーン】』……。

これ、貴女のコミュニティが作ったの?」

 

すると、とんがり帽子を被った精霊はコクリと首を振る。

そして、私の肩で自慢気に胸を張った。

 

「【ディーン】……。

……凄いのね【ラッテンフェンガー】のコミュニティは……」

 

「らってんふぇんがー♪らってんふぇんがー♪らってんふぇんがー♪」

 

とんがり帽子を被った精霊は嬉しそうに跳び跳ねてラッテンフェンガーの名を口にしていた。

その姿は愛らしく、心が温かくなり微笑ましく思える。

そんな私たちを―――

 

――― 一陣の風が襲った。

 

灯されていた明かりである炎は全て消え、辺りを暗闇に落とす。

 

―――『ミツケタ…………』

 

不気味な声が洞窟内を響いた。

 

「…………何……今の声……」

 

私は辺りを見回し、声の発生源を探すが暗くて探しようがない。

 

―――『ヨウヤク……ミツケタ……』

 

「卑怯者!!姿を隠していないで出てきなさい!!」

 

私はまだ見ぬ敵に向かってそう叫んだ。

しかし、応答はない。

その代わりに聞こえて来たのは反響する笛の音と不気味な、憎悪を含んだ声だった。

 

―――「嗚呼……ミツケタゾ……!【ラッテンフェンガー】ノ名ヲ語ル不埒者……!!!!」

 

その声と共に現れたのは赤い瞳を持つ無数のネズミだった。

ネズミはまるで激流のようにこちらを目指して押し寄せて来る。

 

「きゃ~~~!!!」

 

「い、いくらなんでも出過ぎでしょう!!!」

 

私ととんがり帽子を被った精霊はそう叫んだ。

しかし、そんなことでは意味が無いと私は【ギフト】を行使した。

 

「【自分の巣に帰りなさい】!!!」

 

しかし、ネズミの激流は止まらない。

 

「な、なんで……?!」

 

ネズミたちは私をめがけて飛び掛かって来る。

 

「【大人しくしなさい】!!!【巣に帰りなさい】!!!」

 

ネズミを払いながら何度も何度も【ギフト】を行使したのだが、一行に効果を示さない。

 

(どうして?!【ギフト】が効かない?!)

 

私はジリジリと後退しながら、【ギフトカード】を手にする。

そして、ガルド戦で手に入れた白銀に輝く十字剣を出現させ、襲い来るネズミたちを斬り払う。

しかし、私には剣の教えなんて全くといっていい程にない。ただ振り回すことしかできない。

そんな私を容赦なく襲うネズミはとうとう肩にいるとんがり帽子を被った精霊にまで牙を剥いた。

 

「きゃ~!!!!」

 

「危ない!!!」

 

私はそのネズミを斬ると、出口に向かって走る。

【ギフト】が効かない以上撤退が得策である。

 

(おかしいわ……【威光】の【ギフト】が無くなった訳じゃない……でも……)

 

【ギフトカード】を再度確認するがそこにはしっかりと【威光】と刻まれている。

 

「きゃ~~!!」

 

とんがり帽子を被った精霊の悲鳴に反応し私はネズミを斬る。

それにしても先程からとんがり帽子を被った精霊ばかりを狙っているような気がする。

 

(……まさか……この子が狙われている?!

……だったら……)

 

私は肩で怯えているとんがり帽子を被った精霊を掴み、ドレスの胸元を開け、胸の谷間に押し込んだ。

少しくすぐったいが、やむを得ない。

 

「掴まっておきなさい!落ちては駄目よ!」

 

それから私は襲い来るネズミを払うこともせずただがむしゃらに走った。

ドレス、腕、髪、頬など、様々な所を噛み付かれ、ひっかかれる。

 

(……このままでは……!!)

 

私がそう心の中で叫んでいると、私の走って行く方向から、女性の声が聞こえた。

 

「―――たかが鼠風情が……我が同胞に牙を突き立てるとは何事だ!!!!!!」

 

刹那、影が波となり風となり押し寄せた。

影は無数の刃となり、私を襲うネズミたちを全て斬り刻んだ。

 

「……無事か?飛鳥」

 

「貴女……もしかしてレティシアなの?」

 

私の背後には一人の女性が立っていた。

いつもの愛らしい姿をした少女ではなく、その姿には妖艶な色香を漂わせる美女へとなり、金色に輝く美しい髪はリボンが解かれ、サラリと流れている。

レティシアはその顔を怒りで歪め、足元からは影を噴出させ、牙を剥いて叫んだ。

 

「術者は何処にいるッ!!

姿を見せろ!!

……このような往来の場で強襲した以上、それ相応の覚悟があってのものだろう!

コミュニティの名を晒し、姿を見せて口上を述べよ!!!」

 

レティシアの一喝。

しかし、それには応答が返って来ることは無かった。

 

 

「貴女本当に凄かったのね……」

 

洞窟を出た私の一言目はそれだった。

それに対してレティシアはやや不機嫌な声を返した。

 

「あのな主殿。

褒められるのは嬉しいが、その反応は流石に失礼だぞ……」

 

レティシアは後ろ手にいつものリボンを巻くと、その姿が少女の姿へと変貌する。

 

「私はコレでも【元・魔王】にして【吸血鬼の純血】!!

誇り高き【箱庭の騎士】だ。

例え【神格】を失ったとしてもあの程度の畜生を散らすのは造作も無い事。

幾千万相手しても問題ないのだ」

 

その言葉に私はうつむいてしまう。

 

(……けど……私は……)

 

先程のネズミたちを相手にしていた時のことを思い出した。

【ギフト】が使えないだけであそこまで情けない姿になってしまう。

白銀の十字剣を【ギフト】として所持しているが、剣をろくに使えない私では宝の持ち腐れだ。

そんな私を見たレティシアは優しそうな声色で語りかけてくれた。

 

「……さぁ、そろそろ帰ろう。

飛鳥の手当てもしなければなるまい」

 

レティシアの言葉に私は顔を少しあげ笑いながら頷いた。

やはり、レティシアは優しいわね……。

 

「……そうね。帰りましょうかレティシア」

 

暮れていく夕日。

あたりは朱色に光るランプで照らされている。

そんな中で私は誰にも聞こえないような声で一言呟いた。

 

「……私はなんて……」

 

―――――弱いのだろう。

 

少し残る夕日が私を嘲笑っているように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




作「【皆の】!」

夜「【雑談部屋】!!」

作「さぁ、始まりましたね♪
今回で三回目!」

夜「良く続けられるね……」

作「受験も終わりましたしね♪」

夜「ひとまずお疲れ様作者さん。
でも合格しているかは、わからないよね?」

作「うゆっ……!これまた痛い所を……」

夜「まぁ、ひとまず今回のゲストを紹介しましょうね」

作「そうだね……。
気をとりなおして今回のゲストは!!」

飛鳥「私ね」ガシャーン

作「ま、窓がぁぁぁぁ!!!」

夜「……このコーナーの登場は絶対なにかが壊れるみたいだね……」

飛「ごめんなさい作者……さん?君?」

作「わ、私はどちらでも良いですよ?」

飛「駄目よきちんと性別に応じた呼び方でないと。
で、あなたは女性なの?男性なの?」

作「わ、私は……って、内緒です!
ともかく、私のことは好きに呼んで下さい!!」

飛「では【永遠の厨二病さん】で行きましょう」

作「止めて!!私は厨二病じゃないですから!!
せめて……せめて【作者】って呼び捨てもしくは【夜叉猫】にして下さい!!」

夜「【作者(男女)】で」

作「(男女)がいらないよ夜鶴!!」

飛「なら性別を教えてなさい」

作「だ、だが断る!!!
私の性別なんて気にしないで良いんですよ!!」

夜「また駄目だったか……」ボソボソ

飛「仕方がないわ…気長に聞き出して行きましょう」ボソボソ

作「どうかした?」

夜・飛「「なんでもないよ(ないわ)」」

作「そ、そっか。
とりあえずいつものコーナーに行きましょう!
飛鳥、コーナー名宜しく!」

飛「えぇ。【夜叉猫の料理話】!」

夜「今日はなんの話なのかな?」

作「今日は簡単に【オムライス】についてかな?」

飛「作者……さんはどんなこだわりがあるの?」

作「微妙な間については気にしないことにするね……。
私は洋風と和風のオムライス作りかな?」

夜「洋風は普通のチキンライス……和風はなんなのかな?」

作「色々あるけど、ひじきなんかを使ったりして、醤油を使った味付けのご飯だね」

飛「確かにそれは日本という感じがするわね」

夜「それに美味しそうだね」

作「でも、私は洋風のチキンライスにもこだわりがあるんだよ?」

飛「どんなこだわりなの?」

作「まず、チキンライスのケチャップは軽く煮詰めてから使います!!
酸味が飛んで美味しくなるんだ♪」

夜「たまに酸っぱいケチャップがあるもんね」

作「あとは、普通にトマト自体を切って入れるくらいかな?」

飛「かなりこだわりがあるのね」

夜「俺たちも見習わないとな」

作「そういってくれると嬉しいよ♪」

飛「ともかく、今日は受験で疲れているだろうし、そろそろ休んだらどうかしら?」

夜「確かにそうだね。
無理は禁物だよ?作者さん」

作「ありがとう二人とも!
それじゃあ、お言葉に甘えて……」

作・夜・飛「「「皆さんさようなら!!」」」



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