【凍結】問題児たちにチートが紛れ混んだそうですよ?   作:夜叉猫

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第一巻は此処で終了ですね♪
しかし、短い気がしますね今回は……

この後は、キャラクター紹介を入れたいと思います♪

皆さん感想などもお待ちしています♪

ちなみに今、活動報告でアンケートを行っています♪
良ければ答えて下さいませっ!!

それでは本編をどうぞ♪


~空に願いをだそうですよ?~

――――【サウザンドアイズ】支店

 

【ペルセウス】とのギフトゲームが終了したあと、俺たちは白夜叉の元を訪れていた。

 

「……聞きたいことって何かな?白夜叉ちゃん」

 

「おんしも分かっておるだろう……。

――――【神力】を何故持っておる?」

 

予想していた通りの問いに此処に集まっている十六夜、飛鳥、耀、黒ウサギ、ジン君、白夜叉、店員を見渡しながら俺は口を開く。

 

「……俺も最近【神力(コレ)】を使えるようになったんだ」

 

【神力】の封印をほんの少しだけ解放して漏れさせる。

十六夜、白夜叉、黒ウサギはピクンと眉を動かした。

しかし、反応した十六夜も含めて問題児たちは【神力】については何も知らないようで首をかしげている。

 

「……【神力】って何かしら?」

 

飛鳥が疑問の声をあげた。

白夜叉はその声に反応すると、ゆっくりと説明を始める。

 

「【神力】というのは、読んで字の如く『神の力』じゃな。

稀に【神格】を持つ者が使えるが……その力は微々たるモノ……夜鶴が使う【神力】はここ箱庭においていくら探そうと、例え過去へいくら溯ろうが同等どころか足元にも及ばぬ使い手しかおらんだろう……」

 

「【帝釈天】様も【神力】を使うことが出来ますが……夜鶴さんの【神力】と比べてしまうと霞む程です……」

 

「ところでその【神力】ってどれくらいスゲェんだ?」

 

白夜叉と黒ウサギの説明によって【神力】に興味が湧いたのか、十六夜がニヤリと笑いながら質問する。

 

「【神力】は少なかろうとも持っていれば世界そのものを破壊する(・・・・)程のモノじゃ……。

……今この箱庭で【神力】を使える者―――――というより使う(・・)者を私は5人しか把握しておらん」

 

白夜叉の言葉に目を見開く十六夜たち。

十六夜は冷や汗を流しながら再び白夜叉に問い掛けた。

 

「へ、へぇ……その【神力】が使える奴って誰なんだよ白夜叉?」

 

「……ふむ……おんしたちには教えておこうかの……。

私が知っている、現在箱庭で【神力】を使う者は、先程述べた【創造神】、【帝釈天】の二人と、一桁外門に居を構える二つのコミュニティに一人づつ。

そして最後に――――

――――【ノーネーム】を襲った【魔王】じゃ」

 

「……今日の話を聞いて大まかに予想はしていたが……やっぱりか……」

 

白夜叉の言葉に十六夜が呟いた。

重い空気が漂い始める。

流石の十六夜も戦意喪失かな?

俺がそう思っていると十六夜が頭に手を当てながら笑い始めた。

 

「アハハハハ!!良いな!良いなぁオイ!!

そんな面白い奴と戦えるのかよ!

【アルゴールの魔王】と戦ってから【魔王】にガッカリしてたんだよ!」

 

闘争心剥き出しの目をしている十六夜。

やはり、十六夜は十六夜だったようだ。

そんな十六夜を呆れた表情で見詰める白夜叉。

 

「先の話を聞いておいて『面白い』とは……なかなかじゃの小僧」

 

しかし、楽しそうに笑う白夜叉がそこにはいた。

 

 

閑話休題

 

 

「さて、そろそろ本題に戻るかの……。

夜鶴……おんしは何故【神力】を使えるようになった?」

 

白夜叉の真剣な言葉に俺も心を決めた。

 

「理由は簡単だよ……俺が【人間】じゃ無くなったからだ」

 

その言葉に息を飲むような声が聞こえてくる。

 

「夜鶴……それってどういう意味……?」

 

耀が心配そうな顔で俺を見詰める。

そんな耀ににっこりと笑うと、その場で立ち上がり、一歩後ろへ下がる。

 

「改めて自己紹介をさせてもらうよ」

 

俺はその手にクロムシルバーの【ギフトガード】を出現させて、【神力】を体に纏わせる。

 

「――俺は【神々を司る神】と呼ばれている。

その名を【シラヌイ】。

神の中での【規格外】、最強の神だ」

 

両の手を開き、十六夜たちにそういった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

しばらくの間驚愕していた十六夜たちだったが、流石は十六夜たちだろうか黒ウサギや白夜叉よりも早く復活していた。

 

「【神々を司る神】ってどんな神なんだよ?」

 

「まぁ、簡単に言えば『【神】の力の【本質】を司る』って感じだよ」

 

俺の言葉を聞くと十六夜は直ぐに閃いたのか、言葉を繋いだ。

 

「お前が今まで神の本質の能力を使えたのはそれが理由か……!」

 

「鋭いね十六夜。

でも、俺は『【神】の【力の本質】を司る』だけで、使えるわけじゃ無いんだよ。

創造者の娯楽(クリエイター)】によって、司っている【神】の【力の本質】を【ギフト】として創り出したんだ」

 

「なんだか難しいね……」

 

耀が俺の説明に苦笑いを浮かべながらそういった。

飛鳥も頭を抑えながら難しそうな顔をしている。

 

「ようするに、夜鶴君は神様の中で一番強いのよね?」

 

「うん。そうだよ飛鳥」

 

俺が笑いながらそういうと、いつの間にか復活していた黒ウサギと白夜叉も皆と一緒に溜め息吐くと声を揃えて言葉を洩らした。

 

「「「「「「「【規格外】だな(ね)(じゃな)(ですね)」」」」」」」

 

「皆なかなか酷いね……」

 

皆の言葉に苦笑してしまう俺だった。

 

それから俺たちは、話が終わったので白夜叉と店員に別れを告げて【サウザンドアイズ】を後にした。

 

 

―――――――――――――――

 

 

「「「それじゃあこれからよろしく、メイドさん」」」

 

「え?」

 

「え?」

 

「……え?」

 

「ハァ……やっぱり問題児だね……」

 

【ノーネーム】に帰って来た俺たちは意識を取り戻したレティシアと会話をしていた。

そんな中で十六夜たち、我らが問題児はこともあろうにそんなことをいい始めた。

言われた当人であるレティシアも目を丸くしている。

 

「『え?』じゃないわよ。

だって今回のゲームで活躍したのって私達だけじゃない?

貴方達は本当にくっついて来ただけだったもの」

 

「うん。私なんて力いっぱい殴られたし……それに石にもなったし」

 

「あ、それ私も」

 

「俺なんて【元・魔王】様をぶっ倒したし、キレた夜鶴に睨まれたしな。

まぁ、あの下種野郎は夜鶴がボコボコにしたんだけどな……此方が哀れになるくらいに……」

 

十六夜が若干震えているのは俺への恐怖じゃないことを願おう。

 

「え?そんなにボコボコにしたの?夜鶴君」

 

ルイオスの哀れな姿を見ていない飛鳥と耀はびっくりしたような顔をした。

 

「ま、まぁね……殺した回数は一万から数えるのを止めたよ」

 

「か、可愛い顔をしてえげつないことをするな……」

 

俺の性別を知っている筈のレティシアがそういった。

 

「や、ヤハハ……そこまで殺ってるとは思わなかったぜ……」

 

十六夜の冷や汗の量が増えている。

飛鳥と耀、黒ウサギの表情も引き吊っている。

 

「まぁ、ともかくだ。

所有権は夜鶴、俺、お嬢様、春日部の3.5:2.5:2:2で話は纏まっている」

 

「何言っちゃってんでございますかこの人 達!?」

 

「い、十六夜さん??!!!」

 

取り乱している黒ウサギとジン君。

それに対して当事者であるレティシアは冷静に頷いている。

 

「んっ……ふ…む。

……確かにそうだな。

今回の件で私は皆に恩義を感じている。

コミュニティの同士として何か恩返しがしたい。

『親しき仲にも礼儀あり』ともいう…君達が家政 婦をしろというのなら喜んでやろうじゃないか」

 

「れ、レティシア様っ!!!??」

 

「レティシアちゃん、他の恩返しの方法もあるんだよ?」

 

「いや、良いのだ。

それに今の私には大した【恩恵】も残っていない。

と、なると家政婦が妥当なんだよ」

 

レティシアの言葉に渋々といった風に諦めた黒ウサギ。

 

「はぁ……私、ずっと【金髪の使用人】に憧れてたのよ!

私の家に居た使用人ときたら皆、華も可愛げも無いんだもの。

そういうわけだからこれから宜しくね?レティシア」

 

「ああ、宜しく……いや、主従関係なら『宜しくお願いします』の方がいいのかな?」

 

「レティシアちゃんの使いやすい方でいいんじゃないかな?」

 

「そ、そうか?……あ、いや、そうですか?いやいやそうでございますか?」

 

「えっと、だから……普段通りの話し方でいいんだよ?」

 

「ヤハハ。そうだぜ、普段通りで良い。

あ、あと黒ウサギの真似だけはやめとけ」

 

「?まぁ、そうするとしよう」

 

そして、誰からともなく笑い声が漏れ始めた。

明るい雰囲気が辺りを包む。

しかし、黒ウサギは肩を落としていた。

 

「……【箱庭の騎士】が……」

 

「……メイド……さん……」

 

トホホという効果音が聞こえてきた気がする。

気の毒に黒ウサギとジン君……。

 

 

―――――――――――――――

 

 

【ペルセウス】とのギフトゲームから三日が経ち、俺たち【ノーネーム】のメンバーは子供たちも含めて貯水池の前に集まっていた。

 

「えーそれでは!!

新たな同士を迎えた【ノーネーム】の歓迎会を開始致します!」

 

黒ウサギの声に子供たちの歓声が上がった。

外に運ばれている長机にはいろいろな料理が並んでいる。

昔の豊かさを取り戻した大地に実るのは様々な野菜、そして、俺の【ギフト】である【神聖なる大地(ガイア・オブ・エデン)】により産まれた新たな果実などがある。

さらに、此処には既に幾らかの家畜も産み出している。

それを調理することによって、この料理が出来上がったのである。

 

「……だけどどうして屋外の歓迎会なのかしら?」

 

「うん。私も思った」

 

「黒ウサギなりの精一杯のサプライズだろ?」

 

「まぁ、いずれ分かるだろうよ?」

 

俺の言葉に十六夜たちも納得したのか、出されている料理を食べ始めた。

まぁ、俺が作った……決して創ったではないよ?!……そんな料理だから感想が知りたい所だ。

 

「おっ!このステーキ美味いな……」

 

「それは、【シャリアピンステーキ丼】っていってね。

お肉には玉葱によって柔らかさがでて、ご飯はあっさりするように練り梅を加えてるんだ。

互いに喧嘩してないでしょう?」

 

「確かにこの米は合うな……」

 

十六夜はそういいながらバクバクと食べていく。

よし、十六夜の胃は掴んだね。

 

「このケーキ美味しいわ」

 

「私はこの魚のフライが好きだな」

 

「あははは。飛鳥の食べてるケーキは【チョコケーキ】だよ。

間に挟んでいるのは、苦めの生チョコ。

周りは甘めのチョコレートでコーティングしてるんだ」

 

「へぇ……結構凝っているのね」

 

「耀ちゃんが食べているのは【魚のお柿揚げ】だよ。

衣にお柿を軽く砕いた物を使っているからザクザクしてて美味しいでしょう?」

 

「うん。こんなの食べたことないよ」

 

飛鳥と耀もパクパクと食べていく。

ふふふっ……飛鳥と耀の胃も掴んだね……。

 

俺がそんなことを考えていると後ろから和服の袖を引かれた。

 

「うん?……どうしたの?」

 

後ろにいたのは小さな子供たち。

どうしたのかと思い、少ししゃがんでみると、子供たちが笑いながら

 

「「「「「「お姉ちゃん料理ありがとう!!!!」」」」」」

 

そう言ってくれた。

おれもにっこりと笑うと頭を撫でてあげる。

 

「どういたしまして」

 

お姉ちゃんと言われるのはもう良いやと思える位に嬉しい出来事だった。

 

「それでは本日の大イベントが始まります!

箱庭の天幕にご注目してください!」

 

黒ウサギの声に反応した俺たちは言われるままに天幕を見上げた。

そこに広がるのは満天の星々。

皆が見上げると共に変化が起きた。

 

「……わぁ……」

 

誰から、何処からともなく声が漏れた。

天幕に広がる無数の星々が流れる。

なるほど……【流星群】か……。

黒ウサギはこの為に歓迎会を外でやったんだな。

子供達が上げる歓声とそのはしゃぎっぷりを十六夜たちは微笑ましく見ている。

皆が空を見上げていると、黒ウサギが聞かせるような口調で語り出した。

 

「この素敵な【流星群】を起こしたのは他でもありません。

我々の新たな同士、異世界からの御四人様方がこの【流星群】のきっかけを作ったのです」

 

「「……え……?」」

 

「箱庭の世界は【天動説】のように全てのルー ルが箱庭の都市を中心に回っております。

先日、御四人様方が倒した【ペルセウス】のコミュニティは敗北の為に【サウザンドアイズ】を追放されたのです。

そして彼らは、あの星々からも旗を降ろすことになりました!!」

 

へぇ……やっぱりあの星空すらもこの箱庭を盛り上げる為の舞台なのか……。

十六夜じゃないけど面白いね。

 

 

「今夜の【流星群】は【サウザンドアイズ】から【ノーネーム】へと再出発の祝福も兼ねておりますので、今日はいっぱい騒ぎましょう♪」

 

嬉しそうに笑いながらそう言った黒ウサギ。

まったく……良い話を聞いたなぁ……。

 

「ねぇ……十六夜」

 

「あぁ……夜鶴」

 

俺は十六夜と目配せをすると拳を天に突き上げて、高らかと宣言した。

 

「「あの星空に俺たちの【旗】を飾るぞ(ろう)!」」

 

その宣言を聞いた皆はここの笑顔を浮かべながら口を開いた。

 

「それは……とても【ロマン】がございますね!」

 

「なかなか良いことを言うじゃない」

 

「流石夜鶴だね」

 

約一名十六夜を忘れているようだが、それがわざとではないことを願う。

 

「絶対にやってみせようね?黒ウサギ」

 

近づいてきた黒ウサギの頭を優しく撫でながら語りかけた。

 

「勿論です♪」

 

黒ウサギは気持ち良さそうな顔をしながら、髪を桃色に染めた。

 

「…………好きですよ…夜鶴さん……(ボソボソ」

 

「ん?何か言った?黒ウサギ」

 

「い、いえ何も言っていませんよ!!」

 

流石の俺にも、黒ウサギの声は聞こえなかったが……いずれは伝えてくれるだろう。

……俺に対する気持ちが本物ならば。

 

 

 

天を流れる星はまだ止まない。

 

ならば俺は星に願いを。

 

俺が願うのはひとつ。

 

 

【皆が永久に幸せでありますように】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




知っている人が見れば知っている料理の登場です♪

ちなみに全て現実で作ったことがあります♪

キャラクター紹介の後には番外編を入れたいと思います♪
番外編をお楽しみに♪

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