転生特典間違えました!   作:天月蒼留

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イノセンス

冷たい…ここはどこだ?

 

水の中…?

確かAKUMAを引きつけて崖から海に落ちてしまって…

 

ということは、海ですか…。

よく死ななかったですね?僕…。

 

【まだ完全ではなくてもノアだからな】

 

そうですか…。

 

【…お前。イノセンスを3つ持っているだろ?】

 

イノセンス?兄さんが集めた変なガラクタ?

あれ…イノセンスだったんてすか?

 

【今のうちにノア化を進めてイノセンスを破壊しとくか?適合しているのも含めて】

 

却下です。千年伯爵に見つかりますよ?

それに…どんな物好きですか?冷たい海の中で痛みに耐えるって…殺す気ですか?

 

【…。いや、なんかすまん。】

 

とりあえず陸に上がりますか。

いつまで呼吸を止めてればいいんですか?

いくら僕でもそろそろキツい…。後五分が限界です。

 

【コイツ…ノアだからなのか?違うよな?前世からだよな?】

 

(真実の鏡 発動!)

 

【なんで…役に立たないイノセンスなんか出す?】

 

恐らく、できると思います。

 

僕は真実の鏡に自分を写す。

 

(“心写し”)

 

心写しは対象者の心の姿を写し出す。

今回は…ゼロを対象者とした。

 

そうすれば…ノア化しなくてもノアの力が使える。

 

『なるほど…一応は自分を対象者としてないから姿はそのまま…精神と力を入れ替えたのか…』

 

後はよろしく…

 

『わかってる…。しばらく寝てろ。安全なところまで泳ぐからな?』

 

 

寝てると発動とけるんだけどな?

 

 

 

僕はゼロと入れ替わり精神世界に潜った。

 

僕の精神世界はまるで夜の学校。

よくテレビに出ているような旧校舎です。

以前はきれいな桜が咲く入学式のような感じだったんですが今は桜は朽ち果てています。

もう二度と咲かないと思うくらいに…。

 

僕は職員玄関から校舎に入りいつもの教室にいきます。

 

「六年生…特別クラス…。」

 

特別クラスというのは、玩具になれる可能性のある人たちが入る。

 

玩具とはある人物のお気に入りの者たち…。

それになるということは…自分の命を捨てるということだ…。ほとんどの玩具は全てを失い命が捨てられなかった人たちだ。

あの人は絶望を好むから…。特に僕は気に入られてた…。

家族や学校のみんなは死んでしまったのに僕だけが殺されずに生き残ってしまったから…。

 

あの時は…誰かと一緒にこの教室の中に隠れてた。

この教室のロッカーの中に…。

でも、僕が音をたててしまって一緒に隠れてた人は僕を庇って死んでしまった。

 

僕を庇った人は…確か。

 

『誠だけでも…助かって…良かった。』

 

何で笑顔だったんだろう…。

安心している感じの笑顔だった。

僕を庇わなければよかったのに…

 

僕は一つの机の前に立って名前の書いてあるシールをみる。

 

「天鈴愛…その右隣が僕。たった九人のクラスの思い出を僕は覚えていない…。あの日の前の事は何も覚えていない…。家族のことも友達のことも…全部全部覚えていない…。私だった頃の炎城寺誠を僕はわからないんだ…机に言ったってしかたないけど…さ?僕と君はどんな関係だったんですか?」

 

当たり前だけど返事はない。

 

「やっぱり…返事なんてある訳ないですよね?」

 

『♪~♪~♪~』

 

机の中から音がする…。

 

「オルゴール?ですか?」

 

僕は天鈴愛の机の中にある何かを取り出した。

 

「この感じ…もしかして、真実の鏡?でもなんか違う」

 

取り出した物は鍵だった。

音はなぜか鍵から聞こえる。

 

「懐かしい曲…聴いたことないのに…。あれ?…おかしいな…涙が出てきた…」

 

鍵から聞こえていた曲が終わり鍵はいつの間にか消えていた。

 

「あれ?鍵がない…なんで…?」

『それは私がアナタを適合者と認めたからです。さっきの曲はアナタとの記憶の中でもっとも深い場所に眠っている歌のメロディーです。私はアナタの事を完全な適合者として“今”認めたのはアナタが知ろうとしたからです。』

「今まで認められてなかったんですか…って完全な?」

『完全な適合者というのはシンクロ率が100%以上の者たちです。アナタは相当な覚悟がありましたが一つだけ私の力を使うには足りなかったんです。それが…“自分自身を知ろうとすること”です。』

「自身を知ろうとする…。過去の自分を知る?」

『はい…そういうことです。そして…シンクロ率が100%以上になったので正しい能力が発揮する事ができます。』

「どんな能力とか教えてはくれないんですか?」

『ノーヒントですよ?どうせすぐにわかりますから…』

「えっ…?」


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