あれから数日が経ちました。
「マコト?あれ以来悪夢見なくなったのか?」
「僕の心配ですか?兄さん?まぁ一応治まりましたけど?
ゼロと何回か会話して悪夢を緩和してもらいました。それに…まさか僕にイノセンスが寄生してしまっているなんて…。
特に害はないらしいですが…やっぱりノアと対するものが宿るはというのは怖いものです。
「マコト?」
「何でもないですよ…?」
母さんにも兄さんにも僕がノアだということを伝えてません。伝えられません。
ゼロが言うにはAKUMAは千年伯爵の一部のようなものなのでAKUMAに自分がノアだということをバラしてはいけないそうです。
だいぶ前から前髪で目を隠しているんですが…お陰で目を閉じても気配が分かるようになりました。
イノセンスはあの時頼んだ真実の鏡でした。性能が僕の考えているものとは違いましたが…。
ある意味知ってはいけないものを知ってしまう能力と言うべきですね。
ノアの能力の方はノア化しなくても使えるものが多いというか…前世で使ってた催眠術という名の記憶操作はノアの能力だったんですね?
人、物、場所などの記憶を再現する能力。主にトラウマ的なことを…。
完全なノア化は出来ませんがというか瞳の色くらいですか?ノア化のせいで変わってしまったのは…今のところ…肌の色は普通の人ですし…聖痕も現れていません。
それにしても…
「前方に気配…。」
「マジか…。ちょっくら見てくる!」
「お願いします。母さんにも知らせてください。」
「わかった!」
兄さんは背中に翼を出現させて飛んでいった。
【AKUMAだな…確実に】
「!!」
ゼロお願いですから…急に話しかけないでください!
【すまんな…だが…どうするんだ?弱いアクマでもお前には倒せないだろ?】
僕はAKUMAの弾丸に当たっても死なないでしょ?兄さんも死なない…けど、母さんはダメです。普通の人間ですから。だから…引きつけます。二人からなるべく遠くに!!
【わかった。無理はするなよ?いざとなったら代わるからな?】
了解。
木々の間から丸い物体が覗く。
「鬼さんコチラ!手の鳴る方へ!!」
僕は兄さんが飛んでいった方と逆方向に走り出す。
丸い物体…AKUMAは僕に狙いを定めた。
ズドドドドドドドッ!!
「当たりませんよ!!」
と…言う物の前髪が邪魔で前が見えないんですけど…髪を上げる道具があっても使えませんね!!
森の中走っているからいろいろと危険なんですよ!
「鏡!!お願いだから出てきてください!」
無反応ですね…。走り続けるしかないんですか!選択肢は!!
ズドドドドドドドッ!!
「なんか!木まで貫通してますよ!弾丸が当たったら砂に成ってますし!!」
【いいから走る!!】
「アクマがなんか増えてません!?なぜに!10体!」
【最初からそうだっての!!】
「真実の鏡!!発動!!」
手元に鏡が現れる。
【マコト!前!】
「出ました!!」
【役に立たない荷物増やしてどうすんだよ!!それより
「そうでしたーーーーー!!」聞けーー!!】
あれっ?足浮いてません?
そういえばAKUMAも弾丸撃ってないし…
【マコト!落ちてる!落ちてる!】
「えっ…嘘ですよねーーー!?」
【嘘じゃねぇ!現実をみろよ!!】
「うわぁーーーーーーー!!」
ジャボーンッ!!