あの情報を貰ってから約一週間後の今、実は僕は江戸に来ています。
八宝が知り合いから手紙で呼び出しされたみたいなので…その代理人として江戸に来てしまいました。
「……はぁ」
「最悪のタイミングだな…」
間抜けなAKUMAがつぶやいた言葉に僕も同意します。だって…ノアがAKUMA集めているところで来てしまったんですから…ついでに江戸に住んでいる人間は避難済みみたいです。
「伯爵からの命令の影響は平気か?幸介」
「命令事態受け付けてないみたいだ。異常はない」
「そうか…よかった」
幸介(間抜けなAKUMA)を助けてからAKUMAの構造を調べてよかったと思ってる…もし調べていなかったら僕は白風を完成させることはできなかったと思う。
白風は…僕のノアの力を使って造った対AKUMA武器ですからね。…神の結晶の力に酷似させたノアの力。
ノアなのに神の結晶のようなものを作り出し自分、叉は対象者に寄生、装備させることができる。そんな矛盾したような僕の『恐怖』の力は単独では使えないことに気づいてから必死に…
「幸介…解ってるよな…ノアに敵対するためには適合者にも味方する…って」
「あぁ…行くか…?」
「行こう…味方になる可能性のある適合者の加勢に…」
僕と幸介はそれぞれ別の屋根を伝い伯爵が起こそうとしている爆発のような攻撃への防御に間に合いそうもない一般人や適合者を庇うために…僕は手鏡を、幸介は白風で爆発のような攻撃を防いだ
「おや♡」
伯爵はやっと攻撃を防いだ僕らの存在に気がついたようだ。
「アナタたちはいったい♡?」
「さぁな…一つ言うなら適合者でもないノアの敵だ」
「…人間ですらないけど同じくノアの敵…」
幸介…そこを“人間ですらない”って言ったらまずくないですか?
人の姿をしていることで予想可能なのは…人化した獣、AKUMA、神の結晶で動いている人形…くらいしか選択肢ないですよ…?
「…嘘は好かん」
僕の言いたいことを察したみたいですね…。
「なら…幸介…守りきれなかった戦力外を守れ。おれにはどうやらお相手が居るようだからな…」
幸介は静かに頷き戦力外の護衛に向かった。
「零沙…」
「マコ姉…それはコスプレ?」
「(今の)おれは誠じゃねえよ…日野本刃だ。勘違いして貰っちゃ困る。」
「へぇ…僕の身体を勝手に使って遊んだくせに…よく言うよマコ姉…僕より全てが上手なのに全てを偽るなんて…本当にムカつくなぁ…」
零沙の肌はノアのような褐色の肌へと変わる…。ノアてはないと解るのは瞳の色と聖痕がないからだろう。
「ふ…ふふ…凄いでしょ…伯爵にノアの細胞を埋め込んで貰ったんだぁ…マコ姉ばっかり選ばれるなんてずるいもん…ねぇ…さぁ僕にマコ姉の強さをみせてよねぇ…?マコ姉の力をさあ!!」
完全にやる気のようですね…元々戦うつもりだったみたいですけど…戦うのは苦手なんですよね…
だけど…逃がしてくれる雰囲気じゃありませんね…はぁ……。
「仕方ねぇな…そっちがやる気なら相応の対応をしなくてはいけないしな…」
「ふふふ…ソウコナクッチャ…マコ姉ジャナイヨネェ…」
「はぁ…戦いたくないんだけどなぁ…」
零沙の戦闘スタイルは一度も見たことがない…ですが…ソレはいつものことですし…幸介が一週間ずっと訓練してくれたんですから…