なんで…?
誠「刃?やっと…進んだんですから…(勉強サボりやがって…後何日だよ…看護模試は…)」
刃「うぉーい…誠ー…キレるなよぉー」
誠「ア゛ァ゛?…なんですか?」
刃「やべぇ…黒いぞ…黒いぞ!!微笑みが邪悪すぎるっ!!作者ぁぁああああーー!!!今すぐ勉強するんだーーーっ!!」
断るっ!!!
誠「白色の…」
まてまてまてまて!!私はまだ死ねないっ!!
誠「風っ!!!!!」
それまだ小説に出してないよぉーーー!!
誰も住んでいるはずのない廃墟…そこはマコトを拾ってくれた家族が一時住んでいた家だ。
本当に“一時”的しか住んでいない。
いや…住んでいたというより身を隠していたと言うべきか…。
その廃墟にある女性が戻ってきた。
「…はぁ…」
女性は寂れた扉を開け埃被った廊下を進み物置部屋へと入っていった。
「七年ぶりね…ここに入るのも…」
この女性の名前はレイナ・フレイム。
マコトを拾い、ネイルと共に育てた『母親』的存在だ。
「私はきっと運がないわ…子どもたちが全員…私の元から去ってしまうなんて……」
レイナには実の子が1人と養子として3人の子供がいた。しかしその四人とも成人する前に何かしらの理由でレイナの元から去ったのだ。
「マイナは確か三歳の時…」
「ユウはすぐに黒の教団に無理やり連れ去られたわ」
「マコトは…6歳くらいかしら…」
「ルイネは…12歳ね…」
レイナは溜め息をつき呟く。
「生きた人形《ドールマン》」
ガタッ…
レイナが呟いた瞬間後ろに立て掛けられていた男であろう人形が動き出した。
レイナは人形に微笑み
「お寝坊さんのネイル…よく眠れたのかしら?」
「ハ…い…かあ…サン…」
人とは程遠い動きと言葉で話すネイルと呼ばれた人形。
それでもレイナは動き出した人形に声をかける
「あらあら…まだ寝ぼけているの?全く…早くマコトを探しに行かなくちゃいけないのよ?しっかりしなさい?」
「ゴメ、んな……さい。」
レイナは人形の頭を撫でる。
「ネイル?寝ぼけているところ悪いんだけど…新しい家族《人形》を迎えに行ってあげてくれるかしら…?お願いね?」
人形は徐々に人の形へと変わりマコトが知っているネイルの姿へと変わった。
そして…ネイルの姿となった人形はレイナに跪いて…
「母さんの仰せのままに…」
直ぐに廃墟から出て行った。
「ふふっ…新しき家族は既に動かなくなった歌姫と孤独な男の愛した女の意志…。」
「生きた家族も良いけれど…私はやっぱり…コッチの方が好きなのよねぇ…そう…思わない…?あ、アナタは最後まで反対したわねぇ…」
レイナはガラスケースに入った天使の前に立つ
「でも今は…反抗する事も出来ないでしょ?哀れな創造の天使ちゃん?」
「そんな悲しい顔しないで?あぁ…早くアナタの愛したノアに逢いたいのね…?私がアナタと同じように人形にしてあわせてあげるから安心して?…ふふっ…そんな悲しげな顔してないでよ?」
天使の人形は静かに涙を流す。
「あらあら…泣くほど嬉しいのね?じゃあ…張り切って人形にしてあげなきゃ…」
レイナは黒い箱をとり廃墟から立ち去った。
『逃げて…誠…!誠…ッ!あの人に会っちゃ駄目!!誠ッ!!私は……私は……アナタに幸せをあげたかっただけなのに…っ!なんでよ…なんで…こんなことに……………』
誠「母さん…?」
諦めろ…コレは運命だったんだ…。
誠「ううっ…」
お前が…すでに主役から茶番を演じる役になってしまったのは!!!!
誠「かあさーーんっっっ!!!」
刃「……ナンダコレ。」