血の香りがする。この明かりは蝋燭?
「…ここは?」
声が低い…あぁ…刃のままなのか…。
「あー起きた?」
女の子…?
あ…れ?起き上がれない?
縛られてました。
「お前は…誰だ?」
金色の…瞳…?確か珍しいハズだよな?
貴族の子なのか…?それとも…。
「それはこっちが聞きたいんだよねぇ~」
は?自己紹介すればいいのか?
【呑気だな!おい!】
あ…ゼロ。
「おれは日野本刃な?ヤイバ・ヒノモトのほうがいいのか?」
「へぇー余裕だねぇ」
ゼロ…方法ある?
僕の技術やイノセンスでは無理なんです。
【ノアの力でロープ切るのか…?無理だな少なくてもイノセンスで造られた刃の身体のままでは】
いや…隣の空間に移動する方法ね?
ロープは元の姿になれば抜けられる。
【ノアに完全覚醒する事になるぞ?】
日野本刃でいればいい。
そうすれば…ノアの気配も絶てるはずです。
【なるほど…】
「…何しようとしても無駄だよぉ見たところお前はただの“人”みたいだし」
「僕はあっちに戻ることにするよぉ…なんていってもお前には分からないよねぇ~」
と…言葉を残し女の子は消える。
さてと他に気配は…ないな。
これからは…本体でも“おれ”でいくか?
【あたしとかは?】
いなかったらそれでいこう。
僕は非現実体を解除して壁まで歩く
【お前のノア化は覚醒する直前で止まっている。痛みはあまりないはずだ】
あまり…なんですね…しかも“はず”。
ズキッ…
額から血がでる。
【もう…止められねぇからな?】
了解。
肌の色は褐色に変化した。
【前髪はあげろ。服はさっきと同じだから怪しまれるとマズい。一枚脱げ…】
ヘアゴムとかはもって…あった。兄さんから貰った…髪留めが…
僕は前髪と一緒にポニーテールに縛る。
【後は…壁を破壊すれば隣の空間へ飛び込める。俺も力を貸す。鎖で破壊しろ!】
僕はゼロがやっていたように鎖を呼び出し壁にぶつける。
だけど…ゼロのように自由に鎖の形を変えられる訳ではないので破壊出来ない。
【お前…ただの鎖を壁に当てたって仕方ないだろ?】
鎖の先に鉛が出現する。
【コレなら破壊できるはずだ!】
ガシャーン!!!!
「できた!!」
【飛び移れ!!!隣の箱に!】
「分かってる!」
僕は近くにあるプレゼント箱?に向かって跳んだ。
そして…
「わぷっ!?」
ゴロゴロ…
【真面目に着地しろよ…】
そんなに…うまくできますか!?ソレ!
【それより…前を見ろ。敵さんにばれたみたいだ。】
「おやぁ~?」
「新手!?」
「そんなっ!」
タイミングが悪かったようで…。
「あー…タイミングがアレだったようで…まぁいいか?はじめまして…?あたしは“恐怖”のノア覚醒しましたマコト・フレイムと申します。本日より再びノアの敵として復活させていただきます。ってところかな?」
「へぇ~?やっぱり“彼”は怒ってるんだぁ~僕ら家族に対してぇ」
「さぁ?あたしは他のノアは敵…としか聞いておりませんので…あたしはあなたがたに味方しますよ?適合者さん?」