おかしい…
なんで心鏡は発動出来ないのに…真実の鏡は発動してるんでしょうか…?
恐らく一応、心鏡も発動しているんだろうけど…?
【真実の鏡…燃費わりぃ…。実は装備型なのにそのイノセンスが宿る器がないから寄生しているだけだったりして…】
やめて…それ僕も一瞬考えたッ!!
でも僕はオシャレとか気にしたことないから鏡とか今まで一回も使ったことないんだよ!!
【寝癖直ってないと思ったら…女子としてはそれ…どうなんだ?まさか…前世も?】
化粧も何もしたことないし髪は男みたいに短く切ってたから整える必要なかったし、服は…メイド服または…おさがりのワンピースがあったから…。
【はぁ…お金貯めて鏡を買おう。首から下げるタイプのやつ…】
えぇー…なるべくそういうの持ちたくないんだよ…。
【あとの問題は心鏡だな…】
イメージ以外ないですよね?やっぱり…。
【精神世界では服だけ…靴は消滅したよな?それは想像力が足らなかった可能性があるな…。】
はぁ…いろいろとめんどくさい…。
とりあえず目をゆっくりと閉じてイメージを始める。
パッとイメージできるのは…
異常に肌が白くて…薄い金髪の髪は腰のあたりまで長く…黒い瞳。確か…手ぬぐいを頭にいつも巻き付けていて…前髪で目を隠している。
背は…172で、性別は男。
名前は…日野本刃(ひのもとやいば)でどうかな…。
だいたいのイメージが終わった。
僕はゆっくりと目を開け…
「背が高いッ!?」
【心鏡は変化能力か…“色”の覚醒者のような物質変化は流石にできないと思うが便利な能力だな】
服イメージすんの忘れてた!?
【イメージ崩すなよ?それを維持出来るようにしろ!服は…大人用の奴だから破けたりしないだろ!!】
そりゃそうだけどさ…。
【もう既に幻覚ではなく実体として存在しているからアレだよな…ん?お前…性格は男にしたのか…?】
コレの場合男だよ?
【そうか…】
今の名前は日野本刃だからね…いやだからな?
【演技開始か…まずは人のいる場所に行くことをオススメする。】
行かなかったらおかしいよな?森から出れば道があるはず…。
【この森範囲広いけどな…】
何日くらいで出れそうだ?
【マコトの姿なら最低1ヶ月…刃なら…そうだな1週間と2日だな。】
海から逆方向に歩いていけばいいんだよな…。
2週間後……
「やっと…やっと森からでれた!!!」
【本当にやっとだな…。お前が毒キノコ食わなければもっと早く出れたのにな…。】
飲まず食わずで歩けと!?
【とりあえず…街に入ろうぜ?】
「稼げるといいけど…」
僕…いやおれは街に入ろうとする。
ビリッ……
「へ?」
拒絶?
【イノセンスだな…。入れると思うぞ?出れないけどな…。】
適合者なら入れると?
【あぁ…】
わかった。
おれは街の中に入っていった。