転生!
はじめまして…炎城寺誠といいます。
今僕の目の前に土下座してしまっているおじいさんがいるのですが…どういう状況なのでしょうか?どうしましょう。全く状況が理解できません…。
本人曰わく、何やらミスをしてしまったようなのですが…僕に謝られても困るのです。
「あの…頭をあげてくださいませんか?正直、状況がのみこめていないので困るのですが…」
そう、念のため言ってみたのですが…
目の前のおじいさんは怒ったと勘違いしたのでしょう。「すみません」と何度も繰り返し言い続けて話を聞いてないです。
「(ホント…話を聞いてくれませんかね。)えっと…何をミスしたのでしょうか?」
「怒らないでぇええええっ!!」
(聞けやこのクソジジィ…)
一旦…痛い目みてもらいましょうか…
私は拳を強く握りしめ振り上げ───…
「ギャァァアアァァァッッッ!!」
た、ところで何もしていないというのにまるで本当に殴られたかのように頭を抱かえ悲鳴をあげられてしまいました。あまりにも突然だったため思わず唖然としてしまいましたよ。
「あの、まだ何もしてませんが…」
完全に怯えてしまっているおじいさんを宥め、どのような話をしようとしていたのか聞いてみますと…どうやら僕はこの(神様な)おじいさんのミスで寿命とは違う時期に殺してしまったらしいのです。しかも死因は《バナナの皮で足を滑らせその勢いで食器棚に突っ込み、押しつぶされた》だそうです。一代目の炎城寺と似てなかなか斬新な死に方です。歴史にのこるでしょうか?
“世界一、間抜けな死に方をした日本人”と…
「いやいや…それじゃあ恥だろう?」
「いえ、一代目が果たせなかったことなので以外といいかもしれません。」
「わ、儂のミスじゃしなぁ…」
「全然気にしませんよ?」
あっ、どうしましょう。
溜め息つかれてしまいました…。
(こ、こやつもなかなかどうして…はぁ。こんな反応されると逆に困るのぉ…まったく)
ど、どうしましょう…考え込み始めちゃいましたっ!?お、おかしいですね…僕、何か悪いことしましたか!?
「えっと…つまり儂の罪を償うためにぬしには転生してもらいたいのじゃが?」
「転生しなくても良いですよ。僕はそこまで未練はないですし、生きたいとも思ってません。寧ろ成仏させて。」
「じょ、成仏っ!?だ、ダメじゃ!!頼むから転生してくれんか?」
「え──っ…」
「『え──っ…』じゃなくてホント、規則なんじゃて…」
規則とか言われても僕には関係ないですね。
「転生は嫌n「絶対じゃ」んです」
「これには拒否権なんてないからの。因みにじゃが…転生先はD.Gray-manじゃよ。」
「どこ?」
「正直言えば漫画の世界じゃよ。特典は…何にするんじゃ?」
くっ…強制的な転生か。
しかも特典付き…なら、どんな世界かは解らないけどとにかく役に立たなそうなものを…知ってる限りで役に…じゃあ、ラーの鏡にしようかな?確かゲームでは真実を知るために作られた鏡だったはずです。
「なっ!?そ、そんな戦闘能力を持たんものでいいのか!?オヌシが行く世界は死んでしまう可能性が高いものじゃぞ!?少なくとも二十年は生きないと何度も世界を繰り返す事になるんじゃぞ!?」
「…では、破壊不可という能力を付属させてください。それ以外は任せます。そうじゃなければ僕の転生は無しで「駄目じゃ」そうですか…。では、次に進んで下さい。特典は適当で。」
「そ、そうか…ではっ!!」
おじいさんはなぜか「ハァッッッ!!」と、気合いを入れ、何やら重量の有りそうな…鈍器いや、ハンマーですかね…?いや…、まさかですが…、転生ってあのハンマーで潰されなければ…いけないんですか?
「あの…ソレは?」
「もちろん、ヌシを転生のための道具じゃ!」
やだ、完全に私の事を殺しにきてるじゃない。
はぁ…痛そうですね。まぁ、痛いのは《この名》を先代から譲られた時点で慣れていますが。
「では!逝って来るのじゃ!」
字が違う気がしますが…それはイジメですか?
まぁ、そういう点、慣れてますが…。
あっ、そういえば転生したら持病ともいえる謎の頭痛は消えるのでしょうか?しまった!?不安ならソレを転生するにあたっての特典をそれにすれば…よか───……っ。
「あっ、いかん…転生特典は3つじゃった。まぁ、本人の要望通りに儂が選んでおけばOKかの…。…はぁ、それにしてもアイツ同様に珍しいヤツだったのぅ…(そういえば一代目やら先代やら思っていたが…)まぁいい!!とにかく次いこう!次じゃ次!あぁ、今度は殴られるんじゃろうなぁ…たぶん…。はぁ…」