バカと悪魔と短編集   作:紅優也

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それでは始まります!


私と先輩と新聞記事

奏side

 

 

これはまだ私が吉井君と出会う前のお話し、そして私が宮内先輩と親しくなる切っ掛けとなった物語………

 

 

 

 

『良いか!これより我々、『原作尊守派転生者の会』……もとい風紀委員は悪辣な記事を書き続ける新聞部に総攻撃を仕掛ける!』

「いや、何ですかこの展開ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

私『雨崎奏』は爆弾発言をした風紀委員長にそう突っ込みました。

 

 

 

『なんだ、雨崎?文句があるのか?』

「有りまくりですよ!何ですか『総攻撃』って!?そして只の部活になんて行動をしようとしているんですか!?」

私は風紀委員に所属して以来の大仕事だというので昼食も切り上げて来たのに……なんて馬鹿な展開なんですか……

 

 

 

 

『では行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』

『『『『『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』』』』』

「もうどうにでもなってください……」

私と他複数の一年生風紀委員(当然ですが全員転生者です)と一緒に呆れながら新聞部の部室に向かって歩きました。

 

 

 

………………………

 

 

『ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』

『え、衛生兵ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?』

『た、助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』

「え、ええ~~~~~~?」

私達風紀委員は只今壊滅寸前でした。

と言うより、何ですかこれ!?神器や転生特典を使っている人間もいるのに部室に仕掛けられていた罠を突破できないんですけど!?

私は『イチイバル』で弾幕を張りながらそう思いました。

てか、攻撃すれば攻撃するほど迎撃が激化…………ん?

 

 

 

「もしかして………」

私はイチイバルをある一点に向けるとそこを銃撃しました。

すると忽ちの内に迎撃が止み、私達は落下を…………え?

 

 

 

「な、何で落下するんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

私はパニックになりながら狙撃した罠……攻撃に反応して跳ね返す鏡を見ました。

そこには…………

 

 

 

『残念!これは攻撃を跳ね返すが壊すとその場にいる全員をゴミ収拾場に転移させる鏡だ!

P.S.今日は生ゴミの日だから臭いよ(笑)』

と、書かれていました。

 

 

 

「『『『『『ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』』』』』」

私達は全員が生ゴミの山にダイブしました。

 

 

 

「う、ううう……く、臭い臭い臭い臭い!?」

私は慌ててゴミ山から脱出すると…………

 

 

 

カシャ!

「……は?」

「ふっふっふっ、特ダネゲットぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!直ぐ様現像後記事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

黒髪の二年生が笑顔で頭にバナナの皮をのせた私を撮るとダッシュで逃げて行きました。

 

 

 

「ま、待ちなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

私はその先輩……後に先輩、後輩を越えた親友になる『宮内霊』を直ぐ様追撃しましたが……道のそこかしこに仕掛けられていた罠に引っ掛かり見事に逃げられ……

 

 

 

 

翌日の新聞部の新聞で……

『爆笑!風紀委員、新聞部に無様に敗北!』

と、書かれた記事の写真は頭にバナナの皮をのせた私の写真でした。

 

 

…………………………

 

 

 

「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!絶対、絶対に許しません!」

私は校内を歩き回って新聞を破きながら新聞部……と言うかあの黒髪の先輩に怒りの焔を燃やしていました。

てか、そうしないと羞恥心に耐えきれなかったからです。

 

 

 

 

 

「ん……?あれは……」

そこには二大お姉様と言われる女子の先輩の一人である『リアス・グレモリー』先輩が銀髪にオッドアイのあいたたたな転生者の一年生に言い寄られていました。

 

 

 

「はあ~~~~~……そこ!嫌がってるのに無理強いしない!」

「ああ?俺様にホレてるから照れてるだけだろ?」

………見た目だけじゃなく中身もあいたたたな転生者でした。

 

 

 

「誰が貴方にホレてるよ……」

ああ、やっぱり……

私は頭を抱えそうになりながらも注意しようとして……

 

 

 

「は!頭にバナナの皮をのせた挙げ句記事になったモブ女が俺に口を出してんじゃねえよ!」

と、言って転生者は去りました。

ですが…………

 

 

「え……貴女泣いてるじゃない!大丈夫なの!?」

私の心に大きな傷を残しました…………

 

 

 

 

 

 

「…………ごめん、罪滅ぼしにはならないだろうけど……あの野郎は潰すよ。」

 

 

 

…………………………

 

 

 

翌日、憂鬱になりながら歩いていると昨日の転生者が周囲の生徒達に寄って集ってリンチにされていました。

 

 

 

 

 

 

「って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?な、何をしてるんですか!?」

「近寄らない方が良いわよ?」

私が近寄ろうとするとグレモリー先輩に止められました。

 

 

「な、何でですか?」

「あいつがリンチされているのがこの記事が原因だからよ。近付いたら更に激化するわ。」

グレモリー先輩が見せた記事、それは……

 

 

『卑劣なる悪漢!女子の心に傷残す!』

そこには多少脚色はされていましたが昨日の事がバッチリとのっていました……私が無意識に泣いた写真と音声録音のテープ付きで……

 

 

 

 

「ど、どうして……」

「霊……この記事を書いた人なんだけどね……昨日の事で罪悪感沸いちゃったらしくてね、部長に掛け合ってこの記事を大見出しにさせたみたいなの……」

「そう言う事だよ……」

私が一昨日聴いた声に振り向くとそこにはくまを作った一昨日の先輩がいました。

 

 

「あら、霊。結果の確認かしら?」

「そんなとこかな?あ、私は『宮内霊』……この記事と昨日の記事を書いたんだ。」

そこには罪悪感と満足感が入り交じった顔がありました。

 

 

 

「…………ごめん!」

「え……?」

「霊、混乱してるわよ?」

「へ?あ、ご、ごめん!あの……昨日の記事で無意識に傷つけちゃったじゃん?だからね……」

あ……私は頬を掻きながら理由を説明する宮内先輩に胸が熱くなりました。

 

 

 

「あの……お詫びとしてだけどさ、その…………」

「じゃあ、友達になってください!」

「「………はい?」」

「あ!?あ、あの仲が悪くなったら普通は仲直りしますよね!?私達はそこまで親しくないからそう言う風な意味で友達になりたいな~~~~って……」

「………ぷ!あははははは!!!!」

「な、何で笑うんですか!?」

「ご、ごめんごめん!でも……正直だよね『奏』ちゃん。」

「へ……?」

「んじゃあね~~~~。」

そう言って宮内先輩は手をヒラヒラと降りながら歩き去りました。

 

 

 

「全く……素直じゃないんだから。じゃ、私も此処でね?」

「あ、はい。」

グレモリー先輩もまた校舎に向かって歩いていきました。

 

 

 

そして一年後……

 

 

 

「わははははは!去らばだ奏ちゃん!」

「ちゃん付けは止めろと言ってるでしょうが!そして待ちなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」

今日の号外である『衝撃の血縁!二大お姉様の一角姫島朱乃と記憶喪失の『微』少年吉井明久は従姉弟!!!!』と書かれた記事により起きた騒動について霊先輩を追いかけ回していました。

 

 

全く……これからも宜しくお願いしますね?霊先輩。




如何でしたか?
次回は奏の詳細な設定です!
次回もお楽しみに!

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