縁結びの神の恋~ノラガミ   作:マニック

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イズモガミ出陣

ひ「エビスさん!」

 

ひよりは息を荒くして小福の家にたどり着く。

 

大「おや、ひよりちゃん

  

  忘れ物かい?」

 

小「ひよりん!

  

  さっきぶりーーー!!」

 

 

ひよりの呼びかけに対し、大黒と小福が答える。

 

ひよりは息が乱れたまま急いで話し出す。

 

ひ「夜トがっ

 

  その

 

  毘沙門天に襲われて」

 

ひよりは小福の家にある七福神の飾りを指さしながら言う。

 

その瞬間

 

イズモガミが何も言わずにその場を立つ。

 

その場に走る戦慄

 

イズモガミの表情はとても縁結びのそれではない

 

怒りと悲しみが入り混じっている表情

 

そんな顔をしていた

 

イズモガミに続いて、神器である李愛と水愛もその場を立つ。

 

イ「ひよりちゃん

 

  夜トのことは俺がたすけるから

 

  心配しなくていい」

 

イズモガミは涙をうっすら浮かべているひよりに言う

 

ひ「は、はい

 

  でも夜トが自分に何かあったらエビスさんに言えって。」

 

ひよりはイズモガミの目をまっすぐ見ながら言う。

 

それに割り込むようにひよりと大黒が話し出す。

 

大「ひよりちゃん

 

  悪いけど、夜トを助けたいならオレらは呼ばないほうがいい

 

  今日があいつの命日になりかねん」

 

小「はははー」

 

ひよりは二人の話に疑問符を浮かべている。

 

小「だいじょぶだよー

 

  毘沙門と夜トちゃん止めるならイズモちゃんが一番なれてるからねえ」

 

小福はイズモガミをみながら言う。

 

イ「ひよりちゃん

 

  速く夜トと毘沙門の所へいこう。

 

  夜トはなかなかピンチのようだ」

 

イズモガミは目をつぶりながら言う。

 

ひ「わ、わかるんですか?」

 

ひよりは不思議そうな顔をしてイズモガミに問う。

 

イ「ああ

 

  水愛の能力はね認識した相手が今何をしているのかを俺に教えることなんだ。

 

  夜トのことも分かるし、、、

 

  何より毘沙門のことは俺が誰よりも知っている」

 

そう言うと、イズモガミはひよりの手に手を差し出した

 

イ「時間がない

 

  飛ぶよ

 

  俺につかまりなさい」

 

ひよりは黙ってイズモガミの手を取った

 

イ「来い!

 

  李器

 

  水器」

 

すると李愛は純白の日本刀になり

 

水愛は羽衣になった。

 

次の瞬間

 

 

刹那

 

イズモガミとひよりの姿はその場にはなかった

 

 

大「あいかわらず、バカ速っ

 

  あいつほんとは武神かなんかなんじゃねえのか。」

 

小「ちがうよお

 

  イズモちゃんはれっきとした縁結びの神様だよお」

 

大黒と小福はイズモガミのことを話す。

 

 

イズモガミとひよりは風の速さで移動をしていた。

 

ひ「イズモガミさん

 

  速いですーーー」

 

ひよりは速すぎる移動に困惑していた。

 

イ「ごめんね、ひよりちゃん

 

  ちょっと我慢して」

 

ひ「イズモガミさんは夜トと知り合いで、毘沙門天さんとも知り合いなんですか?」

 

ひよりはイズモガミに聞きたかったことを訪ねた

 

小福に毘沙門天を止めることを頼むつもりが小福はイズモガミが適任だという。

 

つまり、毘沙門とイズモガミはなにかの縁があるということがひよりには分かっていた。

 

夜トと毘沙門と出雲神

 

この三人の関わりをひよりは純粋に知りたいと思った。

 

イ「、、、」

 

イズモガミは答えにくそうな顔をした。

 

李・水「イズモ、、、」

 

李愛と水愛は心配そうにイズモガミに話しかける。

 

イズモガミは大丈夫だと李愛と水愛に念じる。

 

イ「そうだね

 

  夜トとはそこまで深い仲じゃないよ。

 

  毘沙門とは、、、

 

  幼馴染なんだ

 

  それとあの人は俺の世界のすべてなんだ」

 

ひ「えっ、、、」

 

ひよりはイズモガミと毘沙門が幼馴染ということに驚き

 

二人は深い仲だということにさらに驚いていた。

 

イ「そろそろ着くよ。

 

  ひよりちゃんはどこかに隠れているんだよ?」

 

ひ「あ、はい!」

 

ひよりの追求を許さないかのようにイズモガミが話を切る。

 

 

その頃、夜トは毘沙門によって追い詰められていた。

 

夜「ったく

  

  歩く武器庫かよ

 

  そんなのイズモがみたら怒られんぞ。」

 

毘沙門は目を鋭くし

 

毘「いまはあいつのことは関係ない!

 

  それが貴様の遺言か

 

  死ねっ」

 

毘沙門は大剣の神器を振りかぶった。

 

その時

 

空から声が聞こえてきた

 

イ「びーちゃーもーん!!」

 

毘「!?」

 

毘沙門は驚いた様子で空を見る。

 

毘沙門が空を見た刹那

 

イズモガミが地上に着地をしていた。

 

イズモガミの着地によってその場一帯の木々や大地が崩れ出す。

 

イ「毘沙門

 

  女の子がそんな物騒なもの振り回すな!

 

  血なんか浴びちゃ、いけません!

 

  これ以上こんなことするんなら、、、

 

  悪いけど俺が止めるよ」

 

イズモガミは毘沙門を指さしながら言う。

 

 

 

 

 


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