縁結びの神の恋~ノラガミ   作:マニック

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イズモガミという神

イズモガミの朝は早い

 

なぜか?

 

イズモガミの社には、毎日毎日多くの人がお参りにくるからである

 

イズモガミは多くの神器に連れられ、社に赴くのである。

 

李「イズモ!はやく歩いてください!

  もう参拝者がきているんですよ!!」

 

 

しかし、イズモはというと。。。

 

イ「やだ。眠い。おやすみなさい」

 

李「桜愛!そのくそやろうをつれていきなさい」

 

李愛は桜愛(ヨナ)と呼ばれる女ににこっと黒い笑顔を向けた

 

桜「は、はい汗」

 

イズモガミの抵抗むなしく、神器によって社につれていかれたのであった。

 

 

イズモ「なあ、李愛。

 

    今日は昼から俺は席をはずすぞ」

 

イズモガミは真面目な顔でそう言った

 

李「なら、わたしもいきますよ」

 

 

イ「ああ。すまんな」

 

李「いつものことじゃありませんか」

 

 

 

 

イズモガミには多くの神器がいる。その数100。

 

神器とは、神に見定められ、神の許で武具となった死霊のことである。

普段は人と変わらぬ姿をしているが、主である神からの呼びかけにより武具に変化する。

 

ようは神に付き従うもののことである。

 

その中でも神が最大の信頼を置く神器のことを道標(みちしるべ)という。

 

道標とは神に従いその道を示す存在のこと。神の半身ともいえる存在。

 

イズモガミの神器の中では、李愛がそれに該当する。

 

イズモガミはその李愛だけをつれてある場所に向かう

 

その場所とは

 

 

 

イ「またきたぞー!びーしゃーもーん!」

李「ご無沙汰しております」

 

すると、扉から女と何人かの男や子供が出てきた

 

毘沙門「またきたのか、おまえは」

 

 

兆麻「イズモガミサマ、護符沙汰しております。」

兆麻に続いて、まわりの男も女もお辞儀をする

 

イ「またとはなんだ

  幼馴染にむかって!」

 

 

 

この二人は幼馴染なのである

 

イズモガミは度々、毘沙門にちょっかいをかけにきているのである

 

なぜか?

 

たのしいからである

 

毘「おまえといると、こっとのペースがくずれるからいやなんだ!

  神器に示しがつかない!」

 

イ「あいかわらずだなー

 

 

  おまえ、、、そんなんじゃいつか壊れるぞ」

 

イズモガミはここにきてはじめて真顔でしゃべる

 

毘「、、、」

 

毘沙門は知っている。幼馴染だからなのか、それともこのイズモガミの能力なのかはわからないが。

このイズモガミという男は毘沙門の体や心が弱っているときに決まって訪れるのだ。

 

イ「、、、また夜ト神のところに行ったのか?」

 

毘沙門の表情が変わる

 

毘「そうだ。

  しとめそこねたが、次は必ず殺す。

 

イ「前から言ってるが、それもうやめろ。

  お前が余計きついだけだ」

 

 

イズモガミは毘沙門を悲しそうな顔で見る

 

李愛は心配そうな顔でイズモガミを見ている。

 

毘「いくらおまえだろうと、それ以上言うと殺すぞ」

 

 

イズモをかばうように、李愛が立ちはだかる

 

イ「李愛、いいよ

  下がれ。

  どのみち、毘沙門じゃあ俺は殺せない」

 

それを聞き、毘沙門の神器たちも戦闘態勢に入る

 

しかし。

 

イ「下がれ」

 

イズモガミが一言いうだけで、毘沙門と兆麻と李愛以外は足がすくみその場から動くことができなかった

 

毘沙門「っ

    その殺気を出すな!

    きさま、それでも縁結びの神か!?」

 

イ「ふー

  はいはい」

 

イズモガミが殺気を沈めると、その場の空気が軽くなったのかみなが動けるようになった

 

イ「まあ、いーや

  なんかあったら、一番におれに言えよ?

  おれは何があってもお前の味方だからさ」

 

イズモガミと李愛はその後すぐに自分の社に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

毘「そんなこと、、、わかってるさ」

毘沙門は小さくつぶやいた。

 

 


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