新訳のび太のバイオハザード ~over time in Gensokyo~   作:たい焼き

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次にお前らは「まだ終わってねぇじゃねぇか」と言う。


コラボ&番外編
コラボ編 byホーシー 『東方異幻伝』


 一つの世界が危険に晒されながらも、科学者と玉兎の働きによってその危機は去った。

 

 科学者は己の目的を達成する中で何度も訪れた危険に立ち向かい、大半の危機に敗北し、運命に翻弄され、時には自分を見失いながらも目の前に立ち塞がった危機を何度も回避・解決してきた。

 

 科学者は自分の時間を、人の一生よりも遥かに長い時間を過酷な運命を辿った自分の時代を変えるために使ってきた。

 

 その役目を終え、本当の名を取り戻したその科学者は自分を信じて着いて来てくれた家族達と共に新たな人生へと旅立って行った。

 

 だがしかし、この世には『パラレルワールド』呼ばれる世界から分岐し、それに並行して存在する別の世界が存在するという。

 

 これはとある世界と限りなく似た未来を辿った世界の科学者の最後の戦いの記録である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「暇だなぁ・・・」

 

 やることがなくなったのび太は時間を持て余していた。霊夢達によってのび太に世界征服をする気がないことが異変解決組に伝わり、のび太の潔白が証明され普段通りの生活に戻ることができた。それにはあの男の活躍は欠かせなかっただろうが。

 

 もっとも異変解決のために結集した者達の大半に大きな被害を出したあの男が許される事はなく、傷付けられた者達、主に天狗達から指名手配され、今もその行方を追われているそうだ。

 

 しかし天狗達がどれだけ探してもあの男、氷室零夜は見つからないだろう。何故なら彼は、この次元とは違う幻想郷から来た男だからだ。

 

 「そういえばあの人は本当に人間なんだろうか・・・」

 

 銃弾やスタンガンの持つ能力を限界を超えて引き出させたり、集まった妖怪達の中でも特にスピードが高い文と妖夢と同程度の速さで走ったり、人間が出すことの出来ない振動数の音を容易く出したり等、とてもじゃないが人間とは思えない戦闘能力を見せてくれた。

 

 一日足らずとはいえ、地獄のようなあの街で大量のT-ウイルスから作られた・偶発的に出来た生物兵器達を見たのび太には、彼の動きがどちらかと言うと人間よりもB.O.Wに近い戦い方をしていた。

 

 その高い知性を活かして相手を観察して弱点を付き、相手を確実に一度の攻撃で仕留める戦い方ではなく、その圧倒的な殲滅能力や破壊力で相手を強弱関係なく残らず殲滅するB.O.W、詳しく言えば『タイラント』に近いだろう。

 

 彼はアンブレラが作った新型のウイルスによって意図的にB.O.Wと同じ、それ以上の戦闘力を持つ者として作られた者なのかもしれない。

 

 「まあ彼が元の世界に帰った今じゃ、確かめる事も出来ないけどね。」

 

 のび太は輝夜から借りた昔懐かしい格闘ゲームでもやろうと思い、テレビの電源を付けてゲームの電源を入れる。

 

 古臭いながらも懐かしいタイトル画面が表示され、キャラクターを選択する画面へと移動する。

 

 「う~ん。それにしても彼の能力の秘密が気になるな。」

 

 「だったら直接会いに行けばいいじゃない。」

 

 突如現れた紫色の空間の裂け目から前の騒動の元凶の一人とも言える少女、八雲紫が姿を現した。のび太は紫を側に置いていた拳銃型の弾幕発射機で迎撃する。

 

 紫は慌ててスキマと呼ばれる空間の裂け目の中に逃げ込み回避する。

 

 「ちょっと!!危ないじゃない。」

 

 「なんで敵だった貴方がそんなに簡単に僕の前に出てこれるか聞きたいですね。」

 

 「この幻想郷ではそんな物よ。それにあの時は悪かったって謝ったでしょ。」

 

 「そんな物ですかね・・・」

 

 のび太は紫を完全に信用する事が出来ずにいた。全てを見通しているかのような言い方や大事な事はいつも言わずに隠すその性格がのび太はどうも信用出来なかった。

 

 「それより、私に何かして欲しい事があるんじゃないかしら?」

 

 「ならゲームの相手でもしてくださいよ。」

 

 「え?い・・・いいわよ。」

 

 結果は語るまでもなく紫の惨敗だった。ゲームという知っていても、実際にプレイしたことはなかった。ゲームの誘いを受けたのはのび太に負けたくないという完全な意地だろう。

 

 「違うでしょ!!もっと重要な事があるでしょ。」

 

 その苛立ちが紫が持ちかけてきた話からずれているからなのか、それともゲームで惨敗したからかはわからなかった。

 

 「何もないですよ。」

 

 「貴方を助けてくれた彼の事が知りたいんでしょう?」

 

 やはりそのことか、とこのタイミングで紫がのび太を訪ねて来たということは大体予想はついていた。紫も完全にのび太を信用していないのか、スキマでのび太の事を監視しているみたいだ。

 

 「でも彼は違う幻想郷の住民でしょう?行こうにも行けないじゃないですか。」

 

 「そこで私の出番ってわけよ。」

 

 話を聞くと、紫の能力『境界を操る程度の能力』は別次元への移動も可能だと言う。のび太が幻想郷に迷い込んだのは事故だが、その事故が起きる原因となったのは彼女が幻想郷の設立の際に張った結界『幻と実体の境界』による物だ。

 

 スキマはそんな紫の能力の一部で、本来は空間の境界を操って裂け目を作ることで、離れた場所同士をつなげる事が紫の能力である。

 

 物理的な境界だけでなく概念的な境界をも操る事が可能らしく、夢と現実の境界に穴を開けて他人の夢に入り込んだりも出来るらしいが今回使うのは別次元への移動だけだ。

 

 「要するに、僕を彼がいる幻想郷に送るって事ですか。」

 

 「ええ、そうよ。」

 

 のび太も一度この身で体験したことなので大体のことは理解出来た。

 

 「あわよくば僕をこの幻想郷から締め出して排除しようってわけですね。」

 

 「さあ、それはどうでしょうね。」

 

 紫は妖艶な笑みを浮かべてのび太に真意を悟られないようにしている。真意がわからなくても、何かを隠していることくらいならのび太にも分かったので、おそらくのび太の仮説は合っているだろう。

 

 「紫さん。貴方はここがどこだかわかっていますよね?」

 

 のび太のその言葉の意味を理解するのに一瞬かかったものの、紫は意味に気付き後ろを、この部屋の出入口の方を振り返る。

 

 そこには既に臨戦態勢の鈴仙・永琳・輝夜達永遠亭の実力者がいた。

 

 「なるほどね。保険も万全ってわけね。」

 

 これには紫もお手上げなのか抵抗しなかった。

 

 「さっきの話ですけど、受けさせてもらいますね。最も帰り道を用意して頂ければの話ですけど。」

 

 のび太はこの暇を潰せる最大の要因を作ってくれた紫に感謝すらしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 のび太は念入りに出かける準備をしていた。こことは違うと言っても、向こうも幻想郷なのだ。妖怪達に襲われるかもしれないし、もしかしたら向こうの住人達と弾幕ごっこになる可能性もある。

 

 一応にとり特製の拳銃を護身用に持ったが、これだけじゃ武装が全く足りないとのび太も自覚していた。

 

 「これだけじゃ心許ないな・・・」

 

 これだけは本当に悩んだ。銃が見つかればそれが一番なのだが、この幻想郷でまともな物が手に入るとは到底思わなかった。

 

 かといって剣や弓矢程度ならいくらでも手に入るが、弓はのび太自身が使えないし、剣は多少は使えるとしても持ち運びが困難だということに加え、接近戦による力勝負が多くなるため、普通の人間よりも少し力が強い程度ののび太は圧倒的に不利になる。

 

 そういった戦いのアドバンテージを帳消しにするにはやはり使い慣れた銃火器の方がいいのだ。

 

 「ってそんなに甘くないか。」

 

 のび太は諦めて今ある物で出かける準備を進める。

 

 「おーいワイリー。いるかい?」

 

 準備を再開してから間もなくにとりが訪ねてきた。

 

 「何ですかにとりさん。ひみつ道具の作り方なら教えませんよ。」

 

 にとりはのび太が作ったひみつ道具の設計図を解析するのに然程時間は掛からなかったそうだ。だがいざひみつ道具を作ろうとしても一番大切な材料が幻想郷には無く、作ることが出来ないしそれだけは合金等を使って代用出来ないことをのび太も知っていた。

 

 「そこを何とか頼むよ。」

 

 「無理ですね。科学者が簡単に自分の技術を他人に教えると思っているんですか?」

 

 ひみつ道具は便利な反面危険な一面を持っている。『どくさいスイッチ』は人を消すことが出来る教育用の道具だが、使った本人が改心しなければ消された人は消えたままだろうし、『バイバイン』は使った物を完全に消さなければいつかは増え続けた物によって溢れてしまうし、『地球破壊爆弾』は星そのものを破壊出来る程強力な威力を持っている。

 

 のび太は設計図に書いていないが、その他にも戦車を吹っ飛ばす威力の『ジャンボガン』やビルも溶解する『熱線銃』もある。

 

 未来の人間がひみつ道具を封印した理由をのび太は実際作ってから気がついた。だからこそのび太はそんな危険なひみつ道具だけを封印し、夢と希望で溢れた子どもの夢を叶えるひみつ道具だけを作った。『地球破壊爆弾』のような危険なひみつ道具を自分の後を継いだ人間達がひみつ道具を人を傷付ける道具として使わないで欲しいというのものび太の願いである。

 

 「そうか。折角ワイリーが今一番欲しい物を持ってきたってのにさ。」

 

 にとりはなんとかひみつ道具の作り方を聞き出すためにのび太の興味を惹く事を言った。

 

 「例えば何ですか?」

 

 「これさ。」

 

 にとりがそう言って背中の巨大なカバンから取り出したのは、外の世界で現在も使われているであろう銃火器と弾薬だった。それも大量に。

 

 「にとりさん。この話をどこで知ったんですか?」

 

 「紫から聞いたのさ。ワイリーの手助けをして欲しいってね。」

 

 もしかして素直じゃないんじゃないかとのび太は思った。おそらく紫を知っている者の大半はそれを知っているだろうが。

 

 「いやぁ、ありがたいですよ。武器がどうしても足りなかったんですよね。」

 

 のび太は早速銃を手に取ろうとするがにとりはそれを許さなかった。

 

 「いやいや、これだけ集めるのに苦労したんだよ?流石にタダでは渡せないよ。」

 

 のび太はにとりがそう言ってくるのは予想がついていた。

 

 「わかりましたよ。一から作ることは出来ませんが、簡易的な物なら作ることは出来ますよ。」

 

 のび太が言っている足りない材料というのは、ひみつ道具の出すエネルギーを調節、制御するための金属『フルメタル』だ。これがないとひみつ道具は思い通りに作動しない。

 

 のび太がここでにとりに教えた方法は、元となる物を用意してそれをひみつ道具に改造していくと言う方法だ。例えば『ビッグライト』を作りたければ懐中電灯を、『どこでもドア』を作りたければドアを用意してそれを改造するという方法だ。それさえあればフルメタルがなくてもひみつ道具は作れる。ただしそれによって誤作動が起きたとしてものび太の責任ではないが。

 

 「なるほど・・・わかったよ。これは全部持っていっていいよ。」

 

 にとりは用意した銃火器全てをのび太に譲った。

 

 「ありがとうございます。」

 

 のび太は早速装備を確認する。

 

 にとりが持ってきた銃は『ベレッタM92』をベースとしてロングバレル化・ロングマガジン化され、セミオート(単射)・3点バースト(3点射)が切り替え可能なモデルとなった『ベレッタM93R』、ガス圧作動方式セミオートマチックショットガンとして開発された。『レミントンM1100』、発売当時から現在まで最強の威力を持つ拳銃用弾薬とされている『デザートイーグル.50AE』と十分過ぎる代物だった。

 

 「こんなにどこから持ってきたんですか?」

 

 のび太は銃を見ていく中で気になった疑問をにとりに尋ねた。

 

 「香霖堂って知ってるかい?あそこの店主に私の発明品幾つかと交換して貰ったんだ。」

 

 にとりは自分で拾って修理した物ではなく、店から購入した物をのび太に渡したのだ。

 

 (これはちゃんとひみつ道具開発に力を貸した方がいいかもしれないな・・・)

 

 「それとこれを持っていくといいよ。」

 

 にとりはカバンから新たに何かを取り出し、それをのび太に渡した。」

 

 「こ、これは!?」

 

 のび太が受け取った物は正しく『ゼットセイバー』だった。本物はのび太がにとりと始めてあった時に回収したはずなのに、にとりはそれを持っていたのだ。

 

 「ワイリーに渡す前に複製しておいたんだ。といっても性能は本物よりも高くないけどね。」

 

 だがのび太は気づいていた。これには本物にも引けを取らない程の性能を秘めるていることを。にとりや他の河童達が持つ技術は22世紀の科学を学んだのび太も驚かされる。

 

 「これで何とかなりそうです。」

 

 「そうかい。それはよかったよ。それじゃ、また何かあったら頼むよ。」

 

 にとりはそう言って永遠亭から立ち去っていった。迷いの竹林の中にある永遠亭にどうやって来たのだろうかという疑問もあったが、のび太は然程気にしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紫に指定された場所に行くために、指定された時間よりも少し前に永遠亭から出た。

 

 今回鈴仙は置いていくことにした。鈴仙達が紫を警戒しているものの、いつこの幻想郷から締め出されて戻れなくなるかわからないからだ。最もそうなっても向こうの紫に頼んで戻してもらえるという可能性もあったが、それも出来ない可能性もあるので期待しない方がいいだろう。

 

 それにあの男があそこまで力をつけているということは、向こうの幻想郷の住民はこちらの幻想郷の住民よりも力が強いという可能性もある。

 

 そんな危険な場所にまだ未熟の鈴仙を連れて行くわけにもいかないだろう。危険な目に会うのは自分だけで十分、それがのび太の考えだ。

 

 警戒し過ぎと言われるかもしれないが、これくらい警戒していた方が向こうに着いてその心配が杞憂に終わった時安心するだろう。

 

 「なんで私も連れて行ってくれないんですか!?」

 

 永遠亭を出る前に聞こえた鈴仙の一言が異様に心の中に残っている。別に連れて行ってもいいのだが、もしも紫が自分を排除しようとして戻るためのスキマを作らなかった時に巻き込む事は避けたいし、今から行くのもここと変わらぬ幻想郷なのだ。零夜が鈴仙の事を知っていると言うことは向こうの幻想郷に住む人々も同じだということだ。

 

 いつでも僕の後を追えるように準備はしているみたいだが、そんなことにならないように行動することが第一だろう。

 

 のび太が指定された場所に着いたが、そこにいるはずの紫がいなかった。まだ来ていないのだろうか?

 

 「あら?早かったわね。」

 

 のび太の目の前の空間にスキマが出現し、そこから紫が顔を出した。

 

 「人を待たせるわけにはいかないですからね。今回のような件なら特に。」

 

 「それなら話は早いわ。このスキマの中を真っ直ぐ進みなさい。既に目的地に繋げているわ。」

 

 紫は自分の隣にもう一つスキマを開いた。もう既に作ってあり、のび太がそれに気付かなかっただけなのだろう。先が真っ暗なスキマの中の奥に薄っすらと光が差し込んでいる様子が見える。

 

 「このスキマは僕が死ぬまで閉じないで下さいよ。」

 

 そう言い残し、のび太がスキマの中に入る。

 

 「なら当分の間は閉めないわね。幻想郷の管理者として、ここに住む住民の一人として無事を祈っているわ。」

 

 そんな言葉がスキマの中ののび太に届いた。それが紫の本音なのだろう。のび太も今まで敵対関係に近い関係だった紫からそんな言葉が聞けるとは思ってもいなかった。だが今更止まって紫にそれの真意を聞くわけにも行かなかった。今のび太に出来ることは前に進むことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界を超えるという事は紫にとっても大変なことなのだろう。スキマの入り口から出口に辿り着くまで少し時間が掛かった。流石にコンビニに行くような感覚では世界を跨ぐことは出来ないようだ。

 

 それ程大変な作業をただ零夜に礼を言いに行くという紫自身に取ってほぼメリットのないことのために行うだろうか?

 

 その疑問が解ける前に違う幻想郷に繋がるスキマの終着点に着いた。疑問など実際にその世界を見てみればすぐ解ける物だ。一旦その疑問を頭の中に押し込み、目の前に広がろうとしている幻想郷に意識を向ける。

 

 スキマは小高い丘の上にのび太を導いた。

 

 その幻想郷はのび太が居る幻想郷と何も変わっている場所はなかった。博麗神社があり、紅魔館もあり、迷いの竹林もあり、遠くには妖怪の山もあった。ただある事を除いて。

 

 「これは・・・」

 

 人里がある場所には人里は無く、代わりに燃え盛る炎と黒煙で溢れている廃墟があった。そればかりか、幻想郷の至る場所から血の臭いと腐った肉の臭いが混ざってのび太の鼻の奥まで届いた。

 

 その光景にのび太は見覚えがあった。かつて両親も仲間も親友をも失い、今までの過酷な運命を与えた全ての元凶とも言えるあの街に。

 

 まさかな・・・のび太は目の前の光景を見て、あの街と同じ事が起きているとは思わない、いや思いたくなかった。

 

 だがそののび太の微かな望みも後ろから忍び寄る化け物によって打ち砕かれる。

 

 体は腐り、所々から臓器が見え、目玉が本来あるべき場所から落ちて無くなっており、その姿はまさに死体だ。服装が日本人が昔着ていた噴くだったので、このゾンビは滅んだ人里の人間だったのだろう。

 

 だが目の前の死体は生き物のように動いていた。人が見ればそれを全員外す事なく言い当てるだろう。『ゾンビ』だと。

 

 ゾンビは不気味な呻き声を上げ、のび太を喰らうためにゆっくりと近づく。のび太は何度もその無残な姿を見てきた。まだ生きる事が出来た人間達の成れの果てだ。その人達がどんな事を思いながら死に、ゾンビになってしまったかは考えるまでもない。

 

 のび太は一歩も動かず、何も言わずにその場に立ち尽くしていた。ゾンビはその足を止めることなくのび太に近づき、まだ形が残っている顎を大きく開けてのび太の首を噛み付こうとする。

 

 しかし、そのゾンビが顎を閉じることは二度となかった。のび太は居合い抜きの要領でゼットセイバーを抜き、下から斬り上げてゾンビの体を真っ二つにする。切れ味は申し訳なく、むしろ強力過ぎる物だった。斬られた場所は焼け焦げており、肉が焦げる臭いがなんとも言えない。

 

 だがそんなことを気にすることに割く余裕もない。

 

 「絶対に許さないぞアンブレラ。いい機会だ。ここでこの戦いに決着を付けることにしよう。」

 

 のび太はゼットセイバーを収め、零夜が世話になっているという永遠亭へと足を運ぶ。のび太も永遠亭で世話になっているので道がわからないということはない。

 

 「まずは合流かな。」

 

 のび太は一刻も早くこの事態を収束させるべく、足を早めた。




久し振りかな。この小説、実はまだ終わってなかったり。

前話で言ってたやりたいことがこれです。小説の設定が連載中のままだから気が付いた人もいるんじゃないかな?

あと数話投稿してからtrueエンドを投稿してこの小説は完結です。

という訳で、もう少し付き合ってもらおうか

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