遊戯王GX~不動の名を継ぐ魔導書使い~   作:勇紅

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今回はデュエルなしです、すみません
この時期の再会といったら彼らです
+αもあります


第三十四話 2つの再会◆

「父さん、昇格試験パスしたよ」

 

この空間を訪れたと思えば、突然告げられた言葉にZ-ONEは固まった。

視線の先にいる息子は普段より口角をあげた笑みを浮かべており、自分を見上げている。

同時に彼が所属しているアカデミアの制度を思い出した。

 

「あぁ、ブルーになったのですか」

 

あまり積極的に上を目指していなかった彼が、よく昇格の話を受け入れたものだ。

それに関して問いかければ「退学するとき有利になる」と返され、何とも言えない気分となる。

向上心から来たかと思えば、まさか学園から去る時の事を考慮しての選択など、親としてどう反応するのが正しいのだろう。

しかし、ZONEはあることが気になった。

 

「(妙に目が輝いていますね)」

 

傍から見てもわかる程に期待を込めた眼差しを向けられ、Z-ONEは困惑する。

単に昇格試験に合格して気分が乗っているだけではなく、自分に何かを求めているようだ。

親と過ごした記憶がなく、長い間人間とも関わったことのないZ-ONEは何が正解なのか分からなかった。

いや、忘れてしまったというのが正しいだろうか。

こういう時、聖星の片割れである少女ならすぐに何をして欲しいか訴えてくれるというのに。

 

「何か欲しいものはありますか?」

 

「え?」

 

どうやらこの発言は外れだったようだ。

予想外な言葉を貰った時の驚いた表情をされ、Z-ONEは内心ため息をつく。

だが、聖星はすぐに微笑みながらとあるお願いをしてきた。

 

「いや、別にそこまでしてもらうつもりは……

あ、じゃあさ、今日はここでご飯食べて良い?」

 

「貴方、普段から時間があればここで食べているでしょう」

 

「今日はいつもより話したいことがたくさんあるんだ。

デュエルの相手がさ、丸藤先輩の事が好きみたいで、俺に勝ったら先輩に認めてもらえると思っていたみたいなんだ。

でも、あの人、多分先輩の好みじゃないと思うんだよ」

 

ああ、始まってしまった。

Z-ONEが乗っている機械の腕部分に腰を下ろした聖星は今日の出来事を楽しそうに話す。

両足をぶらぶらと揺らしながら語っている姿は本当に普通の学生だ。

いつかは戦わなければならないというのに、何故こうやって穏やかに過ごせる。

しかし、悪い気はせず、上手く言語化できない感情を抱きながらZ-ONEは聞き役に徹した。

 

**

 

「ようこそ、聖星。

ブルー寮へ」

 

ブルー寮への昇格が決まり、ついに引っ越す日が来た。

荷物が搬入され、後は指定された部屋に行くだけだ。

デッキや財布などが入っている鞄を背負いながらブルー寮へ向かえば、カイザーが出迎えてくれた。

差し出された右手に自分の手を重ね、聖星は微笑む。

 

「よろしくお願いします、丸藤先輩」

 

「部屋にはもう行ったのか?」

 

「いえ、これから向かうところです」

 

「それなら俺が案内しよう。

この寮は広い。

初めて来た生徒だと迷う事が多いからな」

 

「ありがとうございます」

 

彼の後に続いて玄関をくぐれば、西洋の城をモチーフにした世界が広がる。

一歩踏み出せば少しだけ足が沈んでしまう柔らかい赤い絨毯に、見上げれば光の屈折により七色に輝くシャンデリアがあった。

内装はところどころ【オベリスクの巨神兵】の像があり、間違い探しの要領で【青眼の白龍】を探してみたが、残念なことにあのドラゴンの姿はなかった。

 

「物珍しいか?」

 

「はい。

学生が住む寮なのにここまで豪華だとは思わなくて……

まるで御伽噺の世界に迷い込んだ気分です」

 

「最初は誰でもそうだ。

じきに慣れる」

 

自分の後ろに着いてきながらブルー寮の内装を見ている後輩の姿は、新入生が入学するたびに見る姿によく似ている。

中等部からエリートとして進級してきた彼らも、この豪華さには圧倒されていた。

万丈目グループの三男である万丈目は慣れた様子だったが、一般家庭出身のカイザー自身も「やりすぎでは?」と思った程だ。

 

「ここが聖星の部屋だ」

 

白塗りにされている階段を登りきり、2階へと辿り着いた2人はとある部屋の前で足を止める。

レッド、イエローと2つの寮に所属していた聖星は、目の前の扉がいかに豪華であるか理解できてしまう。

レッド寮の薄い板1枚で出来ているドアとも、イエロー寮の一般家庭向けのちょっと厚めの木製ドアとも違う。

改めてこの寮の価値観は認識した聖星は、ふと廊下の先にある扉に目をやる。

そこでは数人の引っ越し業者が作業をしており、いくつかの段ボール箱を運んでいた。

 

「あれ、誰か昇級したのですか?」

 

「いや、聖星以外に昇級した者の話は聞いていないが」

 

カイザーも聖星と同じことを疑問に思ったようで、数日前の月1試験を思い出す。

3年生で今更昇級試験を受ける者はいないし、2年生の試験でそのようなデュエルがあったという話はなかったはずだ。

聖星の反応を見ても、1年生で彼以外の昇級試験はなかったはずだ。

まぁ、じきに分かるだろうと判断を下し、カイザーは聖星に話しかける。

 

「この後はどうする予定だ?」

 

「この後ですか?

荷解きをした後は……

特に決まってないです」

 

「それなら後で一緒に食事はどうだ?」

 

「え、良いのですか?」

 

「あぁ」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

カイザーと別れた聖星は、まだ段ボールが積まれている部屋の中を見渡す。

元々持っている物が少なく、机やベッドは備え付けのものがある。

これはそんなに時間がかからないなと思いながらガムテープを剥がし始めた。

中に詰め込まれている教科書や参考書を机の上に置きながら、聖星は大事なことを思い出す。

 

「そうだ、父さんのところに繋がるようにしないと……」

 

昨晩は遅くまでZ-ONEに付き合ってもらい、【星態龍】に「寝ろ! Z-ONEも甘やかすな!」と怒られた。

生憎、あの父には精霊の姿が見えないようで彼の言葉は届いていなかったが。

この日常の延長戦にある馴れ合いがいつまで続くのかと思うと、少しだけ胸が苦しくなる。

その時、PDAの電子音が鳴り響く。

ポケットからPDAを取り出した聖星は、十代からの電話だと知り、特に疑問に思う事もなく受話器ボタンを押した。

 

「聖星、大変なことになったぜ!」

 

「何だよ、大変な事って……」

 

「万丈目グループがアカデミアを買収する話が出てるんだ!」

 

「え?」

 

十代の話を要約するとこうだ。

万丈目の兄達がこのアカデミアを買収する話をオーナーこと海馬に持ち掛けた。

普通なら断るのだが、海馬の性格を理解しているのか彼らはデュエルで勝負をつけることを提案したそうだ。

デュエルで己の道を切り開くのを信条としている海馬はあっさりとその話に乗り、万丈目グループが出した条件さえも飲んでしまったという。

 

「自分は初心者だから対戦相手が使えるモンスターの攻撃力は500未満……

何て無茶苦茶な条件飲んじゃうんだよ、あの人は」

 

「あぁ、それでさ、万丈目の兄ちゃんたち、万丈目を対戦相手に指名したらしいんだ」

 

「何だよそれ、万丈目に対する嫌がらせ?」

 

「……う~ん、わかんね」

 

ただでさえ実家がこのアカデミアを買収するという話なのだ。

万丈目グループの関係者である万丈目に対し、アカデミアの生徒達が心無い発言をしてもおかしくはない。

とにかく、万丈目と会って何か力になれないか相談しなければ。

カイザーとの食事は楽しみにしていたが、それより今はこっちが優先だ。

十代にすぐ合流する旨を伝えた後、聖星はカイザーに事情を説明するため彼の番号を探した。

 

「良かったな、お前が指名されなくて」

 

「え?」

 

肩から聞こえてきた言葉に顔をあげれば、【星態龍】が無表情で言葉を続けた。

 

「海馬の性格なら、聖星の実力を知るために聖星を対戦者として指名していたかもしれないぞ」

 

「止めてくれよ、【星態龍】」

 

「グルルゥ……」

 

万丈目グループといえば、十代と万丈目の姉妹校対決でTV中継を行ったという。

今回のデュエルでも宣伝効果を兼ねてTV局を呼んでいるかもしれない。

そんな状態で異端者の聖星がデュエルをする事になってみろ、永遠に消えない記録が残り、Z-ONEと一緒に頭を抱える未来が見える。

 

**

 

十代と合流した聖星は、すぐに万丈目が向かったであろう方向へ急いだ。

カラフルなアカデミアの中で唯一目立っている黒色を見つけた。

声をかけようと足を進めると、嫌な言葉が耳に入ってくる。

 

「きっと今度のデュエルって」

 

「そうそう、万丈目兄弟の策略だぜ」

 

「まさか万丈目は最初から負ける気で?」

 

「ここが万丈目グループのものになれば、万丈目自身のものになるって事だろ」

 

あぁ、やはりこうなったか。

良くも悪くも万丈目の立ち位置は複雑だ。

三沢との昇格と降格を賭けたデュエルを行う前までの彼はお世辞にも良い人とは言えない。

レッドとイエローを見下し、同じ寮の生徒でも顎で使っていたのだ。

聞こえるように陰口をたたかれるのも無理はないと理解はしているが、やはり納得できない。

聖星が何かを言う前に十代が飛び出し、周りにいる生徒達に怒鳴りつける。

 

「お前たち、そんな言い方ないだろ!

万丈目はここの生徒だぞ!

1度でもデュエルしたことがあれば、万丈目はそんな奴じゃないって分かるだろ!」

 

十代の発言に彼らは揃って口を閉ざす。

まさか誰かに庇われるとは思っていなかったのだろうか。

十代に続くよう、聖星も前に出て静かに口を開いた。

 

「確かに以前の万丈目なら分からないけど、今の万丈目は違う。

それは代表デュエルで証明されているんだろ?

あの場にいなかった俺が分かるのに、何であのデュエルを見ていた皆は分からないんだよ」

 

代表デュエルに関しては十代からの又聞きなので、詳しいことは分からない。

それでも万丈目は兄の意思に従わず、自分の信念を貫いたと聞いた。

その彼が何故今回は兄達に屈すると思っているのだ。

 

「十代、聖星、余計なことを……

貴様らの助けはいらないと言っただろう」

 

「何を!」

 

「喧嘩している場合じゃないぜ」

 

今にも言い争いになりそうだった2人を、三沢が止める。

隣を見れば明日香も一緒に歩いてきた。

彼女達も今回の事は耳に入ったようで、協力を申し出にきたようである。

 

「話は全部聞いた」

 

「私達にできることがあったら言って」

 

「協力するぜ」

 

「断る」

 

万丈目はこれは俺の問題だと言うかのように背中を向ける。

確かに彼の性格を考えれば素直に協力を受け入れるとは思えない。

だが、学園がかかっている以上気軽に傍観するという選択肢はなかった。

それを証明するかのように、別の人物が万丈目に声をかけてきた。

 

「そう尖るな。

デュエルで負けるならまだしも、このままじゃデュエルすることが出来ないんじゃないのか?」

 

「カイザーの言う通りだ、万丈目。

ここで皆の協力を断るのは得策じゃない」

 

なんと、一緒に合流したのは珍しい組み合わせである。

まぁ、同じ寮なので途中で出くわし、そのまま来たという事も考えられるか。

2人の言葉に翔は怪訝そうな表情を浮かべて理由を聞いた。

 

「どういうこと、お兄さん、取巻君」

 

「ないんだよ、カードが。

攻撃力500未満の」

 

「え?」

 

「カードがない?」

 

「遊城、不動。

万丈目の性格を考えてみろ」

 

万丈目は魔法や罠のサポートで相手のモンスターを翻弄し、圧倒的なパワーで畳みかけるパワーデッキ。

当然、デッキに入っているモンスターの攻撃力は総じて高い。

その彼が攻撃力500未満のカードを所持しているわけがない。

中学の頃から万丈目と共にいた取巻は誰よりもそれを知っているのだ。

少しだけ自嘲気味に笑った万丈目は、ポケットから1枚のカードを見せる。

 

「俺が持っている攻撃力500未満のカードといえば、これ」

 

それはノース校で奇妙な縁を結んでしまった、攻撃力0の【おジャマ・イエロー】だった。

 

「「「えぇえええええ!!!!???」」」

 

校舎内に響く驚きの声に、【星態龍】と【スターダスト】は思わず耳を塞ぎそうになる。

だが、そんな2人など気にせず十代と聖星は両目を見開いて万丈目に詰め寄った。

 

「それじゃあ、デッキも組めないって事かよ!?」

 

「バーンデッキにする?

チェーンバーンなら構築次第ではモンスターいらないし、手軽に組めるぜ?

あ、慕谷はいまどこにいる?

あいつ、確かロックバーンデッキだったよな??」

 

万丈目がカードを持っていない以上、モンスターを抜きにした構築を考える必要性がある。

聖星が何枚か貸すという手もあるが、彼の性格上断る可能性が高い。

これから万丈目に自力でカードを当ててもらう事を考えると、非現実的で頭が痛い。

すると、今までこの会話を見守っていた大徳寺が話に入ってくる。

 

「噂で聞いただけなのですが、この島に1か所だけそれを手に入れるかもしれない場所があるのにゃ」

 

「え?」

 

「決してしてはいけない事ですが……」

 

このアカデミアが建っている島はそれなりに歴史があり、古井戸があるそうだ。

昔の生徒達は余った弱小カード達をその井戸に捨てていたそうだ。

しかも、ここから厄介な話で、カード達は捨てられた恨みで悪霊化しており、近づいた者達を呪うという。

 

「カードを捨てるって……

酷いことを」

 

無意識のうちに零れた言葉に、【スターダスト】は慰めるように聖星に擦り寄った。

だが、その最低な生徒達のおかげで希望の光が見えた。

何とも皮肉な事だろう。

聖星の言葉が聞こえてない万丈目は、呪われるかもしれないという言葉に真っ向から返す。

 

「構わん、例え呪われても俺はカードを手に入れねばならん!

俺はこの学園を守らねばならんからな!」

 

**

 

「って、何でお前達がついてくる!」

 

カードを回収するためにバッグを肩に背負う万丈目は、自分の後ろにいる十代と聖星に問いかける。

空はまだ青く、森も太陽の光のおかげで視界がはっきりしている。

夕暮れまでにまだ時間はあるが、早く回収した方が良いだろう。

万丈目の苛立ちが混じった問いかけに、十代と聖星はそれぞれの理由を口にする。

 

「いや~、学園の未来がお前の肩にかかってるんだぜ。

悪霊が出てきたら、お前を守らないと」

 

「カードの悪霊が本当にいるのなら、精霊が見える者として放っておけない。

まぁ、何が出来るかは分からないけど……」

 

2人の言い分に、万丈目は深いため息をつく。

悪霊から守るというのは分かるが、この自分が十代に守られるのは気に入らない。

そして聖星は何が出来るか分からないのに着いてきたという、とんだ甘ちゃんだ。

まともに相手をしていたら疲れるだけだと結論付けた万丈目は、止めた足を再び動かす。

深い森の中へ進む3人の少年を見守りながら、【星態龍】は大徳寺の言葉を思い出した。

 

「そもそも大徳寺の話が眉唾物ではないか?

半年以上この学園にいたが、悪霊らしい力など感じたことなどないぞ」

 

「グルル……」

 

それは【スターダスト】も同意見のようで、生き物の気配が微かに感じられる森の中を見渡す。

本当に悪霊がいるのなら小鳥の気配や囀りが聞こえないはずだ。

これならカードが捨てられていた事は事実であり、二度と心無い生徒が井戸に近づかないようにする作り話というほうが現実味がある。

 

「バカバカしい。

カードの悪霊なんているわけ、うわぁ!?」

 

【星態龍】の言葉を肯定しようとした万丈目は、突然現れた白色の塊に悲鳴を上げる。

発光しながら浮遊しているそれは聖星達を見下ろすかのように動き回り、狙いを定めている。

 

「やっぱりでやがった」

 

「ひえ~、大徳寺先生の話は本当だったってわけか」

 

「【星態龍】、何も感じないって言ったよな?」

 

「こいつらの気配が薄すぎるんだ」

 

高位の精霊である彼でも感知できないなど、どれほど影が薄いのだ。

自分の姿を何とか保っている悪霊達は寒気を覚えるような笑みを浮かべながら聖星達に突撃してきた。

皆は襲ってくる悪霊に対して構えたが、3人の前に巨大化した【スターダスト】が現れる。

 

「グルゥウウワァ!!!」

 

「ひっ、ひぃ~~!」

 

体だけではなく、森全体を震え上がらせるほどの唸り声は悪霊に効いたようで、彼らは情けない声をあげながら姿を消していく。

闇の力を祓える【スターダスト】が相手なのだ、いくら悪霊化していても低レベルの精霊では敵うわけがない。

完全に追っ払ったことを確認した【スターダスト】はいつもの大きさに戻り、聖星の肩に着地する。

 

「【スターダスト】、守ってくれてありがとう。

でも、少しやりすぎちゃったみたいだな……」

 

お礼の意を込めて頭を撫でると、もっと欲しいというように擦り寄られる。

素直に可愛いなぁと思いながら撫で続けるが、耳を澄ますと【スターダスト】の威嚇で驚いた小鳥や動物達が逃げる音が聞こえてくる。

人間より敏感な動物は、あの程度でも感じ取り、命の危機を覚えるようだ。

少しだけ申し訳なく思いながら進むと、それらしい古井戸を発見する。

 

「お~、井戸だ、井戸!」

 

「やかましい、見れば分かる!」

 

降りるために必要な縄梯子を放り投げると、地面と梯子がぶつかった音が聞こえてくる。

どうやら梯子の長さは足りたようで、井戸水がない部分があるようだ。

少しだけ安堵しながら降りていくと、水は一切なく、地面には様々なモンスターカードが無造作に捨てられていた。

 

「ここがカードの墓場か」

 

「成程、弱っちぃカードばかりだ」

 

殆どが通常モンスターだと思っていたが、意外と効果モンスターも多い。

面白い効果を持っているというのに、やはり攻撃力0だから捨てられたのだろう。

さて、ここにあるカードを全て持って帰るのか、それとも何枚か選ぶのか。

万丈目に尋ねようとすると、2体の精霊が現れる。

 

「やいやいテメェら、何しに来やがった!?」

 

「何しに来やがった!?」

 

「まさか捨てられた俺達の恨みを忘れたわけじゃねぇだろうな!」

 

「ねぇだろうな!」

 

カードから出てきたのは【おジャマ・ブラック】と【グリーン】。

万丈目の元には【イエロー】がおり、彼らの精霊が同じ場所に揃う事は偶然だとしても凄いことだ。

聖星が心の中で感動している事を知らない万丈目は、突然現れた2人に対して全く恐怖心を抱かずそっけなく返した。

 

「知るか、俺が捨てたわけじゃない」

 

「野郎、やるなら相手になってやるぜ!」

 

「なってやるぜ!」

 

「来るなら来い、ろくな攻撃力のないお前達に何が出来る?」

 

その言葉は事実だったようで、2人の表情が一瞬にして歪む。

これは怒りを買ったかと思ったが、小さな瞳と大きな瞳からは大粒の涙が零れ落ち、大きな声をあげて泣き出した。

あまりの煩さに聖星達は両耳を塞ぐ。

自分達の無力さを嘆く【おジャマ・ブラック】の言葉に感化されたのか、今まで隠れていた精霊達も涙目で姿を現した。

 

「俺達はやっぱり落ちこぼれよ!

こんな奴ら脅すことも出来ないなんてよ!

せめて、弟が見つかれば兄弟3人力を合わせてもう少し何とかなるかもしれないのによぉ!」

 

「弟よ、どこ行ったんだよ」

 

「「【おジャマ・イエロー】よぉ!!」」

 

「おいらの事、呼んだ?」

 

「え?」

 

ひょっこりと顔を出した【イエロー】の姿に、【ブラック】達の表情がまた一変する。

先程の絶望感に囚われた悲しげな顔ではなく、希望に満ちた顔だ。

幻覚だと思うが、彼らの周りに薔薇の花やキラキラと輝く何かが見える。

【イエロー】は【ブラック】と【グリーン】の事を兄と呼び、その胸に飛び込んでいった。

 

「そうか、お前らは兄弟だったのか」

 

「何とも見苦しい再会シーンだ」

 

「万丈目、そんな言い方は駄目だろ」

 

聖星の言葉に万丈目はフンと鼻を鳴らし、この場から帰ろうとする。

その時、この場にいる精霊達がここから出してほしいと涙目で懇願した。

精霊達が一斉に「出してくれ」と訴える姿は見ていて痛々しい。

 

「こんな暗いところで一生を過ごすのは嫌だよな……」

 

「私とて真っ平ごめんだ」

 

「グルル……」

 

「万丈目」

 

十代が困ったような顔を向ければ、万丈目は難しい顔を浮かべながら「分かった、こいつらは俺が面倒を見る……」と言い切った。

瞬間、精霊達の歓喜の声が木霊する。

彼らの喜びようは凄まじく、【星態龍】は真顔である事を思い出す。

 

「……おい、まさか万丈目のやつ、あの狭い部屋にこいつら全員入れる気か?」

 

「これから毎日お祭り騒ぎは確定だろうな」

 

ブルー寮の部屋ならなんとかなるが、流石にレッド寮の部屋は狭すぎるだろう。

何人かは聖星が引き取ろうかと考えたが、すっかり精霊達は万丈目に懐いてしまったようで、1人1人彼に向かってキスをしている。

井戸の中で必死に追いかけっこをしている友人の姿に、聖星は苦笑を浮かべるしかなかった。

 

**

 

そしてデュエルの結果は、無事に万丈目が勝利を収めた。

最初、万丈目に与えられたハンディは攻撃力500未満のカードだったが、万丈目はそれより厳しい攻撃力0のモンスターのみでデッキを構築した。

長男・長作が召喚する高レベルのドラゴン達に圧倒されながらも、持ち前のタクティスでその攻撃をはねのけ、【おジャマ・デルタハリケーン】で場を一掃。

最後は攻撃力3300の【カオス・ネクロマンサー】でとどめを刺した。

無事に友人がこの学園を守り切った姿を見届けた聖星と取巻は、寮に戻るため森の中を歩いている。

 

「はぁ、見ていてハラハラした……」

 

「うん。

本当に勝ててよかった」

 

疲れたようにため息をつく取巻に対し、聖星は少し楽しそうにしていた。

普段から微笑む顔がデフォルトのため、多少の事なら違和感はないが、今は妙に声も弾んでいる。

 

「どうしたんだ、不動。

そんなに万丈目が勝って嬉しいのか?」

 

「それもある。

けど、何か万丈目のデュエルに触発されたせいか、新しいデッキ組みたくなってきたんだ」

 

あぁ、成程。

確かにあれほど立派な逆転劇を見せられては、デッキを組む意欲が刺激されて当然か。

デッキを1つしか持たない取巻だったらデッキ内容を弄る程度で終わるが、聖星は1からデッキの構築を練るだろう。

ならば明日か次の実技の授業辺りでそのデッキのお披露目会があるはずだ。

 

「低攻撃力のデッキでも組む気か?」

 

「あぁ、【フォーチュンレディ】や【ゴーストリック】でも良いな。

あ、でも【フォーチュンレディ】は1回組んだっけ」

 

【フォーチュンレディ】と【ゴーストリック】。

聖星の口から放たれたカードの名前は、2つとも取巻が聞いたことのない名前だ。

一体何のカードかと思って聞こうとしたら、それより先に背後から声がかかる。

 

「何だ、それ?

そんなカード聞いたことないぜ」

 

「【フォーチュンレディ】はレベルによって攻撃力が変動する魔法使い族で、【ゴーストリック】はリバース効果を得意とするモンスター達さ」

 

「へぇ、楽しそうだな!

デッキを組んだらすぐに俺とデュエルしてくれよ!」

 

「あ、ずるいぜ!

聖星、デッキが組み上がったらまずは俺とデュエルな!」

 

「うーん、構築に少しかかるから出来上がるのは明後日かな。

それでも良い……

って、え?」

 

新たに加わった2人の声に、聖星は勢いよく振り返る。

それもそのはず、1人の声はともかく、もう1人の声をこの島の森の中で聞くことはあり得ないのだ。

振り返った先には満面な笑みを浮かべる十代と、このアカデミアでは見る事のない紫の制服に身を包んだ少年が立っていた。

 

「ん、どうしたんだ、聖星?」

 

まるで悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべている少年は、ドヤ顔で聖星を見ている。

見事に驚かされた聖星は口を金魚のようにぱくぱくとさせ、自分の目を疑っているのか何度も目をこする。

しかし、目の前に立っている少年は間違いなく彼で、隣に立っている十代に負けない程眩しい笑顔を浮かべていた。

 

「な、な……

何でいるんだよ、ヨハン!??」

 

「何でって、留学してきたに決まってるだろ」

 

「えぇ!!?」

 

普段からそんなに声を荒げない聖星が珍しく慌てている。

ヨハンと聖星の関係を知らない取巻は不思議そうな顔を浮かべるしかない。

とりあえず、今の段階で分かる事は、聖星にとってヨハンの留学は予期せぬ出来事というくらいだ。

 

「おい、不動。

彼は一体誰なんだ?

そして、何で遊城と一緒にいる」

 

「あ、それは俺が説明するぜ」

 

どうやら混乱している聖星に代わり、十代が現状を説明してくれるようだ。

きちんとわかりやすい説明であることを願いながら、取巻は彼の話に耳を傾けた。

時を遡る事数十分前、十代と万丈目はいつものようにくだらない事を話しながら校舎を出た。

 

「ん、何だ?」

 

「様子がおかしいな」

 

森の中を抜け、レッド寮に向かう十代達はイエロー寮が騒がしい事に気が付いたのだ。

寮の門の前に人だかりが出来ており、出入りをしている生徒達も少しだけ足を止めてはすぐにその場から立ち去っている。

その中に見慣れた背中姿があり、万丈目はその人物に声をかける。

 

「神楽坂、どうした。

妙に騒がしいな」

 

「あ、あぁ……

実は変な奴が来ていて、今三沢が対応しているんだ」

 

「変な奴?」

 

困ったような表情を浮かべながら簡単に説明された言葉に、十代と万丈目は顔を見合わせた。

神楽坂につられて生徒達の視線の先を見てみると、確かに妙な少年が三沢と何か話していた。

淡い青紫の衣装を身にまとっている少年は、襟元の形からアカデミアの関係者だと分かるが、整った顔立ちは欧米人のものだ。

 

「転校生か?」

 

「バカめ、それならレッドの制服を着ているはずだ」

 

十代の言葉に万丈目はすぐに突っ込む。

このアカデミアで外国出身の関係者といえばクロノス教諭くらいだが……

教育実習生にしては若すぎる、一体あの少年は何者なのだろうか。

すると三沢と話していた少年が大げさに反応する。

 

「えー!?

聖星のやつ、もうこの寮にいないのか!?」

 

不意に少年が口にした名前に、十代達は再び少年を凝視した。

待て、何故彼の口から友人の名前が出てくるのだ。

少年と直接会話をしている三沢はこちらに気づいていないようで、強く頷いてPDAを差し出した。

道を教えているのか、2人で画面とブルー寮がある方角を交互に見ている。

そんな2人に対し、十代はすぐに声をかけた。

 

「よぉ、三沢。

そいつ誰だ?」

 

「十代」

 

多数の生徒達の波をかき分けながら前まで来た十代は、改めて少年を凝視する。

青い髪に透き通る緑色の瞳を持つ少年は、三沢の視線を追って振り返った。

少しだけ釣り上がっている目元が怖い印象を与えるが、それはすぐに柔らかくなり、十代の頭上から足元までじっくり観察してくる。

 

「十代?

もしかして、君が遊城十代?」

 

「え、何でお前、俺の事知ってるんだ?

ってか、聖星の事も知ってるようだけど……

お前、誰だ?」

 

聖星の事だけではなく自分の事まで知っているとは思わず、十代はますます理解できないというように首を傾げる。

十代がこの島以外で有名になる切っ掛けと言えば、TV中継を行われた万丈目とのデュエルくらいだ。

しかし、それなら何故聖星の事を知っているのか理由にならない。

不思議そうな表情を浮かべる十代に対し、彼は不敵な笑みを浮かべながら名乗る。

 

「俺はヨハン・アンデルセン。

デュエルアカデミア・アークティック校から留学してきたんだ。

君の事は聖星から聞いてるよ」

 

「ヨハン……

あー、聖星が言ってた【宝玉獣】デッキのヨハン!?」

 

「そう、それ俺の事」

 

カイザーとカミューラがデュエルをする前、アークティック校に留学した聖星が少しだけ口にした名前だ。

万丈目と聖星曰く、この世に1つしかない【宝玉獣】デッキの使い手であり、デュエルの腕前は折り紙付きという。

デュエリストとしての本能か、いつかはデュエルしてみたいと思っていた人物だ。

まさかこんなに早く出会う事が出来るとは思わなかった。

 

「あ、そうだ。

いきなり会って悪いんだけど、ブルー寮まで案内してくれないか?

俺、方向音痴でさ。

ここにつくまでも迷ってさ、多分2時間ぐらいは森の中彷徨ってたんだ」

 

「2時間……」

 

ヨハンの言葉に十代は頬がひきつるのを覚え、詳しく理由を聞いてみる。

彼の故郷では特徴のある建物が多く、それを目印+精霊達の道案内でどうにかなった。

しかし、ここの大部分は森であり、特徴のあるものが少ない。

校舎は大きいため、とりあえずそこを目指せば辿り着けただろうが、寮となるとそういうわけもいかなかった。

彼の苦労話を聞いた十代は、ヨハンからのお願い事を引き受けることにした。

 

「というわけで、十代に案内してもらったのさ」

 

「……嘘だろ」

 

もうどこから突っ込めば良いのか分からない程混乱している聖星は両手で顔を覆いたかった。

ペガサス会長に頼み込んでヨハンがアカデミアに来ないよう色々と手をまわしたのに、何故来ることが出来たのだ。

無意識に険しい顔をしていたのか、ヨハンが少しだけ不満そうな声で尋ねてくる。

 

「何だよ、その顔。

俺が来て嬉しくないのか?」

 

「っ、嬉しいとか嬉しくないとかそれ以前の問題だ!

今アカデミアは危険なんだぜ!

セブンスターズは平気で人質を取るような連中だし、それにヨハンはデュエリストとしても狙われているんだぞ!

だから、絶対に来るなって言ったのに!

何で……」

 

来たんだ、この馬鹿!

そう言葉を続けるつもりだった。

だが、先程まで笑顔だったヨハンの表情が一瞬で能面のようになり、言葉が詰まってしまう。

同時にどれほど自分が酷い事を言っているのか自覚した。

そうだ、聖星がヨハンの身を案じて手をまわしていたのと同じように、ヨハンも聖星の事を思ってここに来たのだ。

 

「……ごめん、ヨハン。

言い過ぎた」

 

「……まぁ、聖星が言いたいことは分かる。

けど、今のは傷ついたぜ」

 

聖星と再会した時、ある程度文句を言われる覚悟はしていた。

しかし、まさかここまで言われるとは思わなかった。

流石に腹が立ったヨハンは再び笑みを浮かべ、聖星に近寄る。

まさか笑顔を向けられるとは思わなかった聖星は疑問符を浮かべたが、その顔はすぐに苦痛に歪む。

 

「え?

ぃ、痛い、痛い、痛い!」

 

あっという間にコブラツイストを決められた聖星は降参だ!とでも言うかのように叫ぶ。

しかしヨハンは止める気は一切ないようで、全く笑っていない目で聖星を見下ろしている。

一触即発状態な空気固まっていた十代と取巻は、ヨハンの行動に驚きながら止めるべきかこのままにすべきか迷った。

すると、2匹の精霊がヨハンのデッキから現れる。

 

「ヨハン、そのくらいにしておいたらどうじゃ?」

 

「ルビビ~」

 

「うわっ、吃驚した!

こいつ等、ヨハンの精霊!?」

 

突然現れた【エメタルド・タートル】と【ルビー・カーバンクル】の姿に十代は目を輝かせる。

自分達の姿が見える少年の言葉に【エメラルド】は優しく微笑み、ヨハンを見上げて足に自分の頭を押し付けた。

【ルビー】も彼の肩に乗って困ったような顔をする。

家族から止めなさいと言われては、これ以上続けるわけにはいかない。

ヨハンはため息をついて聖星を開放し、十代に振り返る。

 

「へぇ、聖星の言う通りだな。

やっぱり君もデュエルモンスターズの精霊が見えるんだ」

 

ここまで案内される時、十代に精霊について話しかけようと思った。

しかしそれより先に聖星と合流してしまい、結局確かめていなかった。

先程まで纏っていた怒りの雰囲気はなくなり、ヨハンは好戦的な笑みで十代を見る。

 

「あぁ、お前もか?」

 

「あぁ。

俺は子供の頃から見えていた。

君は違うのか?」

 

「あぁ、俺も小さい時から……」

 

ヨハンの言葉を肯定しようとした十代だが、彼は少しだけ目を見開き、何かを考えるかのように固まる。

その様子にヨハンと、やっと息を整えた聖星は怪訝そうな表情を浮かべる。

 

「十代?」

 

「どうしたんだ?」

 

「いや、何でもない」

 

声をかけられた十代はすぐに顔をあげ、無理に微笑んだ。

珍しい反応をした友人に聖星は取巻に振り返る。

何故俺を見るんだと視線で問いかければ、なんとなくという視線が返ってきた。

そこから調子を取り戻した十代とヨハンは、お互いの精霊について語り合っている。

 

「こいつは【ルビー・カーバンクル】、伝説上の生き物さ」

 

「ふぅーん、伝説って?」

 

「あぁ」

 

ルビルビと可愛らしく鳴いている【ルビー】の頭を撫でる姿は、精霊が見えない取巻からしてみれば異質だ。

しかし、十代と聖星の視線は間違いなく何もないヨハンの肩に向けられている。

確かにそこに何かがいると言っている3人の様子に、取巻は疎外感を覚えた。

 

「また精霊が見えるやつが増えたのか」

 

以前、万丈目は精霊が見えるようになったところで良いことはないと言っていた。

しかし仲の良い友人の殆どが見えるのに、自分だけ見えないというのは実に気分が悪い。

羨ましいやら、妬ましいやら、複雑な感情を抱きながら取巻は声をかける。

 

「それで、ヨハンだったか?

所属の寮はどこなんだ?」

 

「ん?

えっと、君は?」

 

楽し気に話していたヨハンは首を傾げる。

確かにまだお互いに自己紹介を済ませていなかったなと思い、取巻は素直に名乗る。

 

「オベリスクブルー所属の取巻太陽だ」

 

「俺はヨハン・アンデルセン。

デュエルアカデミア・アークティック校からの留学生だ。

オベリスクブルー所属って事は、デュエル強いのか?」

 

ヨハンからの問いかけに、自分は強いと返答できればどれほど良かったか。

確かに学園内では上位に位置しているが、周りにいる人間が人間だ。

カイザーと互角に戦う聖星に、レッドでありながらカイザーをあと一歩まで追い詰める十代。

その2人に連敗している身としては強いと断言できない。

 

「まぁまぁだ」

 

「まぁまぁ?」

 

取巻の悩みを知らないヨハンはその言葉に怪訝そうな顔を浮かべるが、だいたい察してくれたのだろう。

それから会話を発展させようとするが、ヨハンが空中に向かって指を動かす。

何かを撫でているように見える姿に取巻はある事を頼む。

 

「アンデルセン。

肩に誰が乗ってるんだ?

出来ればカードを見せて欲しい」

 

「え?」

 

「あぁ、ヨハンには言ってなかったっけ。

取巻は精霊を見る事は出来ないけど、精霊の存在を知ってるんだ」

 

「何で?」

 

ヨハンが驚くことも無理はないだろう。

幼い子供ならともかく、ある程度常識に縛られた年齢になると人間は見えないものに対し否定的になる。

見えない人間の前で精霊と対話すると、殆どの人間には気味悪がられたり、頭のおかしい人間と思われたりした。

 

「授業の一環でこの島にある遺跡を見学しようとしたら、異世界に飛ばされたんだ。

そこで遊城と一緒に【墓守】の精霊と闇のデュエルをしたんだよ」

 

「あれは吃驚したよな~

結局デュエルで勝っても【墓守】の連中、【長】の言葉に従わずに【審神者】と一緒に俺達を葬ろうとするし。

サラがいなかったらどうなってたんだろうな」

 

ほんの数か月前に起きた事件を思い出し、取巻の目から光が消えた。

十代は楽しそうに【墓守】とのデュエルをヨハンに語るが、取巻としては苦い思い出だ。

闇のデュエルの危険さはヨハンだって知っている。

しかし、精霊とのデュエルとなると、精霊が見える者として興味を持つのは当然だ。

ヨハンは目を輝かせながら2人に当時の話を詳しく聞き始めた。

これは長くなると察した聖星は、もうすぐ暮れそうな空を見上げてため息をついた。

 

END




やったね、ヨハン!
フラグ回収したよ!

次回は十代vsヨハンの予定です。
ネオスがない状態の十代vsヨハンだと、どちらに軍配が上がるか
さぁ、どうしようか

あと、今日のデュエリストフェスティバル参加したかったです
地方民には辛い
Aiのデュエルセット欲しかった……

あと、ブルーの制服を着た聖星を描いてみました

【挿絵表示】

画力は突っ込まないでください

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