ベクター?誰それ、俺真月   作:野球男

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こんにちは。
Ⅳ&真月vsベクター 2となっております。

最近こっちの話を考えつつ、もう1つネタが浮かんでおりまして。
ひょっとしたらクリスマスくらいに上げる…かも。

それでは、どうぞ。


第130話

「…俺のターン、ドロー‼」

 

攻撃力の変化は0。

いや、ひょっとしたらダウンしているのかもしれないが元々の攻撃力は0。大した違いはない。

変化が一切ないというのは不気味だが、裏を返せばアレを突破出来れば勝利は確実ということ。

ここは臆さず攻める‼

「俺は竜の霊廟を発動‼」

 

竜の霊廟

通常魔法(制限カード)

デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る

墓地へ送ったモンスターがドラゴン族の通常モンスターだった場合、さらにデッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る事ができる

「竜の霊廟」は1ターンに1枚しか発動できない

 

「トライホーン・ドラゴンとエクリプス・ワイバーンを墓地に送り、エクリプス・ワイバーンの効果発動‼ デッキのSinスターダスト・ドラゴンをゲームから取り除く‼ そして、俺のフィールドにトーチ・トークン2体を特殊召喚し、相手フィールドにトーチ・ゴーレムを特殊召喚‼」

 

トーチ・ゴーレム

☆8 闇属性 悪魔族

ATK 3000

DFE 300

このカードは通常召喚できない

このカードを手札から出す場合、自分フィールド上に「トーチトークン」(闇属性 悪魔族 ☆1 攻/守0)を2体攻撃表示で特殊召喚し、相手フィールド上にこのカードを特殊召喚しなければならない

このカードを特殊召喚する場合、このターン通常召喚はできない

 

俺達のフィールドに黒い鎖に繋がれた銀色に輝くゴーレムが2体現れると、ベクターのフィールドに一回り以上の大きさはある同じゴーレムが現れる。

「ああ? 俺のフィールドに特殊召喚だと?」

意図が見えないようで、ベクターが俺を見ながら訝しむ。

「そして、トーチ・トークン2体とエクリプス・ワイバーンをゲームから除外し、The アトモスフィアを特殊召喚‼」

フィールドのトークンが消え去ると同時に猛烈な風が吹き荒れ、視認できる程に強い風の球体が現れる。

その球体を破壊すると、中から一羽の巨大な鳥が現れた。

「ハッ、大層なモンスターを召喚した割に攻撃力はたったの1000か」

「今はな。除外したエクリプス・ワイバーンの効果で除外したSinスターダスト・ドラゴンを手札に加える。そして、アトモスフィアの効果発動‼ 相手フィールドのモンスターを1体選択し、このモンスターに装備する‼ 俺が選ぶのはトーチ・ゴーレム‼」

「何⁉ チィ…‼」

アトモスフィアが羽ばたくとフィールド内に風が吹き荒れる。

その風はそのままトーチ・ゴーレムを襲うと吹き飛ばし、アトモスフィアの持つ球体の中へと飲み込まれた。

「アトモスフィアの攻撃力・守備力にトーチ・ゴーレムのポイントをプラスする」

 

The アトモスフィア

1000→4000

800→1100

 

「攻撃力4000だとォ⁉」

ソウル・マリオネッターに変化はない。

依然として攻撃力0のままだ。

…ここは、様子を見ながら仕掛けるか。

「いけ、ジャイアントキラー‼ ソウル・マリオネッターに攻撃‼」

「ぐっ…‼」

 

ベクター LP2500→1000

 

ジャイアント・キラーの振り回すムチに吹き飛ばされるも、すぐに形を取り戻し、取り落としたシャイニングを再び装備する。

…どうやら、破壊耐性を持っているらしいな。

とはいえ、ソウル・マリオネッターに変化はない。なら…‼

「終わりだ、ベクター‼ いけ、アトモスフィア‼ 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッターに攻撃‼」

「させるかァ‼ リバースカードオープン‼ ホーリージャベリン‼」

 

ホーリージャベリン

通常罠

相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる

その攻撃モンスター1体の攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する

 

「ぐおおおお⁉」

 

ベクター LP1000→5000→1000

 

…? アトモスフィアの攻撃をホーリージャベリンで防いだ?

どういうことだ。ベクターなら、もっといい防御カードを持っているはず…

「クククッ、かかりやがったな馬鹿が‼ この瞬間、ソウル・マリオネッターの効果発動‼ 俺がライフを回復した時、回復した分だけコイツの攻撃力はアップする‼」

「何⁉」

 

No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター 0→4000

 

「それだけじゃねェ‼ 回復したダメージ分、お前達にダメージを与える‼」

「なんだと⁉」

ベクターが回復したダメージはアトモスフィアの4000。

ということは…‼

「4000ポイントのダメージを食らってお前らは終わりだァ‼」

「‼ 真月‼」

「ッ、手札から神秘の中華なべを発動‼」

 

神秘の中華なべ

速攻魔法

自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる

生け贄に捧げたモンスターの攻撃力か守備力を選択し、その数値だけ自分のライフポイントを回復する

 

「俺はアトモスフィアをリリースし、攻撃力を選択‼ 選択した攻撃力分のライフを回復…ぐああああ‼」

 

真月 LP1300→5300→1300

 

「いいツラじゃねェか? 真月よォ。お前のそういうツラ、見たかったぜ」

そう言うとベクターがゲラゲラと笑い始める。

「2枚伏せてターンエンド‼」

 

真月 LP1300

手札 1

モンスター 1

No.15 ギミック・パペット−ジャイアント・キラー 攻撃

魔法・罠 2

⁇?×2

 

「すまない、Ⅳ。奴にダメージを与えるはずが」

「構わねぇ。お前が身体張ったおかげで効果もわかったしな」

「さァて…俺のターン、ドロー‼ ソウル・マリオネッター()に操られるシャイニング(真月)…正しく俺とお前の立ち位置そのものってわけだ」

「なら、今のコイツは糸の切れた人形そのものってわけか」

言いたいことに気付いたらしいⅣがベクターの言葉に続く。

「その通り。糸の切れちまった人形に用事なんてねェ‼ ソウル・マリオネッターの攻撃力は4000‼ 対するお前らのジャイアント・キラーの攻撃力は1500‼ これで俺の勝ちだ‼ いけ、ソウル・マリオネッター‼ ジャイアント・キラーに攻撃‼ あばよ、真月‼」

ベクターの指示にソウル・マリオネッターが指を動かすとだらんとしていたシャイニングが指示に合わせて身体を動かし、チャクラムを手にジャイアント・キラーへと迫る。

「別れの挨拶はまだ早い‼ リバースカードオープン‼ ガード・ブロック‼ 発生するダメージを1度だけ無効にし、1枚ドローする‼」

「チッ…2枚伏せてターンエンド‼」

 

ベクター LP1000

手札 0

モンスター 1

No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター 攻撃

魔法・罠 3

⁇?×2

No.104 仮面魔踏士シャイニング(No.43 魂魄傀儡鬼ソウル・マリオネッター)

 

「俺のターン、ドロー‼ トレード・インを発動‼ 手札のギミック・パペット−シャドーフィーラーを墓地に送り、2枚ドローする‼ …真月。俺はお前とそれ程付き合いがあるわけじゃねぇ。知り合ったのだってほんの少し前だ。だから俺の言葉にどれほどの重みがあるかはわからねぇ。けどな、お前はベクターの人形じゃねぇ。少なくとも、俺よかお前は真っ当だ」

「Ⅳ…」

「さあ、見せてやろうじゃねぇか」

そう言うとⅣは横目で俺を見ながら口角を吊り上げた。

「…ああ‼ リバースカードオープン‼ 荒野の大竜巻‼」

 

荒野の大竜巻

通常罠

魔法&罠カードゾーンに表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する

破壊されたカードのコントローラーは、手札から魔法または罠カード1枚をセットする事ができる

また、セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する

 

「俺はNo.104 仮面魔踏士シャイニングを破壊する‼」

フィールドに猛烈な突風が吹き荒れるとソウル・マリオネッターの糸が断ち切られシャイニングが空高く飛ばされていき、姿を消した。

「これでソウル・マリオネッターから破壊耐性は消え去った‼」

「だが、破壊耐性が消えたところでソウル・マリオネッターの攻撃力は4000‼ お前らのモンスターでこの攻撃力を突破できるか⁉」

「終わりの始まりを発動‼」

 

終わりの始まり

通常魔法

自分の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合に発動する事ができる

自分の墓地に存在する闇属性モンスター5体をゲームから除外する事で、自分のデッキからカードを3枚ドローする

 

「今墓地にある闇属性のモンスターはトライホーン・ドラゴン、トーチ・ゴーレム、死の木馬、ボム・エッグ、ギア・チェンジャー、シザー・アーム、シャドーフィーラー、ジャイアント・キラーの8体‼ よって俺はジャイアント・キラー、シャドーフィーラー、トライホーン・ドラゴン以外の5体を除外し、3枚ドロー‼」

ドローしたところでⅣの顔色が変わる。

どうやらキーカードを引けたみたいだ。

「いくぜ、俺はジャンク・パペットを発動‼」

 

ジャンク・パペット

通常魔法

自分の墓地の「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターを特殊召喚する

「ジャンク・パペット」は1ターンに1枚しか発動できない

 

「墓地のジャイアント・キラーを特殊召喚する‼ 蘇れ、ジャイアント・キラー‼」

フィールドに棺桶が現れる。

すると、その中から黒い巨大なマリオネットが再び現れた。

「お前、この状況で何ができるって聞いたな?」

「ああ? それがどうした」

「見せてやるよ。これが逆境を覆す人類の切り札だ‼ RUM−アージェント・カオス・フォースを発動‼」

 

RUM−アージェント・カオス・フォース

通常魔法

自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる

選択したモンスターよりランクが1つ高い「CNo.」または「CX」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する

また、このカードが墓地に存在し、自分フィールド上にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、墓地のこのカードを手札に加える事ができる

「RUM-アージェント・カオス・フォース」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない

 

「新しい…⁉」

「RUMだとォ⁉」

「俺はジャイアント・キラーでオーバーレイネットワークを再構築‼ カオス・エクシーズ・チェンジ‼」

ジャイアント・キラーが紫の光に包まれ、空高く昇るとⅣが片手を空へと掲げる。

すると、Ⅳが一瞬顔をしかめ、同時に黒く巨大なコンテナが落ちてきた。

「現れろ、CNo.15‼ 人類の英知の結晶が、運命の糸を断ち切る使者を呼ぶ‼ ギミック・パペット-シリアルキラー‼」

 

CNo.15 ギミック・パペット−シリアルキラー

★9 闇属性 機械族

ATK 2500

DFE 1500

レベル9モンスター×3

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる

選択したカードを破壊する

破壊したカードがモンスターだった場合、さらにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える

 

コンテナが開かれると中から金に紅の筋の入ったマネキンが1体現れる。

ジャイアント・キラーよりもスマートになったその額にはジャイアント・キラーと同じく15が描かれている。

「馬鹿な。カオス化だと…⁉」

「ッ…シリアルキラーの効果発動‼ CORUを1つ取り除き、相手フィールドのカードを1枚破壊する‼ 俺が選ぶのはソウル・マリオネッター‼」

宣言と共にシリアルキラーの胸が開くと丸鋸が飛び出し、ソウル・マリオネッターをバラバラに引き裂いた。

「クソ、俺だけやられるかよ‼リバースカードオープン‼ 道連れ‼」

 

道連れ

通常罠

フィールド上に存在するモンスターが自分の墓地へ送られた時に発動する事ができる

フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する

 

「俺はシリアルキラーを選択する‼ お前も墓地に落ちろ‼」

ソウル・マリオネッターが落ちる間際、大量の紅い糸がシリアルキラーに巻きつき、バランスを崩したシリアルキラーは一緒に落下していった。

 

「チッ…ソウル・マリオネッターの元々の攻撃力は0。よってダメージはない」

ベクターを倒せる絶好のタイミングを逃してしまった…‼

「カードを2枚伏せてターンエンドだ‼」

 

Ⅳ LP1300

手札 0

モンスター 0

魔法・罠 2

⁇?×2

 

せっかくのいい流れが途切れてしまった。

何か悪い展開にならないといいが…




いかがでしたでしょうか?

シリアルキラーはなんでこんな効果なのか。
まあ、魔法・罠も割れるのでまるっきり使えないことはないとはいえ…うーん。
そもそもジャイアント・キラー出すぐらいならヘヴンズ・ストリングスを出してしまうのは私にはファンサービスの心構えが足りないということでしょうかね?

それでは。

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