闘神都市RPG【魔を滅する転生闘】   作:月乃杜

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 此方にアップしていなかったな〜。





第21話:双子座見習いは打ち切り君

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「改めまして、狼摩白夜と申します。因みに今生での名前も同じくですので」

 

 闘神の館に帰ってきて、早速と云わんばかりに全員を呼び、白夜による滞在の挨拶が行われていた。

 

 着慣れた和装にちょっとおめかしで簪などで飾り、白夜が頭を下げて挨拶するとパン! と柏手を打ったのは大きなリボンを頭に着けた赤い和装の少女。

 

「白夜さん! お久し振りでございます」

 

「雫姫もお久し振りです」

 

 小早川 雫。

 

 JIPANG国の姫君、故にこそ狼摩家の長女たる白夜とは面識があったし、実は割と仲が良かったから存外と会う機会も増えた。

 

「そういや、白夜さんって兄貴に転生特典(ギフト)を譲渡して、代わりにアギトのオルタリングを貰ったんだっけ? 貸して、調整をしておくから」

 

「えっと、貴女は……」

 

「ユーキ。兄貴の義妹で、ツール担当って処さ」

 

「つまり、オルタリングを造ったのは?」

 

「ボクだね」

 

 ユーキは腰に手を添え、軽く斜めに身体を傾けた感じで白夜に答える。

 

「判りました」

 

 白夜はオルタリングを腰に顕現、外してユーキへとそれを手渡した。

 

「じゃ、預かるね」

 

 ツール担当の言葉通り、仮面ライダーのシステムの中でも、仮面ライダー自体はユートが聖魔獣として創っているし、アンデットも同じくだったりするけど、ベルトやバックルや外付けの道具、基本的にこれらはユーキが造っている。

 

 但し、パワーアップの為のアイテムはユートが担当をしているのだが……

 

 例えば、狼摩優世を相手にした際に使ったサバイブになる為のカード、これはユートが造っておいた。

 

 アドベントカードとか、ラウズカードの類いは魔法のアイテムであり、科学的な部分は力を出力する為のデバイスであり、そちらはユーキが担当をしている。

 

 仮面ライダーのパワーアップ形態、アギトやクウガみたいなタイプだと使い手の意志力が要となる為に、白夜も先日までシャイニングフォームにはなれなかったらしい。

 

「あ、兄貴。館内でなら何も無いだろうけどさ、一応は代わりのベルトなり何なりと貸して上げといて」

 

「判ったよ」

 

 ヒラヒラと手を振っているユーキに応え、ユートは白夜へと振り返る。

 

「じゃあ、何が良いかな? アギト以外でだと好きなライダーは?」

 

「え、そうですね……」

 

 考える仕草をした白夜は顔を上げて訊ねた。

 

「Vバックルのカードデッキは全種、在りますか?」

 

「ああ、造ってるよ」

 

 出力の為のデバイスだから造ったのはユーキだが、中身となる仮面ライダーや能力の為のカードはユートが作成した物。

 

「なら、ファムを」

 

 仮面ライダーファム。

 

 龍騎系仮面ライダーで、数少ない女性ライダー。

 

「判った、待ってな」

 

 アイテム・ストレージを操作し、【カードデッキ・ファム】をタップ。

 

 手の中にファムの紋章が付いているカードデッキが顕れて、それを白夜の手を左手で握り手の平を上向かせ手渡す。

 

 仄かな赤みで頬を染め、渡されたカードデッキを愛しそうに握り、それを小物入れに仕舞った。

 

「……」

 

 余りに嬉しそうな表情に頬を掻くユート。

 

 既に今生でも抱いている相手だが、可愛らしい仕草にユートも照れていた。

 

「そういえば、この方達はブレイド系の仮面ライダーになれるんでしたか?」

 

 自己紹介で軽く説明を受けている。

 

「きゃるん! 私は仮面ライダーレンゲルだよ」

 

「私は仮面ライダーギャレンになれます」

 

 スワティとクライア……二人が自分の持つバックルを見せて言う。

 

「さっきの義妹、ユーキはカリスラウザーで仮面ライダーカリスになれる」

 

「確かカリスはハートスートのカテゴリー2、ヒューマンアンデットのカードで人の姿になってましたが、ユーキさんは……」

 

「あれは素の姿だ。ヒューマンアンデットは、ユーキの前世の母親に胸を盛った姿なんだよな」

 

「……そうですか」

 

 ちょっと頭を抱えた。

 

 母親……オルレアン夫人はタバサとジョゼットが年の割に小さな胸だけれど、やはり血筋なのか貧乳であったと云う。

 

 ギリギリで授乳が出来る大きさではあるが、触り心地は残念と言わざるを得ないのが現実。

 

 まあ、感度は良かったからユートに抱かれる際に、おっぱいを吸われて喘ぐ姿は中々に良かったけど。

 

 そんなオルレアン夫人の姿に+α要素、シエスタのおっぱいの形を盛り付けたのがヒューマンアンデットとなっている。

 

「あの、ファムのデッキを借りた上でお願いがあるのですが……」

 

「ラルクバックルだ」

 

「……え?」

 

「仮面ライダーラルクに成る為のバックルだよ」

 

 赤いチェンジケルベロスのラウズカードと、レンゲルと同じ形状のバックルを渡された白夜。

 

「好きに使うと良い」

 

「あ、ありがとうございます優斗様!」

 

 尚、ラルクのカードには変身用のケルベロス以外、アブゾーブとキングを除きアンデットは入ってない。

 

 マイティのカードとオリジナルに近いカード、全部で一三枚が存在している。

 

 また、左手首にはパワーアップ用ツール――ラウズアブゾーバが完備。

 

 実際には全機に完備されている装備品である。

 

 ラルク……だけでなく、グレイブとランスも含めて【チェンジケルベロス】と【アブゾーブオルトロス】と【エボリューションソルレオン】以外は、飽く迄もイミテーションとなる代物であった。

 

 Jとなるカードも、実は【フュージョン】としか書かれていなかったり。

 

 ユートからのプレゼント……というには華が無いとも云えるが、白夜からすれば充分な贈り物らしい。

 

 その日の晩のサービスはとても激しく、そして熱く燃え上がったのだとか。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 ユーキには試合もある。

 

 次の相手は小岩手仁義。

 

 【聖闘士星矢】や【風魔の小次郎】などを世に送り出した車田正美の作品――【男坂】の主人公たる菊川仁義……

 

 然しながら世の流行りから遅れて出されたソレは、残念ながら打ち切りの憂き目にあってしまい、有名な『オレはようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく遠い男坂をよ』――未完などという打ち切りエンドを魅せた。

 

 小岩手仁義はそんな彼の容姿を、這い寄る混沌によって取らされている。

 

 勿論、性格や能力が実際に菊川仁義という訳では決して無く、JAPAN国で喧嘩屋をしていた程度ではあるが、転生特典もあって敗け無しだったらしい。

 

 【風魔の小次郎】

 

 【聖闘士星矢】

 

 【サイレントナイト翔】

 

 基本的には異能を用いての戦闘だったが、彼の作品は異能らしきものは用いない不良少年の戦い。

 

 だからといって彼が――小岩手仁義が異能を使わないかと問われると、ユーキも首を傾げてしまう。

 

 喧嘩屋とはいえこの剣も魔法も存在する世界にて、両の拳だけで天下を取れる訳が無いからだ。

 

「龍のコーナー、ユーキ」

 

 第二回戦の開始。

 

「虎のコーナー、仁義」

 

 シュリがマイクで高らかに選手の名を呼ぶ。

 

 各々が控室のあるコーナーから現れ、二人が中心に向かって歩いてきた。

 

「レディ、ファイッ!」

 

 何だかノリノリなお姉さんのシュリ、今も受付嬢として【姫島朱璃】と共に働いている。

 

 Wシュリは高い人気だ。

 

「変身!」

 

《CHANGE》

 

 ハートスートのカテゴリーA――【チェンジ・マンティス】を腰のカリスラウザーに通すと、オリハルコンエレメントが顕れユーキの前に展開。

 

 それを潜ると黒を基調とした蟷螂の戦士、仮面ライダーカリスに姿を変えた。

 

 本来の仕様では霧の様なモーフィングで変化をするのだが、ユーキが調整して全てのバックルに共通してこの変身としている。

 

「その姿は?」

 

「仮面ライダーカリス」

 

「仮面ライダーか……」

 

 他にも成れるのだが……

 

 いざ戦いが始まると意外や意外、仁義はカリスとの戦闘が互角以上。

 

 カリスアローという武器にステゴロとか、有り得ない現実が目の前に在った。

 

「チィッ!」

 

 変身による強化も無く、武装を持つでもない仁義。

 

 だが、確実に強い。

 

「参ったね、小宇宙が封印状態なボクは基本的に虚無魔法か仮面ライダーかって感じだけど……小宇宙の使い手が相手か」

 

 どういう訳か小岩手仁義は小宇宙を使っている。

 

 今のユーキは魔法を使った擬似的な聖闘士技を使う事は出来ても、小宇宙は使えないから巫山戯た身体的な能力は持ち得ない。

 

 ユートは他にも様々な力を持つし、代替能力に困ったりはしていないのだが、ユーキはユート程につぶしが利かなかった。

 

 多少の強さなら圧倒的な能力で斃せるが、小宇宙を扱うとなるとちょっと話が違ってくる。

 

「ま、敗ける気は無いさ」

 

 厄介は厄介だが……

 

「どうする心算だ? 敗けても良いんだぞ? 俺は別にあんたをどうこうしようとは思わないしな」

 

「それはそれで魅力が無いと言われたみたいで、何か複雑なんだけど……ねぇ。とはいえ青葉曜子は兄貴に上げるし、ボクも其処らは覚悟しているさ。勝てば良いんだしね」

 

「ほう?」

 

 ユーキがカードを右腰のホルダーから取り出すと、カリスラウザーにラウズ。

 

《CHOP》

 

《TORNADO》

 

 カテゴリー3とカテゴリー6によるコンボ。

 

《SPINING WAVE》

 

「でりゃっ!」

 

「それは一回戦で視た!」

 

「うっ!?」

 

 驚いた。

 

 ユーキの攻撃を容易く躱して腕を掴んだのだ。

 

「くっ!」

 

「一度視た技をただ放たれて喰らう程、生温い修業を課せられてはいない!」

 

 ドグッ!

 

「かはっ!」

 

 鳩尾に蹴りを入れられ、ユーキが吹き飛ぶ。

 

「小宇宙、しかも聖闘士の闘技を身に付けている?」

 

 聖衣は身に纏わないが、明らかに青銅聖闘士は越えている能力。

 

 しかもあの蹴りはカリスの装甲すら破砕した。

 

 聖闘士の蹴りは大地を割るし拳は空をも裂く。

 

 小岩手仁義は聖闘士だ。

 

「先にも言ったが、勝っても君に手出しはしないから負けを認めないか?」

 

「は、冗談! ボクだって勝算は充分にあるんだ!」

 

「仕方がないか」

 

 余り女を傷付けたくは無かった仁義ではあったが、ユーキの方で負けを認めないのなら是非も無し。

 

「俺の最大にして我が師の秘技……受けろ!」

 

「その構えは!」

 

「猛ろこの星の我! 黒噴火殻(マウロスエラプションクラスト)!」

 

 噴火が巻き起こりユーキを呑み込んだ。

 

 黒き噴煙と星の血潮たる溶岩、地殻をも震えるその力は小岩手仁義が師匠から教わった? 秘技である。

 

「終わったな。あのカリスは防御力もありそうだし、死にはしないだろう」

 

 瞑目して踵を返す仁義。

 

《BIO》

 

「な、なにぃ!?」

 

 行き成り電子音声が響いたかと思えば、仁義の身体を拘束してくる植物の蔦。

 

「無傷……だと?」

 

 其処には胸の装甲に罅があるものの、先程の技によるダメージが皆無なユーキ――カリスの姿が。

 

「菊川仁義は【喧嘩の鬼】とやらに喧嘩を教えて貰ったというけど、小岩手仁義……あんたの場合は鬼は鬼でもカノン島の鬼が師か」

 

 カノン島の鬼――それは即ちデフテロス。

 

「原典以外で兄貴と同じくな奴は初めて見たねぇ……双子座の仁義!」

 

「まだ継承してねーよ」

 

 修業はまだ半端な為に、小岩手仁義は双子座の聖衣を未だ与えられておらず、故に小宇宙は使えても聖衣は纏っていない。

 

「何故、無事なんだ?」

 

「聖闘士に一度視た技は、二度と通用しない!」

 

「お前、聖闘士なのか!」

 

「鳳凰星座の祐希。青銅聖闘士だし、一輝さんの予備的な扱いだったけどね」

 

 獅子座になっていたが、レオーネという弟子に聖衣を継承後、鳳凰星座に戻ってしまった一輝。

 

 だからユーキは予備役。

 

「ま、実際は技を使われるより前にイリュージョンの魔法を使って入れ替わったんだけどさ」

 

 虚無魔法のイリュージョンとは、何となれば空をも創り出すとされる。

 

 そんな幻惑に仁義は囚われていたのだ。

 

「さあ、そろそろ決着だ」

 

 ユーキがカードを出し、それをラウズした。

 

《ABSORB QUEEN》

 

《FUSION JACK》

 

 ラウズアブソーバに二枚が通され、電子音声が鳴り響くとカリスの姿が変化。

 

 狼の祖たる【フュージョンウルフ】と、蘭の祖たる【アブソーブオーキッド】が使用された。

 

 金色がふんだんに使われており、更には胸の部位にハート型のハイグレイト・シンボルへウルフの紋様が刻まれている。

 

 ジャックフォーム。

 

 本来の仮面ライダーブレイドの原典に存在しない、カリスラウザーに通したらウルフアンデッドの姿に成るだけなのだが、そこら辺を専用アブソーバを造る事で調整をした。

 

 カリスアローにも【ディアマンテエッジ】が顕れ、その性能が大幅に強化をされたのは間違いない。

 

「さあ、征くよ!」

 

 本来の使用目的は中距離狙撃の弓型だが、初めからリムが刃になっていて近接戦闘も熟せる仕様であり、金色主体のディアマンテエッジで強化された分、更に近接攻撃が強くなった。

 

 

 斬! 斬っ!

 

 弓を剣の如く振り回す。

 

「くっ!」

 

 小宇宙を纏う拳でガードをするが、先程より素早くなったカリスに対応が難しくなっている。

 

 ジャックが陸戦型の狼、ブレイドやギャレンみたいな空戦型ではないが故に、カリスの場合は脚力の強化が主となっていた。

 

「成程、青銅聖闘士は越えているけど白銀聖闘士には届かない程度……か」

 

 そもそも小岩手仁義は、年齢にして一三歳にはなっているが、多く見積もっても精々が中学三年生くらいだと思われる。

 

 仁義は初めから、しかも年齢一桁で黄金聖闘士にまで成ったアイオリア達とは違い、早熟な天才肌ではなかったのだろう。

 

 良くても星矢みたいな、先ずは青銅聖闘士クラス。

 

 修業が済んでおらず聖衣も与えられていないなら、師匠のデフテロスが今の侭では満足せず、黄金聖闘士クラスになるまで鍛えていたのだろうが、実力を見る為に闘神大会に出場したと考えるべきか。

 

 尤も、女っ気が無かった仁義に出場するには女を見繕えとは、無茶な話でしかなかったみたいだ。

 

 偶々、青葉曜子と出逢ったから出場出来た。

 

「残念だけど君の実力ではボクに届かない!」

 

「ならば魅せてみろ!」

 

 仁義が技を放つ。

 

黒噴火殻(マウロスエラプションクラスト)!」

 

「効かないね!」

 

 ドン! 地面を踏み締めて技の発動を防ぐ。

 

「なにぃ!?」

 

「言ったよ、聖闘士に同じ技は二度と通用しない!」

 

 仮面ライダーカリスの姿だから判り難いが、ユーキも鳳凰星座の青銅聖闘士なのである。

 

 ユート程でないにせよ、見切りも可成り高い。

 

 何より、ユートが使ったのを視てこの技の潰し方は把握している。

 

 そして大技の出だしを潰されて隙が出来た。

 

「終わりにしよう」

 

 カリスラウザーはアローに装着、醒弓モードの状態でラウズカードをラウズ。

 

《DRILL》

 

《TORNADO》

 

 残念ながら強化をされたカリスアローを使う技は、ブレイドやギャレンと違って持ち合わせていない。

 

《SPINING ATTACK》

 

 スピニングアタック――カリスがフロートを手にするまで使っていたコンボ。

 

「でりゃぁぁぁっ!」

 

 浮かび上がるカリスが、回転を加えた蹴りを放つ。

 

「がはっ!」

 

 胸部に命中した必殺技、その威力は26000APとなる訳だが、APというのは百分の一でtに直せるから26tだ。

 

 最早、聖闘士であれ生身では防げないレベル。

 

 否、小宇宙を防御に使えばダメージこそ負うけど、致命的では無かった。

 

 然し今は隙を見せた瞬間を狙ったのである。

 

 モロに喰らった。

 

 壁まで吹き飛んで壁を砕く勢いで激突、仁義はそれでも起き上がらんと力を籠めて動くが……

 

「ぐっ!?」

 

 血を吐いて倒れる。

 

「き、気絶! ユーキ選手の勝利です!」

 

 シュリがカリスの右腕を掲げさせ、勝利宣言を高らかに叫んだものだった。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 小岩手仁義の控室の扉が開き、青髪に白い制服姿の青葉曜子が顔を上げる。

 

「仁義君は敗けたのね」

 

「そうだよ」

 

 相手はユーキ。

 

 それだけで察せる。

 

「それで……私はどうすれば良いんですか?」

 

「兄貴の御相手さ」

 

「兄貴……さん? 男性ですよね?」

 

「女なら姉貴だよ」

 

「ですよね〜」

 

 曜子は苦笑いだ。

 

「私、夫が……」

 

「大会選手のパートナーの規定、選手が敗けた場合は一日だけ相手選手の好きにさせなければならない」

 

「うう……」

 

「殺害以外で好きにするの定義は、自分以外を招き入れてその相手に何かしらをやらせる事も含まれる」

 

「それは……」

 

「それにアンタはもう帰れない。戦争に行った夫が帰って来ようが死のうが貴女には最早、関係が無い」

 

 実は次の試合で戦うだろう岳画 殺のパートナー、由女を使えばユートによる【偽・劫の眼(アイオンの眼・フェイク)】で本来の世界を捜せるが、ユーキは二度とアレをやらせる心算なんて無かった。

 

「帰れない……一郎さんとも会えない」

 

 尤も、青葉一郎は戦争で死亡しているとニャル子からユーキは聞いていた。

 

 最後のセ○クスの直前に消えた妻、目の前で神隠しに遭った曜子の事で失意の内に戦争に向かい、敢えなく戦死したのだとか。

 

 所詮は一兵士。

 

 死のうと生き延びようと世界が何らかの変化など、全く無かったりする。

 

「ふふ……兄貴は処女には手加減をしちゃうけどね、人妻なら処女なんかじゃあ有り得ない。一日をたっぷり使って兄貴を愉しませて貰うよ、青葉曜子」

 

 その後、控室に入ってきたユートに一日を使って抱かれ続け、腰が抜けてしまって気絶していた曜子は、【闘神の館】へ連れて行かれて一年の奉仕活動を館で行う命令を受ける。

 

 また、帰る事が出来ない曜子は一年後もユートの下で半閃姫となったと云う。

 

 

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