色々ありましたが、病気などとは無縁に、週一更新目指して頑張っていきたいと思います。
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中央アフリカ 山間部
「こりゃまた、随分と、はぁ……」
「そう言いたくなる気持ちは分かるよ」
ミヤムラは今回の補給の責任者の唖然とした顔に苦笑を返すしかなかった。
それも仕方の無いことだった。彼らの視界に映っているのは、先の補給の時と比べて一目瞭然なほどに傷ついた”アークエンジェル”の姿なのだから。
“バルトフェルド隊”の襲撃から一夜明けて、”アークエンジェル”は複数設定しておいた潜伏ポイント───特に、緊急離脱が行ないやすい場所───にて、定期補給を受けていた。
ただでさえ物資の搬入などで慌ただしいところを、今回は艦の修理にかり出された者達の怒号も混ざるのだから、やかましいことこの上ない。
「話は聞いています。”バルトフェルド隊”と思しき部隊からの襲撃を受けたのでしたね?」
「あくまで予想でしかないがね……直前での『深緑の巨狼』からの砲撃に加えてあの規模の襲撃を行えるとなると、そうだろうと見て良い筈だ」
「だとしたら快挙ですよ。”バルトフェルド隊”に狙われても損傷を受けるだけで済んでいるなんて、アフリカで長く奴らに苦しめられてきた我々からすれば十分な快挙です」
補給責任者の言うことも、半分正解で半分不正解というところだった。
たしかに、”バルトフェルド”隊と言えば現在のZAFTの中で最精鋭と呼ばれるに相応しい部隊だ。ZAFT版の”マウス隊”と言っても良いだろう。そんな彼らから奇襲されても逃げおおせたなら、誇れることかもしれない。
しかし、彼らがもっとも得意とする戦法は”バクゥ”を用いた高速機動戦である。相手の
「それに、あなた方がこのエリアで攪乱を行なった結果として奴らが現れたのであれば、やはり素晴らしいことです。おかげで東アフリカへの戦力集結はやりやすくなっていますから」
「おお、それは朗報だ」
”アークエンジェル”の役割は『ナイロビ奪還作戦に向けた戦力集結が完了するまでの攪乱』である。それが順調に進んでいるというのは良い報せだ。
ミヤムラが更に尋ねたところ、戦力の集結が完了するまでに必要な期間はあと一週間ほどだという。
「”アークエンジェル”がこのような状態で言うのは心苦しいのですが、あと少しでナイロビ奪還作戦の準備が完了します。そうなれば奴らも西アフリカから完全撤退せざるを得ません」
「ナイロビからビクトリアは近い。ナイロビの守備は勿論、ナイロビが落ちた時に備えてビクトリアにも戦力を集めておかなければ、勢いのまま奪還されるだろうしな」
「そうなってくれれば楽でいいのですがね。そのカギとなっている”アークエンジェル”の支援は全力で遂行させていただきます」
「助かるよ」
「それともう一つ。近頃、地上の各地で強力な新型4足MSが確認されています。”バクゥ”の強化型か何かとは思うのですが、だとすれば
バッドニュースだ。ミヤムラは苛立たしげに、老体を支える杖でコツコツと地面を叩く。
先の戦闘でアンドリュー・バルトフェルドの指揮能力に関しては大分理解出来た。だからこそ、件の新型MSとは戦う前からどれだけの脅威になるかが想像出来てしまう。
しかも、そのような脅威を相手にするかもしれないというのに肝心の母艦はこの有様。作戦の続行、それ自体は修復を武装とエンジン、
「辛い一週間になりそうだな……」
「───というわけで、叱られこそしなかったですけど、小言を言われちゃって……」
<ははっ、しゃーないしゃーない。身を挺して爆撃から艦を守るなんてしてりゃあな>
ミヤムラが補給責任者と話をしているころ、キラはマイケルと共にMSに搭乗して、”アークエンジェル”の修復作業に参加していた。
元々MS自体が人型作業用機械から発展した代物であるから用途としては問題ない、むしろ人型機械の正しい使い方をしているとさえ言えるだろう。
それでも、節電のためPS装甲を起動せずに溶接用のビームトーチを握りしめている”ストライク”の姿は、普段の戦いっぷりを知っている者達には違和感が感じられるものだった。
「いや、本当怖かったんですからね?『貴方は私の堪忍袋の耐久テストでもしているのですか?』って、威圧感たっぷりで」
キラが退屈しのぎにマイケルに話しているのは、前日の戦闘の後に行なわれたフィジカルチェック時の話である。
PS装甲を持つ”ストライク”だからこそ問題は無かったものの、敵の攻撃から味方を守るという行為を何度も繰り返されては軍医であるフローレンスにとってはたまったものではない。
しかし、キラがそこまでしなければならない敵だったということは、戦闘後の分析から判明しているため、フローレンスとしても全力で戦ったキラを叱るということは憚られる。
よって小言だけで本人は済ませたつもりなのだが、それだけでもキラ達を震え上がらせるには十分なものだったのだ。
<ははは、何時か大噴火したりしてな?>
「そんなになったら医務室どころか”アークエンジェル”全体が溶岩まみれになるかもしれませんね」
<───楽しくおしゃべりしてるところ悪いんだけど、作業の方は進んでいるのか? サボりは営倉入りだぞ~?>
キラとマイケルの会話に割り込んできたのは、CICにて自分の仕事をするサイ。
戦闘中ではなくとも、オペレーターの仕事は溢れている。サイは”アークエンジェル”修復作業の進行状況をチェックしてまとめる作業の真っ最中だった。
とはいえ彼1人でこの作業をこなしているわけではなく幾つかのパートに分けて他のオペレーターと共同で行なっている。
なのでこの言葉はサボっていないか釘を刺しにきたのが半分、息抜きに友人との駄弁りに混じりに来たのが半分ずつ含まれている。
「お生憎様、順調そのものだよ。そういうサイこそ僕達だけに構ってていいの? 忙しいって聞いたけど」
<こっちも一段落ってところだな。キラ達もそのエリアの修繕終わったら戻っていいってさ>
<おっ、マジ? 腹減ってきてたし、戻ったら食堂行こうぜ>
「ですね。今日はカレーライスらしいですよ」
朗らかに会話しながらも作業を進めていく2人。
ふと気になることが生まれたキラは、そのことについて口にした。
「ヒルダさんとベントさん、どうなったかな……」
<ベントの方は大丈夫だろ、念のための検査入院って話だし。ヒルダの方は……ありゃ尾を引きそうだな>
本来ならば共に修復作業に参加している筈の仲間達は、それぞれ異なる理由でこの場にはいなかった。
ベントは先の戦闘で愛機ごと滑落した際に頭を打ち付けて気絶している。後遺症などの恐れは低いとのことだったが、数少ないMSパイロットのケアは万全にするべきとフローレンスが主張したことによって検査入院が決定し、今は医務室のベッドに横たわっている筈だ。
しかし、ヒルデガルダの方はそうはいかない。
先の戦闘で連携を乱すような振る舞いを何度も見せた彼女を待っていたのはムウからの叱責、その後も報告書に加えて反省文の提出も命じられていた。
今も彼女は自習室で原稿用紙と格闘している筈である。
<まあ、一度頭を冷やすにはちょうどいいさ。最近のあいつ、なんかおかしかったからな。キラもなんか覚えがあるだろ?>
「覚え……」
たしかに、無いわけでもなかった。
キラが”フェンリル”の砲撃から庇ったあの日、ヒルデガルダはやけに自分を卑下するようなことを言っていた。
何時も快活な彼女のことだからとあまり気にしていなかったが、今となってはその判断が誤りであったことは間違い無い。
「……大丈夫でしょうか、ヒルダさん」
<俺も心配だな……休憩時間にヒルダさんの様子を見に行ったんだけど、見るからに調子悪そうだったし>
キラとサイが心配の声を挙げるが、マイケルはそれを笑い飛ばす。
<なーに、心配すんな。さっきも言ったろ、頭を冷やすにはちょうどいいって。こっちがお節介焼こうと思った時には自分で立ち直ってる奴なんだ、あいつは>
「……でも」
<お前らの気持ちは分かるさ。仲間が落ち込んでたら何かしてやりたいって思うだろ? だけど、それが常に落ち込んでる奴のためになるってわけじゃねーんだ。1人で考える時間ってのも、大事だぜ>
「……」
キラは目を瞬かせる。画面の向こうのサイも同じようなポカンとした顔をしているあたり、考えていることは同じらしかった。
普段のヒルデガルダと
<おーい、どした?>
<あ、いや……なんだか、大人びてるなぁって>
<いつもの俺はそうじゃねえってのかよ……>
今度は口を尖らせて拗ねた様子を見せたマイケル。そちらはいつもの見慣れた顔、快活な青年のものだった。
同じ人物でも、今のマイケルのようにギャップを感じさせるのだ。ならばきっと、普段は周囲を賑やかすヒルデガルダも1人になりたいと思ったりすることがあったり、そうした方がいいこともあるのだろう。
それに、自分よりもヒルデガルダと長い時間を過ごしたマイケルが言うのだ。信じるだけの価値はあるかもしれない。
「そうですね、とりあえず今はヒルダさんはそっとしておこうと思います」
<ん? おお、そうそう。そういうことにしとけ。どうせ飯でも食ったら元通りになってるさ>
<ホントに大丈夫かなぁ……>
“アークエンジェル”食堂
「……」
その日、食堂に現れたヒルデガルダは思いっきり顔を顰めながらカレーライスを食べるでもなく、スプーンでかき混ぜていた。
女心に疎い自負があるキラでも分かる。ヒルデガルダは現在、絶不調継続中である。
「こんな筈ではなかった」という表情をしながら、マイケルは恐る恐る声を掛ける。
「な、なあヒルダさん……?」
「あ”? なにか用?」
「なんでもないです……」
あえなく撃沈し、食事を共にしていたキラとサイの元に戻ってくるマイケル。
そんな彼を迎えたのは、弟分のように思っている2人の少年からの疑惑の視線だった。
「ほんとに、大丈夫なんですよね……?」
「……」
「マイケルさん?」
「……」
その後の昼食がどこか気まずさを感じるものになったのは言うまでも無いことだった。
”アークエンジェル”格納庫
「……くそっ、またダメか!」
トールは「
先ほどから何度も挑戦しているが、中々スコアは伸びない。
「やっぱ、向いてないのかなぁ」
時刻は19時を過ぎて間もない頃。他のパイロット達が各々の時間を過ごしている中、トールは夕食を終えてから今に至るまで航空シミュレーターに張り付いて航空戦の自主訓練を行なっていた。
しかしその結果は芳しくなく、大抵は敵戦闘機を1機撃墜して終わり、悪い時には何も出来ずに撃墜される、とシミュレーションの中の話ではあるがトールは被撃墜マークを量産し続けている。
ガシガシとトールが頭を掻いていると、唐突にその視界にドリンク容器が映り込む。
後ろからそれを差し出したのは、ムウだった。
「よっ、根詰めてんな」
「あっ、隊長……いただきます」
ドリンクを受け取ったのを確認すると、ムウはモニターに視線を移す。
「かれこれ1時間は張り付いてるが、いったん休憩入れた方がいいぜ? やりすぎは却って毒だ」
「はは……でも、これくらいしないと、やってけないですから」
「……昨日の戦闘か」
ムウは、トールが空戦シミュレーターに張り付いている理由について心あたりがあった。
昨日の戦闘においてトールがやったことは、ムウ達が対処に向かった後に現れた”ジン”部隊の監視。それだけである。
無論、それが重要な役割だったのは言うまでも無い。戦場において動きを把握出来ない敵部隊が存在するということは、ともすれば自軍より倍の規模の敵軍を相手にするよりも恐ろしいことなのだから。
しかし、それで本人が納得出来るかどうかはまた別の問題である。
「昨日の戦闘……最後、俺、何も出来ませんでした。たった1人、
「当たり前だ。爆撃機だけならともかく”インフェストゥスⅡ”が護衛に付いてたんだぞ? お前を突っ込ませたところで犬死に以外ありえねえよ」
「それでも……」
トールは飲み干したドリンク容器を両手で握りつぶす。その仕草からは、わざわざ言葉に出す必要も無いほどに『悔しさ』が感じられた。
もしも自分にもっと力があったら? もしも自分に航空戦の経験があったなら、爆撃部隊を攪乱するとかそういう風に”アークエンジェル”を援護することも出来たのではないか?
トールも、自分がキラではない、キラのように戦える人間ではないことは分かっている。それでも、と苦悩せずにはいられないのだ。
今のままの自分では”アークエンジェル”で戦い続けることは出来ない。少しでも出来ることを増やさねば。
潰した容器を脇に置いたトールは再びシミュレーターに向き合おうとするが、ムウはトールの肩を掴んで静止する。
「気持ちは分かった。だが、1人でやり続けても疲れがたまるだけだ」
「隊長……」
「───代わってみろ。俺も戦闘機についてはそれなりに覚えがある。他の奴の操縦法を脇から見てみるのも、意外と勉強になったりするんだぜ?」
はいっ、と返事をして立ち上がるトールと入れ替わりにムウはシミュレーターと向き合う。
実のことを言うと、ムウが実際に戦闘機を操縦した経験は少ない。
それもそのはず、ムウは入隊当初こそ空軍に在籍していたところを、MA適正があることが発覚したことから宇宙軍に移籍したのだ。
本来ならばそのように地上から宇宙へ移籍するということは無いのだが、開発されたばかりの”メビウス・ゼロ”を扱える人間は少なく、パイロットを急遽揃える必要があった。
そういう経緯で今のムウは宇宙軍に在籍しているのだが、元は空軍所属のパイロット。昔取った杵柄である。
それになにより、ひたむきに何かを努力している可愛い部下に、カッコイイところの1つくらいは見せてやりたかった。
「そんじゃまあ、いっちょやってみますか!」
この後しばらく、トールとムウはシミュレーターに張り付いて訓練を続けた。
今よりも強く、仲間達の力になれるように、と。
4/19
”アークエンジェル”会議室
「それではこれより、作戦会議を始めます」
司会進行役のナタルがそう言うと部屋の中が暗くなり、間もなくしてモニターに光が灯る。
これで何度目かになる作戦会議だが、普段と違う点があった。1日が経過してなお機嫌が直った様子を見せないヒルデガルダである。
(大丈夫かな……ヒルダさん)
彼女の近くに座っていたキラは密かに彼女の様子を窺うが、昨日食堂で見かけた時と様子はあまり変わっていない。
あからさまな行為までは行なっていないが、例えるなら「むすっ」という雰囲気を漂わせたままなのだ。
しかし、ナタルはそのことに気付いているのかいないのか、つつがなく会議を進めていく。
「今回の作戦は、移動中の敵部隊の奇襲だ。東アフリカに集結していた連合軍部隊の集結が完了しつつあるということは事前の資料にも記述されている通りだが、ZAFT側もそれに気付いたのだろう。西アフリカに展開していた部隊を後退させ、守備を固めようとしているようだ」
「ん? てことは……俺達がここにいる意味ってか、目標はもう達成してるのか?」
「『東アフリカへの戦力集結に向けた攪乱』という意味では、そうなります」
ムウが言うとおり、当初の”アークエンジェル”の目的は既に達していた。
それに加えて現在の”アークエンジェル”の消耗度合いも考えれば、本格的な設備は見込めなくとも、安全に整備が行える場所まで撤退するのが吉だ。
「しかし、今回襲撃を行なうのはただの敵部隊ではありません。西アフリカに広く展開していたZAFT軍、その大多数が集結して移動するのです。これを叩くことが出来れば、後々のアフリカ戦線は連合軍側にかなり有利なものとなるでしょう」
「ですがそれほどの規模の部隊と言うなら、なおさら本艦だけでの襲撃は無謀なのでは?」
ナタルの言葉にスノウが反論をぶつける。
たしかに、ナタルの言うような規模の敵部隊を相手にするというのなら、”アークエンジェル”だけで相手にするのは無謀に過ぎるだろう。
しかし、そこでミヤムラが待ったを掛ける。
「それについては、私から説明させてくれ」
曰く、ZAFTはこの大規模移動の際に部隊を大まかに2つに分けており、それぞれ平野部と峡谷地帯を進行。
”アークエンジェル”が襲撃するのはこの内の平野部を進行する部隊だ。
なるほど、とキラは思った。
2つの部隊に分けられていることで少しハードルが下がったのもあるが、平野部であれば障害物も少なくMS隊も活動しやすい。
峡谷のような足場が不安定な場所でも活動出来るのがMSの強みではあるが、それでも平野の方が戦いやすいのは明らかだ。
それに何より、これまでの襲撃と同じような戦法が採れるのが大きい。
速攻で襲撃した後、”アークエンジェル”の機動性で急速に離脱する。”アークエンジェル隊”ではもはや鉄板戦法だ。
「だが、問題もある」
そう言ってミヤムラがモニターに表示したのは、一見してオレンジ色の”バクゥ”のようなMSが映った画像だった。遠くから撮影した物のようで解像度はあまり高くない。
「諜報部が入手した情報によればこのMSの名は”ラゴゥ”、ZAFT軍が開発した新型4足MSだ。”バクゥ”が限定的に装備していたビーム兵器を恒常的に装備し、機動性でも“バクゥ”を上回っているとされる」
ミヤムラの言葉を聞いた面々からざわめき声が挙がり始める。
現在の地上戦線において”バクゥ”は数多くのMSや戦車を葬り続けている強敵。その機体の強化発展型が現れたとなれば、動揺もする。
「今はまだ確認された数は少ないが、大がかりな作戦だ。出てくると思った方が良いだろう」
「……
ムウの言葉に出た
”バルトフェルド隊”。一昨日の奇襲では彼らに煮え湯を飲まされ、命からがら逃げ出してきたのだ。
先の奇襲では山岳部という地形だったからこそ現れなかったが、平野部となれば向こうも”バクゥ”や、件の新型を投入することを躊躇わないだろう。
「たしかに、その可能性は十分にある。”バクゥ”の出てこない峡谷地帯を進行する部隊を狙うという選択もあった。───だが私には、そこで
「それは……」
「ZAFTが我々を脅威と認識しているのは、ここに来て疑いようもない。だからこそ”バルトフェルド隊”がやってきたのだろうしな。そして私がアンドリュー・バルトフェルドならば……平野部よりもむしろ、峡谷の側に罠を敷く」
こちらが脅威を認識して避けて通ろうとすれば、それが最大の隙となる。ミヤムラはそう言った。
「それと、ここまで話を進めてきてなんだが、なにも敵部隊を全滅させようという気はない。流石に手数が足りないからな。制限時間付きの奇襲……まぁ、いつもの奴だな。」
「敵のペースに乗っからず、あくまで自分達のやり方でってわけですね……だったらこれ以上何かを言うのは蛇足ですか」
ムウは納得した様子で椅子の背もたれに寄りかかった。これ以上言うことは無い、という意思表明だろう。
「他に何か意見のある者は?……いないようだな。では、これより作戦の具体的内容について説明を開始する」
ミヤムラが再び自分の席に座ったことで司会進行役に戻ったナタルが説明を開始した。
危険性は高いが、やるだけの価値はある……否、やらなければならない作戦なのだ。キラは覚悟を決め、握り拳に力を込める。
「作戦は3つの段階に分けて行なう。第1段階は本艦による遠距離からの先制攻撃だ。まずはこれで敵部隊を攪乱する。
第2段階。MS隊を
そして第3段階でMS隊は本艦に帰還し、急速離脱する。現在の”アークエンジェル”ではダメージを負い続けるのは避けなければならんからな。
作戦決行は2日後の
各員の奮闘を期待する!」
金曜日までに投稿出来なかったのは私の不徳です……。
戦闘シーンは次回に。
誤字・記述ミス指摘は随時受け付けております。