機動戦士ガンダムSEED パトリックの野望   作:UMA大佐

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前回のあらすじ
キラ&ユリカ「やっぱり、今回もダメだったよ」(in医務室)



第58話「禍戦の気配」

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プトレマイオス基地 周辺宙域

 

「くそっ、振り切れない!」

 

<キラ、援護するからその隙に離脱して!>

 

現在、キラ・ヤマトはMSに乗って『敵』に襲われている最中だった。

『敵』は容赦なくこちらにライフルを連射してきており、しかも狙いが正確なため、既に何発か腕部や脚部に被弾してしまっている。

幸いにして機体の動作に支障は出ていないが、このままではじり貧である。

”テスター”に搭乗したユリカが『敵』に向かってライフルを射かけるが、『敵』はそれを無駄の無い動きで回避、逆にユリカの機体の背後を取ってしまう。

 

<早い!?>

 

お返しと言わんばかりに『敵』からライフルがユリカの機体に向けて放たれるが、伊達に特別コースへの参加を認められていないと言わんばかりにユリカはそれを避けていく。

『敵』の中のパイロットは、ニヤリ、と笑うと、機体の後ろ腰にマウントされていた物体をユリカの機体の進行方向へ投げ放った。

 

「ユリカ、回避だ!誘い込まれて───」

 

キラが咄嗟に警告を飛ばすが間に合わず、投げ放たれた物体───スモークグレネードが爆発する。

『視界が塞がれるようなことがあればその時点で終わりだと思え。そうなるのが嫌なら、常に周りをよく見ておくことだ、周囲の状況をよくわかっていれば、視界が無くても比較的安全な方向に向けて抜け出すことが出来るかもしれない』。

ユリカはそう教えられたことを思い出して、先ほどまでの『敵』と味方(キラ機)の位置を思い出し、キラとの合流を図ってその方向へと向かっていく。

 

<───甘いな>

 

その瞬間、ユリカは失策を悟った。

コクピット内のレーダーからユリカ機の反応が消えると、キラはユリカが『敵』によって撃墜されたということを悟る。

 

「ユリカっ!くっ、どこから来る……!?」

 

ユリカは煙の中でやられた。そして『敵』はまだ煙の中にいる。

どこから来る?右か、左か。それとも上下?

油断なくライフルを構えていると、煙の中から、キラから見て左側に向けて何か突き出るものがある。

 

「そこだっ!」

 

キラは瞬時に狙いを定めて、煙の中から出てきた『それ』にライフルを発射した。

発射された弾丸は寸分違わず標的を撃ち抜く。

───撃破されたユリカの”テスター”を。

 

「なっ!?しまっ───」

 

<逸ったな、愚か者め>

 

警告音がコクピット内に響き渡る。

煙の中から『敵』がライフルを発射すると、囮に釣られて敵に晒していた無防備な右腕に弾丸が命中し、使用出来なくなる。

それはつまり、右腕に保持していたライフルを使えなくなるということで。

 

<詰みだ>

 

煙の中から急接近してきた『敵』が、致命的な隙を作り出したキラの機体に向けてライフルを構える。

銃口が光ったのを視認した瞬間、コクピット内が暗闇に包まれた。

 

 

 

 

 

<───ここまでだな>

 

女性の声が響くと、コクピット内に光が戻り、周囲の状況を映し出す。

 

『You're down』

 

モニターに映るその文字を見て、キラはため息をつく。

これで4連敗。キラとユリカが『敵』───マモリ・イスルギと2対1での模擬戦連敗記録を更新した瞬間であった。

 

 

 

 

 

「あーあ、またダメだったよ」

 

「コンバットパターン7と13の組み合わせならいけると思ったのになぁ」

 

肩を落として通路をとぼとぼと歩くのは、先ほどマモリに完敗したキラとユリカのコンビ。教官を交えた簡単な反省会は既に済ませたが、この後に本格的な反省会と講習が待ち受けていることを考えれば、こうなるのも仕方ない。

そう、先ほどまでの戦闘は単なる訓練、2人とマモリとの模擬戦闘でしかない。全員同性能の”テスター”に搭乗して行なわれるこの訓練が行なわれるのは既に4回目だが、キラ達は一度もマモリから勝利を奪えていない。

1ヶ月ほど前まで一般人だったユリカはともかく、”ストライク”を乗りこなす腕と、何度か実戦を経験もしているキラまでもが敗北した理由は、機体が全員”テスター”であることに尽きる。

もっと詳しく言えば、マモリの方が”テスター”に対する理解度が高いためにキラ達は敗北を喫し続けているのだ。

キラは”テスター”に乗り始めて日が浅く、また、”ストライク”を操縦した時の感覚が体に染みついてしまっている。そのせいでキラの反応速度に機体が追いつかない、動きが鈍いという事態が頻発し、一回目の模擬戦は戦闘という形にすらならなかった。

対してマモリは連合に”テスター”が配備され始めたころから同機を使い続け、やはり数度の実戦も経験している。キラ最大の武器(反応速度)が活かせない以上、物を言うのはやはり経験なのであった。

 

「だけど、前回よりはいいところまでいったよね。一発左足に当てられた」

 

「結局その後、あっさり逆転されたけどね」

 

「前回よりは一歩前進でしょ」

 

キラ達だってやられっぱなしではない。

訓練の度に相手の動きを観察し、対策を立て、自分の使うMSについての理解を深める。そうすることでマモリとの差は、新人としては恐ろしい速度で詰まりつつあった。

それでも2対1でキラ達を圧倒するところは、やはり教導隊ということだろうか。噂では教導隊に所属する兵士は、全員”マウス隊”と比肩しうるMS操縦技術を持っているらしい。

次はどんな作戦で挑むかなどを話し合っていると、ユリカが突然駆け出し、通路に備えられている窓までたどり着くと、外を眺めて感嘆の声を漏らす。

 

「どうしたの?」

 

「見なよ、キラ。連合軍の新型戦艦だ」

 

そう言ってユリカが指差す方向には、”アークエンジェル”や以前見たことのある”ネルソン”級よりも巨大な寸胴型の艦艇が、ドックに駐留しているのが見えた。

ドッグの広さと比較すると、およそ500mほどはある全長には、”アークエンジェル”にも装備されていたゴッドフリートMark71が複数、目に付く範囲では6基は装備されているのが見える。

他にも様々な武装が取り付けられている。各所にこれでもかミサイルと配置されたミサイル発射管や対空機銃などが目を引くが、一番注目を集めるのはやはり、艦首から大きく突き出た砲門だろう。

 

「すごいなぁ……あれが噂の”ペンドラゴン”級かぁ」

 

「ユリカ、知ってるの?」

 

「え?ああ、うん。ちょっと知り合いから聞いてね。従来の戦艦、”ネルソン”級なんかをはるかに上回る総合火力に、全身に施されたラミネート装甲による鉄壁の防御力。目玉は艦首に備えられた新型陽電子砲『コールブランド』。いずれ行なわれるプラント本土攻略戦に投入されるんだってさ」

 

新型戦艦の性能もそうだが、キラは同僚の耳聡さにも感心した。

日々の訓練で精一杯の自分に対して、ユリカは新型戦艦の情報や、それを入手出来る知人を作っている。本当に、自分と同じ素人だったのだろうか?

 

「───驚いたな、その情報が公表されることになるのは、戦争再開後のはずなんだがね」

 

すると、通路の先からこちらに向かって男性の声が投げかけられる。

明らかにこちらに向けられていた言葉に反応して顔を向けると、意外な人物がそこには立っていた。

 

「ムラマツ中佐?」

 

「久しぶりだな、キラ君」

 

そこに立っていたのは、”マウス隊”隊長を努めるユージ・ムラマツその人だった。

たしか“マウス隊”は『セフィロト』を拠点に働いているはずだが、なぜこの基地にいるのだろうか?

 

「ムラマツ……もしかして、ユージ・ムラマツ中佐ですか?あの”マウス隊”の?」

 

「ん、君は……」

 

「初めまして、ユリカ・シンジョウMSパイロット候補生です。こちらのキラ・ヤマト君とは同期であります」

 

ユリカがユージに敬礼する。それを見つめるユージは心なしか鋭い。

例えるなら、そう、何か目に見えない物を見ようとしているような……。

 

「中佐?」

 

「っ、ああ、済まない。たしかに私は、ユージ・ムラマツだ。シンジョウ君といったか、よろしく頼む」

 

キラの声にユージはハッとなり、すぐさま手で敬礼を制する。

何か考え事でもしていたのだろうか?

 

「名指揮官として名高いムラマツ中佐に会えて、光栄です」

 

「そんな大したことはした……かもしれないな。だが、それは優秀な部下の存在があってこそ出来たものだ。私は大したことはしていないよ」

 

「ご謙遜を。『エンジェルラッシュ会戦』における”アークエンジェル”単艦での奇襲は有名ですし、大気圏突入シャトルを風よけにしてMSを降下させる咄嗟の判断力、MAのパイロットとしても対MS戦術を考案するなど、貴方が優秀でないと言うことの方が難しいですよ」

 

控えめに言っても優れた容姿をしているユリカに褒めちぎられ、ユージはバツが悪そうに帽子を目深にかぶり直す。

ユージがかつて”メビウス”のパイロットとして戦っていたこと、そしてグリマルディ戦役で部下を失っていることを聞いていたキラは、これ以上この話をするべきではないと考え、話を逸らそうとする。

 

「そういえば、中佐はどうしてこの基地に?普段は『セフィロト』に勤めているはずじゃ?」

 

「おお、それだそれだ。キラ君、実は君に用があって来たんだよ」

 

「僕に?」

 

以前、”アークエンジェル”にいたころならまだしも、今の自分はただの訓練生だ。そんな自分にユージが会いにくるような用事があるものだろうか?

 

「ああ。訓練を終了したら君は”ストライク”のパイロットとして配属されるとは聞いていたかね?」

 

「えっ!?えっと、今知りました」

 

「そうか、まあ今教えたから問題はないな。本題は、”ストライク”共々どの部隊に配属されるか、ということなんだよ」

 

それを聞いてキラは居住まいを整える。

既にユージには入隊した目的、『アスランを止めたい』ということを伝えている、それが上手く働いてくれていれば良いのだが……。

緊張するキラに、ユージは未来を告げる。

 

「キラ・ヤマト候補生、貴官は訓練終了後、第八艦隊管轄『第13MS実験部隊』に配属される。この部隊の任務は、新型『ストライカーシステム』の地上運用試験が主となる」

 

「地上……ですか?」

 

「ああ、そうだ。”ストライク”の量産型である”ダガー”が中東戦線で『ストライカーシステム』の有用性を示したことで、上層部はシステムの更なる研究の必要性を認めた。そこで、拡張性が高く、基本性能も高い”ストライク”を用いて新型ストライカーの研究を、地上で行なうことになったんだよ」

 

そこまで言うと、ユージはキラの耳元に口を近づけて、ユリカに聞こえないように囁く。

 

「……試験はハワイ諸島を初めとする大西洋連邦領内で行なわれる予定だが、近頃、ハワイ基地周辺では赤いMAが高速で飛行している姿が目撃されている。技術部は画像を解析して、このMAが”イージス”に連なる技術が使われている機体と判断した」

 

「!」

 

「もしもそれが真実なら、”イージス”に搭乗したことがある()が、これに乗っているかもしれないな」

 

そこまで言うとユージはキラから離れる。

キラは、ユージやその上司であるハルバートンに感謝した。可能性は低いが、アスランと話をする、止められるかもしれないというだけで、十分だった。

今にして思えば無理のある入隊理由だったが、配慮してくれただけでも嬉しい。

 

「それだけなら別に、わざわざここに来なくてもメールで辞令を出すだけでもよかったのだがね。『第13MS実験部隊』の設立に伴って、経験豊富な”マウス隊”メンバーから数人、そちらに移籍することになったんだ。ここに来たのは、そのメンバーの穴を埋めるためでもある」

 

「つまり……スカウト?」

 

そうなるな、とユージは肯定し、ユリカの方を向く。

 

「君もどうだろうか?実は今回の移籍で、MSパイロットも移籍することが決まっていてね。その欠員分も埋めたいと考えているんだが」

 

「えっと……申し訳ありません、自分は月軌道の防衛部隊への配属を希望していまして、そちらの希望にお応えすることは……」

 

「そうか、そういうことであったら仕方ないな。……優秀な人材が手に入るかもと思ったが

 

また何かをぼそっと呟くユージだったが、キラとユリカの耳には正確に聞き取ることは出来なかった。

この人物はたしかに優秀なのだろうが、時折何を考えているのか分からない時がある。

 

「月方面に希望するということは、”ペンドラゴン”のこともそっちの伝手で聞いたというところかな?」

 

「ええ、まあそんなところです。たしか”ペンドラゴン”級は3隻建造されるのでしたか?」

 

「……そんなことまで知っているのか。そうだ、ここにある1番艦”ペンドラゴン”に続き、”ガウェイン””ランスロット”が新たに建造されることが決まっている」

 

「こ、これをあと2隻もですか?」

 

多数の砲塔に加えて全体をラミネート装甲化、それに加えてユリカが言うには新型陽電子砲まで装備するとなれば、1隻建造するのにも莫大なコストが掛かっているはずだ。

それを更に増産すると聞いて、キラは驚きの声を挙げるが、ユージは更に告げる。

 

「驚くのはまだ早いな。本当なら”ペンドラゴン”級は12隻建造される予定だった。しかし……」

 

「しかし?」

 

「……それぞれの国の派閥に別れて、次期主力艦艇の選定で揉めに揉めてな」

 

ユージが言うには、この”ペンドラゴン”の他にも様々な主力艦艇の建造計画が提案され、しかもそれらが連合加盟国の派閥ごとにわかれていたせいで、大いに揉めたのだという。

実際にそれらの艦に乗りこむことになる兵士からすれば、規格は統一されていた方が艦隊の足並みを揃えるという点でも有り難い。

だが技術者や各国の上層部からすれば、主力艦艇として自分達のプランが採用されることは、来たる宇宙決戦における功労者としての誉れを受けることになる。

そして何よりも、「『僕の考えた最強の戦艦』を戦場で活躍させたい」、そう考えた技術者達は血で血を洗う抗争を繰り返し、ついには規格統一を諦めて、それぞれ独自で建造することとなった。

それで良いのか、連合軍。

 

「統一されていれば、12隻の”ペンドラゴン”がそろい踏みで円卓の騎士ごっことしゃれ込めたんだろうがな。結局予算不足で3隻までと決まったんだ」

 

「……他にも、このような艦が建造されるというのですか?」

 

そう質問するユリカの顔は、強ばっていた。

たしかに、こんな大砲や対空砲を多数構えた化け物と同程度の性能の戦艦がいくつも建造されていると聞けば、例え味方であると分かっていても戦慄するものだろう。

 

「ああ。たしかユーラシア連邦は『アルテミス』で”アレキサンダー”級を3隻、東アジア共和国はジャパンエリア管轄の宇宙ステーション『第二呉軍港』内部の工廠で、”扶桑型”を4隻建造しているはずだ。どれもこの”ペンドラゴン”級に劣らず、極めて強力な艦艇だとか」

 

それが本当ならば非常に心強いのだが、同時にキラは疑問を覚えた。

たしかに今は、ZAFTと(実質的に)戦争状態にある。かといって、そこまで軍備を増やそうとすることの意味があるのだろうか?

マモリやその他の教官から聞いた話では、MSとNジャマ-、2つの巨大なアドバンテージを失ったZAFTとは真面目に戦えば負けないとのことであった。

MSや”アークエンジェル”といった、既にある程度優秀な物が出来上がっているのに、そこから更にこのような戦艦をいくつも作る意味があるのだろうか?

そのことをユージに聞くと、ユージは渋い顔をしながらこう返した。

 

「上の方々は、既にこの戦争に見切りを付けているのさ。ZAFTを倒した後、つまり連合加盟国だった者達の間で起きる戦争に備えて様々な戦力を用意してるんだ。まったく、ZAFTも余計なことをしてくれたと恨み節をぶつけたい気分だよ。これでは地球圏を引っかき回した挙げ句に各国の緊張に罅を入れて、より不安定な戦後への道を作りだしたようなものじゃないか」

 

「……そりゃ、そうでしょうけども。それではZAFTの兵士達が不憫に思えてきますよ。自分達は必死に戦ってるのに、肝心の相手は片手間で相手をして、戦争の次を見ているなんて」

 

ユリカがボソボソと呟く言葉を、キラは意外に思った。

普段は教官を初めとした目上の人間の言うことに口を出さないユリカにしては、珍しく反論するようなことを言う。

ユリカの言葉にユージは、しかしこう返す。

 

「そういうことは、他の人間の前では言うなよ?敵に回ってしまった者に対して同情的、共感的な事を言えば、思想調査が入りかねない」

 

「……はい」

 

「奴らの気持ちはわからないでもない。いつまで経ってもプラント内の治安を回復しようとしない理事国に対し、怒りを抱くのは自然なことだ。理不尽に抗おうとする権利は誰にだってある。しかしな」

 

理不尽に対して理不尽で抗おうとすれば、やはりより巨大な理不尽によって押し潰されるのが世界というものなんだよ。

ユージはそう言うと、何処かへ去ってしまう。キラとユリカは、それをただ見送るしか出来なかった。

必死に戦って命を散らす兵士がいて、それを単なる数字の増減と認識する立場の人間がいる。

今のキラには、勇壮に見えた目の前の白亜の戦艦の姿が、どこか虚しいものに感じられた。

この艦も、自分も、戦争の駒でしかないということは代わらないのだから。

 

 

 

 

 

「少し、話しすぎたかな」

 

ユージは『セフィロト』に帰還するための連絡艇の中でそう呟いた。

あの後、新たに”マウス隊”に編入する人材にある程度目星を付け、艦のシートに腰を落ち着けたユージは、キラ達との会話を思い出していた。

まさか連合とZAFTでこれほどの差が生まれるなど、この世界に生まれた時には想像も出来なかったことだ。『原作』では終盤に至るまで、常に連合に対して優位を保ち続けたZAFTが、もはや片手間扱い。

そうなったことに自分が多少なりとも関わっている、それは間違い無く事実だ。それでも、ここまで戦争が優位に進むとは。

勿論、ZAFTで建造されているであろう”ジェネシス”の脅威は無視出来ない。それでもこのペースで行けば、完成前にヤキン・ドゥーエを攻略出来るかもしれない。

希望が見えてきた。先日言われたことだが、少しリラックスしてみればたしかに物の見方も変わってくる。技術者としても社会人としても優秀なマヤが自分の配属されたことが最大の幸運だったのかもしれない。

 

(想像に反して、優秀な人材も見つけたしな)

 

ユージは、先ほど確認したユリカの能力を思い返した。

 

ユリカ・シンジョウ(ランクB)

指揮 9 魅力 11

射撃 10 格闘 10

耐久 7 反応 12

 

『ギレンの野望』で連邦系勢力に属するキャラクターはそこまでステータスが高くなかったのだが(ホワイトベース隊は除く)、先ほど見たユリカのステータスは十分にエースと呼べるものだ。

”マウス隊”はよく育ったし、”アークエンジェル隊”を味方にすることも出来た。おまけに連合は『本家』の連邦と同様に、優秀な艦長が何人かいるのを確認している。

勝てる。あとは、自分達が死なないように立ち回るだけだ。

そう考えたユージは、仮眠を取る事にした。

『セフィロト』に帰れば、また山ほどの仕事に追われることになるのだから。

 

 

 

 

 

ユージ・ムラマツはたしかに軍人として優秀な部類だ。

しかし、その根底には現代日本人として培われた倫理観、『自罰的精神』が根付いている。

彼は今後、それこそ死ぬまで、とある『致命的失敗』を悔やみ続けることになる。自身の観念に心を焼かれ続けることになるのだ。

『禍戦』の時は、すぐそこに。




次回から、状況が変化し始めます。
それが皆さんの望ましいものではないのでしょうが、それがこの『パトリックの野望』流ですので……。

今回、いくつか『オリジナル兵器・武装リクエスト』から採用させていただきました。まだ話の中に出てきただけではありますが、登場した時にあらためて紹介させていただきます。



○”アレキサンダー”級准強襲要塞戦艦
「蒼翼の雫」様のリクエスト。
この度、ユーラシア連邦派閥の主力宇宙艦艇として採用を決定しました。

○”扶桑”型超大型宇宙戦艦
「モントゴメリー」様のリクエスト。
同じく、東アジア共和国派閥の主力艦艇として。

お二方、素敵なアイデアをありがとうございます!いずれ、宇宙艦隊戦の時には存分に活躍させられるように努力いたします!
詳しい設定はどちらも『第2回オリジナル兵器・武装リクエスト』に載ってありますので、気になった方はそちらをご覧ください。
……なに?解説をサボるなって?
いいですか、これはサボってるわけではありません。ただ単純に、原案を見た方がわかりやすいと思ったからそうしてるだけです。適材適所だからなんです。
……けして!「あれをここに書いたら、下手な本編より文字数が多くなる」ことを危惧しているとか!
そのようなことが有ろう筈がございません!



”ペンドラゴン”級は私のオリジナル艦艇です。

”ペンドラゴン”級超弩級戦艦
大西洋連邦の主力艦。設計を担当したのはイギリス派閥である。
”アークエンジェル”級は優秀な艦艇ではあるが、来たる宇宙要塞攻略戦においては更なる火力が求められる。
そう考えた技術者達によって作られたのが、この”ペンドラゴン”級である。
高速戦艦としての面を持つ”アークエンジェル”とは違い、完全に艦隊決戦用に設計されており、総合火力は”アークエンジェル”とは段違い。
小回りでは”アークエンジェル”の方が優位だが艦隊戦ではこちらの圧倒的優位と、一長一短となっている。
とはいえ単艦での運用が最適な”アークエンジェル”と違ってこちらは他に多数の護衛が付くことになるので、機動力の低さはそこまで問題ではない。
主砲としてゴッドフリートMark71を装備、上部3基、側面2基、下部1基している。これらは全て前方に向けることが出来、単純に”アークエンジェル”の3倍の火力を発揮出来ることになる。
更に後方にも2基備えているので、合計で8基のゴッドフリートMark71を備えていることになる。
他にもバリアントMark8改を10基側面に備えており、実弾火力も十分。
目玉は艦首の新型陽電子砲「コールブランド」であり、これは1門で”アークエンジェル”に搭載された2基の「ローエングリン」と同程度の性能を持っており、発射間隔も「ローエングリン」と比べて10秒ほど速く、これを連射することで敵艦隊の単艦での殲滅さえも可能とするという。
問題は、これら多数の武装や「コールブランド」に容量を取られてしまったので、MS運用能力が無いこと。これは他国の主力艦艇と比べて明確に劣る点ではあるが、開発者は「味方と一緒に行動するから問題無い」と開き直った。
負け惜しみとも言う。

長々と解説しましたが、これらが活躍し始めるのはもっと後のことなんですよねぇ。
展開が……展開が遅い!
更新速度を上げたい!(切実)

誤字・記述ミス指摘は随時受け付けております。

追記
扶桑型の建造場所、当初は佐世保だったのですが、感想欄で複数人に「佐世保にそんなデカイ船造る広さ無いよ」と言及されたので、『ガンダムSEED』公式に無い宇宙ステーションの存在をでっち上げました。
なんだ、最初からこうしてればよかったんやな!(ガンギマリ)

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