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地球連合軍第1宇宙艦隊 旗艦”ペンドラゴン” 艦橋
「通信、終了しました」
久々に再会した弟子は、以前と変わらず狂犬だった。そのことを知れたことに満足し、オルデンドルフは椅子の背もたれに深く体を沈める。
彼の隣に立っているリーフは、何かを思索しているようだった。
「どうした、リーフ?」
「いえ、私にとって姉弟子になる方だったわけですから何かしら挨拶でもしておくべきだったかと思いまして」
「ははは、今から戦いになるというのに緊張感の無い奴だ。だが、必要は無いだろう。『未だに師の基で学んでいる小娘と話すことなど無い』と言われて終いだろうさ」
和やかに見える会話だが、艦橋内にいる人間は彼ら以外の全員が緊張を伴った面持ちでいた。
それもその筈、あと数分もすれば敵艦隊、しかも衛星軌道上をほとんど制圧することの出来る規模のものと戦い始めるのだ。このような場で緊張していない人間は、2種類に限られる。
1つは、リーフのように未だに実戦を経験していないがために緊張出来ない者。
そしてもう1つは、幾度もの修羅場をくぐり抜けたことで余計に緊張することが無くなった者だ。
そして、オルデンドルフは間違い無く後者の側である。
<───オルデンドルフ提督、よろしいですか?>
そんな彼に新たに通信を繋げてきたのは、やはり彼の弟子であるハルバートンだった。
今回の作戦は第1艦隊と第8艦隊による合同での戦いとなるため、最後の打ち合わせのために通信を繋げてきたのだろう。
「どうかしたか、ハルバートン君」
<もう少しで開戦ですので、最終チェックをと。それでは、当初の予定通り砲撃戦の後に我々が前に出る、ということでよろしいですね?>
「ああ、変更は無い」
事前に組み立てられていた計画の内容は、こうだ。
まず第一段階として艦隊による砲撃を行ない、ここで可能な限り敵の戦力と勢いを削ぐ。たしかにZAFT艦隊の規模は強大だが、序数艦隊2つで攻撃を仕掛けている以上、総力では連合軍の方が上であるためにここは問題無くこなせる。
次の第2段階でMSを出しての機動戦となるが、ハルバートンは今回、第8艦隊が前衛を担うことを提案していた。
第1艦隊は『大西洋連邦』派閥が威信を賭けて再建した肝いりの戦力だが、如何せん実戦経験は少ない。
そこで、実戦経験が豊富な第8艦隊が負担の大きい前衛を担当することで第1艦隊の損害を抑えつつ経験を積ませることを進言したのだ。そして、オルデンドルフはそれを了承した。
<機動戦においては下手な火力支援はMS隊の邪魔になります>
「分かっている。タイミングと連携が重要、と言いたいのだろう?」
<はい>
「心配せずとも余計に出しゃばるような真似はせんよ。その代わり、たっぷりと学ばせて貰うさ」
ハルバートンはそれを聞くと敬礼し、通信を終えた。
───さぁ、これで長い長い準備期間が終わる。
オルデンドルフは、歓喜の震えを抑えられずにいた。
「さて、老いて飢えた我が魂に、今一度、火を灯さねばな。───全砲門、開け!」
ゆっくりと、”ペンドラゴン”の前面に位置する砲塔が稼働し、前方にいるであろう敵艦隊の方向へ砲口を向ける。
”ペンドラゴン”だけではない。第1艦隊と第8艦隊、、この場に集う全ての艦艇が、ZAFT艦隊に砲口を向け始めていた。
「『コールブランド』、エネルギー充填率90%突破。いつでも撃てます」
艦首に備わった新型陽電子砲『コールブランド』も、その圧倒的な破壊力を解放する時を待っている。
あとは、オルデンドルフが号令を飛ばすだけだ。
「諸君、雌伏の時は今ここで終わる。ここから先は、払わされた代償に対する対価を奴らに、ZAFTに請求する時だ。派手にいこうではないか。───攻撃開始!」
次の瞬間、”ペンドラゴン”を始めとする連合軍艦隊のあらゆる艦艇から、ビーム、ミサイル、リニアガン、そして陽電子砲が放たれていった。それとほぼ同じタイミングで、ZAFT艦隊からも砲火が飛んでくる。
攻撃の数は連合軍が勝るが、戦場を飛び交い始め、両軍の間の空間を埋めていくそれらは、1つ1つが宇宙における最強機動兵器であるMSを容易く撃破してしまえる殺意の現れだ。
やがて、それらの勢いが弱まってくると新たな動きが生まれる。
<MS隊、順次発進!>
今も続いている砲撃の合間を縫うように、前衛についた第8艦隊の艦艇からMS隊が出撃していく。
これまで何度も修羅場をくぐり抜けてきた第8艦隊の精鋭に、味方からの攻撃に当たるようなマヌケはいない。そして、それはZAFTにとっても同じ。
”ナスカ”級や”ローラシア”級、そして少数混じっている”アテナイ”級から発進してきたMS隊が連合側のMS隊を認識する。
徐々に距離が詰まっていく、双方のMS隊。立場を異にする鋼鉄の巨人達が、武器を構える。
<接敵するぞ!ZAFTの坊ちゃん共に、由緒正しき戦い方を教授してやれ!>
<来たか、連合の老害共!新しい時代を歩むのは我々だと、思い知らせるのだ!>
それぞれの集団の先頭を進むMSが、互いに構えた銃を同時に発射したのを皮切りに、巨人達はぶつかり始めた。
───それはまるで、戦争の歴史を逆再生しているかのようであった。
誘導兵器を封じられ、大鑑巨砲が活躍する時代に逆行し、人型が銃や剣を取り、殺し合う。
どこまでいっても、人は闘争を捨てられないのだろうか?
後に、『スター・トゥギャザー会戦』と呼ばれる戦いの始まりである。
”コロンブスⅡ”艦橋
「始まったか……」
遠目に見える戦火を見て、ユージは呟く。
ついに、『原作』にも存在しなかった大規模作戦が始まるのだ。否が応でも緊張するのは避けられない。
加えて、”マウス隊”が担う役割も重要だ。
「”アークエンジェル”にはいつでも降下出来るように伝えておいてくれ」
「了解」
”コロンブスⅡ”の隣に陣取る白亜の巨艦、”アークエンジェル”。この艦とその近くにまとまっている複数の降下カプセルを守り切るのが、”マウス隊”の役割だ。
彼らが無事に降下することが出来れば、地上のハワイ諸島攻略はグッと楽になる。
『原作』よりも強化された”アークエンジェル隊”に、叢雲・劾の率いる傭兵部隊『サーペントテール』、それに加えて『煌めく凶星【J】』ことジャン・キャリーが率いる部隊も降下作戦に参加しているのだ。これを返り討ちにするのは現状のZAFTでは不可能だと断言出来る。
しかし、そんな彼らも現在は降下カプセルの中に機体を固定し、無防備を晒していた。
「責任重大、だな。まさか
「私達だけで降下部隊の護衛なんて、評価されてる証拠だろうけど……最低でも5隻は来ると見た方がいいわね」
「あぁ。マトモに当たれば危険だ」
マトモに当たれば、だが。ユージがそう言うと、マヤも「待ってました」と言わんばかりの表情を浮かべる。
”マウス隊”はたしかに強い、連合軍の中でも最精鋭と言って良いだろう。しかし、質はともかく数は少ない。
当然のことながら、数倍の規模の部隊と戦うことは出来る限り避けたいことなのだ。
「”グリズリー”の組み立ては?」
「既に完了、あとは”デュエル”を接続するだけね」
にも関わらず、彼らはここに立って敵を待ち構える姿勢を崩さない。勝利に向かう公算があるからだ。
モニターには、“コロンブスⅡ”の横に付けるように待機する大型機動兵器の姿があった。
これこそが”マウス隊”の今回の切り札、『CG計画』試作第3号機”グリズリー・ユニット”である。
既に完成している第1号機”ファルコン・ガンダム”と同じように『真ゲッターロボ』をモチーフに開発されており、原型となった”真ゲッター3”と同様に豊富な火力を有している本機だが、一個のMSではなく、MSに外付けする強化装備として完成した。
イメージとしては、後に登場することになるだろう”ミーティア”のようにMSの背部に接続することになる。
「改めて見ると、デカいな……全長50m近くあるんだったか?」
「えぇ。大型ブースター、マイクロミサイル、そして追加バッテリー……諸々を詰め込んだらこうなったわ」
ユージの言うとおり、この”グリズリー・ユニット”の正確な全長は48mも有り、元が輸送艦である”コロンブスⅡ”でも輸送するのに難儀したほどの代物である。
そのため、『セフィロト』からこの場に持ってくるまでも幾つかのパーツに分割して輸送しなければならなかったのだ。
だが、今回のように少数で多勢を迎え撃たなければならない状況にはもってこいのスペックをしているため、実戦投入が決定された。
背中に接続する大型ブースターは出力だけならば宇宙艦にならぶ規格外の代物であり、直進するだけならば通常の機動兵器では追いつけない速度を発揮することが出来る。
火力面においても豊富に備わっており、装着したMSの肩上に乗るよう配置された2門の”スキュラ”は乱射するだけで敵部隊にとって脅威となるだろう。ブースターに内蔵された複数のバッテリーから電力が供給されているため、エネルギー切れを考慮する必要もない。
勿論”真ゲッター3”譲りのミサイル弾幕を張ることも可能だ。
ブースター外周部に備わったミサイル発射管は瞬時に大量のマイクロミサイルを発射する。その数、なんと180。
『休憩中、ルビコン3*1に行ってたら良い感じに思いつきました』
開発者の1人の言である。ユージが頭を抱えたのは言うまでも無い。
しかし、そんなトンデモミサイルを差し置いて目を疑うのが、MSの両腕を挟み込むように配置されたパーツだ。
『試作型対MS用握滅マニピュレーター”ギガントマキア”』。その名の通り、MSを
名前にそぐわぬ見た目もしており、他の『ガンダム』世界で例えるならば”ガンダム・ダンタリオン”の『ギガンティックアーム』を更にサイズアップさせたような形状だ。
『本当は大雪山おろしとか出来るようにしたかったんですけどね……あ、でもPS装甲機だろうと、装甲ごと内部フレームを握りつぶせるので大抵のMSは倒せますよ!』
開発者の1人の言である。その言葉はユージの腹痛を加速させた。
───たしかに強力だが、そもそも大抵のPS装甲機はビーム兵器で対処出来るのでこの装備は余計であるとしか言えない。
そう反論しようとしたユージだが、そこで抜かりないのが”マウス隊”所属の研究者である。
既に開発計画は通っている上に、取り外しも出来るから実際に使ってみてからでも何の問題も無いし、その気になれば空いたスペースに別の武器を積める。そう言われ、ユージは引き下がるしかなかった。
「これでも妥協の産物なんだけどね。本当はこれを運用する専用のMSも開発する筈だったのに……」
「予算が無いならしょうがないさ」
当然、これだけの物を開発するのには高いコストが掛かる。開発途中で予算不足を理由に仕様が変更され、”グリズリー・ユニット”として完成したのは当然の帰結だったと言えよう。
とは言え、こういった形で完成したことにも利点はある。
なんとこの装備、接続するMSに適切なOSが積まれているならば
今回の戦いでは“デュエル”に接続するが、その気になれば”テスター”にも接続出来る。
(型落ちしたMSの延命処置プランとしても有り、か。……たぶん、これが”ゲルズゲー”とかに繋がっていくんだろうな)
ユージがまだ見ぬ未来に思いを馳せていると、ハッチから出撃した”デュエル”が”グリズリー・ユニット”の方に向かっていく。
”デュエル”本体にも僅かながら改良が施されており、胴体部には増加装甲らしきパーツが備わっていた。
これもただの増加装甲ではなく、内部には『ユーラシア連合』が保有する光波リフレクター技術を参考に開発された小型リフレクターが内蔵されている。
流石に『ユーラシア連合』の独自技術の塊である光波リフレクターをそっくり再現することはすぐには出来ず、効果範囲も防御力も連続使用可能時間も本家には及ばないが、コンピューターが直撃弾を判別して瞬間的にバイタルパートを防ぐという形でなら有効と判断され開発された。
極めて近いものに”Ex-Sガンダム”のIフィールドシステムが存在するが、またしても気軽に強力な新技術を開発してみせた研究者達には、遂にユージも苦笑いを浮かべることしか出来ない。
(大量のミサイル、高火力ビーム兵器、トンデモ近接武器、極めつけに防御フィールドか……なんで”真ゲッター3”をモチーフにして”デンドロビウム”が出来上がるんだ?)
そうこうしている内に、”デュエル”と”グリズリー・ユニット”の接続が完了したようだった。
モニターには”デュエル”に乗り込み、実戦で初めて”グリズリー・ユニット”を使うことになるアイザックの姿が映っていた。
彼はいつも彼が着ている蒼い連合軍制式パイロットスーツではなく、それより一回り大きめの耐Gスーツに身を包んでいる。宇宙艦並の推力の装備を使う以上、必須の装備だ。
「調子はどうだ、アイク?」
<機体も自分も、いつでもいけますよ>
「試運転した時に分かってるかもしれんが、”グリズリー・ユニット”の機動力は凄まじいからな。十分に気を付けろ」
<あー、えっと……了解>
「やけに歯切れが悪いな?」
怪訝そうに問うユージに、アイザックは苦笑いしながら答えた。
<”ファルコン・ガンダム”よりはキツくないので、たぶん大丈夫かな、と>
「やっぱりあれ封印するべきなんじゃないかな?」
「ZAFTが封印させてくれるような相手だったら、そうかもしれないわね」
無慈悲なマヤの言葉に、ユージは戦闘前にも関わらず溜息を吐くのだった。
”コロンブスⅡ”格納庫
「パラメーター、各部モーターの動作、いずれも正常。PS装甲も、問題無し」
間もなく戦闘を始めようとしている”コロンブスⅡ”。その格納庫内に存在する1機のMSに、セシル・ノマは乗り込んでいた。
その機体の名は”イージス”。”デュエル”、”バスター”らと同じように『G計画』に基づいて作られたGATシリーズの1機であり、この世界では唯一『ZAFTに奪われたことがある』という汚名を背負ってしまった悲運のMSだ。
『クライン派』と呼ばれる一団との裏取引によって連合の手に戻った本機は、これまた不遇なことに運用する機会に恵まれなかった。
現在のZAFTでは”イージス”の違法コピー機でもある”ズィージス”や変形機構を取り除いた量産型の”アイアース”が主力として運用されており、言ってしまえば連合軍全体で“イージス”には良いイメージが無かったのだ。
そんな本機に何故セシルが乗り込むことになったかと言うと、彼女の本来の乗機である”ヒドゥンフレーム”が、改修中だからである。
「”ヒドゥンフレーム”の改修が間に合っていれば、良かったんですけどねぇ」
以前、ZAFTが”マウス隊”を追い詰めた際の戦闘で”ヒドゥンフレーム”は左腕を失った。
修理するだけならば簡単だったのだが、セシルはそれだけでは満足出来なかった。
(あの敵……ZAFTの高機動の『ガンダム』。少しでも戦いが長引いていれば、私は死んでいた)
セシルも”マウス隊”初期メンバーの一員として相応の実力者だ。しかし、エンテ・セリ・シュルフトの操る”クレイビング”には禄にダメージを与えられなかった。
幸いにも全員で生還出来たが、セシルだけは心に痼りを残していた。───このままで良いのだろうか、と。
そんなセシルが一念発起して”ヒドゥンフレーム”の改修を提案した所、見事に通ったのである。
『そんなに……僕達の力が見たいのか……』
CICからたたき出されそうな調子の研究者達に任せるのは少し……否、大分不安に思ったセシルだったが、ともかく”ヒドゥンフレーム”は今は使えない。
そこでお鉢が回ってきたのが、持て余されていた”イージス”である。
腐っても『ガンダム』、”ダガー”よりも上の性能やPS装甲を兼ね備えている本機は、代替機としては贅沢でさえあった。
加えて、頭部に多目的センサーユニットを備えていることも、類い希なる情報処理能力を持つセシルには都合が良かった。
こうして、”イージス”にセシルが乗り込むことが決まったのである。
<セシル>
機体の最終調整を終えたタイミングで、アイザックからの通信が届く。
今は艦外で待機している彼がこうして通信を繋げてきた理由はただ1つ、恋人を案じてである。
「どうかしましたかぁ、アイクさん?」
<あ、いや調子はどうかなと……”イージス”も実戦で乗るのは初めてなわけだし、あまり無茶は……>
しどろもどろになるアイザックの姿に、クスリと笑みを零すセシル。
彼がこうして通信を入れてくるのは初めてではない。その度に、こうして挙動不審になるのが少し可笑しく思えたのだ。
おそらく、私事で通信を使っているのが後ろめたいのだろう。そんな生真面目なところも、セシルは好きだった。
「大丈夫ですよぅ、私だって“マウス隊”なんですよぉ?」
<でも……>
「それに、今回は皆さんいますぅ。───全員揃った”マウス隊”の力を見せてやりましょうよぉ」
本来は臆病なセシルらしからぬ勇ましい言葉。それが彼女の覚悟の現れだということに気づけないアイザックではない。
そう、彼女だって、
<……うん、そうだね。ごめん、余計なことを言った>
「それに、心配なのはアイクさんのほうですよぅ」
今回の戦いの段取りは、まず”グリズリー・ユニット”を装着した”デュエル”が敵部隊に強襲を仕掛け、陣形を乱す。
そこに他のMS隊が追撃を加える、というものだ。
セシルの言うとおり、一番危険な役割を担っているのはアイザックなのである。
<そうだね。でも……>
「でも?」
<本当は良くないのかもしれないけど、負ける気がしないんだ、今の僕達>
僅かに呆気を取られたセシルは、再び笑みを零した。たしかにその通りだ。
<───いちゃついてる所を申し訳ないが……来たぞ、敵艦隊だ>
通信に割って入ってきたユージの声に2人は顔を赤くするが、続いた言葉にすぐさま頭を切り替えて戦士の顔になる。
遂に、戦いが始まるのだ。
<手筈通り、アイクは先行して敵部隊に強襲を仕掛けてもらう>
<了解です。じゃあ、セシル。───行ってくる>
「はい。……いってらっしゃい、です」
<……アイザック・ヒューイ、行きます!>
次の瞬間、モニターに映る”デュエル”は徐々に加速していき、やがて凄まじい勢いで飛び出していった。
次は、自分達の番だ。
<よっしゃ、俺達もいくぜ!───エドワード・ハレルソン、出るぞ!>
<久しぶりの宇宙だけど、何も問題無いわ。私達が揃っているのだから。レナ・イメリア、発進します>
<ったく、なんでこんな重い物つけていかなきゃなんねぇんだよ……モーガン・シュバリエは”フルアーマー・ダガー”で行くぜ!>
<じゃあ、先に行くねセシル。───カシン・リー、行きます!>
頼れる仲間達が、アイザックに続くように出撃していく。
深呼吸をして、目を閉じ、両手を組み、祈る。───どうかまた、全員で生きて帰れますように。
再び目を開けた彼女の目に、恐怖は無かった。
「セシル・ノマ、”イージス”!───行ってきまぁす!」
来週中に……もう1話更新します……。
(訳:お待たせして大変申し訳ありません)
”グリズリー・ユニット”を装着した”デュエル”のステータスは次回の冒頭に載せたいと思います。
誤字・記述ミス指摘は随時受け付けております。
P.S
今回に限らず、最近は書きたいことが多いのにそれが書けないということも多いので……分かりづらい所、説明が足りてないところもあるかと思います。
できる限り感想欄やメッセージ機能で対応していく所存ですので、寛大な心で『パトリックの野望』をこれからもよろしくお願いいたします。