模型戦士ガンプラビルダーズビギニングR   作:級長

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 富士川海士
 35歳男
 所属:私立天上高校模型部
 好きなガンダム作品:機動戦士ガンダム
 好きなモビルスーツ:ズゴック及びジオン水陸戦モビルスーツ、ブルーディスティニー1号機
 好きなガンダムキャラ:赤鼻、ユウ・カジマ
 戦闘スタイル:クローによる格闘戦
 好きな色:緑
 性格:ハイテンション。誰もついていけない。
 趣味:ガンプラ制作、ズゴック観賞
 好きな食べ物:甲殻類。葉野菜。
 嫌いな食べ物:特にない。
 担当教科:生物


6.理科準備室のズゴック

 天上高校 模型部部室

 

 「野郎共、決戦だ!」

 富士川のハイテンションな声に模型部の全員が振り返る。富士川はある箱を人数分運んで、部室に入ってきたのだ。

 「先生、それより。最近またストーカーが……」

 「あれ? 佐治先輩も?」

 女子二人がストーカーを話題に乗せる。富士川の話はフルスルーである。

 「凜もストーカーっぽいなにかにつけられてるって言ってたし、これって模型部人気急上昇?」

 「プラスに捉えられるお前はスゲーよ……。ま、俺はストーカーなんて縁はないけど」

 灰音は雪菜の相変わらずな天然にツッコミを入れつつ、ジルスペインの改造を進めていた。雪菜は聞いてみた。

 「なにこれ?」

 「これは追加装備だ。尻尾のゼイドラソードと付け替えれて、腰にも付けれる」

 灰音は様々な銃火器にジョイントを付けていた。穴を空けるのは本体だけで、後は量産機に付いている銃などにジョイントを接着するだけで簡単に武装バリエーションを増やせる。

 「へーい、俺の話を聞けー!」

 富士川が持っていた箱の文字を灰音が見る。『ライディングソーサー』と書かれた箱に、なにかの乗り物の絵が描かれている。

 「ライディングソーサー? LBXの?」

 「そうだ! 俺がかねてより手を焼いてきた天上高校の不良グループ、舞羅津努麗(ブラッドレイン)がライディングソーサーで決闘を挑んできたのだ!」

 佐治が聞いて、やっと富士川が答えを言った。ライディングソーサー。ダンボール戦機シリーズのプラモを接続して、ラジコン操作で動くライディングソーサーを使ってバトルするのだ。

 「って、ことはさ。今回はガンプラバトルじゃないのか?」

 「いや、単にガンプラをライディングソーサーに乗せてバトルするんだ!」

 灰音の問いに答えながら、富士川はグリーンズゴックを取り出して、ライディングソーサーとの接続を試みる。LBXの股間にある接続穴とガンプラにあるものも同じなので、ガンプラをライディングソーサーに乗せることも可能だ。

 しかし、ある問題に気付いた。

 「ズゴックには……、ベースの接続部がない!」

 「「「な、何だってー!」」」

 三人の絶叫を聞き、富士川は舞羅津努麗の目論みを悟った。富士川にズゴックを使わせないため、ライディングソーサーでのバトルを挑んだ。ライディングソーサーは一応、ガンプラのベースと同じ原理でプラモを接続する。ガンプラのベースに接続できないズゴックは、ライディングソーサーに乗せられない。

 「どうしよどうしよ!」

 「秘策ならある!」

 ズゴックはライディングソーサーに乗せられない。その事実を知って慌てる三人に、灰音はあるものを見せて落ち着かせる。

 「それは……、なんだ?」

 灰色の物体、小さいパーツのようだ。富士川はそれを手に取って眺める。灰音は物体の正体を明かす。

 「PCパーツ。これならライディングソーサーにズゴックを付けられる」

 ガンプラに用いられるPCパーツ。灰音はガンプラを多く作る分、余りがあるのだろう。使い方を灰音が説明する。

 「これをズゴックに取り付ける。そうすれば、ライディングソーサーにズゴックを取り付けられるってわけ」

 「なるほど……。いや、実はこんなこともあろうかと最終兵器を用意してある!」

 富士川はいきなり水槽を取り出した。どこから出てきたのやら。

 「あれ? これは理科準備室にあったズゴック水槽?」

 佐治は水槽が元々どこにあったのかを知っていた。水槽にはグリーンズゴックが入れられ、ズゴックはいつも使ってるそれとは違う空気を放っていた。

 「最終兵器、真・グリーンズゴック!」

 富士川は叫ぶなり、グリーンズゴックをライディングソーサーに乗せる。ガンプラバトルなら別に、アームに接続しなくてもライディングソーサーは使えることを皆は忘れていた。

 「いくぞお前ら! グリーンズゴックが学校の平和を守る!」

 「反比例して風紀がヤバい!」

 ライディングソーサーにズゴックを乗せ、それを操りながら富士川は部室を出た。爆走するライディングソーサー。かなり危険だと灰音は感じた。

 「ミニ四駆のモーター! 速い、速いよ!」

 「どうりで速いと思ったら! あの間に違法改造を?」

 爆走の秘密は雪菜が施した改造にあった。ミニ四駆に使うかっ飛ぶほど力の出るモーターをライディングソーサーに付けたのだ。

 VS風紀委員編が始まらないかとヒヤヒヤしながら灰音は富士川を追い掛けた。

 

 模型屋ネェル・アーガマ

 

 「やっぱバトルはここか」

 灰音を筆頭に、模型部の四人が立ち並ぶ。模型屋ネェル・アーガマ二階、バトルスペースだ。

 灰音が筆頭になってることに約二名不満を漏らす。

 「そこは顧問が筆頭だろ?」

 「いやそこは先輩の私が……」

 「争う余裕があるようだな」

 筆頭争いを始めた富士川と佐治に声がかかる。女性の声なので、不思議そうに灰音と雪菜は首を傾げる。

 バトル用カプセルの影から姿を現したのは、ロングスカートに改造した制服を着た女子生徒だった。ブレザーをスケバンカスタマイズなんて、珍しいというか滅多に見ない。長い髪は染めてない。

 「来たか先公。今日こそ舞羅津努麗頭領のアタイ、亜仁(あに)梨那が授業中にズゴックやジオン水泳部について語るのをやめさせてやる! 授業進まねぇんだよ私立で高い学費払ってんだから仕事しろよこの駄眼鏡! 誰が給料払ってると思ってんだよお前がズゴックの話してシラけさせてる皆さんの親御さんだよ!」

 「意外と真面目なのか……」

 亜仁というスケバンは意外と真面目で、ズゴックの話ばかりして授業の進まない富士川に業を煮やしているらしい。

 灰音はてっきりヤバい不良が相手なのかと思っていたが、真面目な生徒だったのでホッとした。髪すら染めず、ピアスも見られないとは驚きだった。

 「ていうか、先生。悪いのは先生じゃねぇかぁー!」

 灰音はトランザムするほどの勢いで叫んだ。なんというか、学園ドラマ的な教師対不良を想像していた自分が馬鹿だった。

 「か、勘違いするな! ちゃんと授業はしてる!」

 「してたら……毎回テストの前に慌てねぇよな?」

 富士川は弁明したが、それが亜仁の怒りに油を注ぐ結果となった。雪菜の頭の中では、富士川が赤鼻親方の下で『ガンガン燃やせ!』『ヘイ親方!』とダバダバ怒りの炎に石油を流し込むイメージが展開されていた。

 「仕方ない。ここは一応ガンプラバトルといこうか」

 富士川は逃げるようにカプセルに乗り込む。雪菜は『後ろから撃っても文句は言われないよね?』とか考えていた。

 一発だけなら誤射かもしれない、というどこかの新聞の社説みたいな発想と共に。

 

 対戦フィールド アフリカタワー

 

 バトルの舞台はアフリカタワー。アフリカタワーとは、天に突き出す高軌道エレベーターのことである。ようするに、デカイ塔だ。バトルの内容が内容だけに、今回はカプセルを使用したバトルだ。

 『バトルのルールはこうだ。ライディングソーサーでアフリカタワーの周りを先に3周したら勝ち。攻撃はあり』

 雪菜は亜仁からのルール説明を聞いた。軽量化のため、セブンソードをダブルオーから外し、ビームサーベルだけを持っての参加だ。

 他のメンバーもスタート位置につく。模型部は灰音がジルスペイン、佐治が3ガンダムで参戦だ。

 舞羅津努麗はちゃんと四人いるようで、亜仁はファングを赤く塗ったガッデスでの参戦だ。他のメンバーは肩を赤く塗ったグフ、ザク、旧ザクでの参戦。

 『それでは行くぞ。よーい、ドン!』

 亜仁のスタートと同時に、模型部の雪菜、灰音、佐治はあることをした。

 『ちょっ……、先生になんてことを!』

 富士川のグリーンズゴックにビームサーベルをぶつけた。しかし、グリーンズゴックは無傷。三人はそこそこ本気で切り掛かったのだが、グリーンズゴックの強さは反発じゃないようだ。

 「凄い硬さ。蟹?」

 『蟹ではない。グリーンズゴックだ!』

 富士川のグリーンズゴックはトップに踊り出た。亜仁のガッデスはファングを飛ばすが、グリーンズゴックはびくともしない。

 『なんて奴……!』

 『亜仁! いい手があるぞ!』

 亜仁に向かって、灰音が言う。グリーンズゴックを止める名案があるらしい。

 『グリーンズゴックはビーム反射装甲があるんだ。だから、そこのザクやグフにマシンガンやヒートロッドで物理攻撃して貰え!』

 すぐさま、灰音の指示通りグフ、ザク、旧ザクがグリーンズゴックの周りに集まる。

 『ふはは! 流星グリーントルネード!』

 しかし、ライディングソーサーをスピンさせたグリーンズゴックに全滅させられた。

 『騙したのか!』

 『敵からの情報を信じるなよ。じゃあね!』

 灰音のジルスペインはライディングソーサーから離脱し、背中のブースターを蒸してアフリカタワーのてっぺんへ飛んでいく。ライディングソーサーより飛んだ方が速いのが灰音専用ジルスペイン。

 さては、一周の距離が短くて攻撃の届かない上空でレースするつもりか。

 波乱含みで一周目は進んでいく。現在のトップは富士川のグリーンズゴック。

 「このままでは……また生物の授業でいやというほどズゴック談議をされる!」

 亜仁はガッデスからファングを飛ばす。赤いファングがグリーンズゴックに迫る。

 『ふはは! グリーンズゴックにファングなど効かん!』

 富士川はグリーンズゴックの背中にファングを刺したまま走りさる。あれで無事とは、想像以上に固いズゴックだ。

 富士川に倒された舎弟は復活し始める。

 『後ろは貰った!』

 グフに乗った舎弟が佐治の3ガンダムの後ろをとる。しかし、佐治は慌てずに対応する。

 『回転! スナイパーモード!』

 3ガンダムの頭が後ろに回転。膝もいつもと逆に曲がり、腕も後ろに回る。ウイングはリボーンズキャノンみたいに見える。というか、腕とウイングがリボーンズガンダムからの移植なので頭以外は殆ど完璧にリボーンズキャノン。

 本来この姿勢は、3ガンダムの素体である1.5やリボーンズガンダムがキャノンモードになる時のものだ。その変型機構が、脚の部分に残っていたのだ。

 『不意打ちキャノン!』

 舎弟のグフはキャノンに撃ち抜かれた。レースはさらに過酷なものになっていた。

 「お前が一番弱そうだな!」

 『そう簡単にはいかないよ! 五分の虫にも一寸の魂、ってね!』

 亜仁は雪菜に切り掛かる。しかし、雪菜も負けてはない。ビームサーベルでガッデスの剣を防御している。雪菜が諺を間違えていることには、突っ込む人間がいなかった。

 『弱そうに見えても、油断はダメだよ。一石二鳥っていうよね』

 「諺はともかく、強いな……!」

 諺はともかく亜仁と雪菜は互角だった。亜仁は模型部に打撃を与えるのを諦め、純粋にレースで勝負することにした。

 『俺を忘れるな!』

 アフリカタワー上空に飛んだ灰音は天空でレースをしていた。これなら邪魔が入らないと考えたのだろう。だが、ガッデスにはそれは通用しない。

 「ファング!」

 『ミューセルから光が逆流する! ぎゃあああ!』

 グリーンズゴックを諦めたガッデスのファングがジルスペインを貫く。ジルスペインは墜落して爆発した。

 『あはっ! 超ウケぶっ!』

 それを見て笑っていた佐治は灰音が乗り捨てたライディングソーサーに衝突。今度は赤い粒子を撒きながらが爆発。

 よそ見は禁物だと亜仁は感じた。

 模型部のジルスペイン、3ガンダムが撃墜し、舞羅津努麗は舎弟全機を雪菜にいつの間にか撃墜され亜仁のガッデスのみとなった。アフリカタワーのレースで生き残っているのは富士川、雪菜、亜仁のみ。レースもいよいよファイナルラップだ。膠着状態が続く。

 「舎弟を、よくも!」

 『悲しいけどこれ戦争なのよね!』

 それを破るように亜仁は再び雪菜に切り掛かる。雪菜は学力の意味じゃ馬鹿だが、戦闘のセンスは悪くない。なにせ、亜仁の攻撃を一手に引き受けて富士川を先に行かせている。

 無線から飄々とした雪菜の声が響く。

 『GNビームサーベル!』

 「チッ、投擲か!」

 雪菜はビームサーベルを投げた。しかし、それを避けた亜仁はあることに気づく。

 「あれ? 武器もうなくね?」

 『あっ! 武器これしかなかったー!』

 「ファング!」

 雪菜のダブルオーは武装を失って撃墜される。ファングを防ぎきれなかった。

 「あとは先公か!」

 亜仁は速度を上げて富士川に迫る。ライディングソーサーに改造を施した富士川は速い。だが、モーターの取り替えなど彼女達には常識だ。亜仁もライディングソーサーのモーターを速いものに取り替えていた。

 「後ろに下がった?」

 富士川は不意に速度を落とし、後退する。そして、ズゴックに異変が起きた。

 『ビームラリアット!』

 ズゴックの腕からビーム発生。爪もビームになっている。

 「なにっ?」

 『このグリーンズゴックには多彩な改造が施されているんだ。ソースはてねびくん13月号、すごいぞわれらのスーパーロボット、グリーンズゴック編!』

 「架空の雑誌のソースなど、信用できるか!」

 亜仁はファングを飛ばす。しかし、ファングはすべて撃墜された。

 『ズゴックビーム!』

 「目からビームだと? なら、ファング!」

 『ファングはもうないだろ?』

 富士川が油断した瞬間、剣から刃が分離して飛んだ。スナツペズナイフみたいだ。ズゴックのモノアイを破壊する。

 『まだだ、たかがメインカメラをやられただけだ』

 レースは最終戦へ向かっていく。

 最終ラップとなり、レースは白熱。富士川と亜仁の一騎打ち。

 「インコム!」

 亜仁はガッデスの身体をバラバラにしてズゴックに襲い掛かる。両腕両足をリード線で飛ばし、ファングの代わりにしている。

 『どこのジオングだ……!』

 富士川はぶつくさ言いながらズゴックの膝からビームを出す。このズゴックはAGE1タイタスの武装をコンバートしてきたようだ。

 『ビームニーキック!』

 もはやライディングソーサーは置いてきぼり。ズゴックもガッデスもライディングソーサーを下りてバトルする。ライディングソーサーは勝手にどっかへ行った。

 ズゴックのニーキックが脚のインコムを破壊する。

 「脚なんて飾りだ!」

 亜仁はライディングソーサーが壁にぶつかって爆発するのを見送ると、叫んだ。

 「ファング!」

 『ファングはもう無いん……じゃ?』

 富士川は目を疑った。ライディングソーサーの爆発から赤いファングが現れたのだ。

 「シャーシとボディの間にファングを入れておいた」

 『魔改造過ぎる……!』

 人のことを言えない富士川だが、ファングが効かないのは実証済み。落ち着いて対処する。

 『ズゴックロングパンチ!』

 ズゴックの腕が伸びて、ファングを叩き落とす。まるでアッガイだ。

 「伸びた腕は隙になる!」

 亜仁のガッデスがリードで左腕を飛ばして腕を狙う。しかし、富士川はそれを予想していた。

 『ズゴックロケットパンチ!』

 ズゴックの腕はあらぬ方向へ飛んでいく。亜仁は富士川の狙いを理解した。

 「まさか、腕でゴールする気か!」

 『その通り!』

 腕はゴールへ向かっていた。

 「させるか!」

 亜仁のガッデスは背中から脱出装置を発射した。この脱出装置はコクピットで操作可能な分、ロケットパンチより有利だ。

 「いけーっ!」

 脱出装置はロケットパンチを追い抜く。先にゴールに着いたのは、僅差で亜仁。ロケットパンチは壁を破壊しながら進んだので、多少速度が落ちていたのだ。

 「やった! これでズゴック談議を聞かずに済む!」

 『なん……だと……?』

 この勝負は、舞羅津努麗の勝利に終わった。模型部はいろいろ自爆し過ぎだと後に灰音は語った。

 

 翌日 天上高校 廊下

 

 「何か足りない……」

 亜仁は生物の授業の後、物足りなさを感じていた。たしかに富士川は真面目に授業をした。しかし、なにかが違う気がした。

 何かが物足りない。ズゴック談議が足りなかったのだろうか。いや、それだけは認めたくない。

 「やっぱり何か足りないんだよな……」

 亜仁は教室に向かう足を止め、生物室に引き返す。天上高校は私立だからか、特殊な教室が多い。ビオトープを完備した生物室などがその例だ。

 そのビオトープに飾られていたズゴックなども撤去されていた。

 「先公……!」

 亜仁は生物室の扉を開けた。床に埋め込まれたビオトープを手入れする富士川の姿を亜仁は見つける。

 「忘れ物か?」

 「そうだ。忘れ物だ」

 富士川は亜仁を見ずに言う。亜仁も何気なく返す。

 「先公……」

 「なんだ?」

 やたら神妙な、というよりしおらしいようななんともいえない亜仁の態度に、富士川は一瞬戸惑う。何か話でもあるのだろうか。

 もしかしたら教材のプリントに縦読みでコッソリ『ズゴック』と入れたのがバレたのかと戦々恐々となる。約束を守ることに人一倍、亜仁が自他共に厳しいことは富士川も知っていた。

 「あれ……」

 「バレた?」

 「取り消しても……いいよ」

 「へ?」

 どうやら亜仁は縦読みのことに気付いてない。富士川は一度安堵したが、亜仁が何を言ってるのか解らなかった。

 「一体……何を?」

 「だから、昨日あれ。取り消してもいいよって……」

 亜仁は目を逸らしながら言う。若干、顔が赤くなってる様な気がしたが、富士川は見間違いということにした。

 「べ、別に私が何か物足りなさを感じたわけじゃないんだからねっ! クラスのみんなが物足りなさそうにしてたから……」

 「そうか」

 そう言って、亜仁は生物室を出た。富士川は釈然としないまま、ビオトープにズゴックを配置し始めた。




 ガンプラ図鑑
 HG00ガッデス
 悲劇のイノベーター、アニュー・リターナーのモビルスーツ。ケルディムのビットにも対応したクリアパーツ付き。

 HGUCザクⅠ HGUCグフ HGUCザクⅡ
 初期ジオン量産機は低価格で手に入り、加工の練習に最適! 量産機故に複数あっても困らない!
 きっと亜仁の舎弟は彼女が練習で作った機体を貰ったんでしょうな。ていうか、肩が赤いとかそれなんてレッドショルダー? むせる。

 ダンボール戦機 ライディングソーサー
 登場時は売れたけど、調子に乗ったバンダイが色違いやLBXとのセットを発売しまくったせいで在庫が余るように。LBX以外を乗せて楽しむ人急増。

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