魔法少女リリカルなのは~ヘタレ転生者は仮面ライダー?~   作:G-3X

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仮面ライダー電王&仮面ライダーシード+爆竜戦隊アバレンジャー ~明日への誓い~【第十二章】

「いっけえええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!」

 

名乗りを終えた直後、仮面ライダー達とアバレンジャーの面々の後方に居た、コハナの叫びを合図に12人の戦士達は一斉に駆け出し群がるホルダーモドキ達に対して、各自散開して攻撃を開始した。

 

「それ!」

 

「はあ!」

 

ガンフォームの電王が得意のダンスを披露しながら的確にホルダーモドキ達に射撃を命中させて、その怯んだ隙にアバレブラックがダイノスラスターで次々と斬り伏せていく。

 

「男を釣るのは趣味じゃないけど、ちょっとだけ釣られてみる?」

 

「は?おわっ!?」

 

先程とは少し離れた位置でロッドフォームの電王とアバレブルーが共闘していたのだが、電王がホルダーモドキの攻撃を捌きながら、普段から口にしている台詞と若干異なる言葉を口にして、近くに居たアバレブルーを宣言通り、デンガッシャー吊り上げてしまう。

 

「おい!?いきなり何をする!?」

 

「ほら、良い魚を釣るには餌が大事だからさ」

 

当然の抗議をするアバレブルーに電王は冗談交じりに返事を返すと、そのままデンガッシャーを勢い良く振り回す。

 

すると当然の如く吊り上げられていたアバレブルーも振り回され、その行為そのものが周囲に密集していたホルダーモドキ達にとっては驚異的な攻撃と化した。

 

更に其処から少し離れた位置ではアックスフォームの電王が、アバレイエローを肩の上に担ぎ上げている。

 

「キンタロスと!」

 

「らんるのどーんと行ってみるたい!」

 

二人はその言葉を合図に、次なる行動を開始する。

 

電王は、砲丸投げの要領で、足に力を込めながら振りかぶり、アバレイエローもそれに合わせて自らの重心を微調整していく。

 

「「ドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!」」

 

二人同時の掛け声をスタートの合図にして、電王がアバレイエローを投擲すると、まるで大砲の弾丸が如く、撃ち出された先に居るホルダーモドキ達を蹴散らした。

 

派手な戦いが行われる一方で、アバレキラーとウイングフォームの電王はお互いに背を合わせながら、無駄の無い動きで迫り来るホルダーモドキ達を撃退していく。

 

「やはり私にはこういった高貴さの無い戦いは似合わない様だ……」

 

「まだまだこんなもんじゃ、俺はときめかないぜ?」

 

お互いに会話を交わす気も無いらしく、二人は其々の世界に入りながら周りのホルダーモドキ達を次々と薙ぎ倒す。

 

彼等が多くのホルダーモドキ達を相手にする中で、残りの四人は他のホルダーモドキとは明らかに格の違う強敵に挑もうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うをおおおおおおおりゃあああああああ!!!」

 

雄叫びと共にモモさんが変身したソードフォームの電王が、デスモホルダーに対して正面から斬りかかって行くが、その斬撃は呆気無くデズモホルダーの手で受け止められてしまう。

 

だが俺達の攻撃がここで終わる筈が無い。

 

電王が敵の動きを抑えている内に、両サイドから俺とアバレッドが殴りかかって行く。

 

並みの相手であればこの連続攻撃を凌ぐのは難しい。

 

しかしデズモホルダーはこの俺とアバレッドの攻撃に、反応して見せたのだ。

 

俺達の拳が当たるよりも早く、腕の力だけで電王のデンガッシャーを押し戻して、俺の拳を片手で受け流しそのまま反転しながら今度はアバレッドの拳を横から弾いてしまった。

 

かなりの速度と力だが、まだ終わった訳ではない。

 

すぐに体勢を立て直した電王が再びデズモホルダーへと迫る。

 

だがそれすらも想定していたのか、デズモホルダーは再び電王が振り翳したデンガッシャーをいとも容易く受け止めた。

 

しかしこの防御の成功が、決定的となる僅かな隙を作り出す。

 

「今だ!」

 

電王は何の躊躇も無く、デンガッシャーを手放して、デズモホルダーの胴体へとしがみ付く。

 

「俺達も!」

 

アバレッドの声を合図に俺達も電王に続いて、デズモホルダーの両腕を押さえ付ける。

 

「良太郎君!!!」

 

もがき続けるデズモホルダーを、必死に押さえ込みながら俺は叫んだ。

 

俺達から少し離れた位置には、電仮面ソードを構えた良太郎君が変身したライナーフォームの電王の姿。

 

『モモソード』

 

『ウラロッド』

 

『キンアックス』

 

『リュウガン』

 

次々に四つの仮面を回転させていき、ライナーフォームの電王が駆け出すと、光るレールの上に飛び乗り更なる加速を得て此方へと迫って来る。

 

俺達三人は十分に距離が縮まった事を確認してから急いでデズモホルダーを離して飛び退いた。

 

「電車斬り!!!」

 

光る列車を纏いながら放たれた電仮面ソードの必殺の斬撃が、容赦無くデズモホルダーを捉えて、蓄積されたダメージの為か、身体中から火花を上げる。

 

『今の一撃でも倒しきれないとはな……』

 

全電王の中でも威力だけならば最大の威力を誇る一撃でも倒し切れなかった事に、メカ犬が驚愕する。

 

「それなら次はこれで決めましょう!」

 

アバレッドが宣言を上げながら、自身の武器であるティラノロッドを掲げると、他のホルダーモドキの大群を一掃した他のアバレンジャーと各フォームの電王の面々が俺達の傍へと集結を果たす。

 

デズモホルダーを目の前に、他のアバレンジャーの面々も其々の武器を翳して、五つの武器が新たな一つの武器を作り出していく。

 

その武器こそは、五人のアバレンジャーが揃った事で、初めて完成するスーペリアダイノボンバーである。

 

アバレッドが引き金に手を掛けて、他の四人が巨大な武器の重心を支えながら、その銃口をデズモホルダーに合わせた。

 

「必殺!」

 

全ての準備を整えると、アバレブラックが第一声を上げる。

 

「スーペリア!」

 

続いてアバレキラーが叫び、それを合図にアバレッドがスーペリアダイノボンバーの引き金を引く。

 

「ダイノダイナマイト!!!」

 

アバレッドの宣言と同時に撃ち出された灼熱の炎球が、デズモホルダーに見事に命中して、その全身から先程とは比較にならない大量の火花が上がる。

 

勝利を確信した俺達全員が、デズモホルダーで背を向けた直後、盛大な爆発音が背後から響き渡った。

 

これで取り敢えずの脅威は去った。

 

そう思い、俺が胸を撫で下ろした瞬間……

 

「あはははは!!!これで終わりじゃちょっと味気無いでしょ!だからもう少しだけ面白いイベントを用意してるんだ!!!!」

 

俺の耳にオーバーの笑い声と不吉な言葉が届く。

 

一瞬何を言っているのか理解が追い付かなかったが、この世界が何処なのかという事と、先程倒した相手がどんな存在だったのかという事を思い出して、俺はまさかと思いながら背後へと振り返る。

 

後ろには予想通り、アバレンジャーの必殺の一撃によって倒されたデズモホルダーの残骸が広がっていた。

 

そして俺が現実に起こらないで欲しいと思った出来事が、無常にも目の前で真実へと変わっていく。

 

デズモホルダーの残骸の至る箇所から、黒い霧が噴出して上空へと上がってまるで雨雲の様な形状となり、その暗雲から雨が降り注ぐ。

 

その雨に打たれたデズモホルダーの残骸は、俺達の目の前で急激な変化を起こし、俺達が子供の玩具に見えるであろうサイズの大きな怪物へとその姿を変えた。

 

「精々足掻いてみる事だな?」

 

俺達全員が驚愕する中で、デズモホルダーの巨大化を見届けたメルトはそう俺達に告げると、オーバーと共にこの場を去っていった。

 

「おいおい!?何かとんでも無いもんが来るぞ!?」

 

去っていった奴等を追う暇も無く、ソードフォームの電王が叫ぶ。

 

その声に反応して視線を巨大化したデズモホルダーに向けると、上空から巨大な足が俺達を踏み潰そうと降り注ぐ映像が俺の目の中に飛び込んで来た。

 

俺達は散り散りになりながら、その足の下敷きにならない様にその場から退避していく。

 

このままでは全滅も時間の問題だと誰もが思ったであろうその時、聞き覚えの有る独特な汽笛が周囲に鳴り響くと、時の狭間からデンライナーが姿を現した。

 

「よっしゃあああ!さっきの借りを100倍で返してやるぜ!!!」

 

低空を滑空するデンライナーにソードフォームを初めとする電王が次々に乗り込んでいく。

 

デンライナーはデズモホルダーの周囲を旋回しながら、各種のハッチを開けて怒涛の攻撃を開始するが、決定打となる一撃を与えられずに居た。

 

それを見かねてか、アバレキラーがトップゲイラーに搭乗してデンライナーを援護するが、それでもデズモホルダーの巨体は揺るがない。

 

この場に残った俺達に他に出来る事は無いのかと、必死に考えていたその時だ。

 

突如として地面が大きく揺れだした。

 

最初は地震かも知れないと思ったが、その原因はすぐに判明する事となる。

 

『守りたい明日があるから、私達は戦い続けるブラ』

 

アバレブラックのダイノコマンダーから渋い声が響き、急に周囲に影が差し空が曇った様に感じたが、実際に視線を上に向けた事で、別に天気が崩れた訳ではない事に気付く。

 

自身だと感じていたのは、その巨体を動かす度に発生する足音。

 

その正体である爆竜、ブラキオサウルスが遥か向こうに目視出来る橋を渡って、俺達のすぐ近くまで来ていたのだ。

 

「プラキオ!お前も来てくれたんだな!!!」

 

相棒の爆竜の登場に、アバレブラックが歓喜の声を上げる。

 

『勿論オレ達も居るテラ!』

 

「その声はもしかしてティラノなのか!?」

 

続いてアバレッドのダイノブレスにも、聞き覚えのある通信が入り、アバレッドは嬉しさと困惑を混ぜた様な感覚の声で、その通信相手の名前を呼ぶ。

 

その間に、橋の向こう側からやって来たプラキオサウルスの全身が開き、その中から新たな三体の爆竜が飛び出す。

 

先程アバレッドに話し掛けていた赤いボディーのティラノサウルスに、四本の足を忙しなく動かしながら地面へと降り立つトリケラトプス。

 

そして、上部から大空へと舞い上がるプテラノドン。

 

「トリケラ……」

 

「プテラ!」

 

アバレッドに続き、アバレブルーとアバレイエローも、久し振りに再会したパートナーの存在に歓喜する。

 

『お久し振りです。幸人さん。その後はえみポンさんとはどうですケラ?』

 

『らんる!アタシは最近好きな人が出来たプラ』

 

其々のダイノブレスを通して、世間話を開始する爆竜達だが、その勇ましくデズモホルダーへと向かっていく姿は何とも頼もしく見える。

 

『マスター!』

 

他のアバレンジャー達が続々と爆竜達に搭乗していく中、背後から俺を呼ぶメカ竜の声が聞えた。

 

振り向くと予想通り、メカ竜が居た訳なのだが……

 

「何でメカ竜がそんな物を?」

 

何故かメカ竜の脇には、アバレマックスの所有するスティライザーが転がっていた。

 

「実はあの爆発の後、気が付いたら近くにこれが落ちていたので、ボクがここまで運んで来たんですよ」

 

どうやらマックスフィールドで起こった爆発の際に、近くに落ちていたスティライザーを見つけたメカ竜が、アバレンジャーの皆には大切な物だと考えて、ここまで引き摺って来たらしい。

 

それは良いのだが……

 

「なあ、そのスティライザーさっきから光ってるんだけど……」

 

『え!?』

 

俺の指摘によって、メカ竜が振り向くと同時に、更に眩い光がスティライザーから発せられて、メカ竜の全身を包み込んでいった。

 

やがて眩い光が収まると、俺の目の前でとんでもない事が巻き起こっていた……

 

『何なんですかこれはああああああああああああ!?』

 

アバレンジャー達の爆竜並の大きさに巨大化したメカ竜が、俺の目の前で驚きのの声を上げていたのである。

 

何ですかと言われても、寧ろ俺が詳しく聞きたい位だ。

 

「なあメカ犬」

 

『何だマスター』

 

「お前達って巨大化出来たのか?」

 

『出来たのならば、もっと早くにしているだろうな』

 

「……そうだよな」

 

俺とメカ犬は、驚くという状態を超えて、逆に冷たい位に冷静に会話のキャッチボールを展開していく。

 

だがそんな現実逃避をしている訳にもいかないので、メカ竜がこうなった原因を考え始めると、一番に思い浮かんだのは、先程スティライザーから発せられた眩い光。

 

多分あの光の正体はダイノガッツだろう。

 

つまり俺の立てた推測では、スティライザーから発せられたダイノガッツの光を浴びて、メカ竜が爆竜に進化したのでは無いだろうか?

 

ここまで考えた俺自身がそんな馬鹿なと思うが、現状ではそれ以外に説明も付かないというのが痛いところだ。

 

「……そうだ!」

 

俺は確認の意味も込めて、メカ竜に搭乗しようと試みる。

 

当然ながら流石にそれは無理だろうという軽い気持ちで、試した訳なのだが……

 

『出来てしまったな……』

 

見事に爆竜式のコックピットに鎮座した俺に対して、メカ犬がただ其処にある真実を淡々と告げた。


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