雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
雁夜と綺礼、そしてケイネスが第四次聖杯戦争においてマスター間最後のとなる戦闘を始めたのと同じ頃。セイバーとバーサーカーが戦闘を開始した。
戦闘開始直後から、バーサーカーは『騎士は徒手にて死せず』 (ナイト・オブ・オーナー)で自身の宝具化した日本刀を用いた鋭い斬撃でセイバーに斬りかかる。
「A――urrrrrrッ!!」
そんな理解不可能な咆哮と共に繰り出される精巧なバーサーカー斬撃に、セイバーはまたもや苦戦を余儀無くされる。
「クッ‼」
前回の戦闘同様、奴は純粋なスピード、筋力、そして何よりも技量で数段私を上回っている...
しかし、何故なのだ...!?先刻の戦闘からバーサーカーが私の剣技を知っている様に感じるのは?
奴は私に所縁のある騎士なのか...?
このまま闘っても負けるだけ...尋ねておいても問題にはならないだろう...
そう考えたセイバーは魔力放出を行い、バーサーカーとの間合いを取ると尋ねる。
「その武練、さぞや名のある騎士として問わせてもらう。」
「この私を、ブリテン王、アルトリア・ペンドラゴンとして弁えた上で挑むのなら、騎士たる者の誇りを持って来歴を明かすが良い。」
「素性を伏せたまま挑みかかるは、騙し討ちにも等しいぞ‼」
セイバーがそう尋ねると、バーサーカーは不気味な笑い声をあげる。そんなバーサーカーの様子を見たセイバーは、呟く。
「貴様...」
しかし、その直後、バーサーカーを覆っていた己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)による黒い霧が消え始める
バーサーカーの素姓が明かされていく様子を見ていたセイバーは、驚きを隠す事が出来なくなってしまい、自己否定をする。
「そんな...!?」
しかし、セイバーの自己否定など関係なしに、バーサーカーの素姓は明かされていく。遂には、バーサーカーが自身の真の宝具、無毀なる湖光(アロンダイト)を具現化した。
「ア、アロンダイト!?」
「まさか、貴方は⁉」
アロンダイトを見て、確信に至ってしまったセイバーは失意のどん底に落とされてしまう。
「……Ar……thur……‼」
バーサーカーがそう叫ぶと、兜が割れ、今まで不可視であった彼の顔が遂に露わになった。
「サー・ランスロット...!!」
一方その頃、雁夜はバーサーカーが真の宝具、無毀なる湖光(アロンダイト)を開放した事による魔力負担の倍増化を感じていた。
遂にバーサーカーが真の宝具を開放したか...
負担が増えるのは承知の上だったが...
まさかこれ程とはな...
だが、まだ大丈夫だ。聖杯戦争を通じてなるべくバーサーカーには戦闘を控えさせて来た...
恐らくこの戦闘が終わるまでは持つだろう...
しかし、雁夜がそんな事を考えた時、壇上の聖杯から泥が溢れ出て来て、雁夜、綺礼、ケイネス、バーサーカー、そしてセイバーの全員を飲み込んだ。
ランスロットのアロンダイト開放によるステータス変化
筋力A+ ->筋力A++
耐久A+. ->耐久A++
俊敏:A+ ->俊敏A++
幸運B ->幸運B+
魔力C ->魔力C+
宝具A ->宝具A
単純なステータス強化に加えて技量も格段に上がります。
第七十二話です。
ランスロットがアロンダイトを開放し、ステータスがと魔力消費が急激に増加したところで、聖杯から泥が漏れ出し始めました。
全員、泥に飲み込まれたのですが、さて、どうなるのでしょうか?楽しみにしてくれると嬉しいです。
今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。