雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら   作:ワカメの味噌汁

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第七十一話

ギルガメッシュがライダーを乘離剣エアで貫き、二人の王の決闘に決着がつく数分前。雁夜、ケイネス、綺礼そしてセイバーが集った冬木市民会館では、既に三陣営による最終決戦が始まったところであった。

 

「さあ、始めようか。」

雁夜がケイネス、セイバー、そして綺礼に誘いをかける。勿論、誘いをかけるだけではなく、武装のバリステックナイフを取り出し、バーサーカーを現界させるのも忘れずに、だ。

 

「バーサーカー、セイバーを抑えてくれ。」

バーサーカーにそう命じると、雁夜は筋力強化魔術を行使し、全身の筋力を強化した。

 

雁夜が戦闘準備をしている間に、他のマスター達も同様の行為を行う。

 

「ああ。始めようではないか。」ケイネスはそう答えると、自身の魔術礼装、月霊髄液を展開する。

「Fervor,mei Sanguis」(沸き立て、我が血潮)

 

そして、初期設定をする

「Automatoportum defensio: Automatoportum quaerere: Dilectus inscrisio:Dilectus dissensio 」

 

また、綺礼も黒鍵に魔力を通して、刀身を編み出す。

 

いよいよ三人の戦闘準備が終わり、戦闘が始まった。

まず最初に動いたのは綺礼だった。

綺礼は、先程作り出した黒鍵の内の一本を雁夜に向けて投擲する。

 

予備動作からあらかじめ投擲を予測していた雁夜は、「防御」を意味するイチイの木のルーンと氷のルーンを組み合わせて氷の防壁を作り出す事で対処した。

 

しかし、その黒鍵が雁夜の作り出した氷壁に刺さったかと思うと、激しく燃え出した。

 

「火葬式典」。綺礼の投擲した黒鍵にあらかじめ施してあったそれには、突き刺さった対象を炎上させる効果がある。

 

切嗣の「起源弾」には絶大なアドヴァンテージであったルーン魔術の特性は、綺礼の「火葬式典」の前では仇となった。

そう、雁夜の作り出した氷壁は、作り出した瞬間から魔術の影響下にない物理的な氷壁として存在する。つまり、その氷壁の性質は通常の氷壁の物と変わらず、勿論燃やされれば溶けだす。

 

あの黒鍵...何らかの魔術を施してあるみたいだが、厄介だな...

雁夜はそう心の中で呟く。

だが...ルーンで作り出す氷壁は所詮、一時的な防壁だ...

もともと自分で「殺す」予定だった別にそれが壊されようが溶かされようが特に問題にはならない...

むしろ不意打ちがし易くなるため...こちらには好都合だ。

 

そこまで考えた雁夜は、バリステックナイフの刃の部分を綺礼に向けて射出し、更に拳銃で追加射撃を行う。

 

何だと...!?

綺礼は心中でそう呟くが、直に黒鍵を使ってバリステックナイフと銃弾の両方を弾き飛ばした。

 

二人が戦闘しているのを見ていたケイネスは言う。

「私の事も、忘れないでくれると嬉しいのだがね。」

「scalp!!」

ケイネスの命令を受けた月霊髄液は、ダイアモンドすらも容易に切り裂く水銀の刃となって雁夜と綺礼の襲いかかる。

雁夜と綺礼は、お互いに超人的な脚力で月霊髄液の攻撃を回避した。

 

雁夜、ケイネス、そして雁夜の戦いは続くのであった。




第七十一話です。

綺礼も原作より強化されているため、黒鍵に式典が付与されています。

今日も駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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