雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
雁夜が蔵硯を殺害してから一年弱あまりの時がたったある日、間桐邸に遠坂家当主−遠坂時臣からの使い魔が一通の手紙を持ってやって来た。
その手紙には遠坂家次女である遠坂桜が架空元素の属性を持つこと、またその属性の為に養子先を探していて、間桐を養子先の候補に考えて入ると書いてあった。
雁夜はその手紙に断る旨の手紙を返して、使い魔に持たせて送り出した。
雁夜が冬木入りして二年程度の時がたち、遂に雁夜が英霊を召喚する日が訪れた。
思えば短かった二年間を使って雁夜は間桐邸を人形の拠点としたり、他のマスターの潜伏先と思われる場所に使い魔を放つなどとして、着々と聖杯戦争に向けて準備をしていた。
勿論、聖杯戦争に向けて準備をしていたのは雁夜だけではない。他のマスター達も続々と冬木入り−元々冬木に根付いている遠坂とその弟子をしていた言峰綺麗を除くが−していた。更にそのマスター達も各々が選んだ場所に魔術工房を作製したり、御三家の邸宅に偵察用の使い魔を放ったりして確実に準備を整えていた。
セイバーのクラスで呼び出せると良いんだけどな
英霊召喚用の魔法陣を描き終わった雁夜はそう思い彷徨海の知り合いから譲り受けた聖遺物を祭壇に置く。円卓の騎士のなかでも随一と呼ばれた騎士、サー・ランスロットをセイバーのクラスで呼び出せれば、聖杯戦争に置いて大きなアドバンテージとなるだろう。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
「閉じよ(みたせ)。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
魔法陣が光り、その中心に漆黒の鎧を身につけた騎士が現れた。
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」
狂戦士のクラスで現界したその騎士は言うが、狂化されているため言葉になっていない。
クソッ、よりにもよって魔力消費が馬鹿にならないバーサーカーのクラスで現界するだと
雁夜は思う。
雁夜は天才と言われる魔術師であるがそれは肉体改造魔術との異様なまでの好相性による物であり、魔術回路は数、質共に平凡の域を出ない。
魔術回路を改造魔術で改造するか?
雁夜にそんな案が浮かぶがリスクが高過ぎる。しかし魔力が枯渇しそうになる可能性が高いので、最終手段として残しておくには悪い手ではない。
いつまでもバーサーカーで現界した事を嘆いている訳にはいかない。雁夜は戦略を立てる為にバーサーカーのステータスを確認した雁夜は、驚いてしまった。
強い。
純粋にそう思う。
さて、この強力なサーヴァントをどう運用しようか。
雁夜は考えるのであった。
〜おまけ〜
クラス:バーサーカー
真名:サー・ランスロット
身長:191cm
体重:81kg
属性:秩序・狂
ステータス
筋力A+
耐久A+
俊敏:A+
幸運B
魔力C
宝具A
クラス別能力
狂化:C
保有スキル
対魔力:E
精霊の加護:A
無窮の武練:A+
宝具
騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)
ランク:A++
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:30人
己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
無毀なる湖光(アロンダイト)
ランク:A++
種別:対人宝具
レンジ:1〜2
最大捕捉:1人
第十七話です。
ランスロットが強過ぎですね。
魔術師として三流以下の雁夜が召喚してあれだったら、一流の魔術師が召喚したらどうなるんでしょうか?
今作ではとりあえず筋力と耐久をAからA+にしました。
対軍宝具がないのでパワーバランス的には大丈夫だと思います。
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。