雁夜が直死の魔眼使いでそれなりに強かったら 作:ワカメの味噌汁
この話に出てくる人形は雁夜が作った、魔術回路がギリギリ開いている雁夜です。
蔵硯を殺した後、雁夜は間桐邸に爆発の被害状況を調べるために自身の使い魔を放った。外見は全くと言って良い程変わっていなかったのには驚いたが、恐らく蔵硯が蟲蔵に結界を張っていたので蟲蔵以外には被害が出なかったのだろうと、納得する。
鶴夜を除けばまさに蟲一匹もいないその家に使い魔を侵入させる事は比較的容易だったので、調査は楽に終わった。
調査の結果として、雁夜は以下の三点を確認した。
・蔵硯とその蟲は全て爆発と炎で死滅した。
・間桐邸自体は蔵硯が蟲蔵に張っていた結界のお陰でそれ程被害が出ていないこと。
・間桐邸自体は使用可能だが、爆発の衝撃が強過ぎたため、蟲蔵はもう使い物にならないこと
さて、どうしようかと雁夜は考える。
間桐邸に移っても良いがそれでは他のマスター達に自分の居場所を知らせることになってしまう。だが、間桐邸に残された結界やトラップは有効利用可能である。
長考の結果間桐邸は聖杯戦争中盤、つまり雁夜の作った人形が破壊されるまで拠点にすると決めた雁夜は、自身の作った人形に意識をシンクロさせ、間桐邸に向かい出発するのであった。
雁夜が間桐邸に向かって歩いている時、衛宮切嗣はアインツベルン邸で聖杯戦争に関する情報の整理をしていた。
「集めた情報を整理してみよう。アイリ。」
切嗣はプリンターが吐き出した資料を眺めながら言う。
「聖杯が選ぶ七人のマスターの内、現在判明しているマスターは四人。まず一人目は遠坂時臣。遠坂家当主。火の属性で宝石魔術を使う手強い奴だ。御三家の内の一人でホームアドバンテージがあるこいつは魔術工房に穴熊を決め込んで出てこないだろう。」
切嗣は続ける。
「二人目は間桐雁夜。十数年前に当主を継ぐのを拒否して出奔した落伍者だ。出奔から現在に至るまでの足取りが一切掴めなかったのは奇妙だが、所詮は落伍者。そこまで警戒する必要はないだろう。」
「三人目はケイネス・エルメロイ・アーチボルト。時計塔で一級講師をしているこいつは水と風の二重属性を使う魔術師で、今回のマスターの中での魔術の実力は間違いなく一番だ。しかもこいつは、数年前から実戦経験を積んでいて、中々の成功を修めている。間違いなく強敵になるだろう。
切嗣は説明を続けようとした。
「そして四人目のマスターは「衛宮切嗣。アインツベルンが招いた最強のマスター。」
アイリスフィールが遮った。
「はは…」
切嗣は優しく微笑む。
恐らく人生最後の戦いになるだろう聖杯戦争に臨むための決意を胸にしながら。
第十六話です。
聖杯戦争ね前にマスターの戦力を確認する為に書いたのですが、切嗣の説明では明らかに足りませんから、後書きに各マスターの戦力を書かせて頂きます。
衛宮切嗣
セイバーのマスター。「魔術師殺し」の異名で知られるフリーランスの暗殺者で、手榴弾やキャレコM950などの現代兵器を使う。また魔術師でもある切嗣は固有時制御も用いて戦う。切り札は起源弾。舞弥をサポーターとして従えている。
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
ランサーのマスター。名門アーチボルト家の九代目当主で時計塔で一級講師を務める。魔術師としての能力はとても高く、礼装の月霊髄液を用いて戦う。雁夜に感化されて実戦経験も積んでいたため、戦場での常識がある。その為、人質に取られる可能性があるソラウはイギリスに残して一人で参戦。
遠坂時臣
アーチャーのマスター。時坂家当主で才能は平凡の域を出ないが努力で優秀な魔術師になる。火の属性の宝石魔術を使い戦う。ホームアドバンテージがある為、基本的には工房から一歩も出ない。
ウェイバー・ベルベット
ライダーのマスター。魔術師としての家系が浅く、魔術師としての才能はない。戦闘はライダー頼り。
雨生龍之介
キャスターのマスター。偶然回路が開いた一般人。冬木を騒がせる連続殺人事件の犯人
言峰綺麗
アサシンのマスター。教会の元代行者で、暗殺拳にまで昇華した八極拳と黒鍵を用いて戦う。魔術師としては初等魔術を修めている。
蒼崎雁夜
バーサーカーのマスター。彷徨海で講師をする魔術師。魔術回路の数、質ともに中の中程度だが、肉体改造魔術との相性がとても良い。脳を改造しているため、脳のキャパシティが高い。基本の戦闘スタイルは直死の魔眼と筋力強化魔術の併用をルーンでサポートするというもの。人形二体を用いる。
雁夜人形について。
雁夜人形には魔術回路がついていて、ある程度は開いていますが雁夜は魔術師であることを隠す為にこの人形とシンクロしている間は魔術を使いません。
主な戦闘手段はナイフで、強さは舞弥ぐらいです。
あとは原作とほとんど変わりませんが、変わる時はその時に補足させて頂きます。
今日も駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。