感想にて、考察が変じゃないか? と意見を頂きました。
他にも同じように考える方が多いのではと判断し、その回答として私が書いた文をそのまま此処に掲載させてもらいます。
興味がある方は、これも参考にしてもらえたら幸いです。
始めに、感想を書いて頂きありがとうございます。
まず謝罪させてください。ライダーの過去話を書いた時に、この世界は作者が考えた平行世界としますってのを見えるところにも書いておくのを忘れてました。すみません。
あと作者はPC版のFateとアトラクシアしか実際に読んでいません。ここら辺はご容赦を。
さて、様々なご指摘を戴きました。
全体的にサーヴァント・宝具の能力が低過ぎるとの事でしたが、私がこう考えた事には幾つか書いていない理由があります。
※作者は基本的に『月姫研究室 様』、『TYPE-MOON Wiki 様』のデータサイトをソースとして拝見させて頂いています。
●月姫&Fateと『Fate Zero』では公式発表の強さが完全に矛盾している。
『プレミアムファンブックにて、きのこさんがサーヴァントを戦闘機一機分と述べる。個人で対抗するには巨大すぎるが、街を壊滅させるには複数回の補給を要するとの事。よって単純な破壊力では近代兵器の方が上回る物が多いが、しかしサーヴァント達は基本的に霊体であるが故に通常攻撃が効かないので未だに最強だとの事。
ちなみにサーヴァント一騎あたりの力はアルクェイドの四分の一程度(猫アルクとの比較の場合だと二分の一だそうです。で、彼女と戦った場合二対一であればひとりが堪えている間にもうひとりが……といった感じで勝つ事も有り得ないではないようだ。
なお、この例え話におけるアルクの出力はコンプティーク2005年9月号掲載の無限の解析によれば、30パーセントを想定しているとの事。』
※サイト・月姫研究室 様より
ちなみにこの”無限の解析”はきのこさんも参加している。
しかし月姫のアルクェイドが墜ちて100%の性能を発揮した時、その速度がF-1並みの時速360キロというのが作中の描写から分析されており、並の人間の10倍、志貴やシエル先輩クラスと比べても数倍の速度との事。
このように、きのこさんの”サーヴァント一騎あたりの力はアルクェイド(本来の30%)の四分の一程度”という発言と、Fate Zero基準の音速突破したサーヴァントの能力は明らかに矛盾しています。
ですが、そもそも『Fate Zero』という作品自体がTYPE-MOONの純正作品ではなく、ニトロプラスとのコラボレーション作品であり、熱いアクションをウリとする虚淵玄 先生が執筆された作品です。
公式サイトにも”虚淵玄版のFate”と明記されているように、基本的にFate Zeroはサーヴァントの能力的に、世界自体が平行世界的な別物と考えて良いかと。
●士郎がアーチャー・ギルガメッシュ・数合とはいえバーサーカーと打ち合えている。
士郎がアーチャーの技術を得たのは分かるが、基本的なスペックそのものが変わるわけではない。指摘された投影で属性・剣に関係ない”筋力”を写し取るなんて真似をしていない状態でも、サーヴァントと武器で打ち合えている。
特にギルガメッシュの筋力Bと、まともに正面から切りあって負けていない時点で若干おかしい。士郎は固有結界を展開中で、他の強化魔術も平行起動するほどの余裕や器用さは無いかと。
確かに技術は力の差をある程度埋めるが、それは所詮ある程度でしかない。物には限度というものがあるのだ。幾ら技術があったところで、通常の学生の腕に一トン以上の衝撃負荷が一度ならず何度も掛かれば、骨や関節が間違いなく砕けてしまうだろう。しかもギルガメッシュ戦に至ってはアヴァロンすら持っていない状態である。
ちなみに士郎のスペックは、
・ちょっと鍛えた身体
・魔力弱
・魔術は基礎の基礎すら知らず、投影は回路がそれだけに特化してるから、辛うじて可能
二次創作でよく見る“経験を写し取った。だから持ち手のように戦える”。
これ、魔術魔術で済ませないなら、恐らく別の属性の魔術となると思われる。
少なくとも属性が『剣』で無いのは確実だろう。『模倣』、とかになるだろうか?
重箱の隅をつつくようで、書いてて自分でももういいじゃんと思うが、つまりは演出なんだろう。
●宝具について
あまり大きい威力とは作者は考えていません。
理由を幾つか挙げると、まず目立ち過ぎという点。幾ら隠蔽工作があろうとも、毎日のように爆弾が爆発したような音が連続し、挙句、夜に極太の光の柱が街中から立ち昇れば幾等なんでも隠蔽は無理である。ましてや雲なんかぶち抜こう物なら一撃でバレるだろう。マスメディアは大喜びである。
しかも夜に最初から宝具を撃って勝負を決めるのではなく、ご丁寧にも散々あちこち吹き飛ばして轟音を立ててから、一番目立つ宝具を使用している。ストーリー上仕方が無いのだろうが、分析する側としては前提である”隠蔽が出来るレベル”の戦闘であると考えます。
正直、魔術協会の敵である聖堂教会の監視下でそんな事をするのは、魔術協会の本部へ行って”秘匿なんてクソくらえ!”と叫ぶのと大して変わらないと思う。間違いなく暗殺者が大挙して押し寄せ、管理人である遠坂家は処理されるだろう。
次に意外とエクスカリバーとエアの被害が低い事が挙げられる。
作中ではセイバーが何回もエクスカリバーを使用している。相手はわりとギルガメッシュが多い。最初は手加減エアで迎撃されて、押し返されて吹き飛ぶ羽目になったが、その激突ですぐ脇に転がっていた人間(士郎)が全くの無事だったのである。
エアが近距離にいる唯の人間を砕かないほど攻撃範囲の狭い武器とは、英霊の運動性から考えても可能性が低く、ギルガメッシュがわざわざ配慮するとは尚更に考え難い。
エクスカリバーを押し切った手加減エアの余波ですらセイバーを瀕死に追いやった。士郎が生きているのが不思議である。
寺でセイバーへの止めもそうだ。
一度は妻にと望んだ相手を殺すのにあのギルガメッシュがみみっちく手加減するとは思えない。放たれたのは全力の『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』だろう。
対してセイバーの防御手段は『全て遠き理想郷(アヴァロン)』。使用者を別世界に隔離して被害をシャットアウトする宝具だが、当然ながら一人用である。
仮にも対界宝具に分類されるエアの全力が、人一人分の範囲しか攻撃しないという事はまさかあるまい。盛大に色々と巻き込んだはずである。
にも拘らず、そういった副次的な被害描写は作中見渡しても殆んど見受けられず、山中の洞窟も崩れていない。
またエアが作り出す空間断層も、数メートルから数十メートル程度なら許容されるかもしれないが、仮にも世界自体をあまりに大きく切り裂いた場合は、即座に抑止力が出現する可能性が高いかと。抑止力は確実に勝てる戦力で現れるので何が出るかは分からないが、もし出現したら確実にギルガメッシュは捻り潰されるだろう。
世界”ガイア”の修正は世界の一部を変質・塗り潰す固有結界も修正してしまうとある。固有結界に時間制限があり、展開後の維持に大量の魔力が必要なのも修正に対抗しているからだ、とか。
ちょっと塗り潰しただけでこれなのに、時空間レベルで大きく引き裂いたりしたら……。
世界もエアだけ優遇してはくれないんじゃないかな~、と。
抑止の守護者は人が大きく死ぬと出現し、世界の抑止力は世界のシステムに逆らうと出現する。システムは世界の維持が目的の型月世界で文句無しに最強の存在であり、世界を盛大に切り裂こう物ならそれはそれはおっかないのがやってくるだろう。
■ところで27祖が三騎士なら安心とかどっかに書いてあったでしょうか? そもそも心臓貫いたり体を消し飛ばしたりした程度じゃ殺せないのが27祖じゃ……
公式発表は無いが、アルテミット・ワン タイプ・ガイアではないかと言われる第一位・プライミッツ・マーダーは、そもそも守護者7騎いないと対抗できないってのが、冬木の聖杯戦争のモデルになったと大手の解説サイトだと書かれています。(月姫研究室 様、TYPE-MOON Wiki 様)
※アルテミット・ワンは星の意思の代弁者であり、その星全ての生命体を殲滅できる能力を有する、とある。
他にも水星のアルテミット・ワンにして型月世界で次元違いの戦闘力を誇る最強生物『ORT』を始め、死徒の能力を得た魔法使い『キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ』、”死”そのものを与えられてから復活できるアルクェイドの姉である『アルトルージュ・ブリュンスタッド』、最高で666の幻想種が出せる、まともな状態のアルクですら殺しきれないとされる『ネロ・カオス』、勝つ負ける以前に単なる事象となっている『ワラキアの夜』、一対一ならほぼ確実に相手を消去できる五次真アサシン発展系能力を有する『エル・ナハト』。
彼らにアルクェイドの四分の一、プライミッツ・マーダーの七分の一とか言われてるサーヴァントが対抗できるとは到底思えません。
そも”平均的サーヴァント相手にガチンコが可能な存在は?” という疑問に対して、コンプティーク2005年9月号掲載の無限の解析におけるきのこさんが、『27祖ならほぼ全員』と回答しています。戦えないのは人形師である『ヴァン=フェム』のような、戦闘自体に向かない27祖かと。
―――書いてるうちに何書いてたか分からなくなってきた……。
とりあえず、PC版Fateを基準に若干のリアル補正が入ったオリジナル世界と考えて頂ければ幸いです。
駄文が長くなりましたが、沢山の問題点の指摘とアドバイスをありがとうございます。
次からは、情報のソースを明記して頂ければ助かります。
このような好き嫌いの分かれそうな作品ですが、もし御眼鏡に適いましたら、また読んでいってください。