プロローグに登場したキャラはなんとなくわかりますよね？
"お前は鑢か？"
そう問われ そうだ と返してから何年経ったか。
今目の前で全裸で眠ってる女
「起きろ」
「ん～嫌だ」
「起きてんじゃねぇか」
「起きとらんぞ」
「ちっ、面倒くせぇ」
「なんだ？その物言いは目の前で極上の女体が全裸でいるというのに」
「はっ、毎日添い寝していただけたら面倒にもなるよ」
「これだから童貞の坊やは」
「その童貞を食った奴が何をほざいてんだか」
「そうだったな、お前は立派な大人だ」
「早く離れろ、朝飯が作れん」
「仕方ない美味しいのを頼むぞ
「わかってるよ
朝食を作る基飯全般は俺が作っている。
ガキの頃に救ってもらった手前、頭が上がらない。
まぁ、あの性格に色々助けられているから余り文句は言えねぇか。
色々助けてはもらっているがたかだか１０歳のガキを食う奴があるかってんだよ！
思い出すとイライラしてきた。
「何が極上の女体だっての」
「まだか～」
「もうちょっとだ」
俺の声を聞いて大人しく待っている紅緋。
ホント、黙ってりゃいい女なんだけどな。
中身で損してるな。
「八交何かいらん事を考えてないか？」
「べっつに～」
そういながら今日の朝食を並べていく。
秋刀魚の塩焼き
味噌汁
卵焼き
小松菜の胡麻和え
かしわご飯
我ながらなかなかの出来だと思う。
「「いただきます」」
食事を始める
「八交」
「んだよ」
「卵焼き」
「……」
「た・ま・ご・や・き！」
「そんなに声出さなくても聞こえてるよ！」
「よ・こ・せ！」
「……ほら」
「ありがとう！」
「どういたしまして」
はぁ、最後のありがとうぐらいな感じでずっと素直ならかなり助かるんだけどなぁ。
その後も何気ない会話をしつつ箸は進み。
「「ごちそうさまでした」」
「んじゃ、学校に行ってくるわ」
「ん？もう行くのか？」
「今日はちと予定があってな」
「女か？学校でするのはいいが気をつけろよ？」
「はぁ、なんで女イコール性交なんだよ？」
「それ以外にすることがあるのか？」
「さぁな」
「まぁいいさ、気をつけてな」
「……」ヒラヒラ
後ろ手に手を振って学校に向かう
「でこんな朝早くから俺を
「いやね、鑢君は武術か何かやってそうな身体付きだったから少し手合わせしてみたくて」
「
「ただ、僕は強くなりたいだけだよ」
「俺がお前より弱いって可能性は考えてないのかよ」
「その時はその時だよ」
そうやって微笑む木場
微笑む姿だけ見てたらどんな韓国ドラマだよ言いたくなるけど、そこに木刀があったらなぁ～。
常日頃から笑顔を振りまいてるからお前は”陽の貴公子”なんて呼ばれるんだよ。
まぁ、流すか。
「じゃあ、僕から行かせてもらうよ」
「……」
木場突っ込んできてから小一時間
俺は畳の上で大の字で寝っ転がっている。
木刀を振り下ろされては流し
木刀を切り上げられては躱し
木刀を横薙ぎに振られたのを止め
ある程度したら飽きたのでわざと食らって寝そべって降参の意を示した。
「はぁはぁはぁ」
「降参降参、いやぁ～参った」
「ふざけているのかい？」
「俺はな攻めるの苦手なんだよ」
「……そうなんだ、また手合わせをしてもらってもいいかな？」
「今日以上の事なんてないぞ？」
「色々勉強になったからまたお願いしたいんだ」
「あぁ～まぁ予定が空いてたらな」
「よろしく、鑢君」
手を差し伸べてくる木場
「さっきも言ったが予定が空いてたらな」
木場が今まで駒王学園でぼっちだった俺の初めてのダチになるのはもう少し先の話
お読みいただきありがとうございます。
感想等お待ちしています