ハイスクールD×D 古今無双の系譜   作:解読

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ごめんなさい

ハイスクールD×Dの撮り溜めしていたアニメを見ていたら衝動で書いてしまいました。




プロローグ

「今も昔竹取の翁って聴いてるかよのよぉ~赤蜥蜴」

 

傷だらけでボロボロの服を着た男が言葉を投げかける。

 

「赤蜥蜴というな下郎」

 

傷だらけの全裸の女が毒を返す。

 

「ふっ、これってよぉ~俺の勝ちでいいよなぁ?」

 

そう問うてから服の一部を破り止血をするために左腕に巻く。

 

「……でいい」

 

「あぁ?なんて言ったよぉ?」

 

「勝ちでいいと言ったんだ!」

 

「ひひっ、じゃあ俺の願い事一つ聞いてもらうぜ」

 

男は立ち上がり腹に穴の空いた女を見下ろしながら笑う。

 

「好きにするといい」

 

「言ったな赤蜥蜴」

 

男は女に背を向ける。

 

「……犯さないのか?」

 

「ハッ、俺は嫁さん一筋なんだよ!」

 

「……」

 

「てめぇに頼みたい事はな、俺の子孫の事だ」

 

男は肘下からなくなった左腕を握り締め笑い顔から一転、空虚を気だるそうに睨みながら言葉を吐き出した。

 

「私にお前の一族のお守りをしろと?」

 

「ちげぇ~よ。何代先になるか分かんねぇけどよぉ、ガキのうちに天涯孤独になっちまう俺の家族が居るらしい」

 

男は一筋の涙を流す。

 

「占い師のそんな世迷い事に私は付き合わされる訳か」

 

「てめぇに家族がいないからそんな事が言えんだよ、赤蜥蜴」

 

「……家族か」

 

「頼むぜぇ」

 

男はそう言って己の愛する妻と子がいる家に歩を進める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その約束が交わされてから時は過ぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黒猫さんも一人?」

 

男の子が傷ついた黒猫に声をかけた。

 

「……」

 

「生きたい?それとも死ぬ?」

 

「にゃぁ」

 

弱々しくもしっかりとした声で鳴く。

 

「生きていてもロクな事なんてないよ」

 

「にゃぁ」

 

男の子の無気力な声にしっかりとした声で返す黒猫。

男の子は何を思ったか黒猫に手を伸ばす。

 

「にゃ!」

 

「……手当をするだけ」

 

黒猫に翳した手に淡い光が集まり、傷口を塞いでいく。

 

「にゃ~」

 

「俺ができるのはここまで」

 

そう言ってから男の子は立ち上がり去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

この出来事から幾ばくの時が過ぎ

 

 

 

 

 

 

男の子は神社続く階段を上っている

 

(賽銭箱にお金を投げつけてやる)

 

ハイライトの消えた目そして少しつり上がっている口角。

あともう少しで階段を登りきる所で

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

叫び声が上がる。

 

「っ」

 

目に色が戻るがそれも一瞬ですぐに色がなくなる。

男の子は地を蹴り、風を切る速度で駆ける。

そして、目にしたのは刀を振り上げる男と周囲を囲む男達。

その中心には、何かを抱きしめるように蹲る黒髪の女性。

 

 

振り下ろされる刃

 

 

間に入り裏拳にて刃を折り弾く。

 

「な!?」

 

「どこから入ってきた!!」

 

「結界はどうした!!」

 

「……」

 

男達が叫んでいる中、男の子は目の前にいる少しの間見つめた後振り返り男達を見る。

 

「子供だけでこんな所に来ちゃいけないじゃないか」

 

男の一人が笑みを浮かべながら男の子に近づいた。

右手を背に隠し、手には小刀を握っている。

 

「……」

 

男の子はだた見つめる。

 

「いい子はお昼寝の時間だよ!」

 

声を上げ隠していた右手を振り上げるその瞬間

 

 

 

男は絶命した。

 

 

 

顔は声を上げた時のままで振り上げた腕はゆっくりと垂れ下がる。

その男の胸には男の子の右腕が”刺さっていた”

 

「アハッ、アハハハハハハハ!」

 

男の子は嗤い声を上げていた。

 

「な!?よくも」

 

刀を持った男の顔が宙を舞った。

紅い華が一つ咲いた。

 

「アハハハハハハハ!!」

 

男の子は笑いながら蹂躙する。

 

 

ある者は心臓を体外で潰され

ある者は頭を真っ二つに割られ

ある者は上半身を下半身から切り離され

ある者は頭を踏み潰され

ある者は胴体のみにされ

 

 

男たちは声を上げるまもなく絶命していく。

男の子は返り血を浴び真紅に染まっている。

 

「あはっ♪」

 

目から一筋の光るものが流れ落ちた。

 

「……」

 

男の子は先ほどうずくまっていた女性の方を見る。

女性は男の子を見つめ泣いていた。

そして、その女性の腕の中から幼い瞳が男の子を見ていた。

 

「っ」

 

男の子は逃げ出した。

 

「待って!!」

 

女性が叫んだが男の子は止まらず走り去った。

 

 

 

 

走る奔るはしるハシル

 

「はぁはぁはぁ」

 

自らの両手を見

 

「あああああぁぁぁあああァァァァァ!!!!!」

 

ただ叫ぶ。

その空虚な目から涙を流しながら叫ぶ。

 

「そう叫ぶな」

 

女性が立っていた。

 

「一ついいか?お前の苗字は」

 

 

 

 

 

 

 

 

                ”(やすり)か?”

 




お読みいただきありがとうございます

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