「ふむ、雑魚だったな」
「まぁ確かに弱かったな」
彼らの行動をダイジェストでお送りするとこうなる。
大兎が月光を抱えてダッシュ。
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クラーケンに喧嘩を売る。
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降参するまで大兎がひたすら殴る蹴るの暴行を加える。
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ペルセウスの挑戦権の片方を手に入れる
「で、十六夜の手助けして帰るか?」
「なぜ俺があんな負け犬の手助けをしなければならない。失敗したらあいつが無能だった、それだけのことだろうが。そんなことも分からないのかゴキブリにも劣る陸上生物の汚点め」
「あーはいはい。後で絶対ぶっ飛ばす」
「はっ!いいからさっさと本拠地まで運べ」
鼻で笑ったあと月光は大兎の後ろにあるリヤカーに乗る。大兎はため息をつくと本拠地に向かってリヤカーを引っ張り始めた。
二人が挑戦権を手に入れてから三日、ルイオスが黒ウサギに条件出して五日がたっていた。
飛鳥、耀、黒ウサギが黒ウサギもレティシアもペルセウスに渡さない方法を考えていたとき。いきなり部屋のドアが吹っ飛んだ。
「邪魔するぜ」
十六夜がドアを蹴り破ったからである。それについて黒ウサギが怒るのだが省略させてもらう。
「十六夜、どこいってたの?」
「ん?ゲームしに行ってたんでスヨってな。戦利品見るか?」
十六夜が風呂敷から大きな玉をひとつ取り出す。と、同時に黒ウサギの部屋に月光と大兎が入ってきた。
「あー疲れた」
「あの程度の距離を走った程度で疲れるだと?このゴキブリ以下の」
「はいはい、後で話は聞いてやるから。黒ウサギ俺らからもプレゼントだ」
大兎が黒ウサギに十六夜が持っている玉とよく似たものを渡す。
「こ、この二つはまさか!」
「そう、そのまさかだぜ黒ウサギ。さて、交渉は任せたぞ黒ウサギ」
そうして十六夜は獰猛な笑みを浮かべながら
時は進み、現在ノーネームの七人はギフトゲームを開始しようとしていた。
しかしそのゲームのルールが厄介だった。〝敵に姿を見られてはならない〟というものだ。なので役割を決めることが必要になる。囮と露払い、索敵、ゲームマスターの打倒の三つだ。
「不可視の敵は春日部に任せる。お前の五感の鋭さならやれるだろ」
「黒ウサギはゲームに参加できないので、ゲームマスターは大兎さん、月光さん、十六夜さんにお願いします」
「あら?それなら私が囮なのかしら?そもそもあの男にそんなに人数がいるの?」
不満そうな声を出した後、疑問を口に出す飛鳥。それに黒ウサギが答える。
「ルイオスさん自体は強くないのですが、問題は彼が所持しているギフト。黒ウサギの予想が外れていなければ彼の持つギフトは――」
「「隷属させた元魔王」」
月光と十六夜が同時に答える。するとその直後に互いににらみ合う。
「俺の声にかぶせるなゴミが」
「こっちの台詞だ自称天才君?」
「「ああ゛ぁ゛?」」
「はいはい、やめろお前ら。今からゲームだろうが」
その後詳しい説明を十六夜と月光が(罵倒しあいながら)行い、黒ウサギは驚愕のまなざしで二人を見つめる。
「十六夜さんと月光さんって実は知能派だったりします?」
「誰に口を聞いている。俺は天才だ」
「おいおい、俺は生粋の知能派だぜ?現に黒ウサギの部屋のドアをドアノブに触れずに開けただろ?」
「……いやいや、黒ウサギの部屋のドアノブは壊れてましたよ?」
「そうか、でも俺はこの門も手を使わずに開けられるぜ?」
「……参考までに方法をお聞きしても?」
「そんなもん、こうやって開けるに」
先の予想ができた黒ウサギはあきれたようにため息を吐き、飛鳥と耀は楽しげに笑い、大兎はいつものように苦笑を浮かべ、月光は不愉快そうな顔をした。
「決まってんだろ!」
轟音とともに門が破られゲームが始まった。
vsペルセウスなのに戦ってないとか、更新が遅すぎるなどの文句は山のようにあるでしょう。甘んじてその批難を受けるつもりでございます。
次の投稿が早くなることを願って。
この作品を読んでいただき、ありがとうございます!