鴉と黒ウサギが異世界から来るそうですよ!?   作:黒須 紅

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雑魚戦だそうですよ?

『ギフトゲーム名〝FAIRYTALE in PERSEUS〟

 

 ・プレイヤー一覧 鉄 大兎

          紅 月光

逆廻 十六夜

          久藤 飛鳥

          春日部 耀

 ・〝ノーネーム〟ゲームマスター ジン=ラッセル

 ・〝ペルセウス〟ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

 

 ・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒 

 ・敗北条件 プレイヤーのゲームマスターによる降伏。

       プレイヤー側のゲームマスターの失格。

       プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせななった場合。

 

 ・舞台詳細・ルール

 *ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはいけない。

 *ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。

 *プレイヤー側はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはならない(、、、、、、、、、、、)

 *姿を見られたプレイヤーたちは失格となりゲームマスターへの挑戦権を失う。

 *失格となったプレイヤーは挑戦権を失うだけでゲームを続行することはできる。

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。

                               〝サウザントアイズ〟印』

 

 このゲームにおいて戦場となるのは居住区も含めた(・・・)ペルセウスの本拠である。加えてリーダーとなって日が浅く、やる気もないルイオスは手に届いていた『挑戦権が奪われた』という知らせを確認していなかった。そのため私財である豪華な調度品や高価な美術品などがそのまま残っていた。そこをノーネームは突いたのだった。

 

「このままでは財産と一緒に一階が水没するぞ!」

「だが、ルートが限られていて近づけん!」

「水樹よなぎ払いなさい!」

 

 ギフトを《支配》するギフトを持った彼女―久藤飛鳥によって。彼女のギフトは少女の人生という時間すべてを使って《支配》へと性質を変化させていた。是としか答えない世界は要らない。だけどこれまでの力を捨てるのは惜しい。そう考えた彼女が選んだのがギフトを《支配》するという道。

 

(今はまだこの水樹が精一杯だけど、いつかはもっと強いギフトを操ってみせる。だから、今は……)

「彼らをまとめて押し流しなさい!」

 

 少女は《覚悟》をもって戦い(ゲーム)へ挑む。

 

 飛鳥が敵をなぎ払っている頃、飛鳥と大兎を除いた全員は順調に道を進んでいた。ペルセウスの伝説にある不可視の兜を被った敵も、獣並みの互換を持つ耀の前では無力だったからだ。しかし彼らが歩いていたとき、いきなり耀が殴り飛ばされた。

 

(姿もなく、気配もなかった?まさか本物を持ってる奴がいるってのかよ!)

 

 舌打ちしながら耀を抱え逃げる十六夜、しかし姿が見えている耀を抱えると居場所が特定されてしまう。そのまま十六夜は耀共々吹き飛ばされた。

 

「クソが、兜が取れるとこだったぞクソが!」

「その程度で取り乱すな、喚く事しかできないのか?頭を使うことを覚えたらどうだ、負け犬」

「ヤハハハ、テメェは後でコロス。そんな大口たたくんだ、当然解決策ぐらいあるんだろうな自称天才君?」

「できるものならやってみろ。おい動物女」

「それ私のこと?」

「お前以外に誰がいる。イルカと話したと言っていただろう。エコーを使え」

 

 音波で物の位置を知るエコーであれば相手の、匂い、音、姿が消えていても関係ない。その後場所を特定され、騎士は十六夜に第三宇宙速度に迫る速度で殴り飛ばされた。鴉を加え、彼らは(ルイオス)のもとへと進む。

 

 ところ変わって宮殿の裏、そこに彼―大兎はいた。

 

『ある程度時間がたったら宮殿の裏で暴れろ。いくらお前がミジンコ並みの無能であろうともそのくらいはできるだろう』

 

と、月光に言われたからだ。

 

「あいつは後でぶっ飛ばす。……そろそろやるかぁ」

 

そうつぶやいた次の瞬間大兎の上半身は蒸発した。『貂魔の炎』すべてを燃やし尽くす業火を放ったからだ。爆発音と共に宮殿の壁が焼き消える。そして多くの騎士たちが集まってきた。

 

「まだこんな居んのかよ……あーヒメアがいればなぁ、楽だし楽しいし」

 

そういって彼は構えた。

 

「まぁこれも勝つためだ、やるか」

 

次の瞬間最前列の騎士の一人が吹っ飛んだ。そこにはこぶしを振り切った大兎が佇んでいた。しかし、相手も百戦錬磨の兵達、すぐに大兎を囲って円になった。

 

「うわぁ、めんどくせぇ……やっぱり月光はぶっ飛ばす。さて、ちょっと付き合ってくれよお兄さん?」

 

 大兎は少しだけ殺気をこめて言葉を発した。いくら会ったことがないとはいえ彼の、彼らの辞書に仲間を見捨てるという言葉はないのだから。




リアルが少し落ち着いてきたので投稿。
今回は短いですが次はクライマックスです。……次も短い気はしますが。
まずは読者の皆様にお詫びを、長い間お待たせしました、すいません。これからもこのような作者にお付き合いいただけると幸いです。
では近日中にまたお会いいたしましょう。
PS.サブタイがしんどい

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