僕とキリトとSAO   作:MUUK

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今回からALOが本格的に開始ですね!
最近モチベーションが上がってるのかして、いくら書いても苦痛じゃないや……。がんばって投稿速度上げていきますのでよろしくお願いします!(また下がるフラグ)


第二話「世界最強のカブトムシ」

初めに匂いが、次に音が、そして光が緩やかに遠ざかっていく。ナーヴギアが神経伝達を遮断し、ブラックホールよりもなお暗い、完璧な暗闇が顕現する。

暗黒は長くは続かなかった。プリズムで分けたような虹色が眼前に湧き立つ。虹の光は揺蕩いながらも形を整え、ナーヴギアのロゴマークへと変貌する。マークがクリアに見えるということは、僕の視覚野とナーヴギアが接続したということだ。

続いては音。大小高低のサウンドが混じり合い、不協和音だったそれは次第に音律を奏でていく。

さらに触覚、平衡感覚、体感覚、動作確認、種々のステップが着実にこなされていく。

超科学のヘルメットが僕の脳と渾然一体になったとき、ついにアルヴヘイム・オンラインのロゴが映し出される。

ああ、SAOにログインするときも、こんな手順だったっけ。懐古と憂鬱がない交ぜになった感情で、IDとパスワードを設定する。次いでキャラクターネーム入力画面がポップアップしたので、迷わずライトと入力した。

次に現れたのは、色とりどりの妖精達だった。全部で9種類の妖精を横にスライドしながら見分する。さて、1番速そうなのは……なんて自然に考えてしまう。2年間染み付いたサガなのだから、こればっかりはしょうがない。

 

「よし、これにしよう!」

 

選択したのは猫妖精族(ケットシー)という種族だった。ビーストテイムが得意という特性もさることながら、もっとも目を惹かれたのはやはり、高い敏捷性という一文だった。

最後にアバターは自動生成されるという注意書きを連打して飛ばすと、《Welcome to the ALfheim Online》という文言だけが瞼に焼き付いたまま、極光が漆黒を奪い去った。

説明によれば、選んだ種族のホームタウンがゲームのスタート地点だという。

異世界に転生する前触れのように、地に足をつけている感覚が消え、バンジージャンプのような浮遊感が訪れる。視界を支配していた膨大な光が晴れていき、異世界の有様が揺らぐ景色の奥に浮かぶ。

刹那────世界がクラックした。

そうとしか形容できぬ光景が眼前で立ち回る。創造されようとしていた街並みはポリゴン片と果て消えて、色彩はモザイクへと姿を変える。

え? なにこれ? バグ? それとも演出?

再度の落下感覚に見舞われる。良かった。やっぱりヒビ割れた映像は演出か。

 

ゴオオォォオオォォ…………

 

ん? なんの音だコレ。

まるで遥か上空から物体が落とされたときのような空を裂く音が、僕の聴覚に叩きつけられる。

なんだなんだ? また特殊演出か?

悠長に構えながら瞼を開くと────地平まで見渡せる大空が広がっていた。

 

「って! 落ちてる────!!?」

 

眼下に広がる大海原に、急接近し続ける僕のアバター。

いやいやいやいや。なにこれ? どうすればいいの? バグ? うっそぉー……。

あっそうだ! ALOには空を飛ぶ機能があるんだ! でも説明読んでないや……。メニューに説明乗ってないかな。

SAOと同じように右腕を縦に振ると、きちんとメインメニューが現れてくれた。複数のコーナーが並ぶウィンドウの中から、見慣れないアイコンを選択しようとする。だが風圧で指先がブレて押し間違え、表示されたのはスキル一覧だった。

 

「え、なんで!?」

 

僕のスキルスロットには、既にマスターされた状態の体術スキルがセットされていた。体術の他には疾走スキルや曲芸スキル等、僕がSAOで取っていたスキル群が、スキルポイントそのままに使用可能になっている。だが残念ながら拳術スキルだけは見当たらない。

スキル自体はある程度共通なのか!? 同じナーヴギアを使っているから?

考えるのは後だ! 今はとりあえず飛ばないと!

今度は過つことなく飛行する絵の描かれたアイコンを押す。掌中にラジコンヘリを操るのに似たリモコンが現れた。

いや……これどうしたら飛べるの?

取り敢えず弄ってみる? それで急落下したら嫌だな……。

ええい、ままよ! どっちにしろ死ぬんだ! やるだけやってやる!

決死の覚悟で飛行補助装置を握りしめる。

その時だった!

 

「キミ! 手を伸ばして!」

 

右側から呼びかけられて、反射的に振り向く。10メートルの先に並走しているのは、小型の飛竜と可愛らしい竜騎士(ドラゴンライダー)だ。竜を駆る少女は獣人じみた容姿だった。猫のような耳と尻尾。これが僕の選んだ猫妖精族ってやつか!

いや、今はそんなことどうでも良い! とにかく女の子の腕を取らなきゃ!

徐々に近接する少女目がけて、手をめいいっぱいに伸ばす。指先が掠り、また離れる。もうちょっと……もうちょっと!

腕がちぎれるほどに竜騎士の少女へ向かう。猫少女もまた必死に僕へと手を差し伸べてくれている。

あと、少しだけ……!

僕の想いが届いたのか、懐かしい感覚が仮想の身体を包み込む。身体部位のことごとくが、ポリゴンから単なる情報へと置換される。

スキル『神耀』。

完全無欠の瞬間移動が発生し、僕はワイバーンの上に跳躍した。

そっか。スキルが同じってことは、心意システムがALOにある可能性も考えられるんだ。

取り敢えずの安全が確保され、飛び出んばかりに跳ねていた架空の心臓が徐々にクールダウンしていく。次第に感覚を取り戻した触覚が、手のひらの違和感を訴えた。暖かく、滑らかで、柔らかい。皮膚が伝える質感は、少なくとも飛竜のものではないだろう。そう。僕が握るのは人肌の触感────恩人の少女の腕を掴んで、ものの見事に押し倒してしまっているのだ。互いの顔の距離、実に10センチ。言い逃れは許されない状況だ。

慌てて状態を起き上がらせて、手を合わせて平謝りする。

 

「ご、ごごごめん!! これは事故っていうかなんていうか本当に申し訳ないというかありがとうというか……」

「ねえねえ! 今のなんなの!?」

 

へ?

 

「キミ、今ワープしたでしょ!? 何もないとこからビュンって飛んだのだよね!? どうやったの? 新しいスキル!?」

 

初対面の男に押し倒されていることなど眼中にないように、ネコミミ美少女は目を煌めかせて詰め寄ってきた。どうやら僕は、相当な剛の者に助けられてしまったらしい。

 

「と、取り敢えず起き上がろうよ」

「あ、そだね。このままじゃ話しにくいのだものね!」

 

そういう問題じゃないんだけど……。

ケットシーらしき女の子は、無駄にバク転しながら起き上がり、僕の前にちょこんと座った。

 

「グルルウゥ……」

 

ワイバーンの低い唸りが耳朶を打つ。主人を襲ったと思しき悪漢に、敵愾心を抱いているのだろうか。

猫少女はあぐらを組みながら、竜の頭を豪快にバシバシ叩いた。叩く手に飛竜の赤い鱗が刺さっているように見えるののだが、体力は削れていないのだろうか。

 

「大丈夫だって、リュータロー! 悪い人じゃないのだよ、たぶん!」

 

うーん、ザ・野生児。勘で生きてるなあ……。

 

「グウゥ……」

 

主人の命には逆らえず、赤燐の竜は不承不承と喉を鳴らす。リュータロー……君も苦労人っぽいなあ……。立場は全然違うのに、なぜか姉さんと僕の関係を想起した。

殺気立った竜を宥め、これでよしとばかりに僕の恩人たる少女はくるりと向きを変えた。少女が竜の頭側、僕がお尻側に座しながら向き合っている。

少女は全身が純白の毛に覆われていた。肌が露出している部分は見事なアルビノ。一点のシミも無い白髪は、無造作に肩口で切り揃えられている。装備はいたって軽装で、雪のように白い革細工が彼女の胸と腰だけを守っている。腰のベルトには登山用ロープが備え付けられており、引っ掛けになる金属の輪──カラビナだっただろうか──には無数の傷がついていた。ロープと反対側の右腰には短剣が一振り。飾り付けは地味ながら相当な業物であることは、長年の勘が告げていた。

身長は150センチほどだろうか。ひかえめな体躯が、かえって子どもみたいな活発さを感じさせる。体型はスポーティーと表すのが簡潔か。スラリと伸びた手足は、ネコ科特有のしなやかさを想起させた。

そして容貌は、文句のつけようがない元気系美少女。大きな口と赤目が印象的な、ニカッと笑うのが似合う顔だ。

 

「あ、そだ! 自己紹介まだだったのだね! ワタシはヘラクレスオオカブト!」

「ちょ……ちょっと待って。本当に?」

 

ギャグじゃなくて?

名乗りを上げたヘラクレスオオカブト(仮)は立ち上がり、胸に手を当ててなんとも誇らしそうだった。

 

「そうなのだよ! ワタシがあの有名なヘラクレスオオカブトなのだ!!」

「いや、君が有名かどうかは知らないんだけど……」

 

僕の言葉が大層衝撃的だったらしく、ヘラクレスと名乗った少女は混乱と驚愕を露にしてあんぐりと口を開けた。意外だ。自分の名声とか気にしないタイプの子だと思ってた。

わざわざ立ち上がったヘラクレスは、空中で胡座をかいて落下した。両手で足を掴んで左右に揺れながら、難しい顔で口を曲げてしまっている。

 

「ちょっとショックだにゃー……。ワタシこれでもコツコツ頑張ってきたつもりだったのだけどにゃー……」

「ご、ごめん。ところでヘラクレスオオカブトはさ、なんでそんな名前にしたの?」

「ヘラちゃんでよいのだよ! みんなそう呼んでるし。それで、名づけた理由はね! カッコイイから!」

「ヘラちゃん、君ほんとに女性だよね?」

 

頭弱めの男児が、バグって女性アバターになってるとかじゃないよね?

さっきヘラちゃんが自分で有名だって名乗ったのも、本人のキャラクター的に有名なだけな気がしてきたぞ。

ともあれ名乗られたのだから名乗り返さねばなるまい。居住まいを正してヘラちゃんの目を直視した。

 

「僕はライト。よろし……」

「キミ、ケットシーだよね!? ね!? ワタシと一緒なのだね!」

 

人の話を聞いちゃいない……。

ヘラちゃんは息のかかる距離まで僕に近づくと、僕の手を胸の前で握り締めた。

 

「今からワタシ、ケットシー領に帰るとこなのだよ! 一緒にいこ! ね!?」

「良いよ、一緒に……」

「しゅっぱーつ!!」

 

僕の言葉を遮って、ヘラちゃんは人差し指を天に向かって突き上げた。天然竜騎士の号令で、飛竜は力強く空を打つ。瞬間、強烈な加速度が僕を吹き飛ばそうと躍起になる。

後方へと取り残されそうになった僕の腕をヘラちゃんは反射的に握って、リュータローの上に引き戻してくれた。

 

「飛んでかないように捕まっておくのだよ!!」

「先に言ってよーー!!」

 

ヘラちゃんに誘導されるがまま、華奢な腰に手をまわす。後ろから抱きつく形になってしまった。

いいのだろうか? いや、本人気にしてなさそうだし良いか。

手綱を握るヘラちゃんの横顔は口角を吊り上げていて、獰猛さをヒシヒシと感じさせる。騎手の命令に従って、赤竜は泳ぐように空を駆けた。飛行速度はアインクラッドでの僕の走力を優に超えるだろう。

加速が収まって飛行が安定すると、周囲を見渡す余裕が生まれた。

 

「うわぁ……」

 

無限に広がる雄大な光景に、感嘆が漏れるのを禁じ得なかった。

日本晴れから降り注ぐ陽の光は、凪いだ海面に飛竜の影をくっきりと映す。照り返された太陽が、波間を星のように煌めかせる。

大海と大空の狭間に生身で飛ぶ体験は、えも言われぬ興奮を否が応にも掻き立てた。水平の果てへと、小さな僕らが風を切って目指し行く。

ああ、これが飛ぶってことか。ALOが流行るわけだ。

 

「すごいね……この、風を切ってる感じ……」

「あ、そうだ! キミの名前は!?」

「ライトだって!」

「あれれ? 聞いたことあるにゃー。もしかして知り合いだったり??」

「さっき名乗ったからね!?」

 

僕の周りも大概バカばっかりだけど、ここまで話が通じない人間はいなかったぞ。あれ? そうだっけ。わりといたような気がしてきた……。

本当にヘラちゃんに着いて行って大丈夫なのだろうか? 深海に連れて行かれたりしないだろうか。

 

「あ、そろそろケットシー領に着くよ!」

 

ヘラちゃんが右斜め下をビシッと指差す。確かにそこには、本土と橋渡しになった大きな島があった。背の高い草原が一面に植生し、島の中央には直径2メートルほどの穴が無数に空いた岩山が屹立している。横穴はどれも真円で、人工的にくり抜かれたように見受けられる。

ヘラちゃんが手綱をクイクイと引っ張り、指示を受けたリュータローは急旋回した。遠心力が僕を押し出そうとしてくるが、今度はしっかりとヘラちゃんにしがみついて凌いだ。次いで、地面と垂直かと錯覚するような急落下。

みるみるうちに上空で目視した岩山へと近づいていく。

というか、落下速度速すぎでは?

え? これちゃんと止まれる? 大丈夫?

いやもう地面と500メートルくらいしか距離ないよね? 秒速100メートルくらい出てるよね?

300……200……あと100メートル。ぶ、ぶつかる……! 死ぬーーー!!

 

「リュータロー! ストップ!」

 

号令一下、リュータローは重機もかくやという力強さで両翼を振るい、撒き散らされる乱気流は深々と地面を穿った。ジェットコースターが乳母車に変わったみたいな急ストップによって、体の中が支離滅裂に攪拌される。ナーヴギアの平衡感覚チェックをもう一度受けるべきでは、と思うくらいには前後不覚だ。

なんでヘラちゃんは姿勢ひとつ崩さず平然としてるんだ……? ああ、そうか。毎回この着陸法だから慣れてるのか。

腕を震わせながら抱きついてる身分で言うのもなんだが、この子ほんとにバカじゃないの? 一瞬回って畏敬の念すら湧く。僕の中で、ヘラちゃんはムッツリーニと同じ枠に入ってしまった。

急停止を終えたリュータローは、おもむろに翼をはためかせながら着陸する。優しい……。最後の優しさを、離着陸全てに発揮してくれないものだろうか。

 

「とうちゃーく! ひっさしぶりのフリーリアなのだね!」

 

リュータローから降りたヘラちゃんは、仁王立ちで腰に手を当てながら、ケットシー領の首都の名を叫んでいる。対して僕は心労が重なってもうヘトヘトだ。

 

「グゥグゥ……」

 

リュータローは僕を労うみたいに、背中に頭を回して頬ずりしてくれた。ザラザラの感触がこそばゆいような気持ち良いような。

ありがとうリュータロー。なんか心が通じ合ってる気がするよ……。

お礼とばかりにリュータローの頭を撫でていると、僕やヘラちゃんと似た姿をした猫妖精達が、三々五々と集まってきた。

もしかして怒られるんじゃないか? 盛大に舗装路を破壊しちゃったし。

しかし人々の面持ちを見ると、抱いた不安は杞憂だったということが分かった。ヘラちゃんを取り巻くだれもが、隠しきれない高揚を浮かべているのだ。

 

「ヘラちゃんか!? ヘラちゃんだよなあ!」

 

嬉々として呼びかけたのは、いかにも好青年然とした細マッチョ男性アバターだった。まあ漏れなくネコ耳付きなんだけど。シュールさに笑いそうになるが、自分も同じなのだと思い返して羞恥がこみあげる。

リュータローの背中で勝手に頬を染める僕をよそに、プレイヤー達はヘラちゃんの周りに団子になっていた。

 

「おかえり、ヘラちゃん!」

「土産話聞かせてよ! ボクすっごく楽しみで楽しみで……」

「まずはオレのレストランでゆっくりしてってくれよ! ヘラちゃんにならいくらでもご馳走するぜ!」

 

驚いた……。ヘラちゃんが有名人って本当だったんだなあ。しかも変な意味で名声があるんじゃなくて、ちゃんとみんなから慕われてるっぽいし。

リュータローに寝そべりながら盛況を眺めていると、いきなり背後から声をかけられた。

 

「おーい! リュータローの上のキミ! そんなとこでグッタリしてないで降りてきなヨ!」

「ふえ? どなた?」

 

振り返った先にいた声の主もまたケットシーだった。ケットシーの街なのだから当然か。

僕の挙動が面白かったのか、女の子はクスリと微笑んだ。唇の間から見えたのは、ネコ科然とした鋭利な牙だ。

 

「私はアリシャ・ルーだヨ! よろしく! キミ、みたところ新人さんみたいだけど、名前は?」

「ライトだよ。よろしく」

 

よかった……。ヘラちゃんと似てるけど、だいぶ理知的な人だ。

僕を新人と判断した理由は、僕の装備が初期装備だからだろう。

アリシャの背格好はヘラちゃんと良く似通っている。ケットシーの女性はみんな小柄で細身なアバターなのだろうか。大きな違いは色だ。ヘラちゃんは眩しいくらいの純白だが、アリシャは砂漠のような茶色だった。イメージはスナネコだろうか。

身を包む装備量にも、アリシャとヘラちゃんの性格の違いが現れている。ヘラちゃんは胸当て、腰当てのみのオープンスタイルだった。一方のアリシャはノースリーブであるものの、まだ防御力を有していそうなワンピース型の革鎧だ。

背丈は幼いのに、アリシャの表情はコケティッシュな魅力を備えていた。アリシャの容姿を観察しながらリュータローの背から飛び降りると、スナネコ少女は色っぽい流し目で僕を見た。

 

「そんなにマジマジと見られると照れちゃうナ〜」

「ご、ごめん! 綺麗だったから、つい!」

 

って、僕は何を口走ってるんだ!?

優子というものがありながら初対面の女の子に綺麗だ、なんて。

慌てふためく僕が大層おかしかったらしく、アリシャは悪戯に笑う。

 

「アハハ! ライトくん、面白いネ〜! さすがヘラちゃんのバディなだけあるヨ!」

「あ、そうだ。聞きたかったんだけど、ヘラちゃんってそんなに凄い人なの?」

 

自分では順当に思えた僕の質問は、しかしアリシャにとっては突飛に過ぎるものだったらしい。何を言っているのか分からない、と言った顔で5秒ほどアリシャは固まっていた。

沈黙が耐え難くなって口を開いてしまう。

 

「あの……」

「ええええ!? ヘラちゃんを知らないで一緒にいたの!? 凄い忍耐力だネ……」

 

『凄い忍耐力』か……。やっぱりヘラちゃんの性格についての認識はズレていないらしい。そうまで言われているのに、誰も彼もがヘラちゃんを慕っているのはどういうことなのだろう。天然過ぎる性格すら些事であるような偉業を、ヘラちゃんは成し遂げたということなのか?

幸いにも抱いた疑問にはすぐに答えが返ってきた。アリシャは初めて見せた神妙な表情で、僕と目を合わせて言った。

 

「ヘラちゃんは、ALO最高の獣使い(ビーストテイマー)にして最高の冒険者(トレジャーハンター)。押しも押されもしない、ALOトッププレイヤーの1人だヨ」

 




新キャラ《ヘラちゃん》。いかがでしたでしょうか? 実は、動いてもらうと想定より大幅に胡乱なキャラになってしまったというのはナイショのお話。

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