最後に願い、掴んだモノ   作:六花

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邂逅

 黒い雲が空を覆い、大地は枯れ果て荒野となり。そんな世界で泣いている女の子が居た。倒れ伏し泣きじゃくりながら、銀色の髪の女性に必死に手を伸ばし叫んでいる。詳しい内容は聞こえないが、聞いている自身も苦しく辛い、悲痛な叫びだった。

 女性が淡雪の様に溶けてゆく。少女はそれを見ている事しかできなかった。それから一つ小さな光が落ちて少女の手のひらに収まった。それが何故か自分も悲しい。

 何時の間に現れたのか、少女の周りに四つの影が寄り添う。そしてその後方に少女と同い年くらいの白と黒を纏った女の子が二人。他にも人が居る様だったが、三人の少女以外は陽炎の様ではっきりとは確認できない。

 後方に居る黒い少女は涙を堪えながらもう一人の白い少女へ声を掛けている。しかし、白い少女はそれに答える事無くずっと俯いたまま。表情を窺う事は出来なかった。

 

 

 

 

 

「おはようございます。我が主」

 

 優しくもどこか悲しそうな声が聞こえてはやては目を覚ました。声の主を探してみれば、暗い闇の中で綺麗な女性が膝をついて頭を下げていた。銀色の髪。声を掛けられる直前までその色を見ていた気がする。とても悲しく苦しい世界を見ていた気がする。でもそれが何であったか、はやてには思い出せなかった。

 

「僅かとはいえ、覚醒されたようですね。随分と早い……」

 

 こんな幼くていらっしゃるのに、もう……。その言葉が女性の口から出る事は無かったが、はやてを見つめた赤い瞳は憂いを帯びていた。何故そんなにも悲しそうなのか聞きたかったが、それを問えば二度と会えない気がしてはやては口を噤んだ。

 

「まさかここに主がいらっしゃるとは思っておらず、何の持て成しも出来ず申し訳ありません」

「ここ?」

 

 不思議そうに聞き返したはやてに、女性は初めて笑うと説明をしてくれた。

 曰く、ここは元々未起動状態の女性と会話する為の空間として、“製作時”に作られた空間――所謂一つのデバックモードの様な場所――だった。勿論製作後は消去されたが、幾度かの改変の際、削除され切れなかった機能の欠片や余った部分を纏めたら、出来た空間らしい。

 

「簡単に言えば、外部からの影響を受けない部屋の様なものです。私の夢の中と考えれば宜しいかと」

「ああ、それなら分かる」

 

 理解できない話で煙を吹いたはやてを見て、大雑把に噛み砕いて説明する。

 なら私は貴女の夢にお邪魔したんやね。と笑みを零したはやては体が動かない事に気付いた。加えて耐えきれない程の眠気が襲う。

 

「恐らく、現実の体が起きようとしているのでしょう。今日はもうお戻りください」

 

 ここでの事は起きたら忘れてしまうけれど、私が覚えていればいい。

 必死に目を擦り起きていようとする主を抱きしめながら、女性は言った。

 

「せやけど、まだ……」

「お休み下さい。大丈夫、私は貴女の傍に」

 

 そう言えば安心したのかはやては女性に身を任せたまま眠りに就いた。光の粒子となってこの空間から出たのを確認して、二度と迷い込む事が無いように空間へ繋がる道を厳重に閉鎖した。

 まさかこうして会えるなど思ってはいなかった。主の覚醒の時に目覚めた女性はこの少女を主としてからの記録を確認する為にここに居た。いくら管制を司る彼女とて、未起動状態の書を自由に扱えるはずもなく。唯一、未起動状態でも扱えるここで、あまりにも早すぎる主の覚醒を調べていたのだ。その最中に主が降ってきた時は、流石の女性も驚きのあまり固まってしまったが。

 眠ったまま降ってきた主が纏っていたのは主の物ではない魔力。主の覚醒の原因となった猫のものに良く似た魔力だった。それの所為かうなされていた主に思わず声を掛けてしまった。声を掛けるつもりは女性には無かったのだ。

 

 あの猫は普通の猫ではない。調べ終わった女性が導き出した答えだ。

 猫は体の大半が“ただ”の肉体ではなかった。どちらかと言えば実体化した女性の様な、そう“魔力”で出来ていたのだ。

 

「良かった。成功したみたい」

 

 思考の海に沈んでいた女性は気付けなかった。

 だから決して自身以外居ないはずのここで、他者の声が聞こえた事に非常に驚いた。振り返った視線の先、普通より少し大きい体躯をした茶色い猫が、青い瞳で女性を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 目を覚ましたはやては、猫の顔が間近になってちょっとだけびっくりした。

 

「おはよう、はやて」

 

 何故かさっきも聞いたような挨拶に、いつ聞いたのか思い出せず内心首を傾げた。昔ではない、本当についさっきだったはず。誰だったのだろうか。気にはなったが今はこの猫の方がはやてには重要だった。

 

「ラプス! 元気になったん?」

「はやてのおかげでだいぶ良くなった。ありがとう」

 

 一つ頷いてラプスははやてに感謝する。その声音はとても穏やかで、今朝死にかけていた事が嘘のようだ。

 起き上がってラプスを抱きしめたはやてはそこで漸く気がついた。

 ラプス、喋っていなかったか?

 

「うん? どうかした?」

 

 幻聴ではなかったらしい。確かにラプスはその口から言葉を発していた。夢や眠る前は頭に直接声が聞こえたのに。

 ラプスは急に慌て始めたはやての腕の中から身を捩って抜け出し、落ち着かせる為声を掛けた。

 

「きちんと説明するから、落ち着いて」

「う、うん」

 

 取りあえず落ち着いたはやてにラプスは苦笑を零す。今朝は緊急事態だった。ただ、ラプスを救いたいと言う感情だけで動いており驚く余裕も無かったが、今は普通に驚く余裕も持てたのだろう。

 

「まず、改めて。私はRapsblüten(ラプスブリューテ)。“元人間”の“魔法生命体”、今は言葉が話せる只の猫だよ。ちょっとやりたい事があってこの次元世界に来ていたんだけど、コアも安定して無い状態での野良だったから結構大変で。そんな時はやてに拾われてね。魔力を持ってるはやての傍にいたら、コアの安定が早まると思って御厄介してたんだ。あ、次元世界については、はやてが元気になってからゆっくり説明するね」

 

 元人間、というくだりにはやては大きな反応を示す。詳しく問おうとして青に射抜かれた。聞くな、と青い瞳は語り、はやての口を縫い付けた。

 ガチャリとドアが開いて赤い宝石が入ってきた。相変わらず宝石は浮いていたが、隣に何かを浮かせていた。

 

『寝ていたとはいえもうお昼を過ぎました。お腹が空いてはいませんか? 勝手に冷蔵庫を漁ってしまいましたが、軽食を作らせていただきました。今日一日は安静にしていて下さい。特にはやては初めての魔力使用で疲れているはずですから』

 

 隣に浮いていたのはサンドイッチだった。言われてみれば確かに空腹ではある。

 青い瞳から逃れるためにもはやてはサンドイッチに手を伸ばした。

 

『マスターもどうぞ。猫用に作りましたから』

 

 ラプスがベッドから降りて床に置かれたサンドイッチを食べ始めるのを見て、はやても手に取ったそれを一口頂く。宝石が――今も浮いているように恐らく魔法を使って――作ったらしいがかなり美味しかった。

 

「……美味しい。えっと、レイジングハート、さん? サンドイッチ、美味しいです」

『それは何により。私は見ての通り石ですので、味に不安があったのですが。喜んでいただけたのなら良かったです。それと私に敬称は要りません。……ええっと、マスター?』

「……“レイ”」

『では、その様に呼んでいただければ』

 

 何故かはやての目の前で愛称が今決まった。そんな簡単に決めていいのかとラプスに聞けば、どうせ自分の愛称もそんな感じで決まったのだから良いのだと返された。

 

「話を戻すけど、魔法があるのは理解出来たよね」

「うん。ここまで来て分からんとか言うつもりない」

「魔法の原理とか、説明するのも聞くのも大変で疲れちゃうから、元気になってからね」

 

 魔法があって、それをラプスが使える事、はやても使える素質がある事さえ分かってくれたなら今はそれでいい。そう続けたラプスは悲しそうに眼を伏せた。

 

「ラプス?」

『気になさらず。魔法に何か思う事があるらしく、時折自分の世界に籠ってしまうのです。すぐに戻ってきますから、あぁ、二つ目は如何です?』

 

 差し出された二つ目のサンドイッチを食べながら、レイに感想を述べてゆく。

 全部食べ終わり、今度は一緒に作ろうと約束した所でラプスは戻ってきた。

 

 尻尾と耳を萎れさせながら謝るラプスに、はやては抱きしめる事で許した。

 腕の中の温もりが心地よい。ずっといてくれたらいいと思う。だけどさっきのラプスが言った事が事実なら、コアが安定した今“やりたい事”の為にこの家を出て言ってしまうかもしれない。

 ラプスの目的を邪魔したくないが、もう少しだけ私の傍にいて欲しい。

 

「えっと、それでね。はやてにお願いがあるの」

 

 だからラプスのお願いははやてをとても喜ばせた。

 

「コアが安定したと言ってもまだ本調子じゃなくて。はやてに負担を掛けた私が言うのは図々しいお願いだとは思うんだけど、この家に住まわせてくれないかな?」

『ついでに定期的にマスターの安定の為に魔力の提供もお願いしたい』

「お礼は勿論する。魔法の使い方も教える。浮遊魔法を使えばこの家の中限定だけど、車椅子無しで動けるようになる。……いずれその足も治る」

 

 最期に付け加えられた言葉ははやてには聞こえない様に呟かれた。だけどそんな事をしなくてもはやてにはレイの言葉以降は聞こえていなかった。

 

「ッ!? 痛い! はやて、痛いって!」

 

 思わずラプスを強く抱きしめてしまうほどに、はやては嬉しかったのだ。

 

 

 そうして、はやては忘れてしまった。夢の中で出会った銀色の髪を持った女性の事も。その前に垣間見た悲しい世界の事も。名乗っていないはずのはやての名前をラプスが知っていた事も。

 全て歓びの彼方へと飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 リビングのテーブルの上という何とも場違いな場所に座っているラプス。目の前には鎖で封じられた一冊の本。本に乗せていた左前足が下ろされ、閉じられていた瞼が持ち上がる。現れた青の瞳はその本を睨みつた。

 一通りはしゃいだ後はやては再び寝入ってしまった。静かに退室しようとした際、ラプスはこの本の鎖に噛みついてリビングまで引っ張ってきたのだ。そしてつい今しがたまで本の中で語っていたのだ。

 キッチンで軽食の片づけを終えたレイがラプスの傍に飛んで来る。

 

『どうでした?』

「ラインの確保は出来た。彼女の協力は得られそうにないけど、目は瞑ってくれるって」

 

 それが最大限の譲歩だと分かったからラプスは話を切り上げて帰ってきた。

 目を瞑るという事は関与しないという事。もしラプスが自動防衛プログラム――ナハトヴァールに見つかり、危機に陥っても助ける事はない。そう言い切られたのだ。

 

『まぁ、良好ですか。完全に拒絶されるよりはマシです。……“ウィオラーケウス”は?』

「見つけた。けど、ナハトに深く食い込んでて切り離せそうにない」

 

 主従そろって思わず溜息を吐く。予想より状態が酷く、難易度が跳ね上がった。尻尾で苛立ったようにテーブルを叩き、苦いものを噛み締めながらラプスは続ける。

 

「でも“ケウス”が無ければ私は『闇の書』に介入出来ないから……」

『無ければ無いで難しくなると……。本当に、厄介事しか生まない代物ですね』

「取りあえず夜天の書については予定通りに進めよう。守護騎士達が目覚めた頃にもう一度予定を組みなおす」

『分かりました。あっちはどう……マスター?』

 

 話している最中動き続けていた耳と尻尾が急に動きを止めた。空中を凝視したまま微動だにしない主に不安を感じ、何かあるのかと当たりをつけてその先を調べた。原因は直ぐに見つかった。ラプスが自身の魔力を隠す為――今はレイの存在とはやての覚醒を隠す役目もある――に幾重にも張っていた偽装結界の外側に()があった。

 一般人には勿論、そこそこ優秀な魔導師にも見つからない様に隠されたサーチャーがじっと八神家を監視していたのだ。青い光で構成されたそれは家の中を窺っている。

 足のつま先から頭の天辺まで暗部に沈んでいたラプスとレイの偽装結界は、生半可な魔法では見抜けず、見抜いたとしても破る事はさらに難しい。術式の半数以上は二人のオリジナルを組み合わせたもので、当人達でさえコツを掴まなければ中々解く事が出来ず苦労した逸品だ。魔力を無駄に消費せずに済むように、事前に術を仕込んだものを指一本で発動させるだけの、発動後は空間の魔力素で維持が可能な低燃費ワンタッチ仕様が売りだ。

 

『張っていて正解でしたね』

「はやての魔力を注いでおいたから、私達が結界を張った事さえ気付いてない。きっと昨日と変わらない日常が映ってるはず」

 

 だけど早めに釘は打っておくべきだろうね。続けた言葉は酷く冷たく、先程まではやてと話していた時とはまるで別人。青い瞳に暗い色が宿る。

 

『まったく、魔法の使用は禁止ですよ。……あ、それと、あっちの予定は如何しましょう?』

 

 さっそく釘を刺しに行くつもりなのだろう。ラプスはテーブルから飛び降りる。歩みを止める事無く庭に出る硝子戸をレイが開けるのを待つ。そんなラプスに半分諦めながら忠告を飛ばし、レイは魔法を使用した。

 ラプスが再び歩み出す前に問いかける。何の事か一瞬分からなかったが過ぎに検討がつき、訝しげな視線をラプスは半身に送った。

 

「変わりがあったの?」

『そうではなく、あの山猫の事です』

「……もう?」

『いえ、ですがどうされるつもりか来ていなかったと思いまして』

 

 言われて暫しの逡巡。

 

「後回し」

『宜しいので?』

「今、私に出来る事は教え子を思う山猫に会う事じゃなくて、この家を覗き見ようとしている老猫に喧嘩を売る事だから。少なくとも私が自分で転移魔法を使えるくらい回復しなきゃ、そっちには手も足も出せない」

 

 翳った青い瞳はそのままに、落ちこんでしまった主の額にレイは擦り寄る。猫の姿の主に対する彼女なりの愛情の表わし方だ。ふわふわの毛並みに埋もれながら、では私が目となって仔細伝えます、そう返事をした。

 

「沢山やる事があるのに、ごめんね?」

『謝る事はありません。私は貴女の半身なのですから、貴女が動けない分は私が動くのは当然です。……気をつけて行って来て下さい。はやてと共に待っています』

 

 愛機の優しさを感じながら普段の色を取り戻した瞳を細めて「晩御飯までには戻るよ」と返事をして、庭へと躍り出た。

 

 

 

 

 

 

 それを見つけたのは生粋の猫好きの所為か、それともただの偶然か。学校の帰り道、何時も様に大切な友達二人と歩いていた時の事。

 

「あ」

「? どうしたのよ?」

「すずかちゃん?」

「あれ」

 

 指差した先には睨みあう二匹の猫。焦げ茶色をした猫と、明るい茶色の少し大きめな猫が、毛を逆立て威嚇しあっていた。

 一触即発な空気。その緊張が三人にまで伝わって来て、思わず唾を飲み込んだ。

 固まって動けない彼女達の中で一番早く我に返ったのは、金髪の緑の瞳をした見た目通り気の強い少女だった。

 

「ちょっと、やばいんじゃない?」

 

 少女――アリサ・バニングスの呟きで動けるようになった先程指を差した少女、月村すずかはもう一人の少女が飛び出さない様に腕を掴んだ。腕に触れられた事でやっと緊張から解き放たれた最後の一人高町なのはは、腕を掴まれていた所為で飛び出し損ねた。

 

「すずかちゃん、離して。止めなきゃ、あの子達怪我しちゃう!」

 

 すずかの家で飼われている猫達の喧嘩を見た事があるなのは。今目の前の二匹ほど激しいものは無かったがそれでも猫は怪我をした。それ以上の剣幕で威嚇しあっている二匹が喧嘩を始めれば、あの時の比ではない大怪我を負う可能性があった。

 

「駄目だよ。急に飛び込んだらなのはちゃんが怪我しちゃう。それに、お姉ちゃんが言ってたの。猫は大怪我を負う様な喧嘩はしないって」

「でも!」

「いいからちょっとは落ち着きなさい!」

 

 そんな風に三人が話し合っている最中でも、猫達はヒートアップしていく。

 すずかでさえ聞いた事が無いような唸り声をあげ、二匹の間で激しい火花が飛び散る。尻尾が左右に振られ、耳が倒される。

 

「どっちも見た事ないコだけど、野良なのかな?」

「でしょうね。縄張り争いか何かかしらね。にしてもあんな激しい威嚇初めて見たわ」

「うぅ。もう飛びださないから、二人とも離してよ」

 

 そう、なのはが言った時だった。

 互いが互いの首元めがけて飛びかかる。猛る唸り声。組みついて一つの塊となった二匹は転がりながら、相手を負かさんと必死に爪と牙を使う。一息入れて再び攻撃する。

 

 不意に、焦げ茶の猫がうずくまった。それを見た茶色い猫が視線を逸らす。その仕草を確認すると焦げ茶の猫はゆっくりと立ち上がり、その場をとぼとぼと立ち去った。

 勝者が決まったらしい。

 

「凄かったね」

「ええ。すずかん家で見たのより随分激しかったわね」

「茶色い方が勝ったんだね。あ、こっち見た」

 

 すずかが言った通り、茶色い猫は三人を一瞬だけ視界に収めると、敗者が去った方とは別の方向へ去って行った。

 青い瞳が特徴的な猫だった。

 

 

 

 

 

 

 某所。とある猫達の住処。既に太陽は沈んだ時間。

 

「ロッテ!? どうしたの、その怪我?」

 

 定期的に直接あの家を監視する日。担当したロッテは怪我をして帰ってきた。

 

「……負けた」

「え?」

「例の八神はやてに拾われた変な(ヤツ)に喧嘩売られて、買ったら負けた」

 

 不満げな声と表情。よほど悔しかったのだろう。

 いくら老いたとはいえ、そこいらの猫に負けるまで衰えてはいないはず。

 あっちこっちの引っかき傷や噛み傷に治癒魔法を掛けながらアリアは思考する。一度その猫とやらを直接見た方が良いのかもしれない。

 サーチャーからの映像は特に今までと変わってはいない。忌々しい“闇の書と主の覚醒”はまだ先。もしその猫が計画に支障をきたすようなら、さっさと排除しなければ。

 

 

 二匹には知る由もない。

 既にはやてが覚醒し始めている事を。

 お父様の計画遂行は叶わない事を。

 そして、その猫の目的を。

 

 二匹が知るのはもう少し後。

 

 

 




『それは、偶然を装った必然で、必然を装った偶然』


読んで下さり、ありがとうございました。
このお話はアニメを基盤としておりますが、劇場版の要素も盛り込んでおります。
それと基本シリアスさんは常に張り切っている状態です。

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