僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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少しサクサク過ぎかもしれませんが、これは作者の都合です


Aクラス対Fクラス 前篇

昼休み直後

 

場所、Aクラス

 

そこには、AとF両クラスの生徒が全員集まっていた

 

「それでは、只今からAクラスとFクラスの代表同士による一騎打ちを行います」

 

そう宣言したのは、教卓の位置に立っている高橋女史である

 

他には、念のために紅女史と西村の二人がそれぞれ教室の端に立っている

 

「それでは、双方先鋒を出してください」

 

高橋女史がそう促すと、Aクラスからは木下優子が立ち上がった

 

雄二はそれを見ると、数瞬考えてから

 

「秀吉、頼む」

 

優子の弟である、秀吉を指名した

 

「うむ。わかったのじゃ」

 

指名された秀吉は、頷くと立ち上がってフィールドに上がった

 

そして、二人が規定の位置に立ったのを確認すると高橋女史は

 

「それでは、教科を選択してください」

 

と促した

 

「秀吉、あんたが選んでいいわよ」

 

優子にそう言われた秀吉は、一瞬意外そうにするが

 

「では、お言葉に甘えるとするかのう。高橋先生、古典をお願いするのじゃ」

 

と、教科を選択した

 

言われた高橋女史は、頷いてからパソコンを操作して

 

「古典に設定しました。召喚してください」

 

と、召喚を促した

 

促された二人は、頷くと

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

と、召喚のためのキーワードを唱えた

 

その直後、二人の足下に魔法陣が発生してから軽い爆発音がした

 

古典

 

Fクラス 木下秀吉 98点

 

「あら、大分点数が上がったのね」

 

秀吉の点数を見て、優子は軽く驚いた様子でそう言った

 

「まあ、これでも頑張っておるからのう……」

 

優子の言葉を聞いて、秀吉は腕組みして頷きながらそう返した

 

「だけどね、私はAクラスなのよね」

 

優子がそう言った直後、遅れて優子の点数が表示された

 

古典

 

Aクラス 木下優子 345点

 

その点数差は、圧倒的だった

 

そのために、試合が始まった直後に秀吉は敗北した

 

「すまんのじゃ……」

 

自陣に戻った秀吉は、雄二に対して申し訳なさそうに謝った

 

すると、雄二は秀吉の肩に手を置いて

 

「いや、あの点数差は仕方ない」

 

と励ました

 

「それでは、これより第二回戦を始めます。両クラスは次の代表を出してください」

 

と高橋女史が促すと、Aクラスからメガネを掛けた女子

 

佐藤美穂(さとうみほ)が立ち上がって

 

「私が出ます。教科は、化学でお願いします」

 

と、教科を選択した

 

それを聞いた雄二は、ううむ、と唸ってから

 

「須川、行ってこい」

 

と、須川を指名した

 

すると、須川はキザったらしい仕草で髪をかきあげて

 

「坂本よ……それは、俺に本気を出せってことか?」

 

と問い掛けた

 

「いいから、とっとと行ってこい」

 

雄二はそんな問い掛けを無視して、須川をフィールドに向けて蹴り出した

 

須川はバランスを崩しかけるが、なんとか立て直してフィールドに立った

 

雄二はそれを見ると、顔を後ろに向けて

 

「さてと……ムッツリーニ。準備しとけ」

 

と言った

 

その直後

 

「第三回戦を始めます。両クラスは次の代表を出してください」

 

という、高橋女史の促す声が聞こえた

 

その声を聞いた雄二が、フィールドを見ると

 

化学

 

Aクラス 佐藤美穂 398点 WIN

 

VS

 

Fクラス 須川亮 0点 DEAD

 

須川は瞬殺されていた

 

「すまん……負けた」

 

と、須川が頭を下げると

 

「元々、期待してねぇ」

 

バッサリと切り捨てた

 

雄二のその言葉を聞いて、須川が両手両膝を突いていると、ムッツリーニが須川を踏んでフィールドに上がった

 

すると、Aクラスから一人の女子がフィールドに上がった

 

二人がフィールドに上がったのを見ると、高橋女史は二人を交互に見ながら

 

「それでは、教科を選択してください」

 

と促した

 

「……保健体育」

 

康太が自身の得意科目を選ぶと、女子が

 

「ボクの名前は、工藤愛子。去年末に転校してきたんだ。よろしくね……ムッツリーニ君」

 

と自己紹介した

 

「……よろしく」

 

康太が何時も通りに返すと、愛子は意味深な笑みを浮かべて

 

「そういえば、ムッツリーニ君って、保健体育が得意なんだよね? 実は、ボクも得意なんだ……ただし、君と違って……実技でね」

 

と言うと、康太は首を傾げて

 

「……それがどうし」

 

た、と言おうとしたら、物凄い勢いで鼻血が噴出した

 

康太は何事も無かったかのように、ポケットからティッシュを取り出して鼻に詰めると

 

「……これは花粉のせい」

 

と言った

 

「いや、ムッツリーニ。その言い訳には無理がある」

 

康太の言葉を聞いた稟は、思わず突っ込んでいた

 

そんな康太の様子を見て、愛子はニヤリと笑うと

 

「それでね、実はボク……ノーブラなんだよネ♪」

 

と言った直後、康太は鼻に詰めていたティッシュを吹き飛ばす程の勢いで鼻血を噴き出し

 

「……卑怯な!」

 

と言いながら、吹き飛ぶように倒れた

 

「ムッツリーニィーー!!」

 

衛生兵(メディック)! 衛生兵(メディック)ー!!」

 

「誰か、このエロの化身を助けてくれぇー!!」

 

Fクラスでは、あっという間に阿鼻叫喚の様相と化して、反対にAクラスは引き気味になっていた

 

「……仕方ない……」

 

そんな様子を見かねて、壁際に座っていた明久が立ち上がり康太に駆け寄った

 

数分後

 

「えー……試合を再開してよろしいでしょうか?」

 

あまりの事態に、高橋女史も困惑気味に首を傾げた

 

「ボクは何時でも♪」

 

愛子はウキウキとした様子で頷き

 

「……問題……ない……」

 

明久の回復魔法により蘇生した康太は、松葉杖を突いて、腕に輸血用のチューブを刺しながら頷いた

 

二人が頷いたのを確認すると、高橋女史は右手を掲げて

 

「それでは、召喚してください!」

 

と、召喚を促した

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

二人が同時にキーワードを唱えると、魔法陣が現れて召喚獣が現れた

 

康太は相変わらずの忍者姿

 

代わって、工藤愛子の召喚獣はセーラー服を着ているが……

 

「なんだよ、あの大きな斧は!?」

 

「それに、腕輪まで着けてるぞ!?」

 

愛子の武器は、召喚獣よりも大きな斧であり、その右腕には四百点超えの証である腕輪まで装着していた

 

そして、遅れて愛子の点数が表示された

 

保健体育

 

Aクラス 工藤愛子 465点

 

その点数は、Aクラスでも驚異的な点数だった

 

「理論派と実践派。どっちが強いか、教えてあげるよ!」

 

と愛子が宣言したタイミングで、高橋女史が手を上げて

 

「試合、開始!」

 

と、ゴングを鳴らした

 

「バイバイ、ムッツリーニ君!」

 

愛子はそう言うと、斧を掲げながら駆け出した

 

「ムッツリーニィーー!!」

 

Fクラスからは、康太を心配する声が上がったが、康太はゆったりとした動作で腕輪の着いた右手を上げると

 

「……加速」

 

と呟いた

 

「え……?」

 

愛子が訝しんだ直後、康太の召喚獣の姿が消えた

 

「……終了」

 

作業と同じように呟いた直後、愛子の召喚獣は身体を十字に切られ、康太の召喚獣が愛子の召喚獣の背後で小太刀を振り切った状態で姿を現した

 

そして、数秒後に愛子の召喚獣は消えた

 

保健体育

 

Aクラス 工藤愛子 0点 LOSE

 

VS

 

Fクラス 土屋康太 556点 WIN

 

「そんな……このボクが……」

 

愛子は負けるとは思っていなかったようで、茫然自失といった様子で膝を突いた

 

そして康太は、歓声が上がっているFクラス側へと戻っていった

 

(ここまでは、俺の予想通りだ……後は、姫路が勝って、俺が翔子に勝てば、チェックメイトだ!)

そう。ここまでは、完全に雄二の予想通りだった

 

だが、この後に雄二の予想を大きく外す出来事が起きることを

 

彼は、まだ知らない

 


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