僕とSHUFFLEと召喚獣   作:京勇樹

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短くてすまぬ


食事と会議

Fクラス男子達による覗き未遂騒ぎの翌日

須川と横溝は疲れた様子で、机にうつ伏せになっていた

 

「つっかれた……」

 

「あー……飯が旨い……」

 

二人はそう話ながら、もそもそと朝食を食べ始めた

彼らが居るのは、大食堂の一角

場所的には、Aクラスの位置だ

理由は至極単純

Fクラスのほとんどは、別室で西村監視の下で食事中なのだ

なお、Fクラスで捕まってないのは須川と横溝の二人の他に、雄二、秀吉、康太の三人だ

その三人もAクラスの一角

具体的には、翔子達の居る場所で食事中だ

しかし、その中に明久の姿が無い

明久が居ないことに気付いて、須川と横溝は周囲を見回した

すると、なぜかキッチンの方から明久が現れた

そして、明久が椅子に座ると

 

「隊長、なぜキッチンから?」

 

と須川が問い掛けた

すると明久は、キッチンで働いている女性達に視線を向けて

 

「なに。少しばかり、指導をな」

 

と言った

それを聞いて、横溝が

 

「隊長、料理が得意なんで?」

 

と問い掛けた

すると、明久は肩をすくめて

 

「一人暮らししてるからな。一応得意だな」

 

と答えた

それを聞いて、二人は

 

(隊長、一人暮らしなんだ)

 

と思った

しかし、二人は知らなかった

明久の料理の腕が、王宮の料理人すら超えることを

そしてその腕を、家事が得意な魔王フォーベシィも高く評価していることを

それを知るのは、もう少し後の話となる

閑話休題(話を戻して)

明久達は食事を終えると、部屋に戻った

そして、昨日の事件の捜査を始めた

 

「まず、ロッカールームのカメラだが……」

 

「これですね」

 

明久の言葉を聞いて、須川が机の上に写真と資料を置いた

それを見て、明久が

 

「これは……犯人は館内に居るな」

 

と言った

 

「隊長。その理由は?」

 

横溝が問い掛けると、明久は写真を指差して

 

「この小型ワイヤレスカメラ。バッテリー駆動で、最大で八時間だ。それに、資料によれば映像は電波でパソコンに送るタイプだ。そして、これほど小型ならば電波の有効範囲は最大で百メートル以内。つまりは、この合宿所に居る誰かだ」

 

と説明した

それを聞いて、二人は納得した様子で頷いた

そして、ハッとした表情で

 

「まさか、犯人は女子では」

 

と同時に口走った

それを聞いて、明久は笑みを浮かべて

 

「ほう……その理由は?」

 

と問い掛けた

すると横溝が、机の上に合宿所の見取り図を置いて

 

「西村先生から聞いた話では、廊下にはカメラが設置されてます。更に、入り口にはパスワード式のセキュリティがあり、入るには教師の誰かが入力する必要があります」

 

と説明を始めた

 

「しかし、例外があります……まずは、西村先生と高橋女史。そして、隊長が持ってるセキュリティカード。そして……女子なら顔認証で入れます」

 

その説明を聞いて、明久は満足そうに頷いた

 

「よく気付いたな。今回の盗撮事件の犯人は、女子だろう。そして、カメラはもう一台あるだろうな」

 

明久のその言葉を聞いて、二人は驚いていた

 

「本当ですか!?」

 

「ああ……西村先生から聞いた話では、見つけたのはここ。裏返しにされた籠の中だったようだ……それではまるで、見つけてくださいと言ってるようなものだ」

 

明久のその言葉を聞いて、二人はあっと声を漏らした

 

「入り口付近の裏返した籠の中……」

 

「簡単に見つかりますね」

 

そう

余りにも、隠してあった場所がお粗末過ぎたのだ

素人丸出しの隠し位置

だが、それが囮ならば話は別である

 

「今朝早くに、本隊に必要な装備を持ってくるように連絡した。それを使って、犯人を探しだすぞ」

 

「はい!」

 

明久の言葉を聞いて、二人は真剣な表情で頷いた

こうして、二日目は始まったのだった


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