とある木原の多重人格   作:竹薮を立て掛け換えた

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おそくなりましたが続きです。そろそろバイトやら何やらで忙しい時期に入りましたので次の更新はだいぶ遅れると思います。ほぼ道楽で書き始めた小説ですが50件もお気に入りされていたことにビックリしました竹薮です。小説についてロクに学んでいない半人前な私が書いた小説ですが、今後ともよろしくおねがいします。


02.日常

012

 

 

 

 

 

木原鎮乃の朝は早い。

 

 

早朝5時30分頃には起き、居候させてもらっている家に少しでも恩返しするべく掃除をする。それが終われば『麦野たち』が起きて来る前に朝食を作る。最初の頃と比べれば馴れた方だと思う。あの鬼よりも怖い麦野から「まぁまぁな味」というお墨付きを貰っているのだ。

 

 

まぁ、これまででわかる通り。あの後、俺はフレンダに日本人もビックリな土下座を決め込みまるで謝り倒す勢いで助けを求めた。最初こそはそんな俺の言葉や姿勢にドン引きしていたが。結局しばらくしてフレンダは折れ、幸運な事に俺はあの趣味の悪い研究室から脱出に成功したのである。

 

脱出した後は近くの病院へ連れて行かれカエル顔の医者に会った。冥土返しを知っている俺はかつてないほどに安心したのは言うまでもない。

 

それから体調をきたした原因だが。これは病気でも何でもなく、『過度な能力の酷使による肺がん』と言っていた。今回は発見が早かったのが幸いし、数日後に手術を済ませ無事終わった。

 

 

そしてそれにより気付いた事が一つ。

 

驚くべきことに俺の体は他とは違い、身体的に多少脆い代わりにありえないほど回復力が高いということが判明した。つまり怪我をしても数分後には元通りになっており、掠り傷程度なら数秒で直るという案外高スペックなのだ。

 

 

まぁ、ともあれ。なんだかんだいって色々とあったが体調も回復し、今は身寄りもない俺をフレンダが引き取ると言ってくれたのだ。これには俺も助かり、その善意に肖ろうとフレンダに連れられたそこはなんと高級マンションだった。7LDKって…嘘だろ。

 

既に共に住んでいる友人が居るらしい。いわゆるルームシェアみたいなものなんだと。

 

 

ともあれ。

 

 

既にもうわかるだろうが。そのルームシェアの住人とは、フレンダを含めた、3人だ。3人は原作通り、アイテムという暗部組織だ。

 

 

まず始めにそのアイテムのリーダーを務める、麦野沈利(むぎのしずり)。

 

学園都市に"まだ"6人しか居ないlevel5。序列は『3』位。能力名、原子崩し(メルトダウナー)といって、なんでも『粒子、又は波形のどちらかの性質を状況に応じて示す電子を、その二つの中間である曖昧なままの状態に固定し強制的に操ることができる』なんて前世の時に調べたwikiでそんな事が書かれていたような気がする。全く。わけわからん。

 

しかしこの麦野沈利というヤツは『とある化学の超電磁砲』の原作でもかなりやばめなキャラだった筈だ。何がやばいって。そりゃ、まず第一に『怒りやすく』の一言に尽きる。そして『容赦がない』。それはたとえ身内でも変わらず。むしろ身内の方が酷い気がするのは俺の気のせいだと思いたい。だから発言や態度にも最新の注意が必要だ。

 

最近『おしおき』の矛先が俺の方に向きつつあるのは夏の熱さ故の気の迷いだと思いたい。

 

 

 

そして次に俺の恩人でもある、フレンダ。

 

原作の『とある魔術の禁書目録』及び『とある科学の超電磁砲』に登場する、下半身から色々と危ない物やら、どう考えても収納不可だろうと思われるモノを取り出すキャラクターでお馴染みのアイツである。

 

今まで能力らしいものを見受けられないのでおそらくlevel0だと思われる。なぜフレンダがこの暗部に居るのかは不明だが、何かただならぬ理由があるのだろうと推測する。まぁ、部外者の俺には口を挟む権利はないが、何か困っている事があれば恩返しとは言わないが、力になりたいと思う。

 

 

そして滝壺理后(たきつぼりこう)。

 

level4の大能力者。能力名は『能力追跡(AIMストーカー)』といい、AIM拡散力場に干渉し標的が太陽系の外に出ようとその位置を把握することが出来るという、能力の中でも珍しい能力者らしい。俺にはよくわからないが、能力体結晶っつー拒絶反応を人工的に発生させるものを服用しており、能力をわざと暴走状態にさせ実用レベルにまで高めるという錠剤。確か原作では使い過ぎると崩壊するなんて言われていたっけか。なにはともあれ、なんだか見ていて相当危なっかしい。

 

 

最後に、絹旗最愛(きぬはたさいあい)。

 

滝壺と同じくlevel4の大能力者だ。能力名は『窒素装甲(オフェンスアーマー)』。

 

大気中の窒素を自由に操る事が出来る能力らしいが、あまりよくわからんが、それって空力使いみたいなもんか? と言えば蹴りを食らったな。

 

そんな絹旗の趣味は、映画鑑賞。しかしハリウッドの出した大作には興味が無いらしく。マイナーなC級映画を好むらしい。しかも細かい事に、制作段階からC級の匂いがチラついているC級映画ではなく『本気でハリウッド映画に挑んだが、結果的にC級映画となってしまったぜ』という天然の物が好みらしい。意味わからん。

 

 

 

そんなこんなで俺は居候としてこのアイテム面々の家に居住まわせてもらっているというわけだ。

 

 

 

 

そこでめでたしめでたしで終わらなかったのが現実の厳しい所なのか。

 

 

当然、匿うことを引き換えとして。事情やら何やらを隠し事なしに話す事を麦野から言い渡された。まぁ、当然か。得体の知れない輩を好き好んで自分の傍に置くなんてことは普通はしないだろう。

 

 

 

それはともあれ。

 

俺は本来の木原鎮乃ではないし、そもそも体の持ち主が他に居るわけで。しかも運が悪いことにそいつはあれ以来、全く応答がないし。

 

それに本当の事を1から10まで全て話したとしてももれなく頭のおかしいヤツとしか思われずに病院に再入院もありえる。しかも今度は精神病院なんてオマケ付きだ。それに、俺自身今でも信じられないくらいなんだ。

 

そんなのっぴきならぬ事情もあり、麦野たちへは『俺は元々、数多いる置き去り(チャイルドエラー)の中の一人で、木原の実験に強引的に強力させられていた』という事になっている。そこら辺は冥土返し(ヘブンキャンセラー)に協力してもらった。

 

 

最初はどうなるものかと思ったが、どうにもならないとも思ったが。とりあえずはどうこうなったようだ。

 

そんなこんなで。何だかんだで。

 

一応、セーフに近い線引きの中に戻れたようだ。暗部の人のお世話になっている時点でもうアウトな気もするが。そこはもう目を瞑ろう。

 

 

 

それはともあれ。

 

 

 

「平和だ…」

 

 

 

 

これからは代わり映えのしない穏やかな日常が永遠と続いていくのだろう。確かに少し退屈かもしれないが、それはそれで悪くないのかもしれない。

 

 

いや―…

 

 

 

 

「んー…。しずのー…ご飯まだー…? お腹すいたってわけよー…」

 

 

「はいはい。今作ってるから顔洗ってこいよ。酷い寝癖だぞ…って、滝壺、何してんだよ」

 

 

「…観察」

 

「さいですか」

 

 

「今日は何を作るんですか? 卵焼きがあれば超嬉しいんですが」

 

 

「へーいへーい。ただいま作りますよーっと」

 

 

「…朝からうるさい」

 

 

「お、麦野。おは…い゛!?」

 

 

「『む・ぎ・の・さ・ん』だろォが」グリグリ

 

 

「痛い痛い痛いすみませんでした麦野さん!?」

 

 

普通じゃないこいつらと居るならたぶん。いや絶対。普通じゃない騒がしい日常しかやってこない気がする。

 




とある木原の多重人格 完!

竹薮を立て掛け換えた先生の次回作に乞うご期待!(殴


次回『03.能力測定』

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