ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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休校後のリトルとラグナロク
Episode1


 

 

「アザゼル。来たぞ。俺に頼みたいことって何だよ?」

 

アザゼルに呼ばれて俺は現在、旧校舎のとある一室にいる。

部屋はアザゼル専用小部屋として使用されていて、流石は自称神器(セイクリッド・ギア)マニアということ

だけあって、何やら機械や機材、色々なことを記した大量も紙の束があちらこちらと

無造作に置かれている。部屋に入った俺にアザゼルは気付き手を上げて出迎えてくれる。

 

「おー、来てくれたか。お前さんにしか頼めないことなんだよ兵藤一誠。

いや、この際お前のことをイッセーって呼ばせてもらう。ちょっと実験に付き合ってくれよ」

 

「実験だと?」

 

怪しげな実験はゴメンだと目元を細めていると、アザゼルの口が開いた。

 

「イッセーの『幻想殺しの籠手(イマジンブレイカー)』は全て無効化するんだろ?

なら、もしもの場合、体に変化が起きてもその力であっという間に無効化にすればいいだけだ」

 

「・・・・・で、俺に何をさせようってんだ。その玩具の銃で」

 

子供の玩具の銃がアザゼルの手にある。それを指摘すると嫌な笑みを浮かべる。

 

「こいつは対象の体を小さくする銃だ。試作品だからできれば生き物で試したいんだよ。

この銃の効力と成果を知りたくてな」

 

「確かに『幻想殺しの籠手(イマジンブレイカー)』は異能の能力であれば全て無効化する。

けど・・・・・逆に言えば、異能じゃない力だと無効化できないんだぞ?

人の気とか自然現象で起きるものとかさ」

 

「こいつには多少なりの魔力が籠っている。だから無効化できるはずだ」

 

「・・・・・それなら、大丈夫か・・・・・」

 

不安が募るばかりだが、今更断れるような雰囲気じゃない。

 

「んじゃ、試させてもらってもいいんだな?」

 

「失敗したら縛ってやるからな」

 

「・・・・・」

 

そう言ったら薄らと額に汗を浮かばせたアザゼル。そして、アザゼルは引き金を引いた。

 

ビビビビビビッ!

 

怪しげな閃光が銃口から出て来て俺に直撃し、俺は光に包まれた―――。

 

 

―――兵藤家In龍牙side

 

 

「一誠が呼ばれてかれこれ一時間は経過したよ」

 

「・・・・・どうしたんだろう?」

 

「とても重要な話をして長引いているのかもしれませんね」

 

初めまして、僕は神城龍牙です。

現在僕たちは堕天使の総督アザゼル先生に呼ばれてしまった兵藤一誠さんのことについて

疑問を浮かべています。和樹さん、式森和樹さんの言う通り、

一誠さんは一時間たっても未だに戻ってきません。何か遭ったのでしょうか?

 

「電話してみよう」

 

そう言って和樹さんは携帯で一誠さんに通信を入れました。しばらくすると、

和樹さんが人差し指を立てました。静かに・・・・・ということでしょう。

静かに気配を消していれば、和樹さんが口を開きました。

 

「もしもし、一誠?和樹だけどいま―――」

 

『うん?だれー?』

 

「「・・・・・」」

 

子供の声・・・・・?どことなく一誠さんの声に似ているような・・・・・。

和樹さんは一瞬、困惑しましたが気を取り直して喋り出しました。

 

「えっと・・・・・キミは誰かな?」

 

『僕?僕は兵藤一誠だよ?いま、変なおじさんに追いかけられて逃げている最中なの』

 

変なおじさんって・・・・・まさか、アザゼル先生のことじゃないでしょうね・・・・・。

 

「・・・・・どうして変なおじさんから逃げているんだい?」

 

『うーん、怪しいおじさんだし、何か分からないけど嫌いだから逃げているの』

 

怪しいのは確かですね・・・・・。

 

「いま、キミはどこにいるんだい?」

 

『えっと・・・・・・どこだろう?学校みたいなところから離れて知らない町の中に

走っているから分かんないや。ここどこ?』

 

「いや、僕に聞かれても・・・・・」

 

僕も同じ気持ちです和樹さん。しかし・・・・・外に逃げてしまったのですか。

これは厄介なことになっているようです。

 

『あっ、追いつかれちゃう!ごめんなさい、切るね!』

 

「ちょっ、待って!?―――切られた」

 

向こうから通信を切られてしまったようです。自分の携帯を見詰め、困惑の表情をしました。

 

「一誠が子供に成っている原因はどうやら、アザゼル先生のようだね」

 

「で、アザゼル先生から逃げいている一誠さんは、町中で逃げ回っていると」

 

「追いかけている理由はたぶん・・・・・一誠を捕まえようとしているからだと思う。

元に戻すために」

 

「一応、皆さんに報告しましょう」

 

僕の提案に和樹さんは頷いた。

一誠さん、あなたは本当に暇ということを知らない人で賑やかな人ですね。

 

―――桜side

 

こんにちは、私は私立ストレリチア女学院二年の八重桜です。

久々に木漏れ日通りに足を運んで新作で売られている可愛い人形を買いに来ています。

 

「あーん、可愛いなぁ・・・・・」

 

大きな猫のぬいぐるみに釘づけの私。値段は・・・・・うっ、高い・・・・・。

 

「あぅ・・・・・今の所持金じゃ買えません・・・・・」

 

残念そうに言い、大きなぬいぐるみから視線を外した。他にも可愛いぬいぐるみがある。

しばらく色んなぬいぐるみを見ていると満足して結局何も買わず店から出て

どこに行こうかと悩んでいると―――。

 

「よぉ、お嬢ちゃん。一人ー?」

 

「うっ・・・・・」

 

ナンパの人と出くわしてしまいました・・・・・。

 

「俺も一人なんだけど、どうだ?俺と一緒に遊ばない?」

 

「け、結構です」

 

「んまっ!この『女殺し』の俺の誘いに断わるなんて最近の人間の女は固いな!」

 

人間という呼び方をするのは大抵異種族の人たち。このヒトも悪魔か堕天使のヒトなんだろう。

うう・・・。またですか・・・・・。

 

「まあいいや。ほら、適当な店とカラオケとか行こうぜ」

 

「お断りします!」

 

強く拒否した。あの時のように一誠くんが助けに来てくれるとは思わない。

私自身が強くならないとダメなんだ。だから、私も成長しないといけない。

もう、一誠くんは私の手の届く場所にはいないから―――。

ナンパの人は額に青筋を浮かべた。

 

「なぁ、俺は温厚で接しているんだぜ?そんなハッキリと断われると傷付くんだけどなー?」

 

「『女殺し』と自分で言った時点であなたはろくもない人だと分かります。

ですので、お断りしますと言ったまでです」

 

「・・・・・OK、そーまで言うんなら俺にも考えがあるぜ。

―――お前を人気のないところで滅茶苦茶にされたいか、俺の言う通りにするかどっちか選べや。

さもないと、お前は32人目の奴隷にしてやるよ」

 

―――っ!?

 

奴隷・・・・・ですって・・・・・!?酷い・・・・・こんなヒトがこんな町にいるなんて

とても信じられない・・・・・!沸々と沸き上がる怒りが私を強気にしてくれる。

このヒトはいてはならない存在だ!

 

「あなたは最低です。暴力でものを言わせて女の人を酷い目に遭わせているんですね」

 

瞳に怒りの炎を籠めたまま、ナンパのヒトを睨むと、面白可笑しそうに笑みを浮かべ出した。

 

「ひゃっはっ!いいね、その反抗的な目・・・・・お前を奴隷にしようっかな。

うん、そうしよう」

 

私に手を向けて小型の魔方陣を展開した。な、なにを・・・・・?

 

「俺は相手の精神をちょこっとだけ操ることができるんだ。

―――お前の精神を乗っ取って俺の忠実な奴隷と化になるってことだ」

 

「なっ―――!?」

 

「こいつをお前の頭に触れたら―――俺の奴隷となるわけだ」

 

ナンパのヒトはその魔方陣を展開したまま、私の頭に突き出そうと構え出した。

逃げようと思った瞬間、足元に魔方陣が出現して、

鎖が飛び出して来たかと思ったら私の体を強く拘束した。

 

「ひゃはっ、逃げられねぇーよ!」

 

「―――っ!?」

 

狂喜の笑みを浮かべるナンパのヒトが展開した小型魔方陣が私の頭に迫った。

 

「(一誠くん―――!)」

 

思わず目を瞑って彼の名を心の中で叫んだ。お願い、神さま・・・!

どうか、どうか助けてください―――!

そう願わずにはいられなかった。このまま私はナンパのヒトの奴隷となってしまえば、

二度と家族や友達、―――一誠くんにも会えない。

 

刹那―――。

 

「お前、お姉ちゃんに何しているんだよ!」

 

ドゴンッ!

 

「―――――?」

 

幼い子供の声が聞こえた。でも、なんでだろう。聞き覚えのある声音だった。

目をゆっくりと開けると―――。目の前にナンパのヒトを殴った子供がいた。

ナンパのヒトは地面を数メートルぐらい滑ってようやく停まった。

私は信じられないものを見る目で子供に尋ねた。

 

「キミは・・・・・」

 

「お姉ちゃん、大丈夫?なにか、変なことされてない?」

 

「う、うん。大丈夫」

 

「そっか、よかったよ」

 

純粋無垢な笑顔を浮かべる男の子。・・・・・どこかで見たことがある顔。

 

「こ、この・・・クソガキ・・・・・!

いきなり俺の顔を殴りやがっていい度胸じゃねぇか!アアッ!?」

 

「お姉ちゃんを縛って何かしようとしているお前が悪い!

それに、嫌がっているじゃないか!お前は悪い奴だ!僕が倒してやる!」

 

「上等だこのクソガキが!ガキだからって容赦しないぞ!」

 

な、なんて正義感溢れている子供なんだろう。でも、危ないよ!?

開いて、悪魔か堕天使だよ!キミは逃げて欲しい!―――と、心の中で必死に願った矢先。

 

―――数十秒後。

 

「あっ・・・・・がっ・・・・・はっ・・・・・」

 

ビクンビクンと首まで地面に埋まったナンパのヒトがいた。

相手の戦意喪失どころか意識が朦朧としている。

 

「正義は勝つ!」

 

そう言ってポーズをとった男の子。私や遠巻きで見ていた人々も唖然としていた。

子供が自分より大きく、悪魔か堕天使のナンパのヒトに勝ってしまったから驚いた状態でいる。

 

「はい、お姉ちゃん。もう大丈夫だよ」

 

「う、うん。ありがとう・・・・・強いんだね」

 

「うん、大切な幼馴染を守るために頑張って強くなっているんだよ」

 

そっか・・・・・この子にも幼馴染がいるんだね。まるで彼のようだ、と親近感を沸いた。

すると、この子は私を拘束している鎖を触れて―――、

 

「―――見つけたぞ!」

 

「っ!?」

 

男の子の体が跳ね上がった。第三者の声がした方へ顔を向けると・・・・・。

 

「え・・・・・あのヒトって」

 

前髪が金色で後は黒髪の中年男性が全身で息をしていた。

しかも、テレビで見たことがある顔だ。名前は―――堕天使の総督アザゼル。

 

「・・・・・って、どーしてまた悪魔が地面に埋まっていやがるんだ?」

 

「えっと・・・・・私を奴隷にしようとしていた・・・・・悪魔です」

 

「・・・・・なるほど、大体の見当がつく。大方、そいつがお前さんを助けたんだろ?」

 

彼の言葉に私は頷いた。すると、堕天使の総督アザゼルさんが懐から携帯を取り出して

どこかに通信を入れた。

 

「―――あー、俺だ。町中で暴れていた悪魔が一人いた。ああ、だからそっちで頼めねぇか?

そうか。ありがとう。場所は―――。分かった、じゃあな」

 

通信を切った堕天使の総督アザゼルさんは私たちのところに近づく。

 

「嬢ちゃん、そいつをこっちに渡し手くんねぇーか?」

 

「・・・・・どうしてあなたがこの子を?」

 

「・・・・・物凄く言い辛いんだがしょうがない・・・・・そいつ、兵藤一誠なんだよ」

 

・・・・・・はい?

 

「え・・・・・一誠くん・・・・・なんですか?」

 

「ん?知り合いだったのか?」

 

私はコクリと頷いた。でも、そう言われて改めて男の子の顔を覗きこんだら・・・・・一致した。

一誠くんの顔が一致した。

 

「ちょーっと、俺の研究に付き合ってもらったんだけど、

俺のミスで兵藤一誠が心も体も幼くなっちまったんだ。で、

元に戻す方法を模索するためにもそいつが必要だったんだが・・・・・逃げられちまった」

 

「心も体も・・・・・?」

 

だから・・・・・私の顔を見ても不思議そうな眼を向けてくるんだね。

 

「そうだ、元に戻すためにもそいつが必要なんだ。じゃないと・・・・・」

 

「じゃないと?」

 

「・・・・・俺はあいつらに殺されちまう」

 

ブルリと堕天使の総督が体を震わせた。あの有名なヒトが怖がっているなんて・・・・・。

とても驚いた。

 

「・・・・・キミ、兵藤一誠くんって名前なの?」

 

「うん、そうだよ」

 

「―――――」

 

本当なんだ。じゃあ、実験とかで失敗して一誠くんが子供になっちゃったのも本当なんだね」

 

「・・・・・あの、私も一緒にいいですか?

この子の友達に葉桜清楚って子と友達がいるんです」

 

「葉桜清楚と友達?・・・まあ、俺より嬢ちゃんと一緒に来てくれれば逃げもしないだろう。

いいだろ一緒に来い」

 

了承してくれた。ありがとうございます。

 

「その前に、嬢ちゃんを縛っているそいつを解かないとな」

 

堕天使の総督が光の槍みたいなもので私の体に縛っている鎖を一閃した。

それだけで全部の鎖が千切れた。さ、流石は堕天使の総督でした。

 

カッ!

 

その直後。私と一誠くんの足元が光り輝いた。

 

「そいつの家に直行する」

 

と、私にそう告げた途端に、視界が真っ白に染まった―――。

 

―――○●○―――

 

―――アザゼルside

 

 

「・・・・・まあ、そういうことだ・・・・・」

 

「―――何がそういうことだ。このクソカラス」

 

自分は怒っているぞ、とばかり腕を組んで深紅のオーラを纏う、

真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)グレートレッド。

 

「一誠さまを実験扱いするなんて、あなたは教師としての自覚と意識ないのですか?」

 

兵藤一誠のメイドがヒトをゴミのように見る目がなんとも怖ろしい。殺意まで感じるぞ。

 

「お、俺だってこんなことになるとは思ってもいなかったんだ。

それに、あいつの無効化の力なら大丈夫だと思っていたんだぞ」

 

「その結果があれじゃーね?」

 

猫又の上位種、猫魈の銀華がとある方へ視線を向けた。

 

「か、可愛い・・・・・!」

 

「うん、改めて見ると可愛いよね・・・・・」

 

「ちっちゃいいっくんちっちゃいいっくんちっちゃいいっくんちっちゃいいっくん」

 

「悠璃、そんなに連呼してはいけませんよ。・・・気持ちは物凄く分かりますが」

 

「わぁー、イッセーくんの子供の頃と全く同じで懐かしいわ!」

 

「これが小さい頃のイッセーの姿か・・・・・リアルで見ると印象が違うな」

 

「・・・・・イッセー先輩が子供・・・・・」

 

「ちっちゃいイッセーちっちゃいイッセーちっちゃいイッセーちっちゃいイッセー」

 

「リアス、あなたも連呼しないでください。気持ちは物凄く分かりますが」

 

「はい、可愛いですね・・・・・」

 

「あらあらうふふ♪可愛いですわね兵藤くん♪母性本能くすぐりまくりですわよ」

 

「イッセーが小さい・・・・・我、肩に乗っかれない」

 

「子供の頃のイッセーの姿か・・・・・可愛いな、うん」

 

一部、残念そうに言っている奴がいるが殆どは小さくなったあいつをご満悦のようだった。

イッセーを囲んでジッと見つめる女集団。対してイッセーは自分に向けられる多数の視線に

堪え切れなくなったのか、涙目になって口を開きだした。

 

「ううう・・・・・リーラさん」

 

「―――はい、ここにいますよ」

 

って、何時の間に!?音もなく現れたリーラがイッセーを抱きしめた。

 

「・・・・・心も小さくなったと言うことは記憶も子供の頃の時になっているのか?」

 

「俺がしようとしていたのは相手の身長を小さくすることだった。

だが、見ての通り、心までも幼くなっている。多分・・・・・今のあいつは子供の時の心と

記憶を抱えていると思う。それも、俺たちと出会う随分前の頃だ」

 

「リーラを呼んだと言うことは、誠と一香が生存していた頃ということか・・・」

 

「だな。だが・・・・・不味いな・・・・・」

 

今のあいつは十年前の子供の時の姿と心と記憶。そん時は誠と一香が生きていた。

だが、ヴァンたちに殺されて以降、グレートレッドことガイアに鍛えられる生活を送っていた。

 

「・・・・・誠と一香がこの世にいないことを知ったらどうなるか俺ですらわからん」

 

「隠し通す必要があるな。それでも、限界というものがあるぞ。どうするのだカラス」

 

「幸い、学校は休校状態。あいつの中の神滅具(ロンギヌス)の確認も取れた」

 

「で?」

 

どうするのだ?と俺の言葉を待つガイア。・・・・・マジでどうしよう。

 

「ねぇ、リーラさん。お父さんと母さんは?」

 

『―――っ!?』

 

危惧していたことが起きた!下手に言えず、俺は緊張の面持ちでイッセーの様子を見守った。

おいメイド。余計なことを言うんじゃねーぞ・・・・・!

 

「一誠さま、誠さまと一香さまはしばらくの間、お仕事で帰ってこれません。

もしかしたらしばらくは戻ってこないだろうと言い残してお仕事に行かれました」

 

「そうなんだ・・・・・うん、仕事ならしょうがないよね」

 

メイド、ナイスだ!取り敢えず、一時の難を逃れたが・・・・・何時まで持ち堪えるやら。

 

「えっと・・・・・リーラさん。この人たちは誰なの?なんだか、僕を見る目が怖いんだけど」

 

『うっ・・・・!?』

 

第一印象危うし、だな。怖いヒトと近づきたくないという子供特有の恐怖心を抱きつつある

子供のイッセーは、警戒していた。驚いたな、その歳で相手に警戒するなんてよ・・・・・。

 

「一誠さまとお友だちに成りたい人たちですよ」

 

「・・・・・そうなの?」

 

「はい、ですから何時までも警戒したら皆さんに失礼ですよ?」

 

やんわりとあいつを窘めるメイド。

流石と言うべきか、古くから一誠に仕えていたメイドはよく一誠のことを熟知している。

あいつに任せていれば少しの間は安心できる。

 

「うん・・・・・分かったよ」

 

警戒心を解いてリアスたちを見上げた。若干、緊張した面持ちだ。

 

「えっと、兵藤一誠です。よろしくお願いします」

 

深々とお辞儀をする。礼儀正しいな。さて、俺は―――。

 

「貴様はさっさと一誠を元に戻す方法、手段を探して来い」

 

ドガンッ!

 

ガイアに思いっきり蹴り飛ばされ、壁にぶつかるどころか虚空に穴が開いて、穴の向こう、

外に強制退場された俺だった。って、俺の扱い方酷くねぇーか!?

 

 


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