ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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戦闘校舎のフェニックス
Episode1


 

「私の処女を貰ってちょうだい。至急頼むわ」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

はい、俺の名前は兵藤一誠だ。

えーと、俺が寝ていたら身体に重みを感じてガイアがまたきたんだろうなぁーと思って、

目を開けたら・・・・・ここにいるハズもないリアス・グレモリーが全裸で

俺の身体を跨って開口一番にとんでもない発言を言いやがった。

 

「・・・・・お前、もしかして露出狂の上に痴女だったのか?

いきなり処女を奪ってくれって・・・・・・・・・・・・・・・引くぞ」

 

「ち、違うわよ!?私は露出狂じゃないわ!自分で脱いだから裸になっていて痴女でもないわ!」

 

「いや、自分から脱いで俺に跨っている時点で痴女だろ。それに、この家の主の断わりもなく

黙って入って来て俺を襲うとしているんだから不法侵入者でもあるか?」

 

「もう!こんな時ぐらい悪魔嫌いを発動しないでちょうだい!私には時間が無いの!」

 

時間・・・・・?それに何か必死そうにしているが・・・・・。

 

「好きでもない女を抱けるかよ。ましてやお前は悪魔だ、悪魔が嫌いな俺に

頼むのは可笑しいと思うが?」

 

「その悪魔嫌いの貴方に私の処女を奪って貰いたいの!愛がなくたっても良い!

暴力的に激しく私の身体を傷つけて貰いたいのよ!」

 

「・・・・・おい、何でそんなに必死になるんだ。理由を言えよ」

 

「・・・・・言ってくれたら私とシテくれる?」

 

「い・え」

 

有無を言わさず俺は問い詰める。

未だに俺を跨るリアス・グレモリーは溜息を一つしてポツリとつぶやき始めた。

 

「貴方にこんなお願いをしたのは―――――」

 

カッ!

 

刹那。部屋の床が光り輝きだした。それを見て、グレモリーが嘆息する。

 

 

「・・・・・一足遅かったわけね・・・・・」

 

忌々しく床の魔方陣を見詰めるリアス・グレモリー。魔方陣の紋様は・・・・・知らないな。

誰だ?俺は首を傾げて見ていると魔方陣から現れたのはリーラと

同じ髪の銀色の髪をしたメイド服を着込んだ女だった。・・・・・悪魔かよ。

悪魔は俺とリアス・グレモリーを確認するなり、静かに口を開いた。

 

「こんな事をして破談へ持ち込もうというわけですか?」

 

「・・・・・破談だと?」

 

呆れた口調で淡々と言う。それ聞いたリアス・グレモリーは眉を吊り上げるが

こいつは誰かと婚約しているのか?

 

「こんなことでもしないと、お父さまもお兄さまも私の意見を聞いてはくれないでしょう?」

 

「このような下賤な輩に操を捧げると知れば旦那さまとサーゼクスさまが―――――」

 

「いきなり俺の部屋に侵入して現れて俺を下賤呼ばわり・・・・・殺すぞ」

 

「ぐっ――――!?」

 

「い、何時の間に・・・・・!?」

 

訳が分からないまま起こされて、こいつの言葉にムカついてリアス・グレモリーから抜けだして、

悪魔の首を掴んだ。ギリギリと握力を強めて絞め上げ持ち上げる。

 

「どいつもこいつも俺の部屋に勝手に入り込んで、

人の眠りを妨げて、お前らは何様だ?あ?どうなんだよ?」

 

「ぐっ、がっ、あっ・・・・・!」

 

「それに俺は悪魔が嫌いなんだ。お前は知らないだろうが・・・・・なっ!」

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!

 

床に思いっきり叩きつけた。そこでどす黒いオーラを拳に纏う。

 

「さて、悪魔さんよ。命乞いしても許す気はないからよろしくな?」

 

どす黒いオーラを拳に纏う。腕に力を籠めて―――。

 

「ま、待って!彼女に攻撃をしないで!彼女は私の身内なの!」

 

背後から羽交い締めして、引き剥がそうとするが、男と女の力では違い過ぎている。

 

「―――死ねよ」

 

拳を悪魔の顔面に向けて振った。俺の拳が真っ直ぐ狙いを違わずに悪魔の顔に襲いかかった―――。

 

―――ガシッ。

 

が、第三者の乱入によって防がれた。

 

「兵藤一誠。そこまでにしておけ」

 

「・・・・・」

 

金色と黒色が入り乱れた髪。その双眸は右が金で、左は黒という特徴的なオッドアイで、

黒いコートに身を包んだ長身の男、クロウ・クルワッハが俺の拳を掴んで静かに言った。

 

「無防備なものを殺しても意味がないぞ」

 

「・・・・・」

 

そう言われて、俺は渋々と悪魔の首を掴んでいた手を放した。

 

「明日、事情を聞かせろよ」

 

「・・・・・ええ、そうさせてもらうわ。大丈夫?シルヴィア・・・・・」

 

「・・・・・はい、もう大丈夫です」

 

ヨロヨロと立ち上がるシルヴィアと呼ばれた悪魔。一度だけ俺に視線を向けた。

 

「・・・・・申し訳ございませんでした」

 

それだけ言うと足元に魔方陣を展開してグレモリーと共にこの場からいなくなった。

 

「・・・・・寝る」

 

「そうだな。俺も寝るとしよう」

 

そう言って何故か俺の寝台に乗って寝転がった。

 

「おい」

 

「どうした、寝るのだろう?」

 

「いやいや、お前は俺の中で寝ればいいだろうが。何故に俺の布団の中で寝ようとする?」

 

「偶には共に過ごすのも悪くはないだろう」

 

「だからって服を着たまま寝るなって」

 

そう指摘すると、モゾモゾと布団の中で動きだしては、

布団の隙間から黒いコートとズボンと靴をベッドの横に置いた。

 

「これでいいだろう」

 

「・・・・・」

 

こ、このドラゴンは・・・・・。本当にここで寝るつもりかよ・・・・・!?

 

「ほら、お前もさっさと寝ろ」

 

そう言うなり、俺の手を掴んで布団の中に引きずり込んだ。

って、一つのベッドで男と寝るなんて―――。

 

ムニュリ・・・・・。

 

「・・・・・はっ?」

 

「ん・・・・・」

 

クロウ・クルワッハから有り得ない感触が手から伝わった。

思わずベッドから起き上がって、クロウ・クルワッハの姿を凝視して見たら・・・・・。

 

「くくく・・・・・どうだ?いい肌触りであろう」

 

健康そうな肌。黒と金が入り混じった髪が何時の間にか腰にまで伸びていて、男付きの顔が、

何故か女のような顔になっていて・・・・・胸の方を見たら・・・・・。

男の体にあるはずのないものが物凄く自己主張していた。

あいつは口の端を吊り上げて満足そうに笑みを浮かべていた。

 

「なっ・・・!なっ・・・・・!?お、お前・・・・・!どうして・・・・・っ!?」

 

「ドラゴンは姓別など関係ない。だから、俺も試しに女になってみたのだ。

そしたら中々どうして、男よりも軽く力も大して変わらないじゃないか」

 

面白そうに笑みを浮かべるクロウ・クルワッハ。

いやいや、ちょっと待てよ!?今まで女になろうとしなかったのにどうして急になったんだよ!?

 

「お前を驚かそうと思ってな」

 

「確信犯かよ!?つーか、人の心を読むな!」

 

「ふふっ、これから俺はこの姿でいよう」

 

クロウ・クルワッハは俺の首に腕を回してきた。

 

「グレートレッドの驚く表情を見るのも悪くはない。このまま夜を過ごそうではないか」

 

「―――――っ」

 

腕だけじゃなく、足までも腰に絡ませて来て、完全に俺の動きを封じてきた。

そして、有ろうことかクロウ・クルワッハは瞑目してスヤスヤと寝だした。

 

「・・・・・俺、明日、生きているかな?」

 

『『主・・・・・頑張って』』

 

・・・・・うん、僕、頑張るよ・・・・・。諦めて俺はこの状態で寝ることになった。

 

―――駒王学園

 

「・・・・・一誠・・・・・?」

 

「・・・・・なんだ」

 

「・・・・・凄く、どうしたの・・・・・?かなりやつれているけど」

 

ゲッソリとした俺の顔を見て和樹が物凄く心配そうな顔で覗き込んでくる。

他の皆もそんな感じで見ている。

 

「家の事情で・・・・・悪い。それ以上は言えない」

 

「そ、そう・・・・・」

 

「あの、これ、飲みます?元気ドリンクですよ?」

 

龍牙が一つの瓶を見せてくれた。コクリと頷いて、瓶を受け取った。

蓋を開けて、中身を飲み干す。

 

「・・・・・ありがとう、マシになった」

 

ふぅ・・・・・と、溜息を吐くと段々眠くなってきた。

 

「悪い、俺、寝るわ」

 

「なら、保健室で寝るといい。運んでやるぞ」

 

「あっ、私も手伝う」

 

カリンと清楚が俺の脇に腕を差しこんで立ち上がらせてくれた。

俺はおぼつかない足取りで二人に助けてもらいならが保健室へと赴いた。

 

「それにしても、お前ほどの男がどうしたらそこまで元気がなくなるのか不思議だぞ」

 

「一体、なにをしていたの?」

 

「悪い、言いたくない」

 

ゆっくりと階段を下りて、進んでいくと保健室が見えた。

扉に辿りついて清楚が開けようとしたが、

 

「あれ、鍵が掛かっている」

 

「先生はいないのか。止むを得ないな」

 

亜空間から軍杖を取り出して扉に突き出した。

短く呪文を唱えたかと思えば、ガチャリと鍵が開いた音がした。

 

「凄い・・・」

 

「こんなこと、初歩的な魔法だ。魔法を最初に習うのは大抵こんなものだぞ?」

 

できて当然と、カリンは言う。ガラリと清楚が保健室の扉を開けて中に入る。

清潔な空間に設けられた白いベッドに近づき、俺は二人によってベッドに寝かせられた。

 

「ありがとう、後は大丈夫だ。二人は戻ってくれ」

 

「いや、もうしばらくお前の様子を見る」

 

「うん、私も。なんだか一人にしたら心配になっちゃうから」

 

「・・・・・風紀委員長と委員長がいいのかよ?」

 

「「私たちのことを言うなら、さっさと治す」」

 

・・・・・はい、分かりました。思わず俺は頷いた。

すると、不意に片方の手から温もりが感じる。

 

「こうして手を握ってあげる。だから、安心して寝て」

 

「・・・・・」

 

ちょっと嬉しいな。その気持ちを現すように手を握り返した。

そして、俺は二人に見守られる中、瞑目した。

 

「(いい夢が見られそうだ)」

 

―――○●○―――

 

「・・・・・ん」

 

眩しい光に意識が戻った。いま何時だ・・・?と朧気な瞳で時計を見たら・・・・・。

 

「すぅー・・・・・すぅー・・・・・」

 

「すぅ・・・・・すぅ・・・・・」

 

耳元から寝息が聞こえた。時間より気になり、左右に視線を向けたら。

 

「清楚、カリン・・・・・?」

 

なぜか、教室に戻らず俺の手を掴んだまま俺の傍で寝息を立てていた。

 

「・・・・・一誠くん」

 

「兵藤・・・・・」

 

夢の中で俺が出ているようだ。

 

―――ガラッ。

 

保健室の扉が開いた。誰かが入ってくる足音が段々とこっちに近づいてくる。

 

「やぁ、目が覚めたようだね」

 

金髪に泣き黒子がある男子生徒が話しかけてきた。

 

「僕は木場祐斗。リアス・グレモリーさまの『騎士(ナイト)』だ」

 

「あー、お前が『騎士(ナイト)』か」

 

「知っているのかい?」

 

「知らん」

 

バッサリと切り捨てた。存在は知っているが、人物は知らん。

 

「それじゃ、起きたところで僕と一緒に来てくれるかい?」

 

「なんでだ?」

 

「我が主、リアス・グレモリーさまがキミを呼んでいるからだよ」

 

「・・・・・ああ、あの話か」

 

上半身を起こして、優しく二人の手から放して一瞬の動きでベッドから降りた。

 

「ちょっと待っててくれ」

 

えっと、紙とペンは・・・・・あったあった。

サラサラと書き、清楚とカリンの手元に差し込むように置いた。

 

「ありがとうな・・・・・」

 

二人の頭を撫でて木場に視線を向ける。案内しろと、

 

「では、こちらへ」

 

「ああ」

 

さて、理由を聞かせてもらおうか、リアス・グレモリー。と、思いを抱きながら木場の後を追う。

木場の後に続きながら向かった先は、校舎の裏手だ。

どうして裏手に行くのか不思議に思い訊いた。

 

「ここ、どこに向かっている?」

 

「そう言えば、キミは編入してきたんだね。じゃあ、この場所に来るのは初めて?」

 

「そうだな。初めてだ」

 

頷いて木場の話しを聞くと、木々に囲まれた場所には旧校舎と呼ばれる、

現在使用されていない建物へ向かっているそうだ。

この学校に使用されていない場所なんてあったのか?四種交流の学校だぞ?

「ここに部長がいるんだよ。いわば、部長の根城というわけだ。

彼女の承諾なしにこの建物に入ることおろか、近づくことさえ禁じられている。

この学校の生徒、教師は誰でも知っている。

知らない人がいるとすればキミのような編入生か、転校生ぐらいだよ」

そう告げる木場。二階建て木造校舎を進み、階段を上る。更に二階の奥まで歩を進めた。

ここまで来るのは初めてだが、廊下は奇麗だ。使われていない教室も塵一つ落ちていない。

古い建物に付き物の、幾重にも張り巡らされた蜘蛛の巣や積もったホコリも今のところ

目にしていない。掃除はマメにしているようだ。

そうこうしているうちに目的の場所に着いたようだ。

木場の足が、とある教室の前で止まる。俺は戸にかけられたプレートを見た。

『オカルト研究部』

オカルト研究部?悪魔が?オカルト? そもそもオカルトなんて部活はあったのか?

個人の趣味なのか?脳裏でごっちゃ混ぜで考えていると、

「・・・・・・僕がここまで来て初めて気配に気付くなんて」とか言っていた。

ああ・・・・・この気配か?

 

「百メートルあたりから何となく感じていたぞ。

この気配、シルヴィアだろ?というか、入ろうぜ」

 

俺はそう言いながらノックもせずに開け放って中に入る。

が、何故か張り詰めた空気になっていた。

室内には機嫌が悪いリアス・グレモリーとクールな様相は相変わらずのメイド服を

着こんでいる銀髪のメイドのシルヴィア、笑っているが冷たいオーラを漂わせている姫島朱乃、

白い髪に小柄の女子生徒は部屋の隅で椅子に静かに座っていた。

できるだけ部屋にいる者たちと関わりたくないって感じで隅で椅子に

静かに座っていた。他には二度も堕天使に襲われている男子生徒と、金髪碧眼の女子生徒がいた。

 

「さて、昨日の件について聞かせてもらおうか?露出狂の痴女、リアス・グレモリー先輩よ」

 

「だから私は露出狂でもないし痴女ではないわ!分かってて言っているでしょう貴方は!?」

 

「うん、その通り」

 

「くっ・・・・・!」

 

さらに機嫌が悪くなった。だが、溜息を吐いて気分を落ち着かせてメンバーの一人一人を

確認すると、口を開く。

 

「全員揃ったわね。では、部活をする前に少し話があるの。彼も関わしちゃったから

聞く権利もあるしね」

 

「お嬢さま、私がお話ししましょうか?」

 

リアス・グレモリーはシルヴィアの申し出をいらないと手を振っていなす。

 

「実はね―――――」

 

グレモリーが口を開いた瞬間だった。床に描かれている魔方陣に紋様が光りだした。

そして、最初とは違う知らぬ形へ姿を変えた。

 

「―――フェニックス」

 

そう口から漏らした木場。フェニックス?と、思っていると室内を眩い光が覆い、

魔方陣から人影が姿を現す。

 

ボワッ!

 

魔法陣から炎が巻き起こり、室内を熱気が包み込む。あまりの熱さに火事に成りかねないと

判断して、炎が巻き起こる何もない空間の真上に穴を拡げて大量の水を出して炎を消した。

 

「「「「「「「・・・・・」」」」」」」

 

「消火完了っと」

 

「今の貴方の仕業なの!?」

 

「火事に成りそうだったから火を消しただけだ」

 

指を鳴らして濡れた部室を濡れる前の部室に戻したら。

床に倒れている男がいた。・・・・・誰だ?

 

「そこにぶっ倒れている奴は誰だ?」

 

「この方はライザー・フェニックスさま。純潔の上級悪魔であり、古い家柄を持つ

フェニックス家の三男であらせられグレモリー家次期当主のリアスお嬢様の婿殿でも

あらせられます」

 

大物の悪魔ってことか。というか、普通に説明してくれたけど、フォローとかなにもしないのか?

 

「紹介をどうもありがとう。首は大丈夫か?」

 

「お気遣いをどうも。何ともございません」

 

「そっか、殺すつもりで締めたんだがまだ弱かったようだな」

 

「・・・・・」

 

唇の端を吊り上げてシルヴィアに笑うと、シルヴィアは口を閉ざして黙った。

その眼差しは俺に危険視を向けてな。っと、このままじゃ話が進まないな

 

「おい、木端悪魔。何時まで寝ているんだよ」

 

ドガッ!

 

「ぐほっ!?」

 

わき腹を蹴って壁に叩きつけると、その際に生じた痛みに意識が戻った様子だった。

 

「っ・・・・俺を蹴ったのはお前か・・・・・っ!」

 

「黙れよ、お前はこの部室を燃やしに来たのかよ?用件をさっさと済ませて帰りやがれ

木端悪魔」

 

「純潔の血を流し上級悪魔の俺に木端悪魔だと!?貴様、俺が誰だか知らないようだなぁ!」

 

「元72柱のフェニックス家だろう?名前と三男坊とは知らなかったけどな」

 

「ふん!俺の名前を知らないとは下僕悪魔らしいな」

 

「おいこら、言っておくが俺はリアス・グレモリーの眷属悪魔じゃなきゃ悪魔でもない。

ただの人間だ。それも悪魔が嫌いな人間だ」

 

「人間だと・・・・・?」

 

「ああ、そうだよ。それと、シルヴィアの説明を聞いて昨日の夜、俺の部屋に

不法侵入した理由とリアス・グレモリーの必死さが納得した。

リアス・グレモリーはこいつとの婚約を

嫌がっていた訳だな?」

 

「ええ、貴方の言う通りよ。良く理解できたわね?」

 

「なんとなくな。で、大方な話だ。

純潔同士の強引な婚約にリアス・グレモリーが反発しているんだろう?

現在、冥界に住む悪魔の数は先の戦争で純潔悪魔が激減して他の勢力より劣っているし

血を絶やさないためにも

グレモリー家とフェニックス家の現当主同士がリアス・グレモリーの想いを無視して決めた。

違うか?」

 

「・・・・・貴方がそこまで理解しているなんて思いもしませんでした」

 

シルヴィアから称賛の言葉が送られた。俺はグレモリーとライザーを交互見て口を開いた。

 

「リアス・グレモリー、どうせこいつとの婚約は絶対に嫌なんだろう?」

 

「絶対に嫌」

 

「だけど悪魔、それも純潔の悪魔を絶やさないためにも政略結婚の話が上がっている。

そうなんだろう?木端悪魔」

 

「・・・・・」

 

ライザー・フェニックスは無言で答えた。沈黙は是也、両者の意見は対立しているということか。

次に俺はシルヴィアを見る。

 

「おい、どうせ両家の親がこうなる事を予想しているハズだから何か最終手段でも

用意しているんじゃないのか?」

 

「・・・・・貴方は本当に何もかもお見通しなのですね。はい、その通りです。

こうなることは、旦那さまもサーゼクスさまもフェニックス家の方々も重々承知でした。

正直申し上げますとこれが最後の話し合いの場だったのです。これで決着がつかない

場合の事を皆さま方は予測し、最終手段を取り入れることとしました」

 

「最終手段?どういうこと、シルヴィア」

 

「お嬢さま、御自分の意思を押し通すのでしたら、ライザーさまと『RG(レーティングゲーム)』にて決着を

付けるのはいかがでしょうか?」

 

RG(レーティングゲーム)』と来たか。あの体育の授業でケリを着けさせることか。

 

「お嬢さまも御存じの通り、本来人間界の『RG(レーティングゲーム)』と

冥界での公式な『RG(レーティングゲーム)』は違い、成熟した悪魔しか参加できません。

しかし、非公式の純潔悪魔同士のゲームならば半人前の悪魔でも参加できます。

この場合、多くが――――――」

 

「身内同士、または御家同士のいがみ合いよね」

 

シルヴィアの言葉を嘆息しながらグレモリーが続けた。

 

「つまり、お父さま方は私が拒否した時の事を考えて、最終的にゲームで今回の婚約を

決めようってハラなのね?・・・・・どこまで私の生き方をいじれば

気が済むのかしら・・・・・っ!」

 

おー、イラついているなリアス・グレモリー。

 

「では、お嬢さまはゲームも拒否すると?」

 

「いえ、まさか、こんな好機はないわ。いいわよ。ゲームで決着をつけましょう、ライザー」

 

挑戦的なリアス・グレモリーの物言いにライザーは口元をにやける。

 

「へー、受けちゃうのか。俺は構わない。ただ、俺は既に成熟しているし、公式のゲームも

何度かやっている。いまのところ勝ち星の方が多い。それでもやるのか、リアス?」

 

ライザーはさらに挑戦的な態度でリアス・グレモリーに返す。

対して彼女は勝気な笑みを浮かべた。

 

「舐めないでくれるかしら。私はこの学園を三年間も過ごしているのよ。

RG(レーティングゲーム)』は何度もした。体験も経験もしてきた。

だから、あなたを勝てることだって不可能じゃない。

―――やるわ。ライザー、貴方を消し飛ばしてあげる!」

 

「いいだろう。そちらが勝てば好きにすれば良い。俺が勝てばリアスは俺と即結婚して貰う」

 

売り言葉買い言葉。睨む合う両者。激しい眼光をぶつけ合っている。

 

「承知いたしました。お二人のご意思は私シルヴィアが確認させていただきました。

ご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮を執らせてもらいます。よろしいですね?」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

シルヴィアの問いに二人は了承した。

 

「わりましたでは。ご両家の皆さんには私からお伝えます」

 

確認したシルヴィアはペコリ頭を下げた。すると、ライザーは俺・・・・・いや、

俺の後ろにいる存在に向けて嘲笑の笑みを浮かべた。

 

「なぁ、リアス。まさか、ここにいる面子がキミの下僕たちか?そこの人間を除いてだ」

 

「だとしたらどうなの?」

 

リアス・グレモリーの答えにライザーはクククと面白可笑しそうに笑いだした。

 

「これじゃあ、話にならないか?人数が少ない上にキミの『女王(クイーン)』である

『雷の巫女』ぐらいしか俺の可愛い下僕にと対抗できそうにないな」

 

そう言いながら、ライザーが指をパチンと鳴らすと、部屋の魔方陣が光り出す。紋様は

 

ライザーが出てきた時と同様のフェニックスの魔方陣で炎が巻き起こりながら室内は

また熱気に包まれた。指をパチンと鳴らすとまた何もない空間に穴が生じて大量の水が流れ出て

巻き起こる炎を消火した。

 

「・・・・・お前、あんな感じで俺の火を消したのか?」

 

「火を消さないと火事になるだろうが」

 

再び指を鳴らすと穴が閉じて濡れる前の部室に戻した。そして、ライザーと同じ様に

ぶっ倒れている十五人の女。って、女しかいないのかよ?バランスがねぇ・・・・・。

 

「にしても、数が多いな。リアス・グレモリーの眷属の方が少ないじゃないか」

 

そう呟いているとライザーの眷属達がムクリと起き上がった。

俺はずぶ濡れの状態で現れたライザーの眷属に嘲笑う。

 

「マヌケな登場だな」

 

「なっ!今のは貴方の仕業でしょう!?不意打ちも良い所ですわ!」

 

金髪にツインの縦ロールの少女が俺に指を差して抗議してきた。他の奴等もウンウンと頷いて

少女の言葉に同感だと仕草する。

 

「ははは、うん、悪いとは思っていない」

 

「とんでもなく失礼な殿方ですね!」

 

「だって俺は悪魔が嫌いなんだから当然だ」

 

何気なく。後ろに振り返ると―――――男子生徒が涙を流していた。

えっ、なに?どうして泣いているんだ?

 

「お、おい、リアス・・・・・。この下僕くん、俺を見て大号泣しているんだが」

 

「その子の夢がハーレムなの。きっと、ライザーの下僕悪魔たちを見て感動したんだと思うわ」

 

困り顔で額に手を当ててため息混じりで呟いたリアス・グレモリー。

あー、そう言う事か。こいつ、無類の女好きなんだな・・・・・。

 

「きもーい」

 

「ライザーさまー、このヒト、気持ち悪ーい」

 

あいつの眷属悪魔が成神を見て心底気持ち悪そうにしていた。ああ、気持ちは分かるぞ。

 

「そう言うな、俺の可愛いお前たち。上級階級の者を羨望の眼差しで見てくるのは

下賤な輩の常さ。あいつ等に俺とおまえたちが熱々なところを見せ付けてやろう」

 

「それこそ気持ち悪いから止めてくれないか?そう言うのは人がいないところでやってくれ」

 

俺が呆れて言うがあいつは俺の言葉を無視して自分の眷属とキスをし始める。こいつ、

殺して良いか?とリアス・グレモリーに視線を向けるが首を左右に振られた。

そっか、残念だ・・・・・。

 

「おまえじゃ、こんなこと一生できまい。下僕悪魔くん」

 

「俺が思っていること、そのまんま言うな!ちくしょう!『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』!」

 

ん、ブーステッド・ギア?男子生徒の左籠手を見ればドラゴンの紋様が刻まれた赤い籠手だった。

なんだ、あの籠手は・・・・・。俺のとは違うな・・・・・。

 

『ほう―――よもや、ここで珍しい奴と出会うとは』

 

クロウ・クルワッハ?どうした、お前から興味を持つなんて珍しいじゃないか。

 

『当然だ、兵藤一誠。あの籠手に宿っているものはな。

真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)グレートレッド、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)オーフィスを除けば、

最強の龍と称されている二天龍、赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)ドライグ。

赤い龍帝と恐れ戦かれていた天龍の一匹だ。神滅具(ロンギヌス)の一つでもあるぞ、あの籠手は』

 

―――っ。神滅具(ロンギヌス)。俺の他にも神滅具(ロンギヌス)を宿している奴がこの学校にいたのか。

 

「おまえみたいな女ったらしと部長は不釣合いだ!」

 

「は?お前、その女ったらしの俺に憧れているんだろう?」

 

その指摘に男子生徒は言葉を詰まらした。図星か。

 

「うっ、うるせぇ!それと部長の事は別だ!

そんな調子じゃ、部長と結婚した後も他の女の子とイチャイチャしまくるんだろう!?」

 

「英雄、色を好む。確か、人間界の諺だよな」

 

「何が英雄だ!お前なんか、ただの種まき鳥野郎じゃねぇか!火の鳥フェニックス?ハハハ!

まさに焼き鳥だぜ!」

 

・・・・・面白いな、それ。炎を纏う鳥。炎に焼かれている鳥。焼き鳥・・・・・くっ、

受ける。男子生徒の挑発にライザーは憤怒の表情へと変貌する。

 

「焼き鳥!?こ、この下僕悪魔がぁぁぁ!調子こきやがって!上級悪魔に対して態度が

なってねぇぜ!リアス、下僕の教育はどうなってんだ!?」

 

リアス・グレモリーは「知るか」と言わんばかりにフンとそっぽ向くだけだ。

 

「焼き鳥野郎!てめぇなんざ、俺のブーステッド・ギアでぶっ倒してやる!」

 

左籠手を見せびらかして男子生徒は啖呵を切った。

 

「ゲームなんざ必要ねぇさ!俺がこの場で全員倒してやらぁ!」

 

『Boost!』

 

赤い籠手に嵌められている緑の宝玉から音声が発せられた。

同時にあいつの力が倍になった感じがした。力が倍増する能力か・・・・・?

 

「ミラ。やれ」

 

「はい、ライザーさま」

 

ライザーが一人の下僕悪魔に命令をした。小猫と同じぐらい小柄で童顔な少女。武道家が

使いそうな長い棍を取り出し、クルクルと器用に回したあと、男子生徒に構えた。

二人を見ると男子生徒がボーとして目の前の少女を見詰めていた。

その隙にライザーの下僕悪魔が動き出したが、あいつは気付きもしない。

 

「ちょっと待ってくれるか?」

 

「っ!?」

 

「・・・・・はっ?」

 

突き出された棍を受け止めて防ぐ。ミラとかいう少女は目を見開いて俺の顔を見詰める。

 

「い、何時の間に・・・・・?」

 

「速い・・・・・」

 

周りが俺の動きに唖然とした。おいおい、マジかよ・・・・・。まあ、それよりも・・・・・。

 

「おい、お前。その籠手を見せてくれ」

 

「はっ?なんなんだよ。お前・・・・・」

 

「物凄く興味があるんだよ。―――さて、反応するかな?」

 

赤い籠手に埋め込まれている緑の宝玉に触れて見た。

 

「・・・・・へぇ、お前がドライグか」

 

意識を神器(セイクリッド・ギア)の深奥にまで落とせば、

巨大な赤い龍がいた。向こうは俺たちの存在に驚いている。

 

『バカな・・・・・どうしてここにいる』

 

「俺のことか?それともこいつらのことか?」

 

俺の背後にいる数匹のドラゴンたち。ガイアはいない。

次元の狭間で優雅に泳いでいる頃だからな。

 

『・・・・・両方だ。それに滅ぼされていると訊いたはずのドラゴンたちがなぜ、

お前と共にいる』

 

「俺の闇を気に入っているからだ」

 

闇・・・・・?と赤い龍、ドライグが怪訝に問うた。

 

「そう言えば名乗っていないな。初めまして、俺は兵藤一誠だ。よろしくな」

 

『―――兵藤・・・・・だと?』

 

ん?なんか、知っているような言い方だな。

ドライグはジッと俺を睨むように凝視すると何か勝手に納得しやがった。

 

『そうか・・・・・皮肉なものだな。

俺を、俺たち二天龍を封印した人間の者がこうして俺の前に現れるとはな』

 

「・・・・・どういうことだ?兵藤がお前を封印したなんて・・・・・」

 

『・・・・・知らない?いや、知らされていないのか。それとも、故意に正体を隠しているのか』

 

「おい、なんだよ。兵藤が隠しているって」

 

『俺が知っているのは遥か太古の前の事だ。お前が知るべき真実は今だ』

 

だからなんだよ、それはよ!?兵藤が一体なにをしたんだよ!?

父さんと母さんが何かしたってのか!?

 

『知りたければ、同じ名を持つ兵藤を探せ。魔王と神、堕天使の総督が知っているだろう』

 

・・・・・あの人たちか。そう思った直後、誰かに叩かれる感触がした。

意識を戻せば、リアス・グレモリーが俺の顔を覗き込んでいた。

 

「イッセー。あなた・・・・・何をしていたの?」

 

「・・・・・赤い龍帝と会ってきただけだ」

 

「えっ・・・・・?」

 

それだけ言って俺は男子生徒に行った。

 

「俺が防いでいなかったらお前は確実に負けていたぞ」

 

「なっ!?そんな事ない!俺があんなちっちゃい女の子に負けるかよ!」

 

「ろくに戦ったことすらないのにどうやって戦える?それにお前自身、

つまり身体能力と実戦の経験の差がお前とこいつの勝敗が決まるんだ」

 

「だったらお前は倒せるのかよ!?」

 

憤怒の表情を浮かべて俺に問い出してきた。当り前だろう。何を言っているんだこいつは。

 

「おい、俺に攻撃してこい」

 

「・・・・・」

 

棍を手放して掛かってこいと手を振るう。少女はライザーに一瞥すると「やってやれ」とした

態度で攻撃の許可が下された。許可をもらってミラと言う少女は棍を構えた。

 

「ふっ!」

 

鋭く突き出される棍。俺にとってはスローモーションの速度で見るような突き出される棍だった。

 

「遅い」

 

「・・・・・えっ?」

 

次に少女が言葉を漏らした時は既に部屋の天井にぶつかった後からだった。そして、

重力に逆らえず床に落ちてくるがタイミングを計って落ちてきた少女を密集している

眷属悪魔たちの方へ蹴りだした。

 

ドオオオオオオオオオンッ!

 

物凄いで自分たちに飛んでくる味方を受け止める態勢どころか避ける仕草もしないまま

ライザーの眷属悪魔たちは巻き込まれて壁にぶつかった。

証拠とばかり、ライザーの眷属悪魔たちに指を差した。

 

「ほら、全員を倒してやったぞ。こんなこと、お前はできるのか?」

 

「・・・・・・っ」

 

握り拳を作るだけで何も言ってこなかった。だが、代わりに言う奴がいた。

 

「貴様ぁああああああああっ!」

 

ライザーだった。自分の眷属悪魔が傷つけられて怒ったのか、背中に炎の翼を展開した。

―――でも、

 

「ライザーさま、落ち着いてください。

これ以上やるのでしたら、私も黙って見ている訳にもいかなくなります。

私はサーゼクスさまの名誉のためにも遠慮などしないつもりです」

 

シルヴィアが静かで迫力ある言葉を口にするとライザーは表情を強張らせた。

 

「だが、あいつは他の下僕たちまで攻撃をし、傷つけたんだぞ!」

 

「ですが、ライザーさまが攻撃の指示を出しました」

 

「ぐっ・・・・・!」

 

「ライザーさまは自分の眷属も攻撃される事を承知で命令を下したハズです。

それにあなたの他の眷属はどんな攻撃でも対処できたはずです。

それは自分にまで攻撃を巻き込まれることがあっても。違いますか?」

 

確認するようにシルヴィアはライザーに問いかける。正論を言われてライザーは

何も言えず、ただ俺を睨む事しか出来ないでいる。不意に俺は脳裏で思い付いた。

 

「シルヴィア、ちょっと良いか?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

 

「『RG(レーティングゲーム)』に経験豊富なライザーとその眷属と

まだ『RG(レーティングゲーム)』が未経験の一部の眷属じゃどうしても二人の差が出てしまうよな?」

 

「・・・・・」

 

沈黙は是成りだぞ?俺は続けて口を開く。

 

「そこで、リアス・グレモリーたちに・・・・・そうだな、十日間の期間の猶予を与えてその間に

リアス。グレモリー眷属は修行でも鍛練でも今以上の力を付けてライザーとゲームした方が

良いんじゃないか?お前はどうだ、ライザー。力が発揮できないままのグレモリーたちと

戦ってもつまらないだろう?」

 

「・・・・・お前にはムカつくが確かにその通りだな。いくら強かろうと、初戦で力を

思う存分に出せず負けた奴等を俺は何度も見た事もある」

 

「なら、決まりだな」

 

「だが、十日間の期間を与える代わりに条件がある」

 

条件か・・・・・なんだ?

 

「人間、お前も『RG(レーティングゲーム)』に参加しろ!それなら十日間の期間を許してやる!」

 

「・・・・・えっと、それは本気で言っているのか?俺が参加して仮に勝ったらお前、

リアス・グレモリーと即結婚はできなくなると思うぞ?」

 

「はっ!俺が負けるとでも思ったらそれは思い上がりも良いところだ!

俺はフェニックス、不死鳥だ!高が人間にこの俺が負けるかよ!」

 

「・・・・・そこまで言うのなら分かった。俺も『RG(レーティングゲーム)』に参加しよう」

 

溜息を吐いてライザーの条件を呑んだ。ライザーは俺を睨みながら魔方陣を展開して

炎を巻き起こし包まれながら自分の眷属たちと共にこの場から消えた。あいつ等が

いなくなって一拍、シルヴィアに顔を向けて言葉を発した。

 

「非公式でも俺が出て良いのか?」

 

「公式ではないので大丈夫でしょう。それでもグレーゾンですが」

 

「んー、でも、俺が倒したらグレモリーたち自身がライザーを倒した事にならないから

女王(クイーン)』の駒以下の奴等としか戦わないでおく。

仮にライザーと『女王(クイーン)』に攻撃されたら迎撃する。倒さずにな」

 

「それが賢明な選択だと私はそう思います」

 

「ん、それじゃあ、そう言う設定でお願いな」

 

「分かりました」

 

ペコリと頭を下げる。

 

「それじゃ、十日間の間はお前等の修業期間だ。しっかりと強くなれよ?グレモリー眷属」

 

不敵の笑みを浮かべて俺はリアス・グレモリーたちに向かって言い放った。

十日後が楽しみだなぁ。

 


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