「知らないてんじょ「そーやームニャムニャ…」だぁぁぁああ!?」
朝起きたら村紗が布団の中にいました。何故に……とりあえず起きないと恐ろしいことになる気がする。僕は身体を起こそうとするが……
(ガッチリホールドされてるじゃないですかーやだー!)
めちゃくちゃ強い力でホールドされている。普通に抜けようとしても絶対に出られそうにない。どうしよう?
1.起こす。
2.能力使う。
3.起きるの待つ。
1…なんか気持ち良さそうに寝てるのに起こすのは可哀想だな。2…この程度にことに能力を使ってどうするんだよ。うん。怖いけど3が一番かな。よし、僕の選択はさ…
「想也さん?村紗?朝ですよ……」
「………あっはっは。」
はいデジャブ。わかってましたよ、そんなこと。これ、終わったな。いや、でも希望を捨てちゃ駄目だ!まだだ…まだ終わらんよ!
「違いますよ聖さん。僕は何もしていません。朝起きたら村紗が何故か布団の中にいたんです。決してそういうことがあったわけでは無いんです。お願いします信じて下さい。」
「………村紗に聞けばわかります。」
くっ!全ては村紗に託されてしまったのか!……大丈夫、大丈夫。きっと村紗なら真実を言ってくれる筈だ。そう思いながら村紗を起こす。頼む!
「村紗。起きて。」
「んー?あ、おはよう想也…あれ?どうしたの聖ー?」
「………何故想也さんと同じ布団にいるのですか?」
村紗に問う聖さん。この村紗の返答により僕の運命が決まると言っても過言ではない。僕が村紗がまともな回答をすることを願っていると、村紗はニヤリと笑った。悪い顔である。
………僕\(^ο^)/オワタ
「それにしても想也!昨日は(戦闘が)激しかったね~♪でも想也の(料理)美味しかったよ♪」
凍り付く空気。固まる僕と聖さん。こいつ、やりやがった。わざと誤解されるような言い方をしやがった。しかも頬を赤らめて言ってやがる。なんなんだこの演技力。無駄以外の何者でもない。ていうかやばい!村紗に文句言ってる暇はない!聖さんをどうにかしないと………
ガンッ!
と、聖さんの方を向いた瞬間音がなった。襖的な物が壊れている。やばいこれやばい、なんか黒いオーラが出てる。鬼神が見える。対話を試みるが…
「あの…」
「誘ったのは誰ですか村紗」
「うふふー♪想也が急に押し倒して来たのー♪」
「ちょ、」
やばいやばいやばいやばい!これはやばい!何言ってるんた村紗は!終わってる!これ終わってるよ!詰みだよ!
「ちょ、聖さ、待って「想也さん」ひゃいっ!」
駄目だこれ駄目だ!話を聞いてくれない!
「村紗の言ったことは本当ですか。」
「違いますっ!」
「早く吐かないといいことがありませんよ?」
ここに来て僕は状況が詰んでいることを知る。逃げれない、話は聞いてくれない。この状況を打破する方法は無いのか!ぐぅぅぅ思い付かない!
「ではさようなら想也さん。」
「ちょ、まじで待ってくださそげぶっ!!??」
……あとで能力を使えばよかったことに気がついた時は絶望しました。
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「すいません!すいません!村紗はしっかりと叱っておきました!本当にすいません!」
「いえ…別に…全ては村紗のせいですし…あんなこと聞いたら誰だって誤解しますよきっと…」
なんやかんやで誤解が解けたらしく、僕が目を覚ましたらすぐに聖さんが謝ってきた。うん、僕も後で村紗に説教しよう。初めてですよ…僕をここまで馬鹿にしたお馬鹿さんは……今の時間は既に夕方、ご飯を食べる時間帯とのこと。どれだけ寝てんだ僕。とりあえずご飯を食べながら村紗を呼んでもらうことにする。
そしてすぐさま来る村紗。ちょっとしょんぼりしている。聖さんに怒られたからかな。まぁ僕からも言わせてもらおう、色々と。
「いい?村紗。そもそも君は昨日から布団を隠したりするよくわからない作戦を実行してたし……~中略~……すること。わかった?」
「はい、ごめんなさい…」
たっぷり30分説教してやりました。でも流石に叱りすぎたかな。なんか泣きそうになってる。これはこれでやばい。フォローしとこう。
「えっと、ごめん。言い過ぎたね。だからそんな泣きそうな顔しないで。これから気をつければいいだけだから。ほら、元気にいこう?」
「………うん。これから気をつけるよ!」
ほ。なんとか元気になったようだ。僕の人を慰めるスキルが役にたったぜ。なんか昔から慰めるの得意なんだよね。意外と役立つものだ。
「じゃあ、そろそろ眠る時間だね。お休み村紗。」
「うんっ!お休み!」
そんなこんなで村紗と別れる僕。さぁ、雲居さんの部屋へGOだ!
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「雲居さーん、入りますよー。」
「どうぞ。」
返事を聞いてから入る。こういうのは礼儀だ。皆も部屋に入る時はノックをしよう。僕とのお約束だよ。……誰と約束してるんだ。
視界に映るのはごく普通の寝室。雲居さんも割と常識的な人だから好感が持てる。雲山さんのキャラが濃すぎて、影が薄いとか言われそうだけど。
「どうも。今日は此処に泊めてもらいますね。」
「ええ。そんなに敬語とかでなくてもいいわよ、雲山も貴方のこと気に入ってるようだし。」
「わかったよ。えっと…一輪でいいかな?雲山も。」
「ええ。」
軽い会話を済ませ、布団に入り込む。村紗の時のようなことは真面目な一輪では起こる筈が無いし(完全にフラグのような台詞だ)、安心して眠ることができる。
「お休み、一輪。」
「ええ、お休み。」
と、命蓮寺2日目が終了したのだった。