「寝過ごしたぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!」
朝起きたつもりが、もう夕方6時頃でした!…………え?嘘だ。え。
ヤバい! 早く歯を磨いて顔を洗って……そんなことしてる場合か!
急いで身支度を整えて輝夜の屋敷の前に瞬間移動する。
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………あいつ、何やってんのよ。もう月からの迎えが遠目に見えてるのに…!ふざけないでほしいわよ。しかも帝が兵をつけるし求婚者も私を守るとか言ってるし…正直計画的には邪魔なのよ。
どっか行ってほしいわ。
「来たぞ!姫をお守りしろ!」
愚痴を言ってたら来てしまったらしい。本当、想也は何してんのよ!
月の迎えの船から永琳が出てきた。永琳は私に話し掛ける。
「姫様、さぁ月に帰りましょう。」
勿論演技だ。私が合図すると同時に弓で奴らを攻撃する。
「………今よ、永琳!」
「はい!」
合図と同時に弓を構え、矢を射る永琳。月の奴らの頭にクリーンヒットした。
「今のうちに…」
と私達が逃げようとしたその時、月の奴らのリーダーであろう奴が。
「怯むな!撃て!」
と言って私達に月の兵器を向け、撃った。私と永琳は衝撃に備えて目を瞑る……!
しかし何時になっても衝撃はこない。
恐る恐る目を開けると、そこには案の定………
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僕が着いた時には輝夜と永琳に月の兵器が向けられていた。急いで輝夜と永琳の元へ行き、防御特化スペル(ぽいもの)を発動させる。
「反射『リフレクトソード』!」
これはまぁ名前通りのスペル。【剣が攻撃を反射しない事実】を反対にして剣で攻撃を反射させるだけ。
「………随分と遅い登場だこと。」
「あはは。ヒーローは遅れて来るものだよ。本当は寝過ごしただけだけど。」
「馬鹿じゃないの?」
輝夜と軽い漫才をしてから永琳の方を向く。
「………想也、よね…?」
「うん。僕は黒橋想也。今も変わらず永琳の助手兼実験台さ。久しぶり、永琳!」
「………久しぶり!想也!」
「…………我々を放っておかれては困るな。」
おっと、そういえば戦闘中だったね。再開を喜ぶ時間はないか。
「とりあえず、二人を逃がすよ。輝夜、紫がいると思うから着いていって。僕もあとから向かう。」
「了解よ。さっさと終わらせて来なさい。」
「おけ。じゃ、飛ばすよ。」
と言って、僕は二人を瞬間移動で紫の元へ飛ばす。さーて。
「………貴様は何者なのだ。」
「わっはっは。君達が月に行くときに妖怪達を命懸けで足止めした黒橋想也君だよ。知ってる?」
「貴様が黒橋想也だと?くっ、姫様は月に帰らせる!お前ら、やれ!」
「何をしても僕は死なない……!?止め…」
次の瞬間、
奴らは、非道にも帝の兵や求婚者達をめちゃくちゃに攻撃した。
「な…」
「次はお前だ!殺れ!」
月の奴らが僕に兵器を向ける。………無駄だ。
【兵器があるという事実】を反対にする。
「な!?へ、兵器は何処に!?」
「うるさいよ。関係無い人まで殺しやがってさ。ところで君らって妖怪はいてはいけない存在とか言ってた気がするけどさぁ。僕は妖怪の友達がたっくさんいるんだよ。その友達は無闇やたらに人を殺したりはしないよ。だけど君らは妖怪でも何でもないただの人間を殺したんだ。君達の方がよっぽど、いてはいけない奴らだと思うんだぁ。どう思う?」
「よ、妖怪は悪だ!我らは…「聞いた僕が馬鹿だった。」ぐぅ!?」
これ以上無く、僕はキレている。あいつらはまだ何もしていない人達を殺したんだ。
あの人達と同じ苦しみを味わえ。
「【君達が今から苦しんで死なないという事実】を反対にした。」
「ぐ、!?ぁあ!く、黒橋ぃいいいい!!!」
「さようなら、皆さん。」
そして僕は、初めて人を殺した。気分が悪いからもう殺すつもりはないけど。てか、殺したくない。どこぞの殺さない殺人鬼のようにね。